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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 W2543
審判 全部申立て  登録を維持 W2543
審判 全部申立て  登録を維持 W2543
審判 全部申立て  登録を維持 W2543
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審判 全部申立て  登録を維持 W2543
管理番号 1343224 
異議申立番号 異議2017-900375 
総通号数 225 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2018-09-28 
種別 異議の決定 
異議申立日 2017-12-11 
確定日 2018-08-06 
異議申立件数
事件の表示 登録第5980893号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて,次のとおり決定する。 
結論 登録第5980893号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第5980893号商標(以下「本件商標」という。)は,別掲1のとおりの構成よりなり,平成29年3月28日に登録出願,第25類「被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物,仮装用衣服,運動用特殊靴,運動用特殊衣服」及び第43類「飲食物の提供」を指定商品及び指定役務として,同29年8月10日に登録査定,同年9月15日に設定登録されたものである。

2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が本件登録異議の申立てに引用する登録商標は,以下の引用商標1ないし3である(以下,引用商標1ないし3をまとめて「引用商標」という。)。
(1)引用商標1
国際登録第1193761号商標(以下「引用商標1」という。)は,別掲2のとおりの構成よりなり,2013年(平成25年)3月14日にアメリカ合衆国においてした商標登録出願に基づきパリ条約第4条による優先権を主張して,同年9月13日に国際商標登録出願,第9類,第14類,第18類及び第25類に属する国際登録に基づく商標権に係る商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として,同27年1月9日に設定登録されたものであるが,その後,2017年(平成29年)9月11日に国際登録簿に記録された基礎出願又は基礎登録の効力の一部終了を原因とする当該商標権の登録の一部抹消があった結果,その指定商品については,第25類「Clothing and headwear, namely, T-shirts, shirts, sweatshirts, sweaters, fleece tops, and pullovers, jackets, hats, caps, beanies, neck gaiters, and belts.」並びに第9類,第14類及び第18類に属する国際登録に基づく商標権に係る商標登録原簿に記載のとおりの商品となり,その登録が同30年7月5日にされているものである。
(2)引用商標2
登録第4488789号商標(以下「引用商標2」という。)は,別掲3のとおりの構成よりなり,2000年(平成12年)3月6日にアメリカ合衆国においてした商標登録出願に基づきパリ条約第4条による優先権を主張して,同年7月11日に登録出願,第25類「ティーシャツ,ズボン,ワイシャツ類,ジャケット,トレーニングシャツ,トレーニングパンツ,帽子,靴下,コート,サーフィン用トランクス,スキー用衣服,スノーボード用衣服,その他の被服,靴類(「靴合わせくぎ・靴くぎ・靴の引き手・靴びょう・靴保護金具」を除く。),その他の履物,ラッシュガード,サーフィン用ウェットスーツ,その他の運動用特殊衣服,運動用特殊靴」を指定商品として,同13年7月6日に設定登録されたものである。
(3)引用商標3
登録第4519563号商標(以下「引用商標3」という。)は,別掲4のとおりの構成よりなり,2000年(平成12年)2月29日にアメリカ合衆国においてした商標登録出願に基づきパリ条約第4条による優先権を主張して,同年7月18日に登録出願,第25類「ティーシャツ,ズボン,ワイシャツ類,ジャケット,トレーニングシャツ,トレーニングパンツ,帽子,靴下,コート,サーフィン用トランクス,スキー用衣服,スノーボード用衣服,その他の被服,靴類(「靴合わせくぎ・靴くぎ・靴の引き手・靴びょう・靴保護金具」を除く。),その他の履物,ラッシュガード,サーフィン用ウェットスーツ,その他の運動用特殊衣服,運動用特殊靴」を指定商品として,同13年11月2日に設定登録されたものである。

3 登録異議申立ての理由
申立人は,本件商標はその指定商品及び指定役務中,第25類「全指定商品」についての商標登録は,商標法第4条第1項第10号,同項第11号,同項第15号及び同項第19号に違反してされたものであるから,同法第43条の2第1号により,その登録は取り消されるべきであると申立て,その理由を要旨以下のように述べ,証拠方法として甲第1号証ないし甲第31号証を提出した。
(1)商標法第4条第1項第11号の該当性について
ア 外観について
本件商標と引用商標は,いずれも稲妻型の図形という要素を包含する点が共通する。すなわち,欧文字の「L」又は左右反転のローマ文字の「L」を二つ連続させ,斜線を一本追加することにより完結する稲妻型の図形商標である点が共通する。また,欧文字の「L」に左右反転となっても,図形自体の自他商品・役務の識別機能が変更することはない。その商標に接した取引者・需要者は類似する図形と認識し,欧文字「L」の反転文字によって異なる図形であるとは認識しない。
なお,引用商標1は,正円の図形が稲妻型の図形を包含するものの,かかる正円はありふれた円の一種であり,それ自体は自他商品・役務の識別機能を発揮する部分でない。
よって,本件商標と引用商標1とは,その外観において類似する商標である。
また,引用商標2の図形部分及び引用商標3は,円弧状の2か所が欠損する円の図形が稲妻型の図形を包含するものの,かかる円図形はありふれた円の一種であり,それ自体は自他商品・役務の識別機能を発揮する部分でない。
イ 観念について
本件商標は,その外観から「稲妻,雷,電気」の観念を生じる。
一方,引用商標も,その外観から「稲妻,雷,電気」の観念を生じる。
特に,引用商標2は,稲妻型の図形と欧文字「ELECRIC」を併記して構成される態様であるから,併記された欧文字「ELECTRIC」が「電気」の意味を有するところ,取引者・需要者は「電気」の意味を有する当該欧文字に引きずられ,引用商標2の図形部分から「電気」の観念を認識する。
よって,本件商標と引用商標とは,その観念において,類似の商標である。
ウ 称呼について
本件商標と引用商標1及び3は,図形要素のみからなる標章であるから,各商標から称呼は生じることはなく,検討することはできない。
一方,引用商標2は,欧文字「ELECTRIC」を有することから,「エレクトリック」なる称呼が生じるから,本件商標と引用商標2とは,称呼において非類似の商標である。
エ 指定商品の類否
本件商標と引用商標との指定商品は,上記のとおり,同一又は類似する商品である。
オ 小括
以上のとおり,本件商標は,引用商標とは外観及び観念において類似する商標であり,その指定商品も同一又は類似するから,商標法第4条第1項第11号に該当する。
(2)商標法第4条第1項第10号の該当性について
申立人は,商品「ティーシャツ,帽子」に引用商標1を使用しており(甲5,6),引用商標1は,当該使用を通じ,周知な商標となっている。
よって,本件商標は,申立人の業務に係る商品を表示するものとして需要者の間に広く認識されている商標又はこれに類似する商標であって,その商品若しくは役務又はこれらに類似する商品若しくは役務について使用をするものである。
したがって,本件商標は,商標法第4条第1項10号に該当する。
なお,引用商標に関する周知性を示す統計情報は,追って提出する。
(3)商標法第4条第1項第15号の該当性について
申立人は,引用商標1を使用した商品「腕時計,ゴーグル」を販売しており(甲7,8),また,引用商標3を商品「腕時計」について使用している(甲9)。
これらの商品は,「被服」とともに共通の標章を展開して使用する,いわゆる「ブランド展開」を行う商品であり,本件商標の指定商品とその生産者,販売者,販売場所,購入者等が共通する。
よって,本件商標は,引用商標1及び3と類似するものであり,本件商標をその指定商品に使用した場合は,申立人の業務に係る商品「ゴーグル,時計」と出所の混同を生じるおそれがある。
したがって,本件商標は,商標法4条1項15号に該当する。
(4)商標法第4条第1項第19号
本件商標は,申立人の業務に係る商品を表示するものとして日本国内又は外国における需要者の間に広く認識されている商標と同一又は類似の商標であって,不正の目的をもって使用をするものである。
引用商標は,海外の主要先進国においても,本件商標の登録出願以前に海外において商標登録出願をし,登録を受けている(甲10?31)。
(5)結語
以上のとおり,本件商標は,商標法第4条第1項第10号,同項第11号,同項第15号及び同項第19号に該当する。

4 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号該当性について
ア 本件商標
本件商標は,別掲1のとおり,ややまだらに黒く塗りつぶした極太線を左上方向及び右下方向に鋭くとがらせるとともに,斜線のみの組合せにより左右に4回折り曲げた図形(以下「本件商標図形部分」という。)と,その左下の斜線に沿うように「THOM」の文字(以下「本件商標文字部分」という。)を極小さく配してなるものである。
本件商標図形部分は,その構成態様から,直ちに特定の称呼や観念が生じるものではない。
また,本件商標文字部分は,辞書等に掲載の見受けられない語であることから,特定の意味を有しない造語と認識されるものであって,その構成文字に応じて「ソム」の称呼を生じ,特定の観念が生じるものではない。
以上よりすると,本件商標図形部分は,本件商標の構成中,顕著に表され,本件商標を見る者に強い印象を与えるとともに,その注意を強く引くものであって,それ以外の部分と分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合しているものではなく,独立して出所識別機能を有する要部であるというべきであるから,本件商標図形部分を要部として抽出し,引用商標と比較して商標の類否を判断することは許される。
イ 引用商標
(ア)引用商標1
引用商標1は,別掲2のとおり,均一の太線で,円輪郭中に斜線と水平線の組合せにより左右に4回折り曲げた図形を配した構成よりなるものであるから,外観上,一体の商標として看取されるものであって,その構成態様から,直ちに特定の称呼や観念が生じるものではない。
(イ)引用商標2
引用商標2は,別掲3のとおり,図形部分と文字部分からなる結合商標であるところ,図形部分は,その中央に黒色の極太線を下方に向かって漸次細くなる斜線と水平線の組合せにより左右に4回折り曲げた図形,及びその左右に黒色の括弧状の極太線を下方に向かって漸次細くなる図形を配した構成(以下「引用商標2図形部分」という。)よりなるものであるから,外観上,一体の図形として看取されるものである。一方,文字部分は,引用商標2図形部分の右側にやや図案化した「ELECTRIC」の文字を横書きした構成(以下「引用商標2文字部分」という。)よりなる。
引用商標2図形部分は,その構成態様から,直ちに特定の称呼や観念が生じるものではない。
また,引用商標2文字部分は,「ELECTRIC」の文字が「電気の」の意味を有する英語であるから,その構成文字に応じて「エレクトリック」の称呼を生じ,「電気の」の観念が生じるものである。
以上よりすると,引用商標2図形部分と引用商標2文字部分とは,一見して明確に区別して認識できるものであって,両者は分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合しているものではなく,それぞれ独立して出所識別機能を有する要部であるというべきであるから,本件商標図形部分を要部として抽出し,引用商標と比較して商標の類否を判断することは許される。
(ウ)引用商標3
引用商標3は,別掲4のとおり,中央に黒色の極太線を下方に向かって漸次細くなる斜線と水平線の組合せにより左右に4回折り曲げた図形,及びその左右に黒色の括弧状の極太線を下方に向かって漸次細くなる図形を配した構成からなるものであるから,外観上,一体の商標として看取されるものであって,その構成態様から,直ちに特定の称呼や観念が生じるものではない。
ウ 本件商標と引用商標との類否
本件商標と引用商標は,それぞれ,上記アとイに示したとおりの構成よりなるところ,本件商標図形部分と,引用商標1,引用商標2図形部分及び引用商標3とを比較すると,いずれも線を左右に4回折り曲げた構成において共通するものの,本件商標図形部分が極太線を左上方向及び右下方向に鋭くとがらせるとともに,斜線の組合せよりなるのに対し,引用商標1は均一の太線で斜線と水平線の組合せからなり,並びに,引用商標2図形部分及び引用商標3は中央に黒色の極太線を下方に向かって漸次細くなる斜線と水平線の組合せによりなる明らかな差異を有し,それぞれの図形を構成する線の太さや方向等の描き方の違いが看者に与える印象が小さくなく,しかも,引用商標1は円輪郭並びに引用商標2図形部分及び引用商標3は黒色の括弧状の図形を有し,これらは本件商標にはない図形要素であることからしても,両者を時と所を異にして離隔的に観察した場合であっても,外観上,容易に区別し得るものといえる。
また,観念においては,本件商標図形部分,引用商標1,引用商標2図形部分及び引用商標3は,いずれも特定の称呼及び観念を有しないから,比較することができない。
そうすると,本件商標図形部分と,引用商標1,引用商標2図形部分及び引用商標3とは,称呼及び観念においては比較することができないとしても,外観において容易に区別できるものであるから,相紛れるおそれのない非類似の商標というべきである。
そのほか,本件商標と引用商標とが類似するというべき事情も見出せない。
したがって,本件商標と引用商標とは,非類似の商標というべきである。
エ 小括
以上のとおり,本件商標と引用商標とは,非類似の商標というべきであるから,その指定商品について比較するまでもなく,本件商標は,商標法第4条第1項第11号に該当しない。
(2)商標法第4条第1項第10号及び同項第15号該当性について
ア 提出された証拠によれば,日本国内において引用商標1又は3が申立人の業務に係る商品「ティーシャツ,帽子,腕時計,ゴーグル」(以下「申立人使用商品」という。)に使用されている事実は認められるものの(甲5?9),日本国内又は外国における引用商標に係る申立人使用商品の売上高,販売額,宣伝広告費,宣伝地域,市場占有率等を確認することはできない。また,申立人の諸外国における商標の登録例(甲10?31)は,引用商標の周知・著名性を直接的に裏付けるものではない。
そうすると,本件商標の登録出願時及び登録査定時において,引用商標は,申立人使用商品を表示するものとして日本国内(一地方においても)又は外国における需要者の間に広く認識されていたものと認めることはできない。
なお,申立人は,引用商標に関する周知性を示す統計情報を追って提出する旨述べているが,本件登録異議の申立ての理由補充期間(商標法第43条の4第2項)において,当該統計情報の提出はなかった。
イ 上記(1)のとおり,本件商標は,引用商標とは,相紛れるおそれのない非類似の商標であって,別異の商標というべきである。
ウ 以上によれば,引用商標が使用されている申立人使用商品と本件商標の指定商品とが,その需要者を共通にし,関連性を有するとしても,本件商標権者が本件商標をその指定商品について使用をした場合,これに接する需要者が,引用商標を連想,想起することはなく,申立人又は同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係がある者の業務に係る商品であるかと誤認し,その商品の出所について混同を生ずるおそれはないというべきである。
したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第10号及び同項第15号に該当しない。
(3)商標法第4条第1項第19号該当性について
上記(2)アによれば,引用商標は,本件商標の登録出願時及び登録査定時において,日本国内又は外国における需要者の間に広く認識されていたものと認めることはできない。
そして,上記(1)のとおり,本件商標と引用商標とは,相紛れるおそれのない非類似の商標というべきである。
さらに,申立人が提出した証拠からは,本件商標が不正の目的をもって使用をするものというべき事実も見いだせない。
したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第19号に該当しない。
(4)申立人の主張に対して
申立人は,本件商標及び引用商標はその外観から「稲妻,雷,電気」の観念を生じる商標であるから,両商標は観念上,類似する商標である旨主張する。
しかしながら,本件商標図形部分は,上記(1)アのとおり,線を左右に複数回折り曲げた図形よりなるとしても,ややまだらに黒く塗りつぶし,左上方向及び右下方向に鋭くとがらせたものであって,その構成態様から,直ちに特定の称呼や観念が生じるものではない。また,仮に本件商標図形部分から「稲妻」の観念が生じる余地があるとしても,引用商標1,引用商標2図形部分及び引用商標3は,上記(1)イのとおり,それぞれ,線を左右に複数回折り曲げた図形以外の図形要素を伴っており,その構成全体をもって一体の商標として看取されるものであって,特定の観念が生じるものではない。
したがって,本件商標と引用商標とは観念上,類似するとはいえないから,申立人の上記主張は,採用できない。
(5)むすび
以上のとおり,本件商標の登録は,商標法第4条第1項第10号,同項第11号,同項第15号及び同項第19号のいずれにも違反してされたものとはいえないから,同法第43条の3第4項の規定により,維持すべきである。
よって,結論のとおり決定する。
別掲 別掲1 本件商標


別掲2 引用商標1


別掲3 引用商標2


別掲4 引用商標3


異議決定日 2018-07-27 
出願番号 商願2017-41742(T2017-41742) 
審決分類 T 1 651・ 271- Y (W2543)
T 1 651・ 261- Y (W2543)
T 1 651・ 222- Y (W2543)
T 1 651・ 262- Y (W2543)
T 1 651・ 263- Y (W2543)
T 1 651・ 25- Y (W2543)
最終処分 維持  
前審関与審査官 吉野 晃弘 
特許庁審判長 小出 浩子
特許庁審判官 田村 正明
早川 文宏
登録日 2017-09-15 
登録番号 商標登録第5980893号(T5980893) 
権利者 アライアンス ブランズ リミテッド
商標の称呼 トム 
代理人 前田 大輔 
代理人 朝倉 美知 
代理人 中村 知公 
代理人 伊藤 孝太郎 
代理人 特許業務法人磯野国際特許商標事務所 

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