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審決分類 |
審判 全部申立て 登録を維持 W2535 審判 全部申立て 登録を維持 W2535 審判 全部申立て 登録を維持 W2535 審判 全部申立て 登録を維持 W2535 審判 全部申立て 登録を維持 W2535 |
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管理番号 | 1367186 |
異議申立番号 | 異議2020-900148 |
総通号数 | 251 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標決定公報 |
発行日 | 2020-11-27 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2020-05-28 |
確定日 | 2020-10-13 |
異議申立件数 | 1 |
事件の表示 | 登録第6234482号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて,次のとおり決定する。 |
結論 | 登録第6234482号商標の商標登録を維持する。 |
理由 |
第1 本件商標 本件登録第6234482号商標(以下「本件商標」という。)は,「BACK BONE」の欧文字と「バックボーン」の片仮名とを上下二段に横書きしてなり,平成31年4月19日に登録出願,第25類「被服,ガーター,靴下留め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物,仮装用衣服,運動用特殊靴,運動用特殊衣服」及び第35類に属する願書に記載のとおりの役務を指定商品及び指定役務として,令和2年2月20日に登録査定され,同年3月10日に設定登録されたものである。 第2 引用商標 登録異議申立人(以下「申立人」という。)が,登録異議の申立ての理由に該当するとして引用する商標は,次のとおりである。 1 申立人が,本件商標は,商標法第4条第1項第11号に該当するとして引用する登録第4968304号商標(以下「引用商標1」という。)は,「BACK BONE THE VINTAGE」の欧文字と「バックボーン ザ ヴィンテージ」の片仮名とを上下二段に横書きしてなり,平成18年1月13日に登録出願,第25類「被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物,仮装用衣服」を指定商品として,同年7月7日に設定登録され,現に有効に存続しているものである。 2 申立人が,本件商標は,商標法第4条第1項第10号に該当するとして引用する商標は「BACKBONE」の欧文字からなり(以下「引用商標2」という。),申立人の業務に係る商品「被服,履物」に使用するものである。 第3 登録異議の申立ての理由 申立人は,本件商標は商標法第4条第1項第10号及び同項第11号に該当するものであるから,同法第43条の2第1号によって取り消されるべきものであるとして,その理由を要旨次のように述べ,証拠方法として甲第1号証ないし甲第11号証を提出した。 1 商標法第4条第1項第11号について (1)商標の類否について 本件商標は,「BACK BONE」の欧文字と,その表音と認められる「バックボーン」の片仮名とを二段に表示してなるものである。本件商標の構成中の「BACK BONE」の欧文字は,「中心,背骨」を意味する英語(甲3)であることは我が国の通常の知識を有する取引者等であれば即座に看取し得るものである。 また,本件商標の文字構成に即しては,「バックボーン」との自然称呼が生じるものである。 一方,引用商標1は,「BACK BONE THE VINTAGE」の欧文字と,その表音と認められる「バックボーン ザ ヴィンテージ」の片仮名とを二段に表示してなるものである。係る文字構成の引用商標1は,「バックボーンザヴィンテージ」のように一気に称呼することも場合によってはあり得るが,簡易・迅速な取引が求められる業界においては,「バックボーンザヴィンテージ」のように12音節とあまりに冗長に過ぎるものについて,常に全体を一気に称呼するものと考えること自体,極めて不自然であるといわざるを得ない。 一方,引用商標1を観察するに,本件商標と同様に「中心,背骨」を意味する英語「BACK BONE」と,ローマ文字「THE VINTAGE」とが組み合わされて構成されているものであることは,極めて容易に看取できるものである。 また,引用商標1の構成中,「極上の,ビンテージものの」を意味する「VINTAGE」の欧文字(甲4)は,広く商品の品質を表示するものとして多用されているものである。特に,商品「被服,ガーター,靴下留め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物,仮装用衣服,運動用特殊靴,運動用特殊衣服」を取り扱う,いわゆるアパレル業界においては,広義には「古着」を意味するものとして用いられ(甲5),狭義には「古着の中でも特に価値のある」を意味する商品の品質を意味する語として理解され,広く普通に使用されているものである(甲6)。 なお,「THE」の文字は,英語の定冠詞であり,特定の事物,事象を意味する語ではなく,後に続く語を誇称するものとして用いられることも多いものであって,かかる実情よりすれば,「THE」とともに「VINTAGE」の文字が使用されているとしても格別の意味合いを生ずるものではない。 すなわち,引用商標1の構成中「THE VINTAGE」の欧文字及び「ザビンテージ」の片仮名は,自他商品の識別標識としての機能を有する部分ではないことから,引用商標1に接する取引者等は当該文字部分を省略した「BACK BONE」の欧文字及び「バックボーン」の片仮名を要部と捉えて,「バックボーン」とのみ称呼し,また,「中心,背骨」との観念を看取して取引に当たるものと考えるのが至極自然である。 してみれば,本件商標と引用商標1とは,称呼及び観念を共通にする彼此類似の商標であると考えるのが現実の取引実情並びに通常の取引者等の注意力を勘案しても極めて妥当である。 (2)指定商品の類否について 本件商標の指定商品には第25類「被服,ガーター,靴下留め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物,仮装用衣服,運動用特殊靴,運動用特殊衣服」を含むものである(甲1)。 一方,引用商標1の指定商品も同一又は類似の「被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物,仮装用衣服」である(甲2)。 (3)まとめ 本件商標は,引用商標1と類似のものであり,その指定商品「被服,ガーター,靴下留め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物,仮装用衣服,運動用特殊靴,運動用特殊衣服」も同一又は類似のものである。 したがって,本件商標の指定商品のうち第25類「被服,ガーター,靴下留め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物,仮装用衣服,運動用特殊靴,運動用特殊衣服」について,本件商標は,商標法第4条第1項第11号に該当する。 2 商標法第4条第1項第10号について (1)申立人による取引の実情 引用商標2は,2004年(平成16年),デザイナーのO氏とプロデューサーのK氏による有限会社北原組のファッションブランドとして創設されたものであり,シリーズとして,「BACKBONE THE VINTAGE」,「BACKBONE THE BASIC」,「BACKBONE THE CLASSIC」,「BACKBONE THE USA」等をラインナップして,北海道旭川市,帯広市,東京都渋谷区,福井県福井市,広島県広島市等において出店して精力的に製造・販売した結果,モーターサイクルやロックテイストを軸に,アメリカンカジュアルを表現すること,テクニカルファブリックから,世界中の伝統的な素材,日本開発のマテリアルなどを組み合わせて,普遍的な男らしさ,価値観を追求するプランドとして広く知られるに至ったものである(甲8,甲9)。 なお,前述のK氏は,申立人会社の役員であり(甲10,また,有限会社北原組は,引用商標1の出願人・商標権者であったが,平成28年4月25日付けにて申立人に権利を移転している(甲2の1)。 また,引用商標2は,現在では商品販売の主軸をインターネットにおき,衣料を中心に扱うオンライン通販サービスとしては最大手のZOZOTOWN等においてジーンズ,ジャケット,パンツ(被服)やプーツ(履物)等の商品のブランドとして人気を博しており周知性を継続的に維持している(甲11)。 以上の事実を勘案すると,引用商標2が,本件商標の出願前から現在に至るまで,申立人の業務に係る商品を表示するものとして需要者の間に広く認識されていることは明白な事実である。 (2)商標の類否について 引用商標2は,ローマ文字にて「BACKBONE」と表示されているものであり(甲8,甲9,甲11),「バックボーン」との自然称呼が生じ,「中心,背骨」との観念が生じるものであるから,本件商標とは同一の称呼及び観念を生じる彼此類似の商標であることはいうまでもない。 (3)指定商品と使用商品の類否について 本件商標の指定商品「被服,履物」と,引用商標2の使用商品「ジーンズ,ジャケット,パンツ(被服),ブーツ(履物)」(甲11)とが相類似の商品である。 (4)まとめ 本件商標は,引用商標2と類似のものであり,また,その指定商品中「被服,履物」も引用商標2の使用商品と同一又は類似のものである。 したがって,本件商標の指定商品のうち第25類「被服,履物」について,本件商標は,商標法第4条第1項第10号に該当する。 第4 当審の判断 1 商標法第4条第1項第11号の該当性について (1)本件商標と引用商標1との類否について ア 本件商標 本件商標は,前記第1のとおり,「BACK BONE」の欧文字と「バックボーン」の片仮名とを上下二段に横書きしてなるところ,下段の片仮名は,上段の欧文字の読みを表したものと容易に理解されるものであるから,その構成文字に相応して,「バックボーン」の称呼を生じるものであり,「背骨」(研究社 新英和中辞典)の意味を有する語であるから,「背骨」程の観念を生じるものである。 イ 引用商標1 引用商標1は,前記第2のとおり,「BACK BONE THE VINTAGE」の欧文字と「バックボーン ザ ヴィンテージ」の片仮名とを上下二段に横書きしてなるところ,下段の片仮名は,上段の欧文字の読みを表したものと容易に理解されるものであるから,その構成文字に相応して,「バックボーンザヴィンテージ」の称呼を生じるものである。 そして,引用商標1の構成中,前半の「BACK BONE」の文字は,前記(1)と同様に,「背骨」(前掲書)の意味を有する英単語であり,後半の「THE VINTAGE」部分は,「〈ぶどう酒が〉優良な。上等の。銘柄の。特定の年度の。〈製作物・文芸作品が〉最盛期の。優良な。時代ものの。」の意味を有する「VINTAGE」の英単語に,定冠詞である「THE」の英単語を冠したものであって,これらを結合した「BACK BONE THE VINTAGE」の語は,特定の意味合いを想起させるものとして一般に知られているともいえないことから,一種の造語として認識され,特定の観念は生じないものといえる。 また,引用商標1の構成文字に相応して生じる「バックボーンザヴィンテージ」の称呼も,やや冗長であるものの,よどみなく一連に称呼し得るものである。 そうすると,引用商標1は,その構成全体からは「バックボーンザヴィンテージ」の称呼のみを生じ,特定の観念は生じないものである。 ウ 本件商標と引用商標1の類否 本件商標と引用商標1とは,それぞれ上記ア及びイのとおりの構成からなるものであって,それぞれの構成態様において明らかに相違するものであるから,視覚的な印象が相違し,外観上,両者は相紛れるおそれのないものである。 そして,本件商標から生じる「バックボーン」の称呼と引用商標1から生じる「バックボーンザヴィンテージ」の称呼とを比較すると,両者は,語尾において「ザヴィンテージ」の有無という明らかな差異を有し,また,それぞれの音構成及び構成音数が相違することから,称呼上,明らかに聴別され得るものである。 さらに,本件商標からは「背骨」程の観念を生じるものであるところ,引用商標1からは特定の観念を生じないものであるから,観念上,両者は相紛れるおそれはないものである。 そうすると,本件商標と引用商標1とは,外観において明瞭に区別できるものであって,称呼において聞き誤るおそれはなく,観念において相紛れるおそれのないものであるから,これらの外観,称呼,観念等によって取引者,需要者に与える印象,記憶,連想等を総合的に考察すれば,両者は相紛れるおそれのない非類似の商標であるというのが相当である。 (2)本件商標の指定商品と引用商標1の指定商品との類否について 本件商標の指定商品及び指定役務中,第25類「被服,ガーター,靴下留め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物,仮装用衣服」と,引用商標1の指定商品は同一又は類似する商品である。 (3)小括 以上によれば,本件商標と引用商標1は非類似の商標であるから,本件商標の指定商品及び指定役務中,第25類「被服,ガーター,靴下留め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物,仮装用衣服」が,引用商標1の指定商品と同一又は類似するとしても,本件商標は,商標法第4条第1項第11号に該当しない。 2 商標法第4条第1項第10号該当性について (1)引用商標2の周知性について 申立人提出の甲各号証及び同人の主張によれば,以下の事実を認めることができる。 ア 「BACKBONE THE BASIS」は,2004年(平成16年),デザイナーのO氏とプロデューサーのK氏による有限会社北原組(のちに株式会社北原組となった)のファッションブランドとして創設されたものであり,テイストごとにさまざまな派生コレクションラインが存在していたが,現在は,「BACKBONE」ブランドに統合されている。2017年の時点で,「BACKBONE」ブランドの被服及び履物(以下「使用商品」という。)を取り扱う店舗数は,全国で28である(甲8)。 イ 申立人の株式会社エス・ディ・ワークスは,平成13年に設立され,衣料用繊維製品の製造販売及び輸出入等を行っている。申立人の取締役一覧には,「BACKBONE」ブランドのプロデューサーでもあるK氏が名を連ねている(甲10)。 かつて,株式会社北原組は,引用商標1の商標権者であったが,平成28年4月25日付けにて申立人に引用商標1の権利を移転している(甲2の1)ことから,申立人,株式会社北原組又はK氏は,経済的又は組織的に何等かの関係があるものと推認することができる。 ウ 「BACKBONE」ブランドのジーンズ,ジャケット,パンツ(被服)やブーツ(履物)等を,オンライン通販サービスのZOZOTOWNにおいて販売していることが確認できるものの(甲11),そのブランド名を付した商品の出所は表示されていない。そのため,申立人と「BACKBONE」ブランドとの関係が明らかではない。 (2)上記(1)のとおり,我が国において,引用商標2は,被服や履物のブランドの名称として,使用されていることはうかがえるものの,その商品の出所は,明らかではない。そして,「BACKBONE」ブランドの前身である「BACKBONE THE BASIS」ブランドは,2004年(平成16年)から,その名称が被服等に使用されていることがうかがえるものの,申立人が引用商標2の使用を開始した時期は不明である。 また,「BACKBONE」ブランドの被服や履物について,申立人の販売実績,市場占有率(販売シェア等),広告宣伝の時期や規模等は,申立人が提出した甲各号証からは明らかではない。 その他,申立人が提出した甲各号証を総合してみても,引用商標2が,本件商標の登録出願時及び登録査定時において,申立人の業務に係る商品を表示するものとして,我が国の需要者の間において広く認識されていたことを示す具体的な証拠はない。 (3)そうすると,引用商標2は,本件商標の登録出願時及び登録査定時において,申立人の業務に係る商品を表示するものとして,我が国の需要者の間に広く認識されていたものと認めることはできない。 (4)本件商標と引用商標2との類否について 本件商標は,前記1のとおり,「BACK BONE」の欧文字と「バックボーン」の片仮名とを上下二段に横書きしてなり,第25類「被服,ガーター,靴下留め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物,仮装用衣服,運動用特殊靴,運動用特殊衣服」を含む願書に記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務とするものである。 引用商標2は,「BACKBONE」の欧文字を横書きしてなり,申立人の業務に係る商品「被服,履物」に使用するものである。 してみれば,本件商標と引用商標2が類似するものであること,及び本件商標の指定商品と申立人の業務に係る商品「被服,履物」が同一又は類似するものであること明らかである。 (5)小括 上記のとおり,本件商標が引用商標2と類似する商標であり,本件商標の指定商品及び指定役務中,第25類「被服,履物」が,引用商標2の使用商品と同一であるとしても,引用商標2は,本件商標の登録出願時及び登録査定時において,申立人の業務に係る商品であることを表示するものとして,我が国の需要者の間において広く認識されているものとは認めることはできないものであるから,本件商標は,商標法第4条第1項第10号に該当しない。 4 まとめ 以上のとおり,本件商標の登録は,商標法第4条第1項第10号及び同項第11号に違反して登録されたものとはいえず,ほかに同法第43条の2各号に該当するというべき事情も見いだせないから,同法第43条の3第4項の規定に基づき,その登録を維持すべきものである。 よって,結論のとおり決定する。 |
別掲 |
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異議決定日 | 2020-10-02 |
出願番号 | 商願2019-54915(T2019-54915) |
審決分類 |
T
1
651・
263-
Y
(W2535)
T 1 651・ 25- Y (W2535) T 1 651・ 261- Y (W2535) T 1 651・ 262- Y (W2535) T 1 651・ 264- Y (W2535) |
最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 池田 光治 |
特許庁審判長 |
齋藤 貴博 |
特許庁審判官 |
豊田 純一 山根 まり子 |
登録日 | 2020-03-10 |
登録番号 | 商標登録第6234482号(T6234482) |
権利者 | バックボーン株式会社 |
商標の称呼 | バックボーン |
代理人 | 特許業務法人センダ国際特許事務所 |