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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 W31
管理番号 1348945 
異議申立番号 異議2018-900082 
総通号数 231 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2019-03-29 
種別 異議の決定 
異議申立日 2018-04-05 
確定日 2019-02-01 
異議申立件数
事件の表示 登録第6011730号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第6011730号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第6011730号商標(以下「本件商標」という。)は、「Livida」の欧文字を標準文字で表してなり、平成28年12月22日に登録出願、第31類「植物,草,苗,種子」を指定商品として、同29年10月27日に登録査定、同30年1月19日に設定登録されたものである。

2 登録異議の申立ての理由
登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、本件商標「Livida」は、学術上、動植物に付けられる世界共通の名称である学名において用いられているラテン語であり、出願人の指すであろうHaworthia属はもとより、他の科・属の植物又は動物においても、本件商標の登録出願より以前に、相当期間にわたり、国内外で広く学名として認知、使用されているものであるから、既知の学術性、公共性のある普通名称であることは明らかであり、商標法第3条第1項第1号に該当する旨主張し、証拠方法として、甲第1号証を提出した。

3 当審の判断
(1)「Livida(livida)」の文字の使用状況について
ア 申立人の主張及び同人提出の証拠によれば、次のとおりである。
なお、申立人は、商標登録異議申立書の別添資料に「添付書類一覧」として記載のとおり、甲第1号証として、8つの異なる書籍などを提出していることから、以下においては、当該一覧の記載に従って、それぞれを甲第1号証の1ないし甲第1号証の8とする。
(ア)本件商標の登録査定の日前に我が国で発行された図鑑や写真集に、「マッティオラ・リヴィダ/アブラナ科 Matthiola livida」、「Dischidia livida/リビダ」、「Haworthia pubescens v.livida/リビダ」及び「リビダ/H.livida」の文字が記載されていることが認められ、それらは、花や多肉植物の名称、学名又は略称として用いられているものであることがうかがえる(甲1の1?4)。
(イ)本件商標の登録査定の日前に外国で発行された書籍に、「H.pubescens var.livida」、「var.livida M.B.Bayer var.nov.」、「livida:bluish-grey.」、「H.pubescens var.livida/M.B.BAYER」、及び一覧表中の「Species」の欄に「livida」、「sensu Bayer」の欄に「pubescens‘livida’」、並びに「H.livida IB5448」の記載があり、それらは多肉植物の名称などとして用いられていることがうかがえる(甲1の5?8)。
(ウ)しかしながら、我が国で発行された図鑑や写真集に「Livida(livida)」の文字が、単独で特定の植物の名称を表すものとして用いられているものは見いだせない。
イ 上記アによれば、「Livida(livida)」の文字は、我が国で発行された図鑑や写真集及び外国で発行された書籍において、植物の名称の一部に用いられていることがうかがえるものの、具体的にどのような植物を表すものであるのかが明らかとはいえないことに加え、当審における職権調査によっても、当該文字が、特定の植物の普通名称を表示するもの、その他自他商品の識別標識として機能し得ないものと認めるに足る事実も見いだせない。
そうすると、「Livida(livida)」の文字は、本件商標の登録査定時(平成29年10月27日)に、本件商標の指定商品の分野において、特定の商品を表示するものとして使用されておらず、その取引者、需要者をして、特定の商品の普通名称を表示したもの、その他自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないものとして認識されることはないというべきである。
なお、本件商標の読みを片仮名表記した「リビダ」の文字が、単独で花や多肉植物の名称とうかがえる態様で用いられているもの(甲1の2?4)があるが、それらは、僅か3件にすぎない上、全く種類が異なる植物及び同じ種類であるか否かが確認できない植物について用いられているものであるし、また、当該文字についても、当審における職権調査によれば、取引者、需要者をして、特定の商品の普通名称を表示したもの、その他自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないものとして認識されることはないというべきである。
(2)商標法第3条第1項第1号該当性について
商標法第3条第1項第1号は、「その商品の普通名称普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標」については商標登録を受けることができない旨定めているところ、その「普通名称」とは、取引者において、その名称が特定の業務を営む者から流出した商品を指称するのではなく、その商品の一般的な名称であると意識されるに至っているものをいうと解される。
そこで、「Livida(livida)」の文字についてみるに、当該文字は、上記(1)のとおり、特定の商品を表示するものとして使用されているといった事実は認められないものであるから、取引者において、商品の一般的な名称であると意識されることはないものである。
してみれば、本件商標は、商標法第3条第1項第1号に該当しない。
なお、本件商標の読みを片仮名表記した「リビダ」の文字についても、上記(1)のとおり、本件商標と同様に、特定の商品を表示するものとして使用されているといった事実は認められないものであるから、商標法第3条第1項第1号に該当しないと判断するのが相当である。
(3)まとめ
以上によれば、本件商標の登録は、商標法第3条第1項第1号に違反してされたものではなく、また、それ以外の同項各号のいずれにも違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、維持すべきである。
よって、結論のとおり決定する。
異議決定日 2019-01-21 
出願番号 商願2016-143624(T2016-143624) 
審決分類 T 1 651・ 11- Y (W31)
最終処分 維持  
前審関与審査官 保坂 金彦 
特許庁審判長 田中 敬規
特許庁審判官 中束 としえ
小松 里美
登録日 2018-01-19 
登録番号 商標登録第6011730号(T6011730) 
権利者 一般社団法人日本ハオルシア協会
商標の称呼 リビダ 

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