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審判番号(事件番号) | データベース | 権利 |
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不服201913033 | 審決 | 商標 |
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審決分類 |
審判 査定不服 商3条1項5号 簡単でありふれたもの 登録しない W04 |
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管理番号 | 1362498 |
審判番号 | 不服2019-5331 |
総通号数 | 246 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2020-06-26 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2019-04-22 |
確定日 | 2020-05-07 |
事件の表示 | 商願2017-144467拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
1 本願商標 本願商標は、「T8E」の文字を標準文字で表してなり、第4類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として、平成29年11月1日に登録出願され、その後、本願の指定商品については、原審における同30年9月20日付け手続補正書により、第4類「耐高温潤滑剤,摩擦を軽減し固着及び摩耗を防ぐために留め具及び金属部品に塗りつけるグリース及びペースト状のグリース,潤滑油,固形潤滑剤,工業用油,工業用油脂」に補正されたものである。 2 原査定の拒絶の理由 原査定は、「本願商標は『T8E』の文字を標準文字で書してなるところ、本願の指定商品を取り扱う業界においては、欧文字と欧文字の間に数字を挟んだ構成からなる標章が、商品の品番等を表示する記号、符号として、取引上普通に採択、使用されている実情がある。そうすると、本願商標はその構成全体としても極めて簡単で、かつ、ありふれた標章のみからなるものと認められ、これをその指定商品に使用しても自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないものである。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第5号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。 3 当審の判断 (1)商標法第3条第1項第5号該当性について 本願商標は、「T8E」の欧文字及び数字を標準文字で表してなるものである。 ところで、本願商標と同様に、欧文字の間に数字を介した標章は、原審において示した別掲1に加えて別掲2に示す例のように、潤滑油や工業用油をはじめ、本願の指定商品を取り扱う業界において、商品の規格、種別等を表示する記号、符号として、あるいはシリーズ商品を識別するための記号、符号として、取引上、普通に用いられている実情がある。 そして、本願商標は、「T」、「8」及び「E」の欧文字2字と数字1桁を結合し、標準文字で表してなるものであって、全体の文字数も3文字と少なく、その文字の態様や組合せ方法に特徴があるわけではない。 このような構成に照らせば、本願商標は、その構成態様において、上記のような商品の管理のための記号、符号などとして一般に広く用いられているものと比べて、特段の差異があるものとはいえない。 してみれば、本願商標は、極めて簡単で、かつ、ありふれた標章のみからなるものであり、商標法第3条第1項第5号に該当する。 (2)請求人の主張について ア 請求人は、本願商標について、同書、同大、等間隔で外観上まとまりよく一体的に構成されており、欧文字が数字を挟む対称的な構成であることにより特別な印象を与え、3文字という少ない文字数も相俟って、「T8E」全体で一連の造語として認識される旨述べるとともに、語頭及び語尾が欧文字であることから、中央の「8」は、英語読みである「エイト」と称呼されるのが自然であり、本願商標全体の称呼が「ティエイトイイ」の称呼となるところ、「エイトイイ」の部分が発音しにくいことから、音便の要領で当該部分が短縮し、本願商標全体の称呼は「ティエイティ」と称呼され得るものであり、実際に、請求人は「ティエイティ」と称呼されるものと意図して本願商標を採用した旨主張する。 しかしながら、仮に、本願商標の採択の意図が請求人の主張どおりであるとしても、本願商標に接する取引者、需要者がその意図を把握するとはいい難く、むしろ別掲で示した実情から、商品の記号又は符号の一類型を表示したものと認識する蓋然性が高いといえるから、請求人の上記主張を採用することはできない。 イ 請求人は、原審において示した例(別掲1)について、本願商標と同様に欧文字1字、数字1桁、欧文字1字を連綴りした構成の文字列からなるものは、1例のみであり、他の例は、欧文字、数字、欧文字の順序は共通するが、各箇所の文字数が異なり、本件とは事案が異なるから、当該使用例をもって、欧文字1字、数字1桁、欧文字1字を連綴りした構成の文字列が、商品の品番等を表示する記号、符号として、取引上普通に採択、使用されている実情があるとは、到底いうことができない旨主張する。 しかしながら、商標登録を受けようとする商標が商標法第3条第1項第5号に該当するか否かは、これに接する取引者、需要者の認識を基準として判断されるべきであるところ、上記(1)で述べたとおり、本願商標と同様に欧文字の間に数字を介した標章は、「欧文字1字、数字1桁、欧文字1字」の態様も含めて、我が国において、商品の記号又は符号として取引上普通に採択、使用されているものであって、かつ、本願商標は標準文字で表されたものであり、ありふれた表記といえるものである。 そうすると、「T8E」の欧文字及び数字を、標準文字で表したにすぎない本願商標は、これに接する取引者、需要者に、商品の記号又は符号の一類型を表示したものと理解させるにとどまるというのが相当であって、極めて簡単で、かつ、ありふれた標章のみからなる商標といわざるを得ない。 したがって、上記請求人の主張は、採用することができない。 ウ 請求人は、ほかに欧文字と数字とを結合した標章について商標登録された例があることを根拠に、本願商標も登録されるべきである旨主張するが、登録出願に係る商標が商標登録の要件を具備しているか否かについては、当該商標の構成態様と、指定商品の取引の実情等に基づいて、個別具体的に、査定時又は審決時において、判断するべきものである。 また、請求人が挙げる既登録例に係る商標は、いずれも本願商標とは異なる構成からなるものであり、本件とは事案を異にするものであるから、その既登録例があることにより、本願商標についてした上記認定、判断が左右されることはない。 したがって、上記請求人の主張は、採用することができない。 (3)まとめ 以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第5号に該当するから、これを登録することはできない。 よって、結論のとおり審決する。 |
別掲 |
別掲1 原審において示された例(欧文字の間に数字を介した標章が、商品の品番等を表示する記号、符号として、取引上普通に採択、使用されている実情) (1)「西東石油株式会社」のウェブサイトにおいて、「工業用潤滑油ラインナップ・・・シェルテラスシリーズ」の見出しの下、「テラスS2V」「テラスS2M」等の商品が掲載されている。 (http://www.saitou-sekiyu.jp/wp/wp-content/uploads/2017/10/oil_lineup_2.pdf) (2)「トタル・ルブリカンツ・ジャパン株式会社」のウェブサイトにおいて、「食品加工業 NEVASTANE(ネバステン)潤滑剤で安全な製造」と称するカタログ中、「グリース」の見出しの下、「NEVASTANE HD2T」等の商品が掲載されている。 (http://www4.total.fr/asia-oceania/japan/industry_lubricants/catalog_download/NevastaneDef-GB_2014.pdf) (3)「株式会社アマダホールディングス」のウェブサイトにおいて、「摺動面潤滑油」の見出しの下、「油圧摺動面兼用油 AR140B」等の商品が掲載されている。 (http://www.amt.amada.co.jp/products/syoumouhin/jyunkatsuyu/index.html) (4)「株式会社MonotaRO」のウェブサイトにおいて、「CRC 5-56(潤滑防錆剤)」と称する商品が掲載されており、「品番 EA920A」との記載がある。 (https://www.monotaro.com/p/0365/4262/) (5)「藤原商事株式会社」のウェブサイトにおいて、「スリーボンド 高耐水・防錆・潤滑グリース」と称する商品が掲載されており、「品番 TB1815D」との記載がある。 (http://www.dogudoraku.com/catalog/product_info.php/products_id/92787) (6)「出光興産株式会社」のウェブサイトにおいて、「潤滑油製品資料」の見出しの下、「ダフニーカット GH46HF ?高速歯切り加工用高引火点切削油?」と称する商品が掲載されている。 (http://www.idemitsu.co.jp/lube/products/use/pdf/p/32610840p.pdf) (7)「コスモ石油ルブリカンツ株式会社」のウェブサイトにおいて、「熱処理油・光輝焼入用」の見出しの下、「コスモクエンチ D104T」と称する商品が掲載されている。 (https://www.cosmo-lube.co.jp/product/) (8)「ユシロ化学工業株式会社」のウェブサイトにおいて、「ユシロンフォーマー 不水溶性 速乾性プレス油剤」の見出しの下、「品名 FL8A」等の記載がある。 (https://www.yushiro.co.jp/pdf/catalog/products_il/yushironformar_08.pdf) (9)「JXTGエネルギー株式会社」のウェブサイトにおいて、「圧延油 <ステンレス、鋼、銅・銅合金用> ユニロール」の見出しの下、「シリーズ・・・CR7B」等の記載がある。 (https://www.noe.jxtg-group.co.jp/business/lubricants/metal/) 別掲2 欧文字の間に数字を介した標章が、商品の品番等を表示する記号、符号として、取引上普通に採択、使用されている実情 (1)「アラム株式会社」のウェブサイトにおいて「シリコーングリース」の見出しの下、型番として「G40M」「G30M」の記載がある。 (https://www.web-aram.com/product_data/07_silicon/67.html) (2)「シェルルブリカンツジャパン株式会社」のウェブサイトにおいて「工業用潤滑油」の見出しの下、商品名として「シェル モーリナ S1BJ」「シェル モーリナ S2B」の記載、「シェル オマラ S4GX」「シェル オマラ S2G」、及び「シェル トナ S3M」「シェル トナ S2MT」等の記載がある。 (https://shell-lubes.co.jp/product/industry.html) (3)「JXTGエネルギー株式会社」のウェブサイトにおいて「金属加工油」の見出しの下、「不水溶性切削油 <セミドライ加工用> ユニカットジネン」のシリーズとして「MF24W」等の記載、「熱処理油 <コールドタイプ> ユニクエンチ」のシリーズとして「CQ10W」「CQ20S」「CQ30W」等の記載、「プレス油 <打抜き用> ユニプレス」のシリーズとして「PA1L」等の記載、「圧延油 <ステンレス、鋼、銅・銅合金用> ユニロール」のシリーズとして「CR7B」「CR7D」「CR10C」等の記載がある。 (https://www.noe.jxtg-group.co.jp/business/lubricants/metal/) |
審理終結日 | 2019-11-28 |
結審通知日 | 2019-12-02 |
審決日 | 2019-12-18 |
出願番号 | 商願2017-144467(T2017-144467) |
審決分類 |
T
1
8・
15-
Z
(W04)
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最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 小林 郁、内藤 順子 |
特許庁審判長 |
岩崎 安子 |
特許庁審判官 |
小田 昌子 石塚 利恵 |
商標の称呼 | テイハチイイ、テイエイトイイ |
代理人 | 特許業務法人深見特許事務所 |