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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 W11
審判 全部申立て  登録を維持 W11
審判 全部申立て  登録を維持 W11
審判 全部申立て  登録を維持 W11
審判 全部申立て  登録を維持 W11
管理番号 1352477 
異議申立番号 異議2018-900365 
総通号数 235 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2019-07-26 
種別 異議の決定 
異議申立日 2018-12-03 
確定日 2019-06-09 
異議申立件数
事件の表示 登録第6077944号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて,次のとおり決定する。 
結論 登録第6077944号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第6077944号商標(以下「本件商標」という。)は,「V-ISA」の文字を標準文字で表してなり,平成29年11月3日に登録出願,第11類「照明用器具」を指定商品として,同30年7月19日に登録査定,同年9月7日に設定登録されたものである。

2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が本件登録異議の申立てに引用する登録商標は,以下のとおりであり,いずれも現に有効に存続しているものである。
(1)登録第2009499号商標(以下「引用商標1」という。)は,別掲(1)のとおりの構成よりなり,昭和57年8月31日に登録出願,第11類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として,同62年12月18日に設定登録され,その後,平成20年8月20日に,指定商品を第11類「電球類及び照明用器具」を含む,第7類ないし第12類,第17類及び第21類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品とする指定商品の書換登録がされ,さらに,その指定商品中の第9類「電子応用機械器具及びその部品」については,商標登録の取消審判により,その登録を取り消すべき旨の審決がされ,同31年1月16日にその審判の確定審決の登録がされたものである。
(2)登録第3200011号商標(以下「引用商標2」という。)は,別掲(2)のとおりの構成よりなり,商標法の一部を改正する法律(平成3年法律第65号)附則第5条第1項の規定により使用に基づく特例の適用を主張し,平成4年9月29日に登録出願,第36類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務を指定役務とし,特例商標として,同8年9月30日に設定登録されたものである。
(3)登録第3253066号商標(以下「引用商標3」という。)は,「ビザ」の文字を横書きしてなり,商標法の一部を改正する法律(平成3年法律第65号)附則第5条第1項の規定により使用に基づく特例の適用を主張し,平成4年9月29日に登録出願,第36類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務を指定役務とし,特例商標として,同9年1月31日に設定登録されたものである。
(4)登録第3253068号商標(以下「引用商標4」という。)は,別掲(3)のとおりの構成よりなり,平成4年9月30日に登録出願,第36類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務を指定役務として,同9年1月31日に設定登録されたものである。
(5)登録第3253069号商標(以下「引用商標5」という。)は,別掲(4)のとおりの構成よりなり,商標法の一部を改正する法律(平成3年法律第65号)附則第5条第1項の規定により使用に基づく特例の適用を主張し,平成4年9月30日に登録出願,第36類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務を指定役務とし,特例商標として,同9年1月31日に設定登録されたものである。
(6)登録第4774456号商標(以下「引用商標6」という。)は,別掲(5)のとおりの構成よりなり,平成15年8月1日に登録出願,第36類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務を指定役務として,同16年5月28日に設定登録されたものである。
(7)登録第4993862号商標(以下「引用商標7」という。)は,別掲(6)のとおりの構成よりなり,平成17年3月9日に登録出願,第36類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務を指定役務として,同18年10月6日に設定登録されたものである。
(引用商標1ないし引用商標7をあわせていうときは,以下,単に「引用商標」という。)

3 登録異議申立ての理由
申立人は,本件商標は,商標法第4条第1項第11号及び同項第15号に該当するものであるから,その登録は同法第43条の2第1号により取り消されるべきであるとして,その理由を要旨次のように述べ,証拠方法として甲第1号証ないし甲第15号証を提出した。
(1)引用商標の著名性について
申立人は,クレジットカード会社として1958年,米国のバンク・オブ・アメリカがBANK AMERICARDを設立したことに端を発し,その後,1976年に査証になぞらえて,国際的な意味を持たせた現在の名称に変更し,世界及び日本において活発な企業活動を行っている。
引用商標2ないし引用商標7に係るクレジットカード等は,世界レベルで加盟店が非常に幅広く,日本でも主要クレジット会社としてのブランドイメージが確立されている。申立人は,日本法人を設立し,長年にわたり,日本のカード発行会社,加盟店,消費者等に多彩なサービスを提供している(甲9?甲15)。
したがって,引用商標は,本件商標の登録出願時において,申立人の業務に係る役務,商品を表示するものとして,既に我が国において著名であった。
(2)本件商標と引用商標の類否について
本件商標は,「V-ISA」の文字からなり,かかる文字に相応して「ヴィーアイエスエイ」,「ヴィーザ」,「ビザ」又は「ヴィザ」の称呼が生じる。
一方,引用商標1は,「eLeCTRON VISA」の文字からなり,「eLeCTRON」部分は,英語で電子を意味する「エレクトロン」であると容易に認識されると考えられ,指定商品との関係で当該部分は識別力が弱いと考えられる。したがって,引用商標1の要部は「VISA」部分であり,その文字に応じて,「ヴィーザ」,「ビザ」,「ヴィザ」の称呼が生じる。
また,引用商標2ないし引用商標7は,「VISA」又は「ビザ」の文字からなり,その文字に相応して,同じく「ヴィーザ」,「ビザ」,「ヴィザ」の称呼が生じる。
したがって,本件商標と引用商標は,称呼が共通するものであることから,本件商標は引用商標に称呼上類似するものである。
また,外観において,本件商標は,「V」とそれに続く「ISA」との間にハイフン(-)を配してなるが,ハイフンはその前の文字・語とその後に続く文字・語とを結合させる働きを有する記号として用いられており,ハイフンで結合される文字「V」と「ISA」は引用商標と同一の文字からなるので,本件商標と引用商標は外観においても類似する。
また,観念について比較すると,本件商標の,「V-ISA」は,申立人に係る役務・商品を示す商標として著名に至っている商標「VISA」(引用商標)と同じ文字からなるものであることから,本件商標と引用商標は申立人の使用に係る商品・役務を示す商標を容易に観念することができ,両商標は,観念においても類似する。
以上のことから,本件商標と引用商標は,外観・称呼及び観念のいずれにおいても類似する。
(3)商標法第4条第1項第11号該当性について
上記(2)のとおり,本件商標は,引用商標1に類似し,その商品と同一又は類似の商品に使用するものである。
したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第11号に該当する。
(4)商標法第4条第1項第15号について
申立人の業務に係る商品を表示するものとして著名な引用商標と同一又は類似する本件商標がその指定商品に使用された場合,取引者,需要者をして,その商品が申立人の提供にかかわるものであるかのごとく,あるいは,申立人と何等かの経済的・組織的関連があるかのごとく認識され,出所混同を生ずるおそれがある。
「クレジットカ?ド利用者に代わってする支払代金の清算」等のクレジットカード決済にかかる役務は,クレジットカ?ド利用者である需要者の範囲に相応して実に多くの商品・役務と密接に関連しているといえる。すなわち,電子商取引が非常に発達した今日において,さまざまな層の需要者は,例えば,照明器具・装置を購入する際,支払の多くをクレジットカード等の電子決済手続によって行う場合が多く,その際,日本はもとより国際的にも非常に高い評価を得ているクレジットカードの国際ブランドともなっている申立人の使用にかかる引用商標を冠したクレジットカードを使用することが多いに考えられる。また,電子決済手続において,申立人の使用にかかる引用商標がパソコン等の電子決済手続画面において表示されることが多いことから,引用商標は,電子商取引において対象となるあらゆる商品・役務との間で,関連性を有する。
以上より,本件商標がその指定商品「照明用器具」に使用された場合,取引者,需要者をして申立人の著名商標「VISA」と出所混同を生ずるおそれがある。
したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第15号に該当する。

4 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号について
ア 本件商標について
本件商標は,上記1のとおり,「V」の文字と「ISA」の文字とを「-(ハイフン)」を介して「V-ISA」と標準文字で表してなるところ,その構成文字及び記号は,同じ書体,同じ大きさで等間隔にまとまりよく一体に表されているものであって,その構成文字及び記号全体から生じる「ブイイサ」又は「ブイアイエスエイ」の称呼も無理なく一連に称呼し得るものである。
そして,当該文字及び記号は,辞書等に掲載されていないものであるから,特定の語義を有しない一種の造語として理解されるとみるのが相当である。
したがって,本件商標は,その構成文字及び記号全体に相応した,「ブイイサ」又は「ブイアイエスエイ」の称呼を生じ,特定の観念を生じないものである。
イ 引用商標について
引用商標1は,上記2のとおり,ややデザイン化された態様で表された「eLeCTRON」の文字と「VISA」の文字とを2段に書してなるところ,上段と下段の文字は,デザインの種類が異なる文字で構成され,2段に表示されていることから視覚上分離して観察される。
また,引用商標1の構成中「eLeCTRON」の文字部分は,「電子」を意味する英語として親しまれている「electron」の語をデザイン化したものと容易に理解されるものであり,指定商品との関係からみて,当該語が自他商品の識別標識としての識別力が強いものとはいえないことから,引用商標1の構成中「VISA」の文字部分が取引者,需要者に対して強く支配的な印象を与える要部として理解されるとみるのが相当である。
したがって,引用商標1は,その構成文字全体に相応して「エレクトロンビザ」を生じるほか,その要部である「VISA」の文字に相応して「ビザ」の称呼を生じ,「ビザ,査証」の観念を生じるものである。
また,引用商標2,引用商標4ないし引用商標7は,ややデザイン化された「VISA」の文字から,引用商標3は「ビザ」の文字から,それぞれなるものであり,それらの文字に相応して「ビザ」の称呼を生じ,「ビザ,査証」の観念を生じるものである。
ウ 本件商標と引用商標の類否について
本件商標と,引用商標を対比すると,外観においては,それぞれ上記ア及びイのとおりの構成であるから,同じつづり字を含むとしても,「-(ハイフン)」の有無により,本件商標と引用商標とは,外観上,判然と区別し得るものである。
また,称呼においては,本件商標から生じる「ブイイサ」又は「ブイアイエスエイ」の称呼と,引用商標から生じる「エレクトロンビザ」又は「ビザ」の称呼とは,その音構成及び音数において明白な差異を有するものであるから,両者は,称呼上,明確に聴別できるものである。
そして,観念については,本件商標からは特定の観念を生じないものであるから,観念において比較することはできない。
以上からすれば,本件商標と引用商標とは,観念において比較できないとしても,その外観においては,判然と区別し得るものであり,称呼においても,明確に聴別できるものであるから,これらを総合的に考慮すれば,両者は,相紛れることのない非類似の商標というべきである。
エ まとめ
以上のとおり,本件商標と引用商標1とは非類似の商標であるから,その指定商品が同一又は類似するとしても商標法第4条第1項第11号に該当しない。
なお,引用商標2ないし引用商標7はいずれも本件商標の指定商品とは類似しない第36類の役務をその指定役務とするものであり,かつ,いずれも本件商標とは非類似の商標であるから,商標法第4条第1項第11号に該当するものではない。
(2)商標法第4条第1項第15号について
申立人の「VISA」の文字よりなる商標(特に,引用商標2(別掲(2))に代表される態様のややデザイン化された「VISA」の文字からなる商標。以下「申立人使用商標」という。)が,申立人の業務に係る役務「クレジットカード利用者に変わってする支払代金の精算,旅行者用小切手の発行及び買取り」等について使用され,本件商標の登録出願日(平成29年11月3日)には既に,我が国の取引者,需要者の間に広く認識されていたことは,顕著な事実といえる。
しかしながら,「VISA」の文字は,「査証」を意味する既成の語であるから,独創性は高いものではない。
また,本件商標と申立人使用商標とは,上記(1)ウの引用商標2と同様に,同じつづり字を含むとしても,外観,称呼及び観念が異なり,いずれの点からみても相紛れるおそれのない別異の商標というべきであるから,商標の類似性の程度は高いものではない。
さらに,本件商標は,申立人の業務に係る上記役務とは,取引の対象,形態,流通経路等を異にする第11類に属する商品「照明用器具」を指定商品とするものである。
そうすると,申立人使用商標が,申立人の業務に係る役務を表示するものとして,本件商標の登録出願の日前ないし登録査定日において取引者,需要者の間に広く認識されているとしても,その取引者,需要者において普通に払われる注意力を基準として,総合的に判断すれば,本件商標は,これに接する取引者,需要者をして引用商標を連想又は想起することがないものと判断するのが相当である。
してみれば,本件商標は,これをその指定商品について使用しても,取引者,需要者をして引用商標を連想又は想起させることはなく,その商品が他人(申立人)あるいは同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかのように,その商品の出所について混同を生ずるおそれがないものといわなければならない。
したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第15号に該当しない。
(3)むすび
以上のとおり,本件商標は,商標法第4条第1項第11号及び同項第15号のいずれにも該当せず,その登録は,同条第1項に違反してされたものではないから,同法第43条の3第4項に基づき,維持すべきものである。
よって,結論のとおり決定する。
別掲 別掲1 引用商標1


別掲2 引用商標2


別掲3 引用商標4(色彩は,原本参照のこと。)


別掲4 引用商標5


別掲5 引用商標6


別掲6 引用商標7(色彩は,原本参照のこと。)





異議決定日 2019-05-31 
出願番号 商願2017-145389(T2017-145389) 
審決分類 T 1 651・ 263- Y (W11)
T 1 651・ 261- Y (W11)
T 1 651・ 264- Y (W11)
T 1 651・ 271- Y (W11)
T 1 651・ 262- Y (W11)
最終処分 維持  
前審関与審査官 谷村 浩幸 
特許庁審判長 早川 文宏
特許庁審判官 薩摩 純一
大森 友子
登録日 2018-09-07 
登録番号 商標登録第6077944号(T6077944) 
権利者 マシンビジョンライティング株式会社
商標の称呼 ブイイサ、ブイアイエスエイ、イサ、アイエスエイ 
代理人 石田 昌彦 
代理人 田中 克郎 
代理人 稲葉 良幸 
代理人 森本 久実 

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