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審決分類 |
審判 一部申立て 登録を維持 W25 審判 一部申立て 登録を維持 W25 審判 一部申立て 登録を維持 W25 |
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管理番号 | 1344104 |
異議申立番号 | 異議2018-900031 |
総通号数 | 226 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標決定公報 |
発行日 | 2018-10-26 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2018-01-26 |
確定日 | 2018-09-13 |
異議申立件数 | 1 |
事件の表示 | 登録第5995270号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて,次のとおり決定する。 |
結論 | 登録第5995270号商標の商標登録を維持する。 |
理由 |
1 本件商標 本件登録第5995270号商標(以下「本件商標」という。)は,「STEALTH TECH」の欧文字を標準文字で表してなり,平成29年5月1日に登録出願,第25類「スキー靴並びにその部品及び附属品,スノーボード用の靴並びにその部品及び附属品,スキー靴専用バッグ,運動用特殊靴並びにその部品及び附属品,スキー競技用衣服,スキー用手袋,運動用特殊衣服,アフタースキーブーツ,ブーツ,靴中敷き,靴類,履物,スキー用被服,スキージャケット,スキーズボン,スキースーツ,スポーツシャツ,下着,アンダーシャツ,ティーシャツ,スキー用帽子,スキー用目出し帽,帽子,スポーツソックス,靴下,保温用サポーター,保温用マフ,えり巻き,マフラー,ボア(襟巻),耳覆い,ミトン,被服,スキー用ズボンつり,ズボンつり,サスペンダー,バンド,ベルト,靴下止め,ガーター,仮装用衣服」を指定商品として,同年9月27日に登録査定,同年11月10日に設定登録されたものである。 2 引用商標 登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録第5191452号商標(以下「引用商標」という。)は,「STEALTH」の欧文字を標準文字で表してなり,平成20年4月25日に登録出願,第25類「靴類(「靴合わせくぎ・靴くぎ・靴の引き手・靴びょう・靴保護金具」を除く。)」を指定商品として,同年12月19日に設定登録されたものである。 3 登録異議の申立ての理由 申立人は,本件商標がその指定商品中「アフタースキーブーツ,ブーツ,靴中敷き,靴類,履物(「げた,草履類」を除く。)」(以下「本件申立商品」という。)については,商標法4条1項11号に該当するものであるから,同法43条の2第1号により,その登録は取り消されるべきであると申し立て,その理由を要旨以下のように述べ,証拠方法として甲1?25(枝番号を含む。)を提出した。 (1)商標法4条1項11号該当性について 本件商標の構成中,「TECH」の文字部分は,「TECHNOLOGY」(科学技術,テクノロジー)の略語として一般に親しまれており(甲4?9),とりわけ,本件申立商品を取り扱う業界では,「テクノロジー」及びその略語「テク」が,スニーカーやスポーツシューズなどの靴の機能性を指す品質表示用語として普通に使用されている(甲13?25)から,自他商品の出所識別標識として機能し得ない(甲10?12)。 本件商標の「STEALTH TECH」の構成文字は,成語ではなく,当該文字全体で既成の意味・観念を表すものではない。 したがって,本件商標が本件申立商品に使用される場合,前半の「STEALTH」の文字部分が出所識別標識として強く支配的な印象を取引者,需要者に与える。 ゆえに,本件商標からは,「STEALTH」の文字部分に基づき,「ステルス」の称呼及び「こっそり,忍び」の観念(甲3)が生じる。 引用商標からは,「STEALTH」の構成文字に基づき,「ステルス」の称呼及び「こっそり,忍び」の観念(甲3)が生じる。 よって,本件商標と引用商標は,「STEALTH」の文字の外観,「ステルス」の称呼及び「こっそり,忍び」の観念を共通にする類似のものである。 本件申立商品は,引用商標の指定商品と同一又は類似のものである。 また,引用商標は,本件商標よりも先に登録出願されたものである。 (2)したがって,本件商標は,商標法4条1項11号に該当する。 4 当審の判断 (1)商標法4条1項11号該当性について ア 本件商標は,上記1のとおり,「STEALTH TECH」の欧文字を標準文字により表してなるところ,「STEALTH」の欧文字7文字と「TECH」の欧文字4文字との間には,1文字分の空白が存在するものの,各文字の大きさ及び書体は同一であって,「STEALTH」の欧文字部分だけが独立して見る者の注意をひくような態様で表されているものではないから,外観上,一体のものとして認識されるものである。また,本件商標から生じる「ステルステク」及び「ステルステック」の称呼も冗長ではなく,一気一連に称呼できるものである。 そして,本件商標の構成中「STEALTH」の欧文字部分は,「こっそり,忍び」の意味を有する英語(甲3)であると認められ,また,「TECH」の欧文字部分は,「工業専門学校。工業短大。」の意味を有する英語(甲4)であると認められるが,本件商標の構成全体から特定の観念を生じさるものとは認められない。なお,英語辞書(甲4)によれば,「tech」の後にピリオド(.)を伴った「tech.」の欧文字が「technical(ly);technology.」の略語として掲載されているが,本件商標の「TECH」の欧文字部分にはピリオドを伴っていないし,また,本件申立商品を取り扱う業界の実情として申立人が提出した証拠(甲13?25)によっても,「ハイテク(high-tech)」(甲8)及び「ロー・テク(low tech)」(甲9)といった既成の語として定着したものを除いて,「○○ TECH」の欧文字が「テクノロジー(technology)」の略語として使用されている事実は認められないから,本件商標の「TECH」の欧文字部分から,「テクノロジー」との意味合いが直ちに生じるものとはいえない。 そうすると,本件商標に接する需要者,取引者が,構成中の「TECH」の欧文字部分を,本件申立商品の品質を表示した部分として殊更に省略し,「STEALTH」の欧文字部分のみを捉えて取引に当たるとは考え難く,本件商標の構成全体をもって一体不可分の造語と認識すると判断するのが相当である。 このほか,本件商標について,その構成中の「STEALTH」の欧文字部分を取り出して観察することを正当化するような事情を見いだすことはできないから,本件商標と引用商標との類否を判断するに当たっては,その構成部分全体を対比するのが相当であり,「STEALTH」の欧文字部分だけを引用商標と比較して,両商標の類否を判断することは許されないというべきである。 したがって,本件商標からは,「ステルステク」及び「ステルステック」の称呼を生じ,特定の観念を生じないというべきである。 イ 引用商標は,上記2のとおり,「STEALTH」の欧文字を標準文字で表してなるところ,これよりは「ステルス」の称呼及び「こっそり,忍び」の観念(甲3)を生じるものと認められる。 ウ 本件商標と引用商標との類否について 本件商標と引用商標とを対比するに,本件商標と引用商標とは,それぞれの構成に照らし,外観においては,「STEALTH」の文字部分が共通するとしても,「TECH」の文字の有無という明白な差異を有するから,類似しない。 次に,称呼においては,本件商標から生じる「ステルステク」又は「ステルステック」の称呼と引用商標から生じる「ステルス」の称呼とは,前半の「ステルス」の音が共通するとしても,後半における「テク」又は「テック」の音の有無という顕著な差異により,全体の語調,語感が著しく相違するから,類似しない。 さらに,観念については,本件商標は,特定の観念を生じないのに対し,引用商標は,「こっそり,忍び」の観念を生じるものであるから,本件商標と引用商標とは,観念において比較し得ない。 そうすると,本件商標と引用商標とは,観念において比較し得ないものの,外観及び称呼が明らかに相違するから,互いに非類似の商標と認めるのが相当である。 エ 小括 以上のとおり,本件商標は,引用商標とは非類似の商標であるから,本件申立商品が引用商標の指定商品と同一又は類似のものであるとしても,商標法4条1項11号には該当しない。 (2)むすび 以上のとおり,本件商標の登録は,本件申立商品について商標法4条1項11号に違反してされたものではないから,同法43条の3第4項の規定に基づき,維持すべきものである。 よって,結論のとおり決定する。 |
異議決定日 | 2018-09-03 |
出願番号 | 商願2017-61412(T2017-61412) |
審決分類 |
T
1
652・
263-
Y
(W25)
T 1 652・ 261- Y (W25) T 1 652・ 262- Y (W25) |
最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 吉野 晃弘 |
特許庁審判長 |
小出 浩子 |
特許庁審判官 |
田村 正明 平澤 芳行 |
登録日 | 2017-11-10 |
登録番号 | 商標登録第5995270号(T5995270) |
権利者 | ブレイン株式会社 |
商標の称呼 | ステルステク、ステルステック、ステルス、テク、テック |
代理人 | 川野 陽輔 |
代理人 | 大窪 智行 |
代理人 | 佐川 慎悟 |
代理人 | 江部 陽子 |
代理人 | 小林 基子 |
代理人 | 柳田 征史 |