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審決分類 |
審判 一部申立て 登録を維持 W03 |
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管理番号 | 1362576 |
異議申立番号 | 異議2020-900005 |
総通号数 | 246 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標決定公報 |
発行日 | 2020-06-26 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2020-01-14 |
確定日 | 2020-06-01 |
異議申立件数 | 1 |
事件の表示 | 登録第6190596号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 登録第6190596号商標の商標登録を維持する。 |
理由 |
1 本件商標 本件登録第6190596号商標(以下「本件商標」という。)は、「SCF」の文字を標準文字で表してなり、平成30年7月9日に登録出願、第3類「せっけん類,化粧用カカオバター,化粧用ココアバター,マッサージオイル,化粧品,アーモンド油,香料」並びに第1類、第2類、第29類ないし第33類、第35類、第40類及び第43類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、令和元年9月26日に登録査定、同年10月18日に設定登録されたものである。 2 登録異議の申立ての理由 申立人は、本件商標は、商標法第3条第1項第6号に該当するものであるから、その指定商品中、第3類「せっけん類,化粧用カカオバター,化粧用ココアバター,マッサージオイル,化粧品,アーモンド油,香料」(以下「申立商品」という。)について、同法第43条の2第1号により、その登録は取り消されるべきであると申立て、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第8号証を提出した。 (1)本件商標は、「SCF」を英文字で横書きしてなるところ、「SCF」の語は「Stem cell factor」の略語であるとともに、日本語で「幹細胞因子」、「幹細胞増殖因子」等を意味する語である(甲1?甲4)。 (2)本件商標の指定商品との関係においては、表皮に存在するSCF(幹細胞増殖因子)がシミの形成に大きな役割を果たすことが解明され、このことに着目した商品が市販されている。すなわち、皮膚に紫外線が当たるとSCF等が色素細胞を活性化させ、メラニン生成を促進することから、このSCFの活性化を抑えることによってメラニンの生成を抑え、その結果シミ等の生成が抑えられて肌が黒くなることを防ぐことができる商品が市販されている(甲5?甲8)。 (3)したがって、本件商標は、その指定商品に使用するときは、シミの形成に影響がある因子を説明したにすぎないもので、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができない商標であるから、商標法第3条第1項第6号に該当する。 3 当審の判断 (1)本件商標は、「SCF」の欧文字を標準文字で表してなるところ、我が国で一般的に親しまれた成語や外来語、略語ではないため、直ちに特定の意味合いを看取させることのない造語と認識される。 また、職権をもって調査するも、本件商標の申立商品を取扱う業界において、「SCF」の語が、本件商標の登録査定時に、商品の品質(機能)、効能等を示す語として、また取引上不可欠な表示として、一般的に使用又は慣用されている事実は見出すことはできない。 さらに、本件商標に接する取引者、需要者が、当該文字を商品の説明をしたものと認識するというべき事情も発見できなかった。 そうすると、本願商標は、特定の意味を有さない造語であるから、本件商標を申立商品に使用しても、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができない商標とはいえず、商標法第3条第1項第6号に該当しない。 (2)申立人の主張に対し ア 申立人は、ウェブサイト掲載の辞書や記事情報(甲1?甲4)を引用しつつ、「SCF」の語は「Stem cell factor」の略語であり、「幹細胞因子」又は「幹細胞増殖因子」等を意味する語である旨を主張する。 しかしながら、申立人提出の証拠は、専門用語事典や研究内容の紹介記事(甲1、甲4)にすぎないから、「SCF」の語が極めて専門性が高い技術用語の略語として使用される場合があることが示されているとしても、申立商品に係る需要者をして、当該意味合いが一般的に認識されることを示す実情とはいえない。なお、外国の文献記事(甲2、甲3)は、我が国の需要者の認識に直接影響しないこと明らかである。 イ 申立人は、化粧品等に係るインターネット上の記事情報(甲5?甲8)を引用しつつ、申立商品との関係において、「SCF」(肝細胞増殖因子)がシミの形成に大きな役割を果たすことに着目した商品が市販されている旨を主張する。 しかしながら、申立人提出の証拠は、専門用語解説や研究内容の紹介記事(甲6?甲8)にすぎない上、具体的な商品例(甲5)も、化粧品の商品説明において「紫外線を浴びると肌内部に出現する情報伝達物質(SCF)のメラノサイトへの作用に注目。」と記述するにすぎず、「SCF」の語が単独で、商品の品質(機能)を表示する語や、取引上不可欠な表示として、一般的に使用又は慣用されていることを示すものではない。 ウ したがって、本願商標は、申立人提出の証拠及び主張にかかわらず、上記(1)のとおり、特定の意味を有さない造語として認識、理解されるというべきである。 (3)まとめ 以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第3条第1項第6号の規定に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、維持すべきものである。 よって、結論のとおり決定する。 |
別掲 |
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異議決定日 | 2020-05-18 |
出願番号 | 商願2018-88846(T2018-88846) |
審決分類 |
T
1
652・
16-
Y
(W03)
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最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 吉野 晃弘 |
特許庁審判長 |
半田 正人 |
特許庁審判官 |
阿曾 裕樹 大森 友子 |
登録日 | 2019-10-18 |
登録番号 | 商標登録第6190596号(T6190596) |
権利者 | 住商フーズ株式会社 |
商標の称呼 | エスシイエフ |