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審決分類 |
審判 査定不服 商3条1項3号 産地、販売地、品質、原材料など 取り消して登録 W06111719 審判 査定不服 商4条1項16号品質の誤認 取り消して登録 W06111719 |
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管理番号 | 1363260 |
審判番号 | 不服2019-13468 |
総通号数 | 247 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2020-07-31 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2019-10-08 |
確定日 | 2020-06-23 |
事件の表示 | 商願2018-68068拒絶査定不服審判事件について,次のとおり審決する。 |
結論 | 原査定を取り消す。 本願商標は,登録すべきものとする。 |
理由 |
1 本願商標 本願商標は,「断熱ドレン」の文字を標準文字で表してなり,第6類,第11類,第17類及び第19類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として,平成30年5月23日に登録出願されたものである。 その後,指定商品については,平成31年3月18日付けの手続補正書により,第6類「鉄及び鋼,非鉄金属及びその合金,建築用又は構築用の金属製専用材料,金属製管継ぎ手,金属製フランジ,金属製金具(「安全錠・鍵・鍵用金属製リング・南京錠」を除く。),冷媒液の配管用の金属製管継ぎ手」,第11類「暖冷房装置及びその部品,家庭用電熱用品類及びその部品」,第17類「ガスケット,管継ぎ手(金属製のものを除く。),パッキング,プラスチック基礎製品」及び第19類「セラミック製パイプ,建築用又は構築用のプラスチック製パイプ,建築用又は構築用の木製パイプ」と補正されたものである。 2 原査定における拒絶の理由の要旨 原査定は,「本願商標は,『断熱ドレン』の文字を標準文字で表してなるところ,その構成中の『断熱』の文字は,『熱が伝わらないようにすること』の意味を,『ドレン』の文字は『汚水,雑排水,雨水などを建物や地中内の排水系統へ排除するための管や溝』の意味を有する語である。また,インターネット情報によれば,本願商標に近似した『断熱ドレンホース』の文字が使用されている実情がある。そうすると,本願商標は,これをその指定商品中の第6類『建築用又は構築用の金属製専用材料』に含まれる『建築用又は構築用の金属製排水管』及び第19類の商品に使用しても,取引者・需要者に『熱が伝わらないようにした建築用又は構築用の金属製排水管,熱が伝わらないようにした排水のための建築用配管,熱が伝わらないようにした排水のためのセラミック製パイプ,熱が伝わらないようにした排水のための建築用又は構築用のプラスチック製パイプ,熱が伝わらないようにした排水のための建築用又は構築用の木製パイプ』であることを認識させるにとどまるものであり,自他商品を区別するための識別標識としての機能を有さないものであって,商品の品質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなるものといわざるを得ない。したがって,本願商標は,商標法第3条第1項第3号に該当し,本願商標の文字に照応する上記商品以外の商品に使用するときは,商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるから,同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定,判断し,本願を拒絶したものである。 3 当審の判断 本願商標は,「断熱ドレン」の文字を標準文字で表してなるところ,その構成は,同じ書体,同じ大きさ,同じ間隔をもって一連に表されており,全体として,まとまりのよい一体のものとして把握し得るものである。 そして,その構成中の「断熱」の文字は,「熱の出入を断つこと。」の意味を有する語(「広辞苑第六版」株式会社岩波書店)であり,「ドレン」の文字は,「蒸気の輸送途中の放熱や蒸気による加熱装置で凝縮して生成した水。」(「JIS工業用語大辞典第5版」日本規格協会),「(1)冷暖房設備において,蒸気の凝縮水,または冷却コイルから生ずる結露水のこと。(2)汚水,雑排水,雨水など建築内の排水系統へ排除するための管や溝」(「建築大辞典第2版普及版」彰国社)等の複数の意味を有する外来語として辞書類に載録された語であるとしても,本願の指定商品との関係において,両語を結合してなる「断熱ドレン」の文字は,特定の意味合いを表示したものとして直ちに理解されるものとはいい難いものである。 また,当審において職権をもって調査するも,本願の指定商品を扱う業界において,「断熱ドレン」の文字が,商品の品質等を表示するものとして,取引上,普通に採択,使用されているという実情も見いだすことができず,さらに,本願の指定商品の取引者,需要者が当該文字を商品の品質等を表示したものと認識するというべき事情も発見できなかった。 そうすると,本願商標は,これに接する取引者,需要者をして,その構成全体をもって,特定の意味合いを認識させることのない,一種の造語として認識し,把握されるものとみるのが相当である。 してみれば,本願商標をその指定商品について使用しても,商品の品質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標とはいえず,自他商品の識別標識としての機能を果たし得るものであり,かつ,商品の品質の誤認を生ずるおそれがあるものということもできない。 したがって,本願商標は商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するものではないから,これを理由として本願を拒絶した原査定は,取消しを免れない。 その他,本願について拒絶の理由を発見しない。 よって,結論のとおり審決する。 |
別掲 |
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審決日 | 2020-06-03 |
出願番号 | 商願2018-68068(T2018-68068) |
審決分類 |
T
1
8・
13-
WY
(W06111719)
T 1 8・ 272- WY (W06111719) |
最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 箕輪 秀人 |
特許庁審判長 |
榎本 政実 |
特許庁審判官 |
渡邉 あおい 平澤 芳行 |
商標の称呼 | ダンネツドレン、ダンネツ |