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審決分類 |
審判 査定不服 商品と役務の類否 取り消して登録 W0942 審判 査定不服 称呼類似 取り消して登録 W0942 審判 査定不服 観念類似 取り消して登録 W0942 審判 査定不服 外観類似 取り消して登録 W0942 |
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管理番号 | 1350730 |
審判番号 | 不服2018-5578 |
総通号数 | 233 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2019-05-31 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2018-04-23 |
確定日 | 2019-04-01 |
事件の表示 | 商願2016-127391拒絶査定不服審判事件について,次のとおり審決する。 |
結論 | 原査定を取り消す。 本願商標は,登録すべきものとする。 |
理由 |
1 本願商標 本願商標は,「TIMES」の欧文字を標準文字で表してなり,第9類,第16類及び第42類に属する願書記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として,平成28年11月14日に登録出願されたものである。 その後,その指定商品及び指定役務については,原審における同29年10月26日受付及び当審における同31年1月28日受付の手続補正書により,最終的に,第9類「タイプフェイスデザイン及び印刷用装飾模様を描くために使用する事業用コンピュータソフトウェア,機械的に読み取り可能な媒体に記録された英数字又は印刷用記号のタイプフェイスフォント・タイプフォント・タイプデザインの事業用電子データ」及び第42類「タイプフェイスデザイン及び印刷用装飾模様を描くために使用するダウンロードできないコンピュータソフトウェアの一時的使用の提供,その他の電子計算機用プログラムの提供,電子計算機用プログラムの設計・作成又は保守」に補正されたものである。 2 引用商標 原査定において,本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして,本願の拒絶の理由に引用した登録第5346401号商標(以下「引用商標」という。)は,「TIMES」の欧文字と「タイムズ」の片仮名を二段に横書きしてなり,平成19年6月29日に登録出願,第35類「カーナビゲーション装置・カーナビゲーション装置用ソフトウェア、カーナビゲーション装置用部品・付属品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,自動車の電子制御装置の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」を含む第35類,第36類及び第39類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務を指定役務として,平成22年8月20日に設定登録され,現に有効に存続しているものである。 3 当審の判断 (1)本願商標について 本願商標は,上記1のとおり,「TIMES」の欧文字を標準文字で表してなるところ,我が国で広く親しまれている英語「time」が,「時,時間」(株式会社小学館 ランダムハウス英和大辞典第二版)等の意味を有し,該語は「s」を伴って,「時代,・・・度,・・・倍」等の意味を表す語(前掲書)としても使用されることから,該欧文字に相応して,「タイムズ」の称呼を生じ,「時代,・・・度,・・・倍」程の観念を生じるものである。 (2)引用商標について 引用商標は,上記2のとおり,「TIMES」の欧文字と「タイムズ」の片仮名を二段に横書きしてなるところ,下段の片仮名は上段の欧文字の読みを特定したものと認識されるものであるから,本願商標と同様に,「タイムズ」の称呼が生じ,「時代,・・・度,・・・倍」程の観念を生じるものである。 (3)本願商標と引用商標との類否について 本願商標と引用商標とを比較するに,本願商標は上記1のとおり,「TIMES」の欧文字を表してなるものであり,他方,引用商標は上記2のとおり,「TIMES」の欧文字と「タイムズ」の片仮名を二段に横書きしてなるところ,両者は,その構成中「TIMES」の欧文字を共通にすることから,本願商標と引用商標とは,外観において,近似するものである。 つぎに,本願商標と引用商標とは,共に「タイムズ」の称呼及び「時代,・・・度,・・・倍」程の観念を生じるものであるから,両者は,その称呼及び観念において共通するものである。 そうすると,本願商標と引用商標とは,外観において近似し,かつ,称呼及び観念を同一にするものであるから,これらを総合的に勘案すれば,互いに類似する商標というのが相当である。 (4)本願商標の指定商品と引用商標の指定役務の類否について ア 本願商標の指定商品中「タイプフェイスデザイン及び印刷用装飾模様を描くために使用する事業用コンピュータソフトウェア」は,ポスターや標識を制作する事業者が,既存の文字フォントやタイプフェイスにデザインを施す,あるいは印刷用の作画(図柄や模様の作成)に用いるコンピュータソフトウェアであって,該商品の需要者は,広告制作や印刷を専門的に行う事業者といえる。 また,その指定商品中「機械的に読み取り可能な媒体に記録された英数字又は印刷用記号のタイプフェイスフォント・タイプフォント・タイプデザインの事業用電子データ」は,既存の文字フォントの中から,広告物のイメージに則した文字フォントを選択するために用いる電子データであって,該商品の需要者は,文字フォントの電子データを扱うソフトウェア制作会社等の事業者といえる。 イ 引用商標の指定役務中「カーナビゲーション装置用ソフトウェアの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」は,地図情報や交通情報を取り込んだカーナビゲーション装置用ソフトウェアを取扱商品とする小売等役務であり,該ソフトウェアは地図情報,現在地情報及び交通情報を提供するものである。該役務の需要者は,カーナビゲーション装置を組み込んだ車両を製造販売する自動車メーカー及び運行上の効率化のためにカーナビゲーション装置を設置したタクシー・バス・トラック等の運送事業者並びにカーナビゲーション装置を設置した自家用車を所有する一般需要者といえる。 また,その指定役務中「自動車の電子制御装置の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」は,自動車の電子制御装置を取扱商品とする小売等役務であり,これらの電子制御装置は,自動車を電子的に制御するための装置であって,該役務の需要者は,自動車を製造又は修理する事業者といえる。 ウ 以上よりすると,「タイプフェイスデザイン及び印刷用装飾模様を描くために使用する事業用コンピュータソフトウェア,機械的に読み取り可能な媒体に記録された英数字又は印刷用記号のタイプフェイスフォント・タイプフォント・タイプデザインの事業用電子データ」と「カーナビゲーション装置用ソフトウェアの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,自動車の電子制御装置の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」とは,前者は会社及び事業者等がデザイン・作画に用いるソフトウェア並びに文字フォントの選択のための電子データであって,後者はその取扱商品をカーナビゲーション装置用の地図情報等を提供するソフトウェア及び自動車を電子的に制御するための装置であるから,両者の用途は,明らかに異なるものである。 また,前者の需要者は広告制作や印刷を専門的に行う事業者であって,後者の需要者はカーナビゲーション装置を組み込んだ車両に関連した自動車メーカー,運送事業者及び一般需要者であるから,両者の需要者は,明らかに異なるものである。 さらに,前者の商品と後者の小売等役務に係る取扱商品の販売部門及び生産部門が一般的に共通するというべき事情は見いだせない。 そして,他に本願商標の指定商品及び指定役務と引用商標の指定役務とが,類似するというべき事情は見いだせない。 したがって,本願商標の指定商品及び指定役務と引用商標の指定役務とは,非類似の商品又は役務である。 (5)まとめ 以上のとおり,本願商標が引用商標と類似するとしても,本願商標の指定商品及び指定役務は,引用商標の指定役務と類似の商品又は役務に使用するものではないから,本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定は,取消しを免れない。 その他,本願について拒絶の理由を発見しない。 よって,結論のとおり審決する。 |
審決日 | 2019-03-07 |
出願番号 | 商願2016-127391(T2016-127391) |
審決分類 |
T
1
8・
263-
WY
(W0942)
T 1 8・ 261- WY (W0942) T 1 8・ 265- WY (W0942) T 1 8・ 262- WY (W0942) |
最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 大渕 敏雄 |
特許庁審判長 |
早川 文宏 |
特許庁審判官 |
平澤 芳行 小出 浩子 |
商標の称呼 | タイムズ |
代理人 | 神林 恵美子 |
代理人 | 村田 実 |