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審判番号(事件番号) データベース 権利
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不服20186450 審決 商標
不服201815972 審決 商標
不服201713410 審決 商標
不服201515350 審決 商標

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審決分類 審判 査定不服 商4条1項8号 他人の肖像、氏名、著名な芸名など 登録しない W33
管理番号 1355066 
審判番号 不服2018-15721 
総通号数 238 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2019-10-25 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2018-11-27 
確定日 2019-09-05 
事件の表示 商願2017-49870拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は、「YamaKawaMitsuO」の文字を標準文字で表してなり、第33類「清酒,泡盛,合成清酒,焼酎,白酒,直し,みりん,洋酒,果実酒,酎ハイ,中国酒,薬味酒」を指定商品として、平成29年4月11日に登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は、「本願商標は、『YamaKawaMitsuO』の文字を表してなるところ、当該文字は他人の氏名『山川 光男』等の欧文字表記と認められるものであり、『山川 光男』等の氏名の者が複数存在するところ、その他人の承諾を得ているものとは認められない。したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第8号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第8号の趣旨
商標法第4条第1項第8号が、他人の肖像又は他人の氏名、名称、著名な略称等を含む商標は、その他人の承諾を得ているものを除き、商標登録を受けることができないと規定した趣旨は、人(法人等の団体を含む。以下同じ。)の肖像、氏名、名称等に対する人格的利益を保護すること、すなわち、自らの承諾なしにその氏名、名称等を商標に使われることがないという利益を保護することにあると解される(最高裁平成15年(行ヒ)第265号同16年6月8日第三小法廷判決、最高裁平成16年(行ヒ)第343号同17年7月22日第二小法廷判決)。そうすると、ある氏名を有する他人にとって、その氏名を同人の承諾なく商標登録されることは、同人の人格的利益を害されることとなると考えられる(知財高裁平成28年(行ケ)第10065号同28年8月10日判決参照)。
(2)商標法第4条第1項第8号の該当性
本願商標は、前記1のとおり、「YamaKawaMitsuO」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中の「Y」、「K」、「M」及び「O」の文字が大文字で表されていることから、「Yama」、「Kawa」、「Mitsu」及び「O」の各文字を組み合わせたものと看取、把握され、そして、本願商標に接する取引者、需要者は、これを「ヤマ」「カワ」「ミツ」「オ」といった語をローマ字で表記したと容易に理解するとみるのが相当である。
ところで、氏名の読みを、ローマ字で表記することは、パスポート、クレジットカードや名刺等にみられるとおり、我が国において広く行われている。
してみれば、本願商標は、「ヤマカワミツオ」を読みとする氏名を、ローマ字で表記したものと容易に認識されると判断するのが相当である。
そして、「ヤマカワミツオ」という氏名の者は、原審において示した者の他にも、「山川満夫」、「山川充夫」らが存在する(別掲1及び別掲2参照)。
そうすると、本願商標は、上記他人の氏名を表記したものといわなければならず、かつ、上記他人の承諾を得たものとは認められない。
したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第8号に該当する。
(3)請求人の主張について
請求人は、本願商標は、姓と名の間にスペースやカンマを設けることなく、各欧文字を同書、同大、同間隔に並べて一体不可分のものとして一連に表記しているから、姓と名を直ちに区別できないものである上、本願商標から生じる称呼「ヤマカワミツオ」における、「ヤ」、「カ」、「ミ」、「オ」の子音である「Y」、「K」、「M」、「O」だけを大文字で表記する、一般的な氏名の欧文字表記には使用されていない特異な表記手法であるから、より一層、取引者、需要者をして、直ちに、氏名を表したものと把握し、認識するとはいい難いものである旨主張する。
しかしながら、本願商標は、上記のとおり、氏名をローマ字で表記したと看取されるものであって、別掲1及び別掲2のとおり、「山川光男」などの氏名の者が存在する事実があり、氏名の読みをローマ字で表記することは我が国において広く行われているから、本願商標は、姓と名の間にスペースやカンマがなく、一部を大文字で表記している構成であるとしても、氏名を構成する漢字それぞれの文字に照応するローマ字の先頭を単に大文字で表したものと認識、理解されるものであって、これが特異な表記手法であるとはいえず、これに接する取引者、需要者をして、例えば、「山川光男」などの氏名をローマ字で表記したものと認識されると判断するのが相当であり、請求人の主張は採用することができない。
(4)まとめ
以上のとおり、本願商標は、他人の氏名を表記した商標であり、かつ、上記他人の承諾を得ているとは認められないものであるから、商標法第4条第1項第8号に該当し、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 別掲1
(平成30年1月19日付け拒絶理由通知書により通知した事例)
*住所でポン!2012年版電話帳(https://jpon.xyz/i)参照
1 北海道河東郡在住の「山川光雄」
2 山形県西置賜郡在住の「山川光雄」
3 沖縄県国頭郡在住の「山川光男」
4 静岡県菊川市在住の「山川光男」
5 福岡県福岡市在住の「山川光男」
6 千葉県船橋市在住の「山川光男」
7 滋賀県東近江市在住の「山川光男」
8 栃木県日光市在住の「山川光男」
9 茨城県つくば市在住の「山川光雄」
10 京都府福知山市在住の「山川光男」
11 北海道札幌市在住の「山川光男」
12 群馬県太田市在住の「山川光雄」
13 埼玉県久喜市在住の「山川光男」
14 山形県山形市在住の「山川光雄」

別掲2
(当審において示す事例)
1 「全国不動産会社データベース」のウェブサイトにおいて、「有限会社山川造園」の見出しの下、「山川光男」を氏名とする者が掲載されている。
(https://www.lvnmatch.com/shop/detail/010901596300/)
2 「北海道十勝 音更町」のウェブサイトにおいて、「議員一覧(定数20)令和元年5月8日現在」の見出しの下、「議員一覧」に、「山川光雄」を氏名とする者が掲載されている。
(https://www.town.otofuke.hokkaido.jp/town/assembly/meibo.html)
3 「沖縄国際大学」のウェブサイトにおいて、「法学部教員一覧」の見出しの下、「山川満夫」を氏名とする者が掲載されている。
(https://www.okiu.ac.jp/gakubu/hougakubu/teacher/yamakawa)
4 「KAKEN」のウェブサイトにおいて、「山川充夫」を氏名とする者が掲載されている。
(https://nrid.nii.ac.jp/ja/nrid/1000000094285/)

審理終結日 2019-07-02 
結審通知日 2019-07-09 
審決日 2019-07-23 
出願番号 商願2017-49870(T2017-49870) 
審決分類 T 1 8・ 23- Z (W33)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 小林 正和 
特許庁審判長 金子 尚人
特許庁審判官 有水 玲子
小松 里美
商標の称呼 ヤマカワミツオ 
代理人 黒沼 吉行 
代理人 黒沼 吉行 
代理人 黒沼 吉行 
代理人 黒沼 吉行 

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