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審決分類 |
審判 全部申立て 登録を維持 W33 審判 全部申立て 登録を維持 W33 審判 全部申立て 登録を維持 W33 |
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管理番号 | 1353385 |
異議申立番号 | 異議2018-900120 |
総通号数 | 236 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標決定公報 |
発行日 | 2019-08-30 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2018-05-09 |
確定日 | 2019-07-16 |
異議申立件数 | 1 |
事件の表示 | 登録第6028143号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 登録第6028143号商標の商標登録を維持する。 |
理由 |
1 本件商標 本件登録第6028143号商標(以下「本件商標」という。)は、「阿波十割」の文字を標準文字で表してなり、平成29年3月9日に登録出願、第33類「徳島県産の清酒又は徳島県産の原料を使用した清酒,徳島県産の米を原料とする酒,徳島県産の果実入りアルコール飲料又は徳島県産の原料を使用した果実入りアルコール飲料,徳島県産のアルコール飲料(ビールを除く)又は徳島県産の原料を使用したアルコール飲料(ビールを除く),徳島県産のアルコールエッセンス又は徳島県産の原料を使用したアルコールエッセンス,徳島県産のアルコールエキス(ビール用のものを除く)又は徳島県産の原料を使用したアルコールエキス(ビール用のものを除く),徳島県産のカクテル又は徳島県産の原料を使用したカクテル,徳島県産の蒸留酒又は徳島県産の原料を使用した蒸留酒,徳島県産のリキュール又は徳島県産の原料を使用したリキュール,徳島県産のプレミックスアルコール飲料(ビールベースのものを除く。)又は徳島県産の原料を使用したプレミックスアルコール飲料(ビールベースのものを除く。),徳島県産のスピリッツ又は徳島県産の原料を使用したスピリッツ」を指定商品として、同30年2月20日に登録査定、同30年3月16日に設定登録されたものである。 2 登録異議申立人が引用する商標 登録異議申立人(以下「申立人」という。)が登録異議の申立ての理由として引用する登録第4954447号商標(以下「引用商標」という。)は、「とわり」の文字と「十割」の文字を上下二段に書してなり、平成15年2月26日に登録出願、第33類「日本酒,洋酒,果実酒,中国酒,薬味酒」を指定商品として、同18年5月19日に設定登録されたものであり、現に有効に存続しているものである。 なお、申立人は、登録異議の申立ての理由として登録第6011949号商標も引用しているところ、本件商標の登録出願の日は平成29年3月9日であるのに対し、登録第6011949号商標の登録出願の日は平成29年4月28日であるから、登録第6011949号商標は、本件商標より後に出願されたものである。 そうすると、登録第6011949号商標は、商標法第4条第1項第11号にいう「当該商標登録出願の日前の商標登録出願に係る他人の登録商標」ではないから、本件商標は、登録第6011949号商標の存在を理由として商標法第4条第1項第11号に該当するとはいえない。 3 登録異議の申立ての理由 申立人は、本件商標は商標法第4条第1項第11号に該当するものであるから、同法第43条の2第1号により、その登録は取り消されるべきであると申し立て、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第33号証を提出した。 (1)本件商標 本件商標は、「阿波」と「十割」の二語よりなる結合商標と解されるところ、全体として既成語ではなく、全体を常に一体不可分のものとしてみなければならない特段の事情は存しない。 本件商標の構成中の「阿波」の文字は、「旧国名。今の徳島県。粟国。阿州。」または「阿波市:徳島県北部の市。」を意味する語(甲28、甲29)であって、同地域または行政区画を表す地理的名称としてよく親しまれたものであるから、当該文字部分は、商品の産地、販売地の表示にすぎず、自他商品の識別力を有しない部分である。 また、本件商標の構成中の「十割」の文字部分は、引用商標の登録が存在し、現に宝酒造株式会社の業務に係る商品「そば焼酎」の商標として使用され取引に資されて親しまれているとおりに、十分に識別力を具えたものであるから、本件商標にあっては、強い識別力を有する「十割」の部分が、商標の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものといえ、「十割」の文字部分を商標の要部として抽出した類否判断が妥当と思料する。 したがって、本件商標は、その要部である「十割」の文字部分から、当該文字に相応して、「ジュウワリ」または「トワリ」の称呼と、「十のうちの十。全て。」の観念を生じる。 (2)引用商標 引用商標は「とわり」と「十割」の文字よりなり、当該文字に相応して、「トワリ」または「ジュウワリ」の称呼と、「十のうちの十。全て。」の観念を生じる。 (3)本件商標と引用商標の類否 本件商標は、引用商標と、「トワリ」または「ジュウワリ」の称呼と、「十のうちの十。全て。」の観念、及び「十割」の構成文字を共通にする、類似の商標であり、かつ、その指定商品も抵触する。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。 4 当審の判断 (1)商標法第4条第1項第11号該当性について ア 本件商標 本件商標は、前記1のとおり、「阿波十割」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成文字は、同じ書体、同じ大きさ、等しい間隔で、全体としてまとまりよく一体的に表されているといえるものであり、その構成全体から生じる「アワジュウワリ」の称呼も、無理なく一連に称呼し得るものである。 また、本件商標を構成する「阿波」の文字は、「旧国名。今の徳島県。徳島県北部の市。」の意味を有する語であり、「十割」の文字は、「一割の10倍、全部、100パーセント」の意味を有する語であり、いずれも平易な語であるものの、本件商標の構成全体として、特定の意味合いを想起、理解させるとはいい難く、さらに、「阿波」及び「十割」の各文字が、いずれかが強く印象付けられる構成ではないことから、各文字間において特に軽重の差があるものとはいえない。 そうすると、本件商標は、その構成態様及び称呼からすれば、その構成全体をもって、一連一体のものとして看取、把握されるものであり、また、その構成全体から特定の観念を生じないものとみるのが相当である。 してみれば、本件商標は、その構成全体に相応して、「アワジュウワリ」の称呼のみを生じるものであり、特定の観念を生じないものである。 なお、申立人は、本件商標の「阿波」の文字部分は、商品の産地、販売地の表示にすぎず、自他商品の識別力を有しない部分であり、強い識別力を有する「十割」の部分が、商標の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものといえ、「十割」の文字部分を商標の要部として抽出した類否判断が妥当である旨主張している。 しかしながら、上記のとおり、本件商標のかかる構成においては、「阿波」の文字部分が商品の産地等を表示するものと理解され、「十割」の文字部分が強く支配的な印象を与えるものとみるよりは、むしろその構成全体をもって一体不可分の造語を表したものとみるのが相当であるから、本件商標は、その構成中の「十割」の文字部分だけを分離、抽出し、引用商標と比較して商標そのものの類否を判断することは許されないものというべきである。 よって、申立人の主張は採用することができない。 イ 引用商標 引用商標は、前記2のとおり、「とわり」の文字と「十割」の文字とを二段に横書きしてなるものであるところ、その構成中の平仮名「とわり」の文字は漢字「十割」の文字の読みを特定したものと認められるから、「十割」の文字が「一割の10倍、全部、100パーセント」の意味を有する語であるとしても、「とわり」の文字に相応して「トワリ」の称呼を生じ、その構成全体から特定の観念を生じないものである。 ウ 本件商標と引用商標との類否 上記アのとおり、本件商標は、「阿波十割」の文字を標準文字により表してなるものであり、上記イのとおり、引用商標は、「とわり」の文字と「十割」の文字を二段に書してなるものであるから、両商標は、「阿波」の文字及び「とわり」の文字の有無という明らかな差異を有するものであるから、外観上相紛れるおそれはないものである。 また、本件商標から生じる「アワジュウワリ」の称呼と、引用商標から生じる「トワリ」の称呼とを比較すると、両商標は、明らかに相違するものであるから、称呼上相紛れるおそれはないものである。 さらに、両商標とも特定の観念を生じるとは認められないから、観念において比較することはできない。 そうすると、本件商標と引用商標とは、観念において比較できないものであるとしても、外観及び称呼において相紛れるおそれのないものであるから、両商標が需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すれば、両商標は、非類似の商標というべきものである。 エ 本件商標の指定商品と引用商標の指定商品との類否 本件商標の指定商品と引用商標の指定商品とは、同一又は類似の商品である。 オ 小括 したがって、本件商標と引用商標とは、非類似の商標というべきものであるから、本件商標の指定商品が引用商標の指定商品と同一又は類似のものであるとしても、本件商標は商標法第4条第1項第11号に該当しない。 (2)まとめ 以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきでものである。 よって、結論のとおり決定する。 |
異議決定日 | 2019-07-05 |
出願番号 | 商願2017-40686(T2017-40686) |
審決分類 |
T
1
651・
263-
Y
(W33)
T 1 651・ 261- Y (W33) T 1 651・ 262- Y (W33) |
最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 浜岸 愛 |
特許庁審判長 |
金子 尚人 |
特許庁審判官 |
小田 昌子 小松 里美 |
登録日 | 2018-03-16 |
登録番号 | 商標登録第6028143号(T6028143) |
権利者 | 徳島県 |
商標の称呼 | アワジューワリ、アワトワリ、ジューワリ、トワリ |
代理人 | 豊栖 康司 |
代理人 | 豊栖 康弘 |
代理人 | 特許業務法人みのり特許事務所 |