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審決分類 |
審判 一部取消 商50条不使用による取り消し 無効とする(請求全部成立)取り消す(申し立て全部成立) X09 |
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管理番号 | 1348849 |
審判番号 | 取消2017-300376 |
総通号数 | 231 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2019-03-29 |
種別 | 商標取消の審決 |
審判請求日 | 2017-06-02 |
確定日 | 2019-01-23 |
事件の表示 | 上記当事者間の登録第5327871号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 登録第5327871号商標の指定商品中、第9類「アンテナ,電子信号送信機,テレビジョン受信機,ビデオレコーダー」についての商標登録を取り消す。 審判費用は、被請求人の負担とする。 |
理由 |
第1 本件商標 本件登録第5327871号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲のとおりの構成よりなり、平成21年8月19日に登録出願、第9類「アンテナ,電子信号送信機,テレビジョン受信機,ビデオレコーダー,盗難防止警報装置,コネクター(電気用のもの),クロノグラフ」及び第11類「白熱電球,電球,ランプ,乗物用ライト,照明用器具及び装置,照明用発光管,照明用カンテラ」を指定商品として、同22年6月4日に設定登録されたものである。 なお、本件審判の請求の登録は、平成29年6月20日にされている。 第2 請求人の主張 請求人は、結論同旨の審決を求め、審判請求書及び審判事件弁駁書において、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨以下のように述べた。 1 請求の理由 本件商標は、その指定商品中、第9類「アンテナ,電子信号送信機,テレビジョン受信機,ビデオレコーダー」について、継続して3年以上日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれによっても使用されていないから、その登録は、商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきである。 2 答弁に対する弁駁 (1)提出に係る乙第1号証は、表紙の記載に「会社案内2013」とあるように、本件審判の請求の登録前3年間(以下「要証期間」という。)における商標の使用を示した書類ではない。 (2)乙第2号証は、「カタログ」とされているが、すべて英語と台湾で用いられている言語による表記であって日本で用いられたカタログということはできない。しかも、この「カタログ」の最後のページの下段には「Printed in 2010/05」と判読できる表記があるので、このようなカタログが仮に日本で用いられたとしても要証期間おける商標の使用を示した書類とはいえない。 (3)乙第3号証は、「ホームページ」とされているが、ぺージの下段にあるアドレス表記からも、これは台湾におけるウェブサイトの写しであって、わが国におけるウェブサイトにおける使用とは認められない。また、この提出に係る書類も、いつのものか不明確であり、要証期間において本件商標を使用した書類とはいえない。 (4)乙第4号証について、被請求人は「2016年(平成28年)1月13日(水)から同月15日(金)までに、日本国内で行われた展示会(ネプコンジャパン2016)に展示している。」と主張するが、本件商標を、本件審判に係る指定商品との関係で使用されていることが、何ら具体的に示されていない。 (5)乙第5号証について、被請求人は、「乙第5号証に示すように、この展示会にて、『アンテナ』に係る本件商標に関する広告を展示および頒布している。」と主張し、そしてこの書類が、2016年(平成28年)1月13日(水)から同月15日(金)までに、日本国内で行われたとする展示会(ネプコンジャパン2016)において本件商標に関する広告を展示及び頒布したと主張している。 しかしながら、乙第5号証が実際に先の展示会で広告物として頒布されたものか否か客観性が担保されていない。乙第5号証の表記の上に手書きで「2016 DM of exhibition in Japan」と記入してあるが、このような手書きの記載は人為的にどうにでもなるものであり、客観的証拠力に欠ける。「アンテナ」と称する商品自体も具体的に認識することはできず、また、本件商標と「アンテナ」との関係も不明確である。 (6)乙第6号証について、被請求人は、「2016年(平成28年)4月20日(水)から同月23日(土)までに、日本国内で行われた展示会(INTERMOLD2016(第27回金型加工技術展/金型展2016))にて、乙第5号証と同様の広告を展示及び頒布している。」と主張している。 しかしながら、「代表的な出展製品」とされる商品は何ら具体的に認識することができない。出展に係る商品が具体的・明確に特定できないばかりか、本件商標が実際に使用されているか否か不明である。また、書証中「出展製品詳細[1]の欄に記載されている広告は乙第5号証の右側に示された広告と同様のものである。」との主張も、本件商標と使用に係る指定商品との具体的態様は何ら示されておらず、この提出書類をもって商標法第2条第3項第8号の使用とする証拠力はない。 (7)乙第7号証について、被請求人は、「2016年(平成28年)4月13日(水)から同月15日(金)までに、日本国内で行われた展示会(SEA JAPAN 2016)に、展示している。」と主張する。 しかしながら、この証拠書類とされる書類には、本件商標と使用に係る指定商品との具体的態様は何ら示されていないので、本件商標が使用されているとする証拠力はない。 (8)乙第8号証について、被請求人は、「展示会から指定されたエリア(TW-02)にて、本件商標に関する広告が付された台の上に、『アンテナ』を展示している。乙第8号証の紙面右側の商品が展示された『アンテナ』である。この行為は、本件商標に係る標章が付された『アンテナ』を譲渡のために展示する行為に相当する。」と主張している。 しかしながら、展示会自体が、いつ、どこの国の展示会か否か明確にされていない。乙第7号証において、「Booth#:1.TW-02」とあることから、乙第7号証で示された「SEA JAPAN 2016」の展示会とも類推することができるが、「TW-02」の表記のみをもって客観的にそう判定できるものではない。また、この書類においては、撮影者、撮影年月日および撮影場所等は何ら表示されていない。 展示会において、本件商標が会社名と併記して示されているが、この商標が被請求人の様々な商品との関係では客観的に使用されていることを示したことにはならない。また、様々な商品が展示されてはいるが個々の商品が必ずしも明確かつ具体的に示されている訳でもない。被請求人は「右側の商品が展示された『アンテナ』である。」と主張するが、具体的商品の態様はわからないし、その事実をもって本件商標を使用したことにはならない。 以上のような状況において、いずれの提出に係る証拠書類も本件商標が指定商品、特に「アンテナ」との関係において要証期間に使用されたとする内容を示す証拠としては不十分であり、被請求人の主張は認められない。 第3 被請求人の主張 被請求人は、本件審判請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とする、との審決を求め、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第8号証を提出した。 (1)使用の事実 ア 乙第1ないし乙第3号証に示すように、披請求人は、1978年に設立され、本件商標の指定商品である「アンテナ」を製造し、日本に販売している。「APEX PRECISION TECHNOLOGY CORP.」は、被請求人の英語表記の名称であり、両者は同一人である。乙第2号証のカタログ及び乙第3号証のホームページは、インターネットより人手及び閲覧可能である。 イ 乙第4号証に示すように、被請求人は、2016年(平成28年)1月13日(水)から同月15日(金)までに、日本国内で行われた展示会(ネプコンジャパン2016)に、展示している。乙第5号証に示すように、この展示会にて、「アンテナ」に係る本件商標に関する広告を展示及び頒布している。 ウ 乙第6号証に示すように、被請求人は、2016年(平成28年)4月20日(水)から同月23日(土)までに、日本国内で行われた展示会(INTERMOLD 2016(第27回金型加工技術展)/金型展2016)に、展示している。この展示会にて、乙第5号証と同様の広告を展示及び頒布している。 乙第6号証の代表的な出展製品および出展製品詳細[1]の欄に記載されている広告は、乙第5号証の右側に示される広告と同様のものである。 エ 乙第7号証に示すように、被請求人は、2016年(平成28年)4月13日(水)から同月15日(金)までに、日本国内で行われた展示会(SEA JAPAN 2016)に、展示している。 乙第8号証に示すように、展示会から指定されたエリア(TW-02)にて、本件商標に関する広告が付された台の上に、「アンテナ」を展示している。乙第8号証の紙面右側の商品が展示された「アンテナ」である。 この行為は、本件商標に係る標章が付された「アンテナ」を譲渡のために展示する行為に相当する。 なお、乙第1号証ないし乙第3号証、乙第5号証、乙第6号証及び乙第8号証に示されている商標は、本件商標と色違いであるが、本件商標と類似であり、商標法第70条第1項の規定により、本件商標と同一である。 (2)結論 上記(1)アないしエに示したように、要証期間内に当たる2016年に、被請求人により、「アンテナ」に係る本件商標に関する広告を展示及び頒布される行為が行われている。この行為は、商標法第2条第3項第8号に規定される「使用」である。 また、上記(1)エに示したように、2016年に、被請求人により、本件商標に係る標章が付された「アンテナ」を譲渡のために展示する行為が行われている。この行為は、商標法第2条第3項第2号に規定される「使用」である。 したがって、被請求人は、本件商標またはこれと社会通念上同一の商標を上記のいずれかの指定商品について、本審判請求日から過去3年間に日本国内で使用しているものである。 第3 当審における審尋 審判長は、被請求人に対し、平成30年6月12日付けで、合議体の暫定的見解を示し、請求人が提出した審判事件弁駁書に対する意見及び、さらなる証拠方法の提出を求める旨の審尋を行ったが、かかる審尋に対し、被請求人は、何ら回答していない。 第4 当審の判断 1 認定事実 被請求人の提出した証拠及びその主張によれば、以下の事実が認められる。 (1)乙第1号証及び乙第2号証ついて 乙第1号証は、被請求人の本件商標が付された会社案内書の写しとのことであるが、当該社内案内は2013年のものである。 乙第2号証は、指定商品「アンテナ」に関する本件商標の付された被請求人のカタログの写しとのことであるが、当該カタログには日本語の記載が無いことから、日本向けにされたカタログとは認められず、さらに最終ページに「Printed in 2010/05」の記載も確認できる。 また、被請求人は、乙第1号証及び乙第2号証ともにインターネットにより入手・閲覧可能と主張し、それぞれのインターネットアドレスを審判請求書に記載するが、それらのアドレスは「http://www.plt.com.tw/・・」と、台湾のウェブサイトであって、かつ、いつからインターネット上で閲覧可能となっているか、我が国の一般的な検索サイトから、インターネットアドレスの直接入力以外の方法で閲覧することが可能な状態となっていかについては何ら説明もない。 (2)乙第3号証について 乙第3号証は、被請求人の本件商標が付されたホームページの写しとのことであるが、当該ホームページ下段のインターネットアドレスについても「http://www.plt.com.tw/・・」と、台湾のウェブサイトであって、かつ、いつからインターネット上で閲覧可能となっているか、我が国の一般的な検索サイトから、インターネットアドレスの直接入力以外の方法で閲覧することが可能な状態となっていかについては何ら説明もない。 (3)乙第4号証及び乙第5号証について 乙第4号証は、2016年(平成28年)1月13日(水)から同月15日(金)まで、我が国で開催された「ネプコンJAPAN2016」なる展示会の招待状、申込書及び案内書の写し、とのことであるが、実際に出展した事実、出展した商品、商標の使用態様等を確認できる証拠の提出はない。 乙第5号証は、上記「ネプコンJAPAN2016」なる展示会に展示した広告の写しとのことであるが、当該広告が、実際に展示、頒布されたたことを証明する証拠の提出はない。 (4)乙第6号証について 乙第6号証は、2016年(平成28年)4月20日(水)から同月23日(土)まで、我が国で開催された「INTERMOLD2016」なる展示会の被請求人の情報の写しとのことであり、被請求人は当該展示会において、乙第5号証と同じ広告を展示及び頒布していると主張するが、実際に出展した事実、出展した商品、商標の使用態様、広告の展示、頒布の事実等を確認できる証拠の提出はない (5)乙第7号証及び乙第8号証について 乙第7号証及び乙第8号証は、2016年(平成28年)4月13日(水)から同月15日(金)まで、我が国で開催された「SEA JAPAN 2016」なる展示会に被請求人が出展した展示会の申込書及び案内所の写し並びに展示会の様子の写真とのことであるが、乙第7号証には、「Booth#:1.TW-02」の記載は確認できるものの、本件商標及び出展する商品の記載はない。一方、乙第8号証の写真には、展示ブース上段に「TW-02」及び被請求人が主張する被請求人の英語表記の表示、展示台や展示ブース背面に本件商標と社会通念上同一と認められる商標、「アンテナ」らしき商品が写っているものの、当該写真の撮影者、撮影年月日、撮影場所の記載がなく、これを明らかにするよう求めた審尋に対しても、上記第3のとおり回答がない。 2 判断 上記1(1)ないし(5)によれば、被請求人の会社案内書及びカタログは、要証期間内に日本で使用したことが認められず、被請求人のホームページも台湾のものであって、要証期間内において日本で通常閲覧可能な状況であったことは確認できず、また、展示会における商品又は広告物も、その商品の展示並びに広告物の展示及び頒布の事実が確認できないこと等から、被請求人は、要証期間内に、我が国において、本件商標と社会通念上同一と認められる使用商標を、本件審判請求に係る指定商品に使用していたとは認められないものである。 3 むすび 以上のとおり、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれもが請求に係る指定商品について、本件商標の使用をしていたことを証明し得なかったのみならず、使用をしていないことについて正当な理由があることも明らかにしていない。 したがって、本件商標の登録は、商標法第50条第1項の規定により、その指定商品中、第9類「アンテナ,電子信号送信機,テレビジョン受信機,ビデオレコーダー」については、その登録を取り消すべきものである。 よって、結論のとおり審決する。 |
別掲 |
別掲 本件商標![]() |
審理終結日 | 2018-08-27 |
結審通知日 | 2018-08-29 |
審決日 | 2018-09-14 |
出願番号 | 商願2009-63127(T2009-63127) |
審決分類 |
T
1
32・
1-
Z
(X09)
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最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 高橋 幸志、鈴木 斎、佐藤 緋呂子 |
特許庁審判長 |
薩摩 純一 |
特許庁審判官 |
網谷 麻里子 田中 幸一 |
登録日 | 2010-06-04 |
登録番号 | 商標登録第5327871号(T5327871) |
商標の称呼 | ピイエルテイ |
代理人 | 服部 雅紀 |
代理人 | 福田 秀幸 |