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審決分類 審判 査定不服 外観類似 登録しない W35
審判 査定不服 観念類似 登録しない W35
審判 査定不服 称呼類似 登録しない W35
管理番号 1360556 
審判番号 不服2019-5375 
総通号数 244 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2020-04-24 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2019-04-23 
確定日 2020-02-14 
事件の表示 商願2018- 2802拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は、「Fortuna」の欧文字を標準文字で表してなり、第9類、第35類及び第42類に属する願書記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、平成30年1月11日に登録出願され、その後、指定商品及び指定役務については、審判請求と同時に提出された同31年4月23日付け手続補正書により、第35類「広告業,通信ネットワークを介して行う広告の配信,インターネットによる広告,広告の代理,広告の企画・立案,広告に関するコンサルティング及び情報の提供,インターネットにおける広告用スペースの提供,電子メール配信における電子メール上の広告用スペースの提供,商品の販売促進又は役務の提供促進のための企画及び実行の代理,広告効果の調査及び分析並びにこれらに関する情報の提供,インターネットユーザーのウェブサイトへのアクセス動向等のコンピュータネットワークに関する市場調査並びにそれらの調査結果の分析及びその調査結果に関する情報の提供,企業の顧客情報の収集・管理・分析及びこれらに関する情報の提供,事業に関するビッグデータ分析,ビッグデータに基づいた市場調査,経営の診断又は経営に関する助言,市場調査又は分析,商品の販売に関する情報の提供,ホテルの事業の管理,商品販売店舗に関する情報の提供,事業に関する情報の提供,商業に関する情報の提供,商品の売買契約の代理・取次・媒介,商品及び役務に関する消費者情報の提供,顧客情報の提供,広告又は販売促進のために行う懸賞の応募又は実施に関する情報の提供,コンピュータデータベースへの情報構築・情報編集」と補正されたものである。

2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして拒絶の理由に引用した登録第5492251号商標(以下「引用商標」という。)は、「Fortuna Japan」の欧文字を標準文字で表してなり、平成23年11月15日に登録出願、第35類「広告,スポーツ・文化・芸術・芸能に関する事業の経営に関する助言,スポーツ・文化・芸術・芸能に関する事業の市場調査,商品の販売に関する情報の提供,ホテルの事業の管理,輸出入に関する事務の代理又は代行,海外留学手続事務の代行,建築物における来訪者の受付及び案内,求人情報の提供」及び第41類「技芸・スポーツ又は知識の教授,海外における教育実習・実務研修・語学研修・留学に関する企画・運営及び情報の提供,セミナーの企画・運営又は開催,映画・演芸・演劇又は音楽の演奏の興行の企画又は運営,教育・文化・娯楽・スポーツ用ビデオの制作(映画・放送番組・広告用のものを除く。),スポーツの興行の企画・運営又は開催,興行の企画・運営又は開催(映画・演芸・演劇・音楽の演奏の興行及びスポーツ・競馬・競輪・競艇・小型自動車競走の興行に関するものを除く。)」を指定役務として、同24年5月11日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。

3 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号該当性について
ア 本願商標について
本願商標は、上記1のとおり、「Fortuna」の欧文字からなるところ、当該文字は、「古代ローマの運命の女神」の意味を有する英語(「ランダムハウス英和大辞典第2版」株式会社小学館)として、辞書に掲載されているものの、我が国においてはその意味合いをもって広く一般に知られている語とはいい難いものであるから、特定の意味合いを想起させることのない一種の造語として理解されるとみるのが相当である。
そうすると、本願商標は、その構成文字に相応して「フォルトゥナ」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。
イ 引用商標について
引用商標は、上記2のとおり、「Fortuna Japan」の欧文字からなるところ、その構成は、「Fortuna」の欧文字と「Japan」の欧文字とを1文字分の間隔を空けて横書きしてなることから、両文字を組み合わせたものと容易に認識されるものである。
そして、引用商標の構成中、「Fortuna」の欧文字は、「古代ローマの運命の女神」の意味を有する英語として、辞書に掲載されているものの、我が国においてはその意味合いをもって広く一般に知られている語とはいい難いものであるから、特定の意味合いを想起させることのない一種の造語として理解されるとみるのが相当であり、また、「Japan」の欧文字は、「日本」を意味する英語であって、その指定役務との関係において、役務を提供する事業者の設立地やその事業所の所在地を想起させるといえるものであり、自他役務の識別標識としての機能を有しないか、又は、極めて弱いというのが相当である。
してみれば、引用商標は、その構成中、前半に位置する造語と認識される「Fortuna」の欧文字部分が、取引者、需要者に対して役務の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものということができ、当該文字部分を要部として抽出し、商標を比較して類否を判断することも許されるというべきである。
そうすると、引用商標は、構成全体から生じる「フォルトゥナジャパン」の称呼のほか、要部である「Fortuna」の欧文字に相応して「フォルトゥナ」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。
ウ 本願商標と引用商標との類否について
本願商標と引用商標の類否について検討すると、外観においては、その全体の構成において差異を有するものであるが、本願商標と引用商標の要部との比較においては、両者は、同一の文字からなり、外観上、類似するものである。
次に、称呼においては、本願商標と引用商標とは、共に「フォルトゥナ」の同一の称呼を生じるものである。
そして、観念においては、本願商標と引用商標は、いずれも特定の観念を生じないものであるから、観念上、比較することができない。
してみれば、本願商標と引用商標の要部とは、観念において比較できないとしても、称呼を同一にし、外観において類似するものであるから、これらを総合して考察すれば、本願商標と引用商標とは、互いに相紛れるおそれのある類似の商標というべきである。
エ 本願の指定役務と引用商標の指定役務との類否について
本願の指定役務は、引用商標の指定役務と、同一又は類似の役務を含むものである。
オ 小括
以上によれば、本願商標は、引用商標と類似する商標であって、その指定役務は、引用商標の指定役務と同一又は類似のものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。
(2)請求人の主張について
ア 請求人は、「『Japan』の文字が、我が国の国名『日本』を意味する語であるとしても、当該語が指定役務の具体的な提供場所等を表す語、すなわち、質表示語として一般に用いられているといった取引の実情は、原査定には何ら示されていない。」旨主張し、「○○+Japan」の構成からなる商標が使用されている例を証拠として提出(甲1?甲5)して、「これらの使用例において、『Japan』の語は単に役務の提供場所等を表すものではなく、当該結合する語と一体となって、漠とした日本に関するイメージを醸し出す語として機能しているといえる。・・・引用商標は、『日本と何らかの関係性がある』という漠としたプラスのイメージや雰囲気を抱かせるために、敢えて『Japan』の語を付加しているといえるため、引用商標中の『Japan』の文字からも、出所識別標識としての称呼、観念が生じる」旨主張する。
しかしながら、請求人の提出した証拠からは、「WAKU WAKU JAPAN」(甲1)、「CMJapan」(甲2)、「Solution/Japan」(甲3)、「AP/JAPAN」(甲4)、「Tasty Japn」(甲5)などと使用されている例が確認できるものの、各構成中の「JAPAN」の欧文字が、常に役務の出所識別標識として認識され得る態様をもって使用されているとはいえないものであり、むしろ、需要者をして、その役務を提供する事業者の設立地や事業所の所在地を認識させるものとみるのが相当である。
そうすると、上記(1)イのとおり、引用商標中の「JAPAN」の欧文字は、その指定役務との関係において、役務を提供する事業者の設立地やその事業所の所在地を認識させ、自他役務の識別標識としては認識されないものとみるのが相当である。
イ 請求人は、登録例及び審決例を提示して、「後半部に『JAPAN』の語を含む結合商標が、その構成全体をもって一体不可分の造語であると判断されたことを示す証左」である旨主張する。
しかしながら、請求人の提示する登録例及び審決例は、本願商標とは構成が相違し、事案を異にするものである上、商標の類否の判断は、登録出願に係る商標と他人の登録商標との対比において、個別具体的に判断されるものであるところ、本願商標と引用商標については、上記(1)ウのとおり、類似の商標であるから、請求人の挙げた登録例及び審決例があるからといって、それらが上記判断を左右するものではない。
よって、請求人の上記主張は、いずれも採用できない。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当し、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2019-12-10 
結審通知日 2019-12-11 
審決日 2019-12-26 
出願番号 商願2018-2802(T2018-2802) 
審決分類 T 1 8・ 261- Z (W35)
T 1 8・ 262- Z (W35)
T 1 8・ 263- Z (W35)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 小岩井 陽介竹之内 正隆 
特許庁審判長 冨澤 美加
特許庁審判官 木住野 勝也
小俣 克巳
商標の称呼 フォルトゥーナ、フォーチュナ、フォルチュナ、フォーテュナ、フォルテュナ 
代理人 田▲崎▼ 聡 
代理人 松岡 龍生 
代理人 久我 貴洋 

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