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審決分類 |
審判 一部取消 商50条不使用による取り消し 無効としない Y41 |
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管理番号 | 1344029 |
審判番号 | 取消2016-300635 |
総通号数 | 226 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2018-10-26 |
種別 | 商標取消の審決 |
審判請求日 | 2016-09-14 |
確定日 | 2018-09-06 |
事件の表示 | 上記当事者間の登録第4829390号商標の登録取消審判事件について,次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は,成り立たない。 審判費用は,請求人の負担とする。 |
理由 |
第1 本件商標 本件登録第4829390号商標(以下「本件商標」という。)は,「関西国際学友会」の文字を書してなり,平成16年3月29日に登録出願,第41類「国際交流を目的とした教育研修・講座の企画又は運営,国際交流を目的とした教育研修・講座の企画又は運営に関する情報の提供,国際交流を目的とした研修施設の提供,国際交流を目的とした研修施設の提供に関する情報の提供,国際交流を目的とした展示会の企画又は運営,国際交流を目的とした展示会の企画又は運営に関する情報の提供,国際会議・セミナーの企画・運営又は開催,国際教育交流関連会議の企画・運営又は開催,国際文化交流・国際親善のためのセミナーの企画・運営又は開催,技芸・スポーツ又は知識の教授,生け花の教授,学習塾における教授,空手の教授,着物着付けの教授,剣道の教授,高等学校における教育,語学の教授,国家資格取得講座における教授,茶道の教授,自動車運転の教授,柔道の教授,小学校における教育,水泳の教授,そろばんの教授,大学における教授,中学校における教育,テニスの教授,ピアノの教授,美容の教授,舞踊の教授,簿記の教授,洋裁の教授,理容の教授,和裁の教授,動物の調教,植物の供覧,動物の供覧,図書及び記録の供覧,美術品の展示,庭園の供覧,洞窟の供覧,電子出版物の提供,映画・演芸・演劇又は音楽の演奏の興行の企画又は運営,映画の上映・制作又は配給,演芸の上演,演劇の演出又は上演,音楽の演奏,放送番組の制作,スポーツの興行の企画・運営又は開催,ゴルフの興行の企画・運営又は開催,サッカーの興行の企画・運営又は開催,相撲の興行の企画・運営又は開催,ボクシングの興行の企画・運営又は開催,野球の興行の企画・運営又は開催,競馬の企画・運営又は開催,競輪の企画・運営又は開催,競艇の企画・運営又は開催,小型自動車競走の企画・運営又は開催,当せん金付証票の発売,通訳,翻訳,写真の撮影,音響用又は映像用のスタジオの提供,運動施設の提供,ゴルフ場の提供,スキー場の提供,スケート場の提供,体育館の提供,テニス場の提供,プールの提供,ボウリング場の提供,野球場の提供,陸上競技場の提供,娯楽施設の提供,囲碁所又は将棋所の提供,カラオケ施設の提供,スロットマシン場の提供,ダンスホールの提供,ぱちんこホールの提供,ビリヤード場の提供,マージャン荘の提供,遊園地の提供,興行場の座席の手配,運動用具の貸与,映画機械器具の貸与,映写フィルムの貸与,おもちゃの貸与,楽器の貸与,カメラの貸与,光学機械器具の貸与,テレビジョン受信機の貸与,図書の貸与,ラジオ受信機の貸与,レコード又は録音済み磁気テープの貸与,録画済み磁気テープの貸与,遊園地用機械器具の貸与,遊戯用器具の貸与」を指定役務として,同17年1月7日に設定登録されたものである。 なお,本件審判の請求の登録日は,平成28年9月28日であり,商標法第50条第2項に規定する「審判の請求の登録前3年以内」とは,同25年9月28日から同28年9月27日(以下「要証期間」という場合がある。)である。 第2 請求人の主張 請求人は,商標法第50条第1項の規定により,本件商標の指定役務中,「国際交流を目的とした教育研修・講座の企画又は運営,国際交流を目的とした教育研修・講座の企画又は運営に関する情報の提供,国際交流を目的とした研修施設の提供,国際交流を目的とした研修施設の提供に関する情報の提供,国際交流を目的とした展示会の企画又は運営,国際交流を目的とした展示会の企画又は運営に関する情報の提供,国際会議・セミナーの企画・運営又は開催,国際教育交流関連会議の企画・運営又は開催,国際文化交流・国際親善のためのセミナーの企画・運営又は開催,技芸・スポーツ又は知識の教授,生け花の教授,学習塾における教授,空手の教授,着物着付けの教授,剣道の教授,高等学校における教育,語学の教授,国家資格取得講座における教授,茶道の教授,自動車運転の教授,柔道の教授,小学校における教育,水泳の教授,そろばんの教授,大学における教授,中学校における教育,テニスの教授,ピアノの教授,美容の教授,舞踊の教授,簿記の教授,洋裁の教授,理容の教授,和裁の教授,電子出版物の提供」(以下「取消請求役務」という。)についての登録を取り消す,審判費用は被請求人の負担とする,との審決を求め,その理由を審判請求書及び審判事件弁駁書等において要旨以下のように述べ,証拠方法として甲第1号証及び甲第2号証を提出した。 1 請求の理由 本件商標は,その指定役務中,「取消請求役務」について継続して3年以上日本国内において商標権者,専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存在せず,さらには本件商標を使用していないことについての正当な理由も認めることができないから,その登録は商標法第50条第1項の規定により取消されるべきものである。 2 答弁に対する弁駁 (1)商標の使用意思について 被請求人は,「統合後の被請求人にとっても永年にわたり使用をしてきた歴史的に重要な標章であったため,その引き継ぎ後においてもそれら標章の保護を図り,同時に私利目的での使用がなされて被請求人らの公的事業との混同が生じることを防止するため,それらの標章について商標登録出願をなした」と主張するところ,出願経緯をみるに当初から防衛的な目的での出願であった点を自認しており,出願時より商標の使用の意思がないことは明白である。 次に各証拠の記載を見るに,乙第1号証に関しては,沿革の欄にて「(財)関西国際学友会」を記載するのみであること,乙第2号証の1に関しては会長挨拶にて『これに伴い,財団法人国際学友会は,昭和10年12月発足からの68年4か月にわたる活動を閉じることとなります。今後,国際学友会日本語学校は,日本学生支援機構東京日本語教育センター(国際学友日本語学校)として,新たな機構にしっかりと引き継ぎ,さらなる発展が図られるよう期待するものです。』と記載が見受けられる。 上記の主張や証拠からは,出願時より自ら使用意思のないこと,さらに現在まで使用していないことを自認しているものであり,また後述するように直接的な需要者との取引書類,営業資料等が全く提出されていないこと等を考慮すると,本件商標がその請求に係る指定役務につき,本件審判請求の予告登録日以前の3年以内の間に商標権者及び専用使用権者,通常使用権者のいずれかにより使用されていないことは明白である。 (2)各証拠の適否について ア 乙第3号証及び乙第4号証について 本件商標と「旧 関西国際学友会日本語学校」(以下「使用標章」という場合がある。)とは「旧」及び「日本語学校」の語の有無で相違するところ,商標の構成文字において6文字も相違し,外観上顕著な相違を有する。そして各々から生ずる「カンサイコクサイガクユウカイ」と「キュウカンサイコクサイガクユウカイニホンゴガッコウ」という称呼,及び「関西圏にある国際的な学生,卒業生や教職員の親睦会」と「かつて関西圏にあった国際的な学生,卒業生や教職員の親睦会の日本語を教える学校」という観念においても顕著に相違するものである。 なお,被請求人は「旧」や「日本語学校」の語の識別機能について述べているが,一般的な商標の類否判断における要部観察と社会通念上同一の商標に該当するか否かを同列に論ずることは適切ではない。 上記の各相違点を考慮すると,使用標章をもって本件商標と社会通念上同一の商標の使用には該当しない。 イ 乙第6号証について 陳述書(乙6)における写真の撮影日である2016年(平成28年)11月24日は,予告登録日後であり,要証期間内に使用されたことを証明するものではない。 さらに,各証拠を個別に検討しても,その使用時期や使用態様からは本件商標の使用に該当しない。そもそも商標法上の「役務」とは,「他人のために行う労務又は便益であって,独立して商取引の目的たりうべきもの」と解されるところ,被請求人提出の証拠からは,「国際文化交流・国際親善のためのセミナーの企画・運営又は開催,技芸・スポーツ又は知識の教授,語学の教授」において具体的にどのように利用に供されたのかが何ら言及されておらず,独立した商取引の目的たる労務や便益においてその利用に供されていたのか全く不明である。各備品は大阪日本語教育センターに備えられていることが推測されるのみであり,各備品は単なる備品にすぎず,「国際文化交流・国際親善のためのセミナーの企画・運営又は開催,技芸・スポーツ又は知識の教授,語学の教授」の役務を受ける者の利用に供する物ということはできず,商標法第2条第3項各号の使用に該当しない。 そして,各備品は大阪日本語教育センターが独立行政法人日本学生支援機構の一機関であり,その前身の一つである「財団法人 関西国際学友会」を統合した際に所有していた備品を単に譲り受けてそのまま使用していたと考えるのが自然的な解釈であるところ,当該備品に付された「関西国際学友会」の標章は単に元の所有者を表示したものと理解されるにとどまるものであり,商標として何ら識別機能を発揮していないことから本来的な商標の使用に該当しない。 また,図書を貸出する行為はそもそも「図書の貸与」に該当するものであり,取消請求役務とは全く異なるものである。さらに,図書に付された標章は,上段に「関西国際学友会」,中段に「日本語学校」,下段に「蔵書」を配する三段併記であるところ、本件商標と称呼,外観,観念を明らかに異にするものであり,社会通念上同一の商標にも該当しない。 以上より,乙第6号証の各備品等に付された標章をもって、本件商標を本件審判請求の要証期間内に日本国内において被請求人,専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが,取消請求役務について本件商標と社会通念上同一の商標を使用しているとはいえない。 ウ 乙第7号証及び乙第8号証について 本件商標と「関西国際学友会日本語学校」の標章は,称呼,外観,観念を明らかに異にするものであり,使用標章は本件商標と社会通念上同一の商標に該当しない。 エ 乙第9号証について 本件商標と「関西国際学友 日本語学校」の標章とは「会」及び「日本語学校」の語の有無で相違するところ、商標の構成文字において6文字も相違し、外観上顕著な相違を有する。そして,各々から生ずる「カンサイコクサイガクユウカイ」と「カンサイコクサイガクユウニホンゴガッコウ」という称呼及び「関西圏にある国際的な学生,卒業生や教職員の親睦会」と「関西圏にあった国際的な学問上の友人の日本語を教える学校」という観念においても顕著に相違するものである。また,上記標章では「会」の語も除かれており,外観上の相違はさらに顕著なものとなっている。 (3)その他(予備的主張)について 本件商標と使用各標章(「財団法人 国際学友会」,「国際学友会」,「国際学友会日本語学校蔵書」,「国際学友会日本語学校」)とは「関西」と「日本語学校」,「財団法人」,「蔵書」の語の有無で相違するところ,商標の構成文字において大幅に異なり,外観上顕著な相違を有する。そして,被請求人が要部と主張する「国際学友会」と比較した場合でも,称呼の点では,本件商標から生ずる「カンサイコクサイガクユウカイ」と「コクサイガクユウカイ」の称呼は語頭において4音も相違し,観念の点でも「関西圏にある国際的な学生,卒業生や教職員の親睦会」と「国際的な学生,卒業生や教職員の親睦会」とでは顕著に相違する。 また,「関西国際学友会」の設立経緯や重要性を考慮すると,「関西」の部分に識別機能が無いとする被請求人の主張は自己矛盾するものである。 まず,第一に,設立経緯で「昭和31年6月,関西財界が,設立発起人会の結成と資金調達ならびに設立準備業務を行い」や「大阪初の日本語学校である関西国際学友会日本語学校」なる記述を考慮すると,「関西」の語が付加されていることにより過去東京に存在した国際学友会と識別されていたことが理解,認識されるものである。その場合,具体的な出所の混同を防止する商標法の目的に照らすと,「関西国際学友会」は一体的に使用されることにより,単なる「国際学友会」とは識別されていたものであり,「関西」の部分に識別機能が無いとする被請求人の主張は失当である。 第二に,教育機関においては学校名の前に地域名を冠することにより他の教育機関と識別されている取引の実情が存在する。実例の一部を挙げると「東京大学」,「大阪大学」,「近畿大学」の他,特に外国語の教育を主目的とする大学名では「関西外国語大学」,「東京外国語大学」,「神戸市外国語大学」,「名古屋外国語大学」,「京都外国語大学」等が存在する。これらはいずれも地域名を冠することにより互いに識別されている。 上記の設立経緯や取引の実情を考慮すると,本件商標も「関西」が冠されていることに意義があると認められ,これを自ら否定するかのような被請求人の主張は失当である。 また,上述したように,当該備品は東京日本語教育センターの前身である「財団法人 国際学友会」を独立行政法人日本学生支援機構へと統合した際に「財団法人 国際学友会」が所有していた備品を単に譲り受けてそのまま使用していたと考えられるところ,当該備品に付された使用標章は元の所有者を表示したものと理解されるにとどまるものであり,商標として何ら識別機能を発揮しておらず,本来的な商標の使用に該当しない(乙11,乙12,乙14ないし乙16,乙18)。 3 口頭審理陳述要領書(平成29年8月10日付け) 被請求人が提出していた証拠(乙1?乙18)からも,また,被請求人が新たに提出した証拠(乙19?乙45の2)からも,「被請求人が本件審判の取消請求に係る指定役務の提供をした」事実が認められないことは明らかである。 4 上申書(平成29年9月28日付け) (1)パンフレットにおける本件商標の使用について 入学案内パンフレットの態様と本件商標は社会通念上の同一性を有しておらず,さらには商標的に使用されていない。 ア 社会通念上の同一性を有していない点について 被請求人は,当該パンフレットの上部において最も小書された「旧 関西国際学友会日本語学校」の表示,看板における「関西国際学友 日本語学校」の表示をもって,本件商標の使用である旨主張するが,両表示は本件商標と社会通念上同一の商標の使用には該当しない。 イ 商標的使用に該当しない点について 被請求人の提出した当該パンフレットの「旧 関西国際学友会日本語学校」「関西国際学友 日本語学校」の表示は,商標法第2条第3項第8号の「使用」であることを証明する意図で提出されたものであると解するところ,当該パンフレットにおける上記表示の使用をもって,商標法第2条第3項第8号の規定に該当する使用ということはできない。 すなわち,特許庁編工業所有権法(産業財産権法)逐条解説〔第20版〕の商標法第2条の趣旨説明における第2条第3項第8号の説明の趣旨に照らして当該パンフレットの使用を検討すると,「語学の教授」等の役務との関係で当該パンフレットにおいて強い出所表記機能を発揮しているのは,あくまで「日本学生支援機構」や「大阪日本語教育センター」であることは明らかである。 本来,商標法の保護を受ける商標とは,一定の商標を継続的に使用することによって業務上の信用を獲得するものであるところ,被請求人はそもそも出願当初から本件商標を使用する意思はなく,また,「旧 関西国際学友会日本語学校」,「関西国際学友 日本語学校」の表示は本件商標と社会通念上の同一性を有してもいない。さらに,提出された証拠も2015年に配布されたパンフレットのたった1回のみであり,本件商標がその指定役務との関係で継続的に使用されている証拠も他に何ら提出されていない。 むしろ,被請求人提出の証拠は当該役務において「日本学生支援機構」や「大阪日本語教育センター」を出所表示として大々的に使用していることを証明しているものである。これを裏付けるように,乙第52号証の「語学の教授」の需要者である学生がその提供を受けるために用いられる入学の願書の記載は標章「日本学生支援機構大阪日本語教育センター」が使用されている。また,乙第46号証である当該パンフレットの裏表紙において,出所を表す記載は「大阪日本語教育センター」であり,乙第47号証ないし乙第49号証の契約書,見積書,請求書,納品書等の取引書類に関しても,「旧 関西国際学友会日本語学校」,「関西国際学友 日本語学校」の表示は一切見受けられず,全て「日本学生支援機構」や「大阪日本語教育センター」の標章が使用されている。ことに,乙第47号証の「契約伺」では請求に係る品名が,本件商標や「旧 関西国際学友会日本語学校」,「関西国際学友 日本語学校」ではなく,「大阪日本語教育センター入学案内パンフレット」との記載となっている。この記載からも明らかなように,当該パンフレットは単に標章「大阪日本語教育センター」に係る広告の一であり,本件商標の使用を証明するものではない。 (2)被請求人提出のその他の証拠について ア 願書について 被請求人はその指定役務中「国際文化交流・国際親善のためのセミナーの企画・運営又は開催,技芸・スポーツ又は知識の教授,語学の教授」の提供に関し本件商標を使用していると主張するものの,被請求人提出の証拠の大多数は視認可能性が全くない,若しくは極めて低い備品のみの使用証明である。 そこで,請求人としては,特に「知識の教授」との関係では使用証明としては当然に存在してしかるべきである本件商標が付された入学願書やテキストの提出を求めたものである。被請求人は先に提出された口頭審理陳述要領書において「伝統(ブランド)を守り,商標の品質保証機能を発揮させるため」や「現在の学生に誇りをも持ってもらうため」等主張しており,そのような高邁な目的があるならば,「知識の教授」との関係で最も需要者の目に触れる機会の多いテキスト等に使用することが,まさに商標の諸機能(品質・質保証機能や出所表示機能)が発揮されることに資するものであり,備品等の提出が可能であるならば,これらの証拠も提出されてしかるべきと考えたからである。 しかしながら,提出された乙第52号証の入学願書を検討するも,本件商標である「関西国際学友会」の文字は一切見受けられず,「大阪日本語教育センター入学願書」との記載があるのみである。 イ 本件商標の理解度について 本件商標の需要者層における日本語の理解度が問題となる。すなわち,被請求人から提出された使用証拠から推測すると,被請求人の行っている「語学の教授,技術・スポーツ又は知識の教授」の需要者は日本語を学ぶことを目的として海外から留学してきた学生であると思われる。その場合,それらの学生は日本語を習うために留学してくることから,願書を提出する段階では,日本で通常用いられる平仮名表記,片仮名表記,漢字表記を読み,理解できない学生が大多数と考えれるところ,このような学生のために被請求人は入学願書において日本語表記の他,英語で願書を併記しているものである。 そして,入学前の留学生は,当該センターを「大阪日本語教育センター」ではなく「OSAKA JAPANESE LANGUAGE EDUCATION CENTER」で認識すると考えるのが極自然である。ましてや,願書自体に本件商標はおろか,その英語表記さえ記載されていない状態で何をもって識別機能が発揮されていると主張するのか見当が付かないものである。 ウ 本件商標の識別可能性について 被請求人の主張する本件商標の取消請求役務の需要者が日本語を母国語とした者ではなく,外国からの留学生であった場合,以下の点も問題となる。上述のように海外からの留学生であるならば,入学前の段階であれば英語や母国語で記載された願書や入学案内を母国で見ていると考えるのが極自然的な解釈である。これをわざわざ日本語のパンフレットや日本語版のインターネットサイトで,しかも旧名称で役務の提供主体を識別すると考える合理的な理由は全く見受けられない。 次に,日本在住の外国人が入学を検討する場合でも,これから日本語学習を行おうと希望する者が英語や母国語で記載された願書や入学案内ではなく,日本語で記載された願書や入学案内を見て,さらに英語や母国語の翻訳表記さえ付されていない日本語の旧名称(関西国際学友会日本語学校)で役務の提供主体を識別すると考える合理的な理由も見受けられない。 エ テキストにおける使用について 被請求人が提出した乙第35号証における使用は,テキストの「はじめに」の頁に「本センターでは,旧関西国際学友会の平成6年度より・・」や「私の主人の日本留学」頁で「大阪日本語教育センター(旧関西国際学友会日本語学校)で勉強しました。」と記載されているのみである。これは「日本学生支援機構大阪日本語教育センター」の旧名称が「関西国際学友会」,「関西国際学友会日本語学校」であることを記述的に述べているのみであり,いずれの使用も何ら商標としての機能を発揮しておらず商標的使用に該当しない。 さらに,テキストでの使用を確認したのは上述したとおりであり,被請求人自らが「テキストに本件商標を必ず使用しなければならない理由は何もなく,請求人の要求は何の意味もない。」と主張することは,指定商品・役務(本件の場合「知識の教授」との関係で最も役務の用に供されると思われるテキスト)に反復継続的に使用されることにより業務上の信用が化体するという商標の本質を何ら理解していないと思われるものである。 第3 被請求人の主張 被請求人は,結論同旨の審決を求めると答弁し,その理由を要旨以下のように述べ,証拠方法として乙第1号証ないし乙第52号証(枝番を含む。)を提出した。 1 被請求人について 被請求人の前身は,昭和10年12月に外務省の外郭団体として創立された「国際学友会」が昭和15年に財団法人化された「財団法人国際学友会」,及び昭和31年6月に創設された「財団法人関西国際学友会」等であり,平成16年4月1日に「財団法人国際学友会」,「特殊法人日本育英会」,「財団法人内外学生センター」,「財団法人日本国際教育協会」及び「財団法人関西国際学友会」が統合再編され,現在の独立行政法人日本学生支援機構が上記の各組織の事業を引き継ぐこととなったものである(乙1)。 2「国際学友会日本語学校」及び「関西国際学友会」の著名性 (1)「国際学友会日本語学校」は,昭和20年の終戦に伴い一旦廃校とされ,国庫補助金の大幅減額などもあり厳しい状況にもあったが,昭和26年6月に「日本語クラス」を開設し,昭和33年2月に再び「国際学友会日本語学校」を設置し,各種学校として認可されている。各国政府派遣技術研修生やインドネシア賠償留学生の受入れなど,東南アジアの復興等,国の施策を引き受けての事業を展開し,昭和57年度から国費高専生の受入れを行い,各国政府派遣留学生,私費留学生の受入れと共に日本語教育を中心に事業を行うなどした結果「国際学友会」が平成16年ころまでに受け入れた学生は,122か国・地域に上り,これらの学生は「国際学友会日本語学校」において学び,国内の大学等で学業を終えた学生は,自国あるいは日本において,いろいろな分野でめざましい活躍をしている(乙2)。 (2)「関西国際学友会」は,関西における外国人留学生支援の機運の高まりとともに,昭和31年6月,関西財界が,設立発起人会の結成と資金調達ならびに設立準備業務を行い,大阪市が土地・建物・設備等の改善,無償提供するための整理および手続きを行うなどして設立され同時に東京の国際学友会とは友好・協力に基づく姉妹団体となった。関西国際学友会日本語学校は以来,主として私費で日本の大学・大学院等の高等教育課程に進学・留学することを希望する外国の若者達に,日本語と進学に必要な数学,英語等を1年または1年半にわたって教育することになった。 このように,「国際学友会日本語学校」及び「関西国際学友会」なる標章は,外国人留学生に対する公的支援事業を象徴する標章として国内外において著名な標章であり,その著名性は,今日においても失われていない。 3 被請求人と「国際学友会日本語学校」「関西国際学友会」の重要性 平成16年の再編統合により,日本学生支援機構「日本語教育センター」(東京日本語教育センター,大阪日本語教育センター)にその業務が引き継がれたが,上記のとおり「国際学友会日本語学校」,「関西国際学友会」なる標章は,引き継ぎ当時においても外国人留学生に対する公的支援事業を象徴する標章として国内外において著名な標章であり,統合後の被請求人にとっても永年にわたり使用をしてきた歴史的に重要な標章であったため,その引き継ぎ後においてもそれら標章の保護を図り,同時に私利目的での使用がなされて被請求人らの公的事業との混同が生じることを防止するため,それらの標章について商標登録出願をなし,登録が認められたものである。 4 本件商標の使用の事実を示す書類 被請求人は,留学生支援事業の一環として,乙第1号証の案内書の14頁に示すように,日本語教育センターにおいて「国際文化交流・国際親善のためのセミナーの企画・運営又は開催,語学の教授を含む知識の教授」を行なっている。この役務「国際文化交流・国際親善のためのセミナーの企画・運営又は開催,知識の教授」を提供する日本語教育センターには,長年にわたって使用し続けられてきた被請求人の旧ハウスマーク(国際学友会日本語学校,関西国際学友会)が現在でも多数存在している。 そして,旧ハウスマークに化体した業務上の高い信用は今でも確実に存在しており,この業務上の高い信用を独立行政法人日本学生支援機構の日本語教育センターが承継したことを理解してもらうため,被請求人は旧ハウスマークを適所に使用している。 (1)乙第3号証及び乙第4号証について ア 役務の提供に係る物及び使用時期 乙第3号証は,被請求人のホームページの「/ojlec」のディレクトリを有する画面について,被請求人の担当者が広報課に対してウェブ両面の変更を求めたHP更新依頼票であり,乙第4号証は,この変更部分を指示する際に作成したウェブ両面である。そして,乙第3号証にはホームページの内容が変更(更新)される期限(2015年12月9日)が記載されている。 したがって,乙第4号証に示すウェブ画面は2015年12月9日には被請求人のホームページに掲載されていたことが分かる。 イ 使用標章(乙4) 乙第4号証のホームページには「旧 関西国際学友会日本語学校」が表示されている。この使用標章の「旧」の部分は現在の「大阪日本語教育センター」が,かつての「関西国際学友会日本語学校」と同一であることを積極的に示すものであり,「旧」の部分自体には自他役務識別力を有さない。また,「日本語学校」の部分についても,単に「日本語の学校である」ことを意味し,かつ,乙第5号証に示すように現に多数の者が使用していることから,役務「語学の教授,知識の教授」との関係で自他役務識別力がない。 したがって,乙第4号証の自他役務識別力を発揮する主要な部分は「関西国際学友会」であって,本件商標とは社会通念上同一の商標である。 (2)乙第6号証ないし乙第8号証について ア 役務の提供に係る物及びその使用時期 乙第6号証ないし乙第8号証は,大阪日本語教育センター内において2016年11月24日,同月30日,同年12月8日に撮影された備品や図書室内の図書等の写真が添付された陳述書である。 これらの乙第6号証ないし乙第8号証の写真に写された備品等は,陳述日の直近3年間に使用していたものに他ならない。 イ 使用標章(乙6?乙8) 乙第6号証ないし乙第8号証に添付の写真に写された備品等には,標章「関西国際学友会」が付され,また,標章「関西国際学友会日本語学校」が付されているが,この「日本語学校」の部分は上述のように自他役務識別力がない。 したがって,これら使用標章と本件商標とは同一の商標である。 (3)乙第9号証について ア 役務の提供に係る物及び使用時期 乙第9号証は,被請求人の現在の大阪日本語教育センターに設置されている表示物の写真,該表示物の施工に関する稟議書及び該表示物が施工された旨の日本学生支援機構本部への報告書が添付された陳述書である。該陳述書中の報告書には,表示物の施工業者の納品書及び該納品書に添付された施工時の写真が添付されている。このことから,該表示物は平成16年(2004年)11月24日に設置されたことが分かる。 したがって,該表示物は,平成16年(2004年)11月24日から現在に至るまで使用されていることが明らかである。 イ 使用標章(乙9) 乙第9号証の該表示物には標章「関西国際学友 日本語学校」が付されている。この点,上述のように「日本語学校」の部分には自他役務識別力がないため,この使用標章の自他役務識別力を発揮する主要な部分は「関西国際学友」である。ところで,このように被請求人が「関西国際学友会」を「関西国際学友」としたのは,関西国際学友会の事業を平成16年4月1日に独立行政法人日本学生支援機構が引き継いだため,看板を変更しても過去の慣れ親しまれてきた「関西国際学友会」と出所は同じであることを需要者に理解してもうためである。すなわち,該表示物に付された使用標章は本件商標と同じ出所を表示するものであり,これは,使用標章と本件商標とが社会通念上同一の商標であることに他ならない。 (4)その他(予備的主張) 以上のとおり,被請求人は,「知識の教授」を行う日本語教育センターにおいて本件商標と社会通念上同一の商標を使用している。本件商標の自他役務識別力を発揮する主要な部分は「国際学友会」であり,この「国際学友会」を要部とする多数の商標が日本語教育センター内で使用されている。このことは被請求人の長年使用されてきた旧ハウスマークに今でも業務上の高い信用が化体している事実の一端を示すものである(乙11,乙12,乙14,乙18)。 5 口頭審理陳述要領書(平成29年7月27日付け) (1)本件請求が信義則違反・権利濫用であること 本件請求は信義則違反・権利濫用であって,本件商標の使用の有無に拘わらず,認められない。すなわち,本件請求は,被請求人がその前身である「国際学友会」なる名称を現在の独立行政法人日本学生支援機構に変更したことを奇貨とし,請求人自ら「国際学友会」なる商標出願(商願2016-100448)と同時に,本件請求を行っているものであり,公的留学生支援事業として著名である「国際学友会日本語学校」の標章を,請求人のものとして剽窃して得ようとするためになしたもので,本件著名商標が被請求人に帰属していることを失わせようと目論んでいる点で被請求人を明らかに害する目的であり,合わせてその著名商標を自己のものとするためになされたものであるから,商標法の予定する秩序に反するものとして到底容認し得ないものであり,本件請求自体が信義則に反し権利濫用である。 (2)被請求人が指定役務を提供している事実 被請求人は,被請求人のパンフレット(乙1)の2枚目にあるように,財団法人国際学友会及び財団法人関西国際学友会などが統合されて,平成16年に設立された法人である。財団法人国際学友会及び財団法人関西国際学友会の事業に一つに日本語教育があり,被請求人はこの日本語教育等の事業を引き継いでいる。 具体的には,乙第1号証の後ろから2枚目の「日本語教育センター」で被請求人の上記承継事業の一つを紹介している。該頁に示されるように,被請求人は日本語教育及び基礎科目の教育を行っている。 このような教育,すなわち役務「語学の教授」を含む役務「技芸・スポーツ又は知識の教授」を被請求人が行っていることは,毎年発行される日本語教育センター報の2014年度版(乙38)の4頁(大阪日本語教育センターの授業実施状況),及び26頁(東京日本語教育センターの授業実施状況)の報告や,2015年1月発行の乙第33号証の入学のご案内からも分かる。 また,被請求人の「知識の教授」の提供を受けた者は,乙第33号証の「日本の大学入学資格が得られます」の記載から分かるように,日本の大学入学資格を得る準備教育機関として「知識の教授」を提供していることも分かる。すなわち,海外では日本と同じ6-3-3制を採用せず,日本の大学入学資格のない外国人があり,そのような者であっても,本センターの授業を受けて所定要件を満たして卒業することで大学入学資格を得ることができるように文部科学大臣の指定を受けている(乙37の1?2)。 したがって,被請求人は,少なくとも本件審判請求に係る指定役務「語学の教授,技術・スポーツ又は知識の教授」の提供を,要証期間内に行っていたことは明らかである。 (3)乙号証と本件商標の使用の関係について ア 乙第3号証及び乙第4号証について 請求人は,「商標の類否判断における要部観察と社会通念上同一の商標に該当するか否かを同列に論ずることは適切ではない」と主張するが,被請求人は要部観察を行っているわけではない。一般に,登録商標に加えて,自他役務識別機能を奏さない役務名等の文字を加えて表示しても,その付加された標章は自他役務識別機能を奏さないのが通常であるから,この場合も,登録商標を単独で使用した場合と同様に,登録商標と社会通念上同一の商標の使用と解すべきことは多く,このような理論は裁判や審判で広く採用されている(知財高裁平成27年(行ケ)第10032号)。なお,パリ条約の第5条C(2)でも,「商標の所有者が一の同盟国において登録された際の形態における商標の識別性に影響を与えることなく構成部分に変更を加えてその商標を使用する場合には,その商標の効力の登録の効力は失われず」とされている。 本件の使用標章は本件商標と比べて,「旧」及び「日本語学校」の有無で相違する。しかし,「旧」は過去の名称であることを意味するため,需要者は昔からある「関西国際学友会」であると認識するにすぎず,特に,乙第4号証の使用標章の場合,「旧」と「関西国際学友会」との間にはスペースもあり,一体的な態様ではないことからも,この「旧」の部分は「関西国際学友会」の部分の独自の識別性に影響を与えない程度にとどまっている。また,「日本語学校」は役務「日本語の教授を伴う知識の教授」との関係で乙第5号証の1ないし8に示されるように普通名称であるといえ,少なくとも役務内容を直接的に表すにすぎないため自他役務識別力を有さない。 したがって,乙第4号証の使用標章の商標的機能を発揮する部分は「関西国際学友会」に他ならず,乙第4号証のホームページにアクセスした者は,「関西国際学友会」の部分をもって識別指標として出所を判断することは明らかである。すなわち,卒業生及び卒業生から紹介を受けた留学希望者は,ホームページの「関西国際学友会」の部分により,このホームページの学校が探している学校であるか否かを把握するものであり,また,大学関係者や外国政府関係者も同様に「関西国際学友会」の文字を見て,大学入学資格を得られる準備機関であることを把握するものである。このことは,乙第28号証の辛氏の「親から聞いた関西国際学友会を目印にして,インターネットで日本語学校を検索し」という陳述書からも分かる。さらに,同様の陳述は,卒業生や同窓会役員の陳述書である乙第29号証の1,乙第29号証の2,乙第29号証の4ないし6及び乙第29号証の8でもされており,「関西国際学友会」が識別標識であることは明らかである。 そして,この「旧 関西国際学友会日本語学校」を表示する被請求人の一事業部門である大阪日本語教育センターのホームページは,乙第4号証に記載の「大阪日本語教育センターの特徴」のとおり,日本語の授業と進学に必要な基礎教科の授業を提供する学校であることを第三者に紹介するための「知識の教授に関する広告」である。 したがって,乙第4号証に係る行為は,役務に関する広告に標章を付して電磁的方法により提供する行為であり,商標法第2条第3項第8号に該当する。 イ 乙第6号証ないし乙第8号証について (ア)図書は「知識の教授」を目的として学生の利用に供する物であるため,役務「知識の教授」の提供に当り,その提供を受ける者の利用に供する物である。 したがって,図書に標章を付する行為は,商標法第2条第3項第3号に該当し,この図書は展示もされているため,商標法第2条第3項第5号にも該当する。 (イ)脚立は,電球交換等の円滑な授業運営を図るためのもので,学生の利用に供するものに他ならず,これに標章を付する行為は商標法第2条第3項第3号の使用である。また,脚立を学生の前で使用されることは容易にうかがうことができ,これは展示する行為に当るため,商標法第2条第3項第5号の使用にも該当する。 (ウ)学校のカメラは,卒業式等の学生が集合した際に使用されるもので,学生の利用に供するものに他ならず,これに標章を付する行為は商標法第2条第3項第3号の使用である。また,集合した学生の前でカメラが使用されることは通常の行為であって,これは展示する行為に当るため,商標法第2条第3項第5号の使用にも該当する。 (エ)乙第7号証及び乙第8号証は,ボールペン・図書貸出控、書籍及び電卓であるが,これらは,授業内容を考察するために利用されるものであり,学生への「知識の教授」のために用いられる。したがって,ボールペン・図書貸出控,書籍及び電卓に標章を付する行為は,役務「知識の教授」を提供するに当たり,その提供を受ける者の利用に供する物に標章を付する行為であるため商標法第2条第3項第3号に該当する。また,使用標章の「日本語学校」の部分は,被請求人が行う役務「日本語の教授を伴う知識の教授」との関係で普通名称であるといえ,少なくとも役務内容を直接的に表すにすぎないため,自他役務識別力を有さない。 したがって,使用標章と本件商標とは社会通念上同一である。 ウ 乙第9号証について 社会通念上同一か否かについて検討すると,被請求人が行う役務は「日本語の教授を伴う知識の教授」であって,「日本語学校」の部分は,乙第5号証の1ないし8に示されるように普通名称であるといえ,少なくとも役務内容を直接的に表すにすぎないため,自他役務識別力を有さない。特に,本件の場合,「関西国際学友」と「日本語学校」との間にはスペースもあり,一体的な態様ではないことからも,この「日本語学校」の部分は「関西国際学友」の部分の独自の識別性に影響を与えない程度にとどまっている。したがって,使用標章の自他役務識別機能を奏するのは「関西国際学友」の部分である。 したがって,乙第9号証の表示物は看板であり,役務に関する広告に標章を付して展示する行為に他ならないため,商標法第2条第3項第8号に該当する。 (4)新たに提出する使用を裏付ける証拠 被請求人は,本件商標を要証期間内に使用していた証拠として,乙第43号証(台車と手桶に関する陳述書)及び乙第44号証(手洗い場のサインに関する陳述書)を追加提出する。 そして,乙第43号証の台車等に標章「関西国際学友会」を付する行為は,役務「スポーツ又は知識の教授」を提供するに当たり,その提供を受ける者(学生)の利用に供する物に標章を付する行為であるため商標法第2条第3項第3号に該当する。 また,乙第44号証の手洗い場に「(財)関西国際学友会」を付する行為は,役務「知識の教授」を提供するに当たり,その提供を受ける者(学生)の利用に供する物に標章を付する行為であるため商標法第2条第3項第3号に該当する。さらに,乙第44号証の手洗い場の「(財)関西国際学友会」は知識の教授の提供の用に供する物に標章を付したものを役務の提供のために展示する行為であるため商標法第2条第3項第5号にも該当する。 (5)予備的主張について ア 乙第11号証及び乙第12号証について 乙第11号証及び乙第12号証の「財団法人 国際学友会」又は「国際学友会」の表示は,学生ホールに示される視聴覚機器収容の扉,L.L教室の入り口の扉に付けられているものであり,これらの場所は,授業等に用いられる場所であり,「知識の教授」が提供される場所である。 したがって,これらの表示は,役務「知識の教授」に当り,その提供を受ける者の利用に供する物(学生ホール・教室)に標章を付する行為であり,商標法第2条第3項第3号に該当する。 また,これらの表示を学生が視認することに疑う余地はなく,少なくとも視認可能な状態であり,これらの表示は,役務の提供の用に供する物(学生ホール・教室)に標章を付したものを役務「知識の教授」の提供のために展示する行為であって,商標法第2条第3項第5号に該当する。 イ 乙第14号証ないし乙第16号証及び乙第18号証について 乙第14号証ないし乙第16号証の図書や乙第18号証の出席簿の表示は,被請求人のブランドに共通する「国際学友会」の文字を有する表示が残っていることを証明するものであり,したがって,学校の伝統が引き継がれており,そのブランドに化体した業務上の信用が現存することを主張するものである。 たとえ,被請求人の名称が「国際学友会」から「日本学生支援機構」に変更されたとしても,戦前から長きにわたって引き継がれてきた国際学友会の伝統・歴史に基づく信用は伝承されるべきであり,この信用を維持するためには本件商標を積極的に残していく必要がある。乙各号証の表示は,被請求人のブランドに共通する「国際学友会」を使用し続け,知識の教授における商標のグッドウィルを承継していることを意味する。このグッドウィル(業務上の信用)は現存するものであり,したがって,商標法の保護対象(法益)は消滅していないため,本件商標の取消を認めることは商標法の趣旨に反する。 (6)その他の主張について 被請求人の名称が「国際学友会」から「日本学生支援機構」に変わった現在でも,本件商標に化体した業務上の信用を保護する必要があるからこそ,被請求人は本件商標を使用しているのである。すなわち,本件商標は偶然に学校内に残っていたのではなく,積極的に残すように使用しているのであって,これは商標の使用に他ならない。 このように,被請求人は,たとえ平成16年に団体の名称が変更したとしても,本件商標を使用し続けることで,卒業生,現在及び未来の留学生,大学関係者の利益を保護するものであり,出願時より商標の使用の意思はある。 6 上申書(平成29年9月14日付け) (1)乙第33号証について 乙第33号証は,本件商標を表示して使用しており,その使用は商標法第2条第3項第8号に該当する。この乙第33号証は,裏面右下に「2015.1(500)」と記載されており,このことから2015年1月に500部が作成されたことが分かる。 したがって,被請求人が乙第33号証を要証期間に使用していたことは明らかである。 また,本件商標を使用していたことをさらに明らかにするため,以下の証拠を提出する。 ア 「契約伺」について 乙第33号証の入学案内パンフレットの作成に関する決裁を受けるための「契約伺」を乙第47号証として提出する。この「契約伺」は,次の(ア)ないし(エ)の事実から,乙第33号証の入学案内パンフレットに関するものであることが分かる。 なお,乙第33号証では入学案内パンフレットの全てのページを提出していなかったため,全てのページを乙第46号証として提出する。 (ア)乙第47号証の1枚目及び3枚目の「品名」に「大阪日本語教育センター入学案内パンフレット印刷(冊子名『入学案内』)」と記載され,これが乙第33号証の冊子名と一致する。 (イ)乙第47号証の「契約伺」の請求日(平成27年1月21日)と乙第33号証の裏面右下のパンフレット作成日「2015.1」とが同時期である。 (ウ)乙第47号証の「契約伺」の3枚目の仕様書に示されるように,入学案内パンフレットは,日本語,英語,繁体字,韓国語で作成され,各言語の印刷部数は500部である。これに対し,乙第33号証は日本語パンフレットであって,裏面右下に記載された「(500)」は印刷部数を表し,乙第47号証の「契約伺」と同様,印刷部数は500部である。 (エ)乙第47号証の3枚目の仕様書の「3.版・規格」の欄に,「日本語版:A4版 全16ページ(表裏各1ページ・中身14ページ)カラー」と記載されている。この仕様は乙第46号証のパンフレットと一致する。 イ 請求書及び請求明細書について 乙第33号証の入学案内パンフレットを印刷したのは,乙第47号証の「契約伺」に添付の見積書のとおり,株式会社ケーエスアイ(以下「ケーエスアイ社」という。)であり,ケーエスアイ社の各言語の入学案内パンフレットに関する請求書及び請求明細書を乙第48号証の1ないし乙第48号証の4として提出する。なお,乙第48号証の1は,請求明細書の品名に「入学案内(日本語版)」,規格に「A4」,納入数量に「500」と記載され,さらに,乙第33号証と同時期のものであることからも,該請求明細書が乙第33号証のものであることが分かる。 ウ 納品書について ケーエスアイ社の各言語の入学案内パンフレットに関する納品書を乙第49号証の1及び乙第49号証の2として提出する。この納品書から,乙第33号証の入学案内パンフレットは2015年2月に納品されていることが分かる。なお,乙第49号証の1は,納品書の品名に「入学案内(日本語版)」,規格に「A4」,納入数量に「500」と記載され,さらに,乙第33号証と同時期のものであることからも,該納品書が乙第33号証のものであることが分かる。 エ 入学案内パンフレットの頒布方法について 乙第49号証の1及び乙第49号証の2で納品された入学案内パンフレット(日本語であれば乙第33号証)は,乙第47号証の1枚目の「用途及び必要理由」の欄に記載されているように,学生募集及び日本留学の広報宣伝のために使用される。すなわち,被請求人の学生応募には,乙第50号証の「入学案内」のインターネットサイトに示されるように,海外からの応募と国内からの応募の二通りがあり,海外からの応募の場合,紹介機関(同窓会等)を通じての応募以外は,原則として日本在住者の連絡者が必要であり,これらの日本在住者が被請求人の窓口まで願書等の書類を持参して,手続きを行うことが基本となっている。 そして,この日本在住者(日本語が堪能な者や日本人等)が窓口に来て願書等を提出した際に,乙第33号証の日本語の入学案内パンフレットは配布されている。 また,該連絡者や経費支弁者等の関係者は,願書を持参する前に窓口等に相談に来ることも多く,その際にも該入学案内パンフレットは配布されている。 さらに,国内の大学や大使館関係者(日本人スタッフ含む)等の関係者にも,機会があるごとに,該入学案内パンフレットは配布されている。 なお,日本語以外の入学案内パンフレットも広く配布されており,例えば,乙第31号証や乙第32号証に示される現地での留学説明会の際に配布される。一例として,台湾で使用される繁体語のパンフレットの一部を乙第51号証として提出する。 (2)請求人からの要求について ア 願書について 請求人から,被請求人への入学応募は日本語と現地言語のいずれで申し込むのかを明らかにすべきという要求があったが,被請求人への入学応募は,例えば海外からの応募の願書である乙第52号証に示されるように,原則日本語か英語で記入することになっている。また,「日本留学を希望する理由書」については現地言語でも可能であるが,その場合は日本語の訳文が必要である。 イ テキストについて 請求人から,「知識の教授」を行っていることを示すテキストを提出すべきとする要求があったが,要証期間内に使用していたテキストは,一例をあげれば,既に提出した乙第35号証のとおりである。この点,テキストに本件商標を必ず使用しなければならない理由は何もなく,請求人の要求は何の意味もない。なお,乙第35号証のテキストに表示された「関西国際学友会」は,本件商標のもつ品質表示機能等を発揮させた商標の使用である。 第4 当審の判断 1 被請求人の提出した証拠によれば,以下のとおりである。 (1)乙第4号証について 乙第4号証は,被請求人のウェブサイトであり,上部に大きく「独立行政法人/日本学生支援機構」の文字,その下に「大阪日本語教育センター(旧 関西国際学友会日本語学校)の文字が記載され,「大阪日本語教育センターの特徴」の項に,「●日本語の授業と,進学に必要な基礎科目(数学、物理、化学、日本事情等)の授業があります/●定員17人以下の少人数クラスで、週5日毎日約6時間、授業があります/●日本の大学入学資格が得られます」の記載があり,右下に「2015/12/04」の記載がある。 (2)乙第46号証について 乙第46号証は,2015年1月に被請求人が作成した入学案内のパンフレットであるところ,その表紙の上部には,「独立行政法人/日本学生支援機構/大阪日本語教育センター」の文字が大きく横書きで記載され,その下に,「(旧 関西国際学友会日本語学校)」の文字が記載され,さらにその下に「・入学のご案内・」と記載され,表紙と裏表紙を合わせて16頁で構成されている。 また,該パンフレットの5頁には「大学等への進学を目的とした進学準備教育を実施。」の記載,その下に「進学課程 日本語、基礎科目ともに必須」の記載,「日本の大学や大学院等へ進学する外国人留学生を対象に、日本語ならびに日本語による基礎科目の授業を行います。/基礎科目の授業/●文化系・・・英語、数学、地理歴史・公民/●理科系・・・英語、数学、物理・化学あるいは生物/●大学院進学・・・英語、専門日本語」の記載がある。 さらに,裏表紙には「大阪日本語教育センター」の記載,その下に,「独立行政法人/日本学生支援機構」の記載,右下に「2015.1(500)」の記載がある。 (3)乙第47号証について 乙第47号証は,被請求人が作成した「契約伺/<物品(修理)等請求>」であるところ,その1葉目の「請求」の項の「請求部署名」の欄に「日本語教育センター/大阪日本語教育センター」,その右の欄に「請求日:平成27年1月21日」,「品名」の欄に「大阪日本語教育センター入学案内パンフレット印刷(冊子名「入学案内」)/(日本語・英語・繁体字・韓国語各版の増刷)」の記載があり,かつ,総務主幹等の決済印が押印されている。 また,「契約」の項の「契約先」の欄に「(株)ケーエスアイ」,その右の欄に「決裁日:平成27年2月3日」の記載があり,経理課長等の決裁印が押印されている。 そして,3葉目の上部には「仕様書」と記載され,「1.品名:大阪日本語教育センター入学案内パンフレット印刷(冊子名「入学案内」)(日本語・英語・繁体字・韓国語各版の増刷)」,「2.数量:各版500部」,「3.版・規格:日本語版:A4版 全16ページ(表裏各1ページ・中身14ページ)カラー」,「5.印刷方法:オフセット印刷」,「8.納品期限:平成27年2月20日」,「10.納品場所:〒543-0001 大阪市天王寺区上本町8-3-13/独立行政法人日本学生支援機構 大阪日本語教育センター 事務室」の記載がある。 また,4葉目は,「御見積書」であるところ,宛先に「大阪日本語教育センター」,その右に「平成27年1月19日」,その下に「株式会社ケーエスアイ」,該会社の住所,連絡先及び担当が記載され,その下に「品名」として「入学案内(日本語版)/<仕様>A4 16P」,「数量」として「500」の記載がある。 (4)乙第48号証の1について 乙第48号証の1は,「請求書」及び「請求明細書」であるところ,「請求明細書」には,左側の宛先に「日本学生支援機構 大阪日本語教育センター」,その右側には,「2015年2月20日」,その下に,「株式会社ケーエスアイ」,該会社の住所と連絡先が記載され,その下に「品名 規格」として「入学案内(日本語版)A4」,「納入数量」として「500」の記載がある。 (5)乙第49号証の1について 乙第49号証の1は,「納品書」であるところ,これには,左側の宛先に「日本学生支援機構 大阪日本語教育センター」,その右側には,「2015年2月20日」,その下に,「株式会社ケーエスアイ」,該会社の住所と連絡先が記載され,その下に「品名 規格」として「入学案内(日本語版)A4」,「納入数量」として「500」の記載がある。 2 上記1からすれば,次のとおり判断できる。 (1)使用商標及び使用者について 被請求人のウェブサイト(乙4)の上部には,「独立行政法人/日本学生支援機構」の記載,その下に「大阪日本語教育センター(旧 関西国際学友会日本語学校)」の表示があり,また,入学案内のパンフレット(乙46)の表紙には,「独立行政法人/日本学生支援機構/大阪日本語教育センター」の記載があって,その下には,「(旧 関西国際学友会日本語学校)」の文字が表示されているところ,これらに表示されている「(旧 関西国際学友会日本語学校)」(以下「使用商標」という。)の文字中の「旧」の文字は,「昔,過去」等を意味し,「日本語学校」の文字は,「日本語の教育を行う学校」程の意味合いとして理解されるものであり,これらの文字は,過去の名称であることや学校の種類を表すものとして理解されるにとどまるというのが相当であるから,自他役務識別標識としての機能を果たし得ないものである。 そして,「旧」及び「日本語学校」の文字を除く「関西国際学友会」の文字部分は,旧学校名である使用商標の表示中において,自他役務を識別する標識としての機能を果たし得るものというのが相当である。 してみれば,被請求人のウェブサイト(乙4)と入学案内のパンフレット(乙46)に表示されている「関西国際学友会」の文字部分は,取引者,需要者において使用商標の要部として理解されるものである。 そして,これらのウェブサイトやパンフレットには,被請求人である「独立行政法人/日本学生支援機構」の名称が記載されていることからすれば,使用商標の使用者は,被請求人といえる。 (2)使用時期について ア 被請求人のウェブサイト(乙4)の上部には,使用商標が表示され,右下には「2015/12/04」と記載されている。 これは,2015年(平成27年)12月4日に印刷出力されたものと理解するのが相当であり,この日付は,要証期間内である。 イ 入学案内のパンフレット(乙46)の表紙には,使用商標が表示され,該パンフレットの裏表紙には,「2015.1」と記載されている。 そして,乙第47号証の「契約伺」によれば,被請求人が「平成27年1月21日」に「大阪日本語教育センター入学案内パンフレット印刷(冊子名『入学案内』(日本語・英語・繁体字・韓国語各版の増刷))」を「各500部」請求し決裁し,「平成27年2月3日」に「契約先」として「(株)ケーエスアイ」と契約の決裁をし,仕様書には,該パンフレットの数量,規格,印刷方法,納品期限及び納品場所の記載があり,4葉目の平成27年1月19日にケーエスアイ社が発行した「御見積書」によれば,品名欄に「入学案内(日本語版)」及び数量欄に「500」の記載がある。 また,乙第48号証の1の「請求明細書」及び乙第49号証の1の「納品書」によれば,平成27年2月20日にケーエスアイ社が被請求人に「入学案内(日本語版)」500部を納入(請求)したことがわかる。 以上のことからすれば,入学案内(日本語版)のパンフレットは,2015年1月に「契約伺」により請求され,ケーエスアイ社によって500部印刷され,翌月の20日に被請求人に納品されたことが認められる。 してみれば,該パンフレットに記載されている「2015.1」の文字は,2015年1月を表したものとみるのが相当であり,これは要証期間内である。 したがって,被請求人は,自身のウェブサイト及び自身のパンフレットに使用商標を要証期間内に使用したものと認めることができる。 (3)本件商標と使用商標との社会通念上同一について 本件商標は,前記第1のとおり,「関西国際学友会」の文字からなるものであり,一方,使用商標は「旧 関西国際学友会日本語学校」の文字からなるところ,上記(1)のとおり,使用商標の要部は,本件商標と同一の「関西国際学友会」の文字部分であるから,使用商標において,「関西国際学友会」の文字からなる本件商標の本質的機能は損なわれていないというべきである。 してみれば,使用商標は,取引社会における旧名称としての商標の使用という観点からして普通の表示方法と認められるものであって,本件商標と同一性を有するものと判断するのが相当である。 そして,旧名称として表示し,学校の種類を表す「日本語学校」の文字を末尾に付加していることをもって,直ちに,使用商標の要部といい得る「関西国際学友会」の文字を,商標として使用していないとみるのは妥当ではなく,商標の要部が,本件商標と同一の文字からなる使用商標は,本件商標と社会通念上同一の商標といえるものである。 よって,使用商標は,本件商標と社会通念上同一の商標と認められる。 (4)使用役務について 被請求人のウェブサイト(乙4)には,「日本語の授業と,進学に必要な基礎科目(数学、物理、化学、日本事情等)の授業があります」,「少数クラスで,週5日毎日約6時間、授業があります」及び「日本の大学入学資格が得られます」の記載がある。 また,被請求人の入学案内のパンフレットには,基礎科目の授業として,文化系は「英語、数学、地理歴史・公民」,理科系は「英語、数学、物理・化学あるいは生物」,大学院進学には「英語、専門日本語」の記載があることからすれば,被請求人は,学校において様々な科目の授業を行っており,大学等への進学を目的とした教育の実施を業務として行っていると認められ,この業務は,「学校で行う知識の教授」と認められるものであって,これは,「技芸・スポーツ又は知識の教授,語学の教授」の範ちゅうに含まれる役務である。 (5)小括 上記(1)ないし(4)によれば,被請求人は,要証期間内である平成27年1月及び同年12月4日に自身が業務として行う取消請求役務「技芸・スポーツ又は知識の教授,語学の教授」の範ちゅうに含まれる「学校で行う知識の教授」を広告するウェブサイトに本件商標と社会通念上同一と認められる商標を表示し,また,入学案内のパンフレットに本件商標と社会通念上同一と認められる商標を表示して学校に入学を希望する者に頒布したと推認することができる。 そして,上記の使用行為は,商標法第2条第3項第8号にいう「商品若しくは役務に関する広告・・・に標章を付して・・・頒布し,又はこれらを内容とする情報に標章を付して電磁的方法により提供する行為」に該当するものと認められる。 3 まとめ 以上のとおり,被請求人は,本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において,商標権者が,その請求に係る指定役務中の「技芸・スポーツ又は知識の教授,語学の教授」について,本件商標と社会通念上同一と認められる商標を使用していたことを証明したものと認められる。 したがって,本件商標の登録は,その請求に係る指定役務について,商標法第50条の規定により,その登録を取り消すことができない。 よって,結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2018-01-22 |
結審通知日 | 2018-01-29 |
審決日 | 2018-02-16 |
出願番号 | 商願2004-29139(T2004-29139) |
審決分類 |
T
1
32・
1-
Y
(Y41)
|
最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 小松 里美 |
特許庁審判長 |
井出 英一郎 |
特許庁審判官 |
榎本 政実 山田 正樹 |
登録日 | 2005-01-07 |
登録番号 | 商標登録第4829390号(T4829390) |
商標の称呼 | カンサイコクサイガクユーカイ、カンサイコクサイガクユー、コクサイガクユーカイ、コクサイガクユー、ガクユーカイ、ガクユー |
代理人 | 武市 吉生 |
代理人 | 吉澤 敬夫 |
代理人 | 野口 和孝 |
代理人 | 新井 全 |
代理人 | 小川 雅也 |