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審決分類 審判 査定不服 外観類似 取り消して登録 W20
審判 査定不服 観念類似 取り消して登録 W20
審判 査定不服 称呼類似 取り消して登録 W20
管理番号 1343971 
審判番号 不服2017-18230 
総通号数 226 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2018-10-26 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2017-12-07 
確定日 2018-09-04 
事件の表示 商願2016-122497拒絶査定不服審判事件について,次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願商標は,登録すべきものとする。
理由 1 本願商標
本願商標は,「Balmy Hanger」の欧文字と「バルミーハンガー」の片仮名とを上下二段に横書きしてなり,第20類「衣服用ハンガー」を指定商品として,平成28年11月4日に登録出願されたものである。

2 引用商標
原査定において,本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして,本願の拒絶の理由に引用した登録商標は,以下のとおりであり,いずれも現に有効に存続しているものである(以下,まとめていうときは「引用商標」という。)。
(1)登録第5943519号商標(以下「引用商標1」という。)は,別掲のとおりの構成からなり,平成28年9月28日に登録出願,第35類「台所用品・清掃用具及び洗濯用具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」を含む第35類に属する商標登録原簿記載のとおりの役務,第29類,第30類及び第31類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定役務及び指定商品として,同29年4月28日に設定登録されたものである。
(2)登録第5943520号商標(以下「引用商標2」という。)は,「バルーミー」の片仮名を標準文字で表してなり,平成28年9月28日に登録出願,第35類「台所用品・清掃用具及び洗濯用具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」を含む第35類に属する商標登録原簿記載のとおりの役務,第29類,第30類及び第31類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定役務及び指定商品として,同29年4月28日に設定登録されたものである。

3 当審の判断
(1)本願商標について
本願商標は,前記1のとおり,「Balmy Hanger」の欧文字と「バルミーハンガー」の片仮名とを上下二段に横書きした構成からなる。
「バルミーハンガー」の片仮名は,「Balmy Hanger」の欧文字の読みを表したものであるから,本願商標からは「バルミーハンガー」との称呼を生じる。
また,その構成中の「Hanger」及び「ハンガー」の文字部分は,本願商標の指定商品である「衣服ハンガー」それ自体を指称する語であるから,同部分から出所識別標識としての称呼,観念は生じないと認められる。
一方,「Balmy」及び「バルミー」の文字部分は,辞書等には記載が見当たらないことから,特定の意味合いを想起させることのない一種の造語として認識されるものである。
そうすると,本願商標において,取引者,需要者に対し,商品の出所識別標識として強く支配的な印象を与える部分は,「Balmy」ないし「バルミー」の文字部分であるということができ,これらを要部として抽出し,引用商標と比較して商標の類否を判断することも許される。
したがって,本願商標は,構成全体から生じる「バルミーハンガー」の称呼のほかに,要部である「Balmy」ないし「バルミー」の文字部分に相応した「バルミー」の称呼を生じ,特定の観念を生じないものである。
(2)引用商標について
ア 引用商標1
引用商標1は,別掲のとおり,図形と文字とからなる結合商標であるところ,外観上,図形部分と文字部分とは明確に分離していること,また,図形部分からは,特定の称呼及び観念が生じるものとは認められないから,同図形部分は,文字部分である「BallooMe」の欧文字とは,観念的に密接な関連性を有しているとはいえず,一連一体の称呼が生じるともいえないことからすると,図形部分と文字部分とは,分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合しているものと認めることはできない。
「BallooMe」の欧文字部分は,辞書等には記載が見当たらないことから,特定の意味合いを想起させることのない一種の造語として認識されるものである。
よって,引用商標1における図形部分と文字部分は,それぞれが独立して出所識別標識としての機能を果たす要部であるといえる。
したがって,引用商標1からは,「バルーミー」の称呼を生じ,特定の観念は生じない。
イ 引用商標2
引用商標2は,前記2(2)のとおり,「バルーミー」の片仮名を標準文字により表してなるから,これより「バルーミー」の称呼を生じるが,辞書等には記載が見当たらない語であることから,特定の意味合いを想起させることのない一種の造語として認識されるものであって,特定の観念は生じない。
(3)本願商標と引用商標との類否について
ア 本願商標の要部である「Balmy」の文字部分と,引用商標1の要部である「BallooMe」の文字部分を対比すると,両者は,語頭部分において「Bal」の文字を共通にするとしても,語尾の「my」の文字と「looMe」の文字という明らかな差異を有することからすれば,外観上,容易に区別し得るものといえる。
また,本願商標の要部である「バルミー」の文字部分と,引用商標2を対比すると,両者は,「バ」,「ル」及び「ミ」の文字並びに語尾における長音記号を共通にするとしても,比較的短い文字構成で第3文字目において長音記号の有無という明らかな差異を有することからすれば,外観上,容易に区別し得るものといえる。
その他,本願商標の要部である「バルミー」の文字部分と引用商標1の要部である「BallooMe」の文字部分及び本願商標の要部である「Balmy」の文字部分と引用商標2とは,構成文字及び文字種の相違により,外観上,明らかに相違する。
イ 本願商標の要部から生じる「バルミー」の称呼と引用商標1の文字部分及び引用商標2から生じる「バルーミー」の称呼とを比較すると,両者は,第2音における「ル」の後の長音の有無に差異を有し,他の4音を共通にする。しかし,本願商標の称呼は,4音構成であって,各音が平坦に発音されるのに対し,引用商標の称呼は,5音構成であって,長音の前に位置する「ル」の母音[u]が強調されるように発音されるものであるから,比較的短い音構成である両称呼において,上記の差異が称呼全体の語調,語感に与える影響は決して小さいものとはいえず,それぞれを称呼するときは,互いに聴き誤るおそれはないというべきである。
ウ 本願商標の要部と引用商標1の文字部分及び引用商標2とは,それぞれ特定の観念を生じるとはいえないから,観念上,比較することはできない。
エ 以上のことを総合して考察すると,本願商標の要部と引用商標1の文字部分及び引用商標2とは,観念において比較し得ないとしても,外観及び称呼において異なるものであるから,相紛れるおそれのない非類似の商標というべきである。
その他,本願商標と引用商標とが類似する商標であるとすべき理由は見いだせない。
したがって,本願商標と引用商標とは,互いに非類似の商標と認められる。
(4)まとめ
以上のとおり,本願商標は,引用商標に類似する商標ではないから,商標法第4条第1項第11号に該当しない。
その他,本願について拒絶の理由を発見しない。
よって,結論のとおり審決する。
別掲 別掲(引用商標1:色彩については原本を参照。)

審決日 2018-08-20 
出願番号 商願2016-122497(T2016-122497) 
審決分類 T 1 8・ 262- WY (W20)
T 1 8・ 263- WY (W20)
T 1 8・ 261- WY (W20)
最終処分 成立  
前審関与審査官 山田 啓之 
特許庁審判長 早川 文宏
特許庁審判官 田村 正明
庄司 美和
商標の称呼 バルミーハンガー、バルミー 
代理人 八木澤 史彦 

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