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審決分類 審判 判定 その他 属さない(申立て成立) X09
管理番号 1361765 
判定請求番号 判定2019-600035 
総通号数 245 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標判定公報 
発行日 2020-05-29 
種別 判定 
判定請求日 2019-11-29 
確定日 2020-03-26 
事件の表示 上記当事者間の登録第2084923号商標の判定請求事件について,次のとおり判定する。 
結論 商品「身体の角度の変化を測定し,歩数,エネルギー消費量を測定する機器」に使用するイ号標章は,登録第2084923号商標の商標権の効力の範囲に属しない。
理由 1 本件商標
本件登録第2084923号に係る商標(以下「本件商標」という。)は,別掲1のとおりの構成からなり,昭和61年2月5日に登録出願,第10類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として,同63年10月26日に設定登録され,その後,平成21年4月8日に指定商品を,第9類「理化学機械器具,光学機械器具,写真機械器具,映画機械器具,測定機械器具」及び第10類「医療用機械器具」とする指定商品の書換登録がされ,現に有効に存続しているものである。

2 イ号標章
請求人が判定を求める標章(以下「イ号標章」という。)は,別掲2のとおりの構成からなり,その使用する商品を「歩数測定器・姿勢測定器を内蔵するウエアラブル端末からの信号を受信し,使用者の現在の姿勢を解析して,その結果に応じて仮想の植物を美しく成長させて楽しむ植物育成ゲームおもちゃ」(以下「請求人商品」という。)」とするものである。

3 請求人の主張
請求人は,結論同旨の判定を求め,その理由を要旨次のように述べ,証拠方法として,甲第1号証ないし甲第4号証を提出した。
(1)判定請求の必要性
請求人は,イ号標章を請求人商品について使用する準備を相当程度進めているところ,被請求人は,請求人が同商品について現在使用している標章「SEED」(甲1?甲3)について別件判定請求を請求している。請求人は,以前より現在使用している「SEED」との標章をイ号標章へ変更する準備を進めていたところに,上述の判定請求を受けた。今後,請求人はイ号標章の使用を開始する予定であるが,被請求人から更なる侵害事件の警告を受ける蓋然性が高いため,中立的な立場からの判定を求める。
(2)イ号標章の説明
ア イ号標章について
イ号標章は,左側に植物の芽を図案化した円形図形を有し,その右側に大きく「RESEED」の文字(「R」及び「D」の一部に植物の葉の図形を有する。)を配し,その下部に小さな「Plant your healthy life」との文字を有してなり,請求人商品についての使用の準備を相当程度進めている。
イ 請求人商品について
請求人がイ号標章を使用する準備を相当程度進めている請求人商品は,使用者のウエスト部分に着用するウエアラブル端末と,当該ウエアラブル端末から送信された信号を受信して解析し,使用者の姿勢が良いと仮想の植物が成長するようにプログラムされたコンピュータアプリケーションとからなる商品である。請求人商品には,使用者の姿勢を測定するセンサを内蔵しているが,ウエアラブル端末単体ではその測定結果を確認することはできない(測定結果を表示する部分がない)ため,請求人商品だけでは商品としての価値を有さず,附属のコンピュータアプリケーションにより測定結果を解析し,その解析結果を植物の成長になぞらえて(姿勢が良いと植物が美しく成長し,姿勢が悪いと枯れてしまう),使用者が植物育成ゲームを楽しみながら正しい姿勢を維持することを目的とする商品である。例えば,手に握ったコントローラーを振り下ろすことにより,ゲーム内の主人公が剣を振り下ろして敵を倒すような家庭用テレビゲームおもちゃと同様である。このような家庭用テレビゲームおもちゃのコントローラーには,水平や垂直・スピードを感知する測定器が内蔵されているものの,そのコントローラーを測定機械器具として認識し,購入・利用する取引者,需要者は皆無であって,テレビゲーム機本体及びプログラムが存在しなければ用をなさず,コントローラーとゲーム機本体とのセットで初めて一つの商品として完結するものである。これと同様に,請求人商品には姿勢を測定するセンサが内蔵されてはいるが,それだけでは測定機械器具としての用をなさず,附属のコンピュータアプリケーションとセットで使用することによって,楽しみながら正しい姿勢を維持することができるという「ウエアラブル端末からの信号を受信し,使用者の現在の姿勢を解析して,その結果に応じて仮想の植物を美しく成長させて楽しむ植物育成ゲームおもちゃ」である。
(3)イ号標章が商標権の効力の範囲に属しない説明
ア 商標の類否について
本件商標は,上段に片仮名で「シード」と横書きしてなり,その下段に文字で「SEED」と横書きしてなる上下二段書きの構成よりなるのに対し,イ号標章は上記のとおり図形と文字との結合商標であるから,両商標は外観において相違する。また,称呼の点においては,本件商標からは「シード シード」との称呼が生じるのに対して,イ号標章からはその大きく書された「RESEED」の文字部分より「リシード」との称呼が生じ,下部の小さな「Plant your healthy life」との文字部分より「プラントユアヘルシーライフ」との称呼をも生じるから,両商標は称呼においても相違する。さらに,本件商標中の「シード」の片仮名文字部分からは「競技の勝抜き試合で,強い選手やチームを前もって想定し,それが初めに組み合わないようにスケジュールを作ること。(広辞苑第六版)」との観念が想起され,本件商標中の「SEED」との文字部分からは「種・実・種子」との観念が想起されるから,本件商標全体からは「競技の勝抜き試合で,強い選手やチームを前もって想定し,それが初めに組み合わないようにスケジュールされた種・実・種子」=「シード権を有する程に強い種・実・種子」という観念が想起されるのに対し,「RESEED」及び「Plant your healthy life」との文字部分を有するイ号標章からは,「再び種をまく。自生する。」及び「あなたの健康な生活を築く」との観念が生じるから,両商標は観念の点においても相違する。
してみれば,本件商標とイ号標章とは,外観,称呼及び観念の何れの点においても非類似であるから,互いに非類似の商標である。
イ 商品の類否について
本件商標の指定商品は,第9類の「理化学機械器具,光学機械器具,写真機械器具,映画機械器具,測定機械器具」及び第10類の「医療用機械器具」である。これに対して,請求人商品は,使用者のウエスト部分に着用するウエアラブル端末と,当該ウエアラブル端末から送信された信号を受信して解析し,使用者の姿勢が良いと仮想の植物が成長するようにプログラムされたコンピュータアプリケーションとからなる商品である。なお,現在,請求人は請求人商品に「SEED」との標章を使用している(甲1?甲3)が,以前より現在使用している「SEED」の標章をイ号標章(甲4)へ変更する準備を進めている。
請求人商品は,使用者の姿勢を測定するセンサを内蔵しているが,ウエアラブル端末単体ではその測定結果を確認することはできない(測定結果を表示する部分がない)ため,請求人商品だけでは商品としての価値を有さず,附属のコンピュータアプリケーションにより測定結果を解析し,その解析結果を植物の成長になぞらえて(姿勢が良いと植物が美しく成長し,姿勢が悪いと枯れてしまう),使用者が植物育成ゲームを楽しみながら正しい姿勢を維持することを目的とする商品である。例えば,手に握ったコントローラーを振り下ろすことにより,ゲーム内の主人公が剣を振り下ろして敵を倒すような家庭用テレビゲームおもちゃと同様である。
このような家庭用テレビゲームおもちゃのコントローラーには,水平や垂直・スピードを感知する測定器が内蔵されているものの,そのコントローラーを測定機械器具として認識し,購入・利用する取引者,需要者は皆無であって,テレビゲーム機本体及びプログラムが存在しなければ用をなさず,コントローラーとゲーム機本体とのセットで初めて一つの商品として完結するものである。これと同様に,請求人商品におけるウエアラブル端末には姿勢を測定するセンサが内蔵されてはいるが,ウエアラブル端末だけでは測定機械器具としての用をなさず,附属のコンピュータアプリケーションとセットで使用することによって,楽しみながら正しい姿勢を維持することができるという「ウエアラブル端末からの信号を受信し,使用者の現在の姿勢を解析して,その結果に応じて仮想の植物を美しく成長させて楽しむ植物育成ゲームおもちゃ」である。
したがって,第9類の「理化学機械器具,光学機械器具,写真機械器具,映画機械器具,測定機械器具」及び第10類の「医療用機械器具」である本件商標の指定商品と,請求人商品とは,使用態様,目的,用途及び機能等が大きく異なる商品であって,仮に同一又は類似する商標が使用された場合であったとしても,取引者,需要者において商品の出所につき誤認混同が生じる恐れのない,互いに非類似の商品である。
ウ まとめ
以上のとおり,本件商標とイ号標章とは互いに非類似であって,本件商標の指定商品と請求人商品とは仮に同一又は類似する商標が使用された場合であったとしても,取引者,需要者が商品の出所につき誤認混同が生じるおそれのない互いに非類似の商品である。
したがって,イ号標章は,本件商標の商標権の効力の範囲に属しないものである。

4 被請求人の答弁
被請求人は,請求人商品に使用するイ号標章は,本件商標の商標権の効力の範囲に属するとの判定を求めると答弁し,その理由を要旨次のように述べ,証拠方法として乙第1号証ないし乙第3号証を提出した。
(1)請求人の請求人商品について
請求人の請求人商品としては,甲第1号証ないし甲第3号証が添付されている。また,乙第1号証及び乙第2号証に掲載の商品が既に購入可能とみられる状態でウェブサイトに掲載されている。
乙第1号証及び乙第2号証に掲載の商品は,その構造や機能等に関する説明や掲載画像をみる限り,請求人がいう甲第1号証ないし甲第3号証による請求人商品と同じ商品である。ここであらためて断っておくと,請求人商品とは,「歩数測定機能・姿勢測定機能を有するウエアラブル端末(以下「ウエアラブル端末」という。)」と「アプリ(コンピュータアプリケーション)(以下「アプリ」という。)」からなる商品である。この点,請求人は,当該「ウエアラブル端末」は,「測定結果を表示する部分がなく,それ単体では測定結果を確認できないためそれだけでは商品としての価値を有さないこと,さらに,『歩数測定機能・姿勢測定機能を有するウエアラブル端末』における測定結果を『アプリ』が解析しその解析結果を植物の成長になぞらえて,使用者が植物育成ゲームを楽しみながら正しい姿勢を維持できるようにするものであり,これら両方をもって『ゲームおもちゃ』である」などのように主張している。しかしながら,この主張は失当である。
ア 請求人商品のうち「アプリ」について
甲第1号証ないし甲第3号証並びに乙第1号証及び乙第2号証を確認しても,請求人商品を「ゲームおもちゃ」であると認識させるような記載や説明は一切ない。当該「アプリ」の画面として,一部姿勢変化を植物で表現したとみられる画像等が掲載されているが,これは当該「ウエアラブル端末」で測定された測定結果の「見せ方」を工夫したにすぎないものであり,少なくとも,「ゲーム」のプレイ画面などではない。また,当該「アプリ」は,「App Store」等において「無料」で配布されているものであるが,「App Store」における該当ページを乙第3号証に示す。
乙第3号証によれば,当該「アプリ」の説明として,「このアプリはSEED機器が必要です。」とあり,また「時間別,日付別に,自分の姿勢がどうだったかを一目で把握できる統計を提供するので,・・・」,「SEED機器で計測された歩数を『SEED』アプリだけでなく,『ヘルスケア』アプリにも情報を共有ることができます。」などの記載がみられる。「このアプリはSEED機器が必要です。」とあるとおり,当該「アプリ」は,「ウエアラブル端末」の所有者でない限りまず利用しない,また,入手しても意味をなさないものであり,かつ,「ウエアラブル端末」の所有者を含め誰でもインターネット経由で「無料」で入手できるものである。つまり,当該「アプリ」は,プリンタやスキャナといったコンピュータ周辺機器における「ドライバソフトウェア」のようなものといえる。すなわち,当該「アプリ」は,独立した商品ではく,当該「ウエアラブル端末」のための専用のソフトウェアというべきものである。
また,当該「アプリ」は,上記のとおり,「ウエアラブル端末」で計測・測定された「姿勢」や「歩数」に関するデータを単純に数値やグラフ等で表示する機能を有するものであることは明らかである一方で,「ウエアラブル端末」を「コントローラー」のように使用して「ゲーム」が楽しめるものである,などといったことについては,一切記載がない。
上記のとおり,当該アプリは,「ゲームおもちゃ」と認識することができないものである。一部測定数値の「見せ方」を工夫した表示があるにしても,それが当該「アプリ」の主たる機能とはいえず,あくまで「姿勢」や「歩数」に関する測定結果やそれらに関する良い結果等を利用者に「分かりやすく伝える」ために工夫された表示方法にすぎない。
以上のとおり,甲第1号証ないし甲第3号証,および,乙第1号証ないし乙第3号証におけるあらゆる記載,表示等からしても,当該「アプリ」を,「ゲームおもちゃ」と認識する取引者,需要者こそ皆無であるというべきである。
したがって,本件「アプリ」は,「ゲームおもちゃ」の範ちゅうに入るものではなく,「ウエアラブル端末」専用の付属品というべきものである。
イ 「ウエアラブル端末」について
乙第1号証及び乙第2号証によれば,当該「ウエアラブル端末」に関する説明には,「・RESEEDの角度測定精度実験で身体の角度の変化を±0.5度まで正確にリアルタイムで測定可能」などの記載がみられ,さらに,「FAQ」には,「■アプリと連動しないと使用できませんか?/はい。ただしRESEEDだけでも使用データがRESEEDに保存され,アプリと連動された瞬間,蓄積されたデータがアプリに保存されます。データはRESEEDに2週間保存されます。また,EEDはユーザーが着用しているかどうかを判断し,外したら測定を停止し,エラー値が入らないようにするので,機器を使用しないときは測定しません。」の記載がある。さらに,乙第1号証におけるタイトルを「クラウドファンディング成功商品!!」とする画像によれば,「ハイテク技術をもとに,歩数,エネルギー消費量を測定。」との記載があり,また,当該「アプリ」の使用中の画像とみられる「歩統計」によれば,計測された「歩数」が数値として普通に表示されており,また,その上の方には日数別のグラフとみられる表示がある。
以上のとおり,こうした記載からすれば,当該「ウエアラブル端末」が,「測定機械器具」の範ちゅうに入ることは明白である。さらに,乙第3号証における説明には,上述のとおり,「SEED機器で計測された歩数を『SEED』アプリだけでなく,『ヘルスケア』アプリにも情報を共有することができます。」とあることから,乙第3号証に示した「アプリ」ではない別のアプリケーションソフトウェアにおいても,当該「ウエアラブル端末」の測定結果を確認,利用できるものと見受けられる。
以上を前提に,あらためて請求人商品についていうと,請求人商品は,請求人もいうとおり,歩数測定,姿勢測定の機能を有する「ウエアラブル端末」と,その測定結果を確認することを主たる用途とする専用の「アプリ」からなるものである。歩数測定,姿勢測定の機能を有することからすれば,当該「ウエアラブル端末」が「測定機械器具」の範ちゅうに属するものであることは明らかである。
したがって,請求人の当該「ウエアラブル端末」は,明らかに「測定機械器具」の範ちゅうに属するものである。
さらに,以上を前提に検討すると,請求人商品は,当該「ウエアラブル端末」が主たる商品といえるものである。乙第1号証及び乙第2号証にあるとおり,当該「ウエアラブル端末」は有料で購入するものであり,当該「アプリ」は,当該「ウエアラブル端末」の所有者に限らず誰でもインターネット経由で「無料」で入手可能となっていること,当該「ウエアラブル端末」は,当該「アプリ」とは別に2週間データを測定・保持していること,また,当該「ウエアラブル端末」の測定結果を当該「アプリ」以外のアプリケーションソフトウェアとも共有可能であること,などからしても明らかである。
そして,当該「アプリ」は「ウエアラブル端末」の専用の付属品とみられるべきものであることは,上記のとおりである。
したがって,請求人商品は,「測定機械器具」の範ちゅうに属するものである。
(2)イ号標章について
イ号標章は,大きく最も目立つように表示されているとおり,「RESEED」の文字要素を容易に認識できるものである。イ号標章は「SEED」に「RE」の文字2字だけが付加されたものであるので,「SEED」が要部となるため,本件商標と類似するものである。
(3)むすび
以上のとおり,請求人商品に使用するイ号標章は,本件商標の商標権の効力の範囲に属するものである。

5 当審の判断
(1)本件商標について
本件商標は,別掲1のとおり,上段に「シード」,下段に「SEED」の文字を上下二段に書してなるところ,上段の「シード」の文字部分は,下段の「SEED」の文字部分の読みを特定したものと無理なく認識できるものであるから,本件商標は,その構成文字に相応して「シード」の称呼及び「種,種子」(ランダムハウス英和大辞典「第2版」株式会社小学館)の観念を生じるものである。
(2)イ号標章について
イ号標章は,別掲2のとおり,左側に,疑問符を逆さにしたような緑色の曲線(その上端部に植物の双葉とおぼしき図形を有する。)とこれを包むように描いた黄色の円輪郭(右上部が切れている。)を組み合わせた図形(以下,単に「図形部分」という。)を配し,その右側に,上段に緑色で「RESEED」の文字(「R」及び「D」の一部に植物の葉とおぼしき図形を有する。),下段に黒色で「Plant your healthy life」の文字(以下,これらを単に「文字部分」という。)を上下二段に書した構成態様からなるものである。
そして,図形部分と文字部分とは,外観上,やや離れて位置しており,図形部分からは,特定の称呼及び観念が生じるものとは認められないから,称呼上,及び観念上も,両者の関連性が認められないものである。
また,文字部分において,上段の「RESEED」の文字と,下段の「Plant your healthy life」の文字とは,異なる書体,図形の有無,文字の大きさ及び異なる色で表示されていることから,視覚上分離して看取し得るところであり,上段の「RESEED」の文字は,辞書によれば「再び(新たに)種をまく,自生する」(前掲書)等の意味を有する成語ではあるが,我が国において,その意味が広く知られた語とはいえないから,一種の造語とみるのが相当であり,当該文字からは,特定の観念を生じないものである。
そして,欧文字からなる造語は,我が国で一般的に親しまれた英語読み又はローマ字読みに倣って称呼されるから,「RESEED」の文字は,英語読みに倣って,「リシード」の称呼を生じるものである。
そうすると,文字部分の上段の「RESEED」の文字からは,「リシード」の称呼を生じ,特定の観念を生じないものである。
さらに,文字部分の下段の「Plant your healthy life」の文字は,辞書によれば,「Plant」,「your」,「healthy」及び「life」の各文字が,それぞれ「植物,装置,設備」,「あなたの」,「健康な,健康によい」及び「生活,生命,生物」(前掲書)等の意味を有する英語であるとしても,これらを一連に書したものからは,直ちに特定の観念が生じるものとはいえないものである。
そうすると,文字部分の下段の「Plant your healthy life」の文字からは,「プラントユアーヘルシーライフ」の称呼を生じ,特定の観念を生じないものである。
してみれば,文字部分において,上段の「RESEED」の文字と,下段の「Plant your healthy life」の文字とは,両者の関連性があると認められないものである。
そうすると,イ号標章は,その図形部分,文字部分の上段の「RESEED」の文字及び下段の「Plant your healthy life」の文字のそれぞれが出所識別標識として,独立して認識されるものといえる。
したがって,イ号標章は,その構成全体から「リシードプラントユアーヘルシーライフ」の称呼を生じ,文字部分の上段の「RESEED」の文字から「リシード」,下段の「Plant your healthy life」の文字から「プラントユアーヘルシーライフ」の称呼を生じるものであり,それぞれ特定の観念を生じないものである。
(3)本件商標とイ号標章の類否
本件商標とイ号標章との類否について検討するに,まず,外観においては,両者は,構成全体の比較において,図形,色彩及び「Plant your healthy life」の文字の有無の差異を有し,文字部分の比較においても,本件商標の「SEED」の文字とイ号標章の「RESEED」の文字とは,語頭における「RE」の文字の有無の差異を有するから,外観上,両者は明確に区別できるものである。
次に,称呼においては,本件商標から生じる「シード」の称呼と,イ号標章から生じる「リシードプラントユアーヘルシーライフ」,「リシード」及び「プラントユアーヘルシーライフ」の称呼とは,それぞれ,語調語感及び音数が異なることから,称呼上,両者は明瞭に聴別できるものである。
さらに,観念においては,本件商標は,「種,種子」の観念を生じ,イ号標章は,特定の観念を生じないものであるから,観念上,両者は紛れるおそれのないものである。
以上のとおり,本件商標とイ号標章とは,外観上,明確に区別できるものであり,称呼上,明瞭に聴別できるものであって,観念上も互いに紛れるおそれのないものであるから,これらを総合して全体的に考察すれば,両者は,非類似の商標であるというべきである。
(4)本件商標の指定商品とイ号標章の請求人商品の類否について
ア 本件商標の指定商品について
本件商標の指定商品は,上記1のとおり,第9類「理化学機械器具,光学機械器具,写真機械器具,映画機械器具,測定機械器具」及び第10類「医療用機械器具」である。
イ イ号標章の請求人商品について
被請求人が提出した証拠によれば,イ号標章の請求人商品は,以下のとおりである。
(ア)「Rakuten」のウェブサイト(乙1)において「クラウドファインディング成功商品!!」の見出しの下,「ハイテク技術をもとに歩数,エネルギー消費量を測定。」の記載,また,「RESEEDの特徴」の見出しの下,「4.ハイテクで精巧な技術力」の項に,「RESEEDの角度測定精度実験で身体の角度の変化を±0.5°まで正確にリアルタイムで測定可能」の記載がある。
(イ)「アスキーストア」のウェブサイト(乙2)において「体を整体する究極の方法!正しい姿勢を取り習慣を作ってくれるたった15g!姿勢矯正デバイス『RESEED』」の見出しの下「ハイテク技術をもとに歩数,エネルギー消費量を測定。」の記載,また,「(5)ハイテクで精巧な技術力」の項に,「RESEEDの角度測定精度実験で身体の角度の変化を±0.5度まで正確にリアルタイムで測定可能」の記載がある。また,「製品構成」の項に,「セット:RESEED本体+充電器+日本語製品説明書/アプリはアプリストアやグーグルストアで無料ダウンロード可能。日本語対応。」の記載がある。
ウ 上記ア及びイのことからすると,請求人商品については,「身体の角度の変化を±0.5°まで正確にリアルタイムで測定可能」及び「歩数,エネルギー消費量を測定」と記載し,製品構成が測定するための本体,充電器及びこれらを説明する製品説明書からなると説明していることからすれば,当該商品は,測定した数値を分析するためのアプリは含まれていないことから,あくまで実際に測定した数値を記録するのみで「身体の角度の変化を測定し,歩数,エネルギー消費量を測定する機器」であるというのが相当である。
そして,商品「測定器機械器具」は,「商品及び役務の区分解説」(国際分類第10版対応)[特許庁商標課編]によれば,「この商品は,『はかり』『照度計』等,ある量の大きさを,ある単位を標準として直接測定する装置・機器のほとんどが該当する」と記載されている。
そうすると,請求人商品「身体の角度の変化を測定し,歩数,エネルギー消費量を測定する機器」は,身体の角度の変化,歩数やエネルギー消費量を直接測定する装置・機器であるから,第9類の「測定機械器具」の範ちゅうの商品と認められる。
エ 本件商標の指定商品にイ号標章の請求人商品が含まれるかについて
上記ウのとおり,イ号標章の請求人商品は,第9類に属する「測定機械器具」の範ちゅうの商品と認められるものであるから,本件商標の指定商品中の「測定機械器具」に含まれる商品と認められる。
(5)まとめ
上記(3)のとおり,本件商標はイ号標章とは非類似の商標であり,また,上記(4)のとおり,イ号標章の請求人商品「身体の角度の変化を測定し,歩数,エネルギー消費量を測定する機器」は,本件商標の指定商品中「測定機械器具」の範ちゅうの商品である。
したがって,請求人商品が,本件商標の指定商品中「測定機械器具」の範ちゅうの商品であるとしても,イ号標章は,本件商標とは非類似の商標であるから,本件商標の効力の範囲に属しないものである。
よって,結論のとおり判定する。


別掲 別掲1(本件商標)



別掲2(イ号標章:色彩については,甲第4号証を参照。)


判定日 2020-03-16 
出願番号 商願昭61-10036 
審決分類 T 1 2・ 9- ZA (X09)
最終処分 成立 
特許庁審判長 薩摩 純一
特許庁審判官 榎本 政実
渡邉 あおい
登録日 1988-10-26 
登録番号 商標登録第2084923号(T2084923) 
商標の称呼 シード 
代理人 特許業務法人共生国際特許事務所 
代理人 吉澤 大輔 
代理人 秋元 輝雄 
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