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審決分類 審判 査定不服 商3条1項3号 産地、販売地、品質、原材料など 登録しない W19
審判 査定不服 商4条1項16号品質の誤認 登録しない W19
管理番号 1342152 
審判番号 不服2017-13089 
総通号数 224 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2018-08-31 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2017-09-05 
確定日 2018-07-02 
事件の表示 商願2016- 46651拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 第1 本願商標
本願商標は,「ハイブリッド化粧板」の文字を標準文字で表してなり,第17類及び第19類に属する願書に記載のとおりの商品を指定商品として,平成28年4月25日に登録出願され,その後,指定商品については,原審における同年11月11日受付の手続補正書により,第19類「フェノール樹脂含浸化粧板,ポリエステル樹脂含浸化粧板,メラミン樹脂含浸化粧板,メラミン樹脂製不燃化粧板,合成樹脂を主材とする建築用化粧板」に補正されたものである。

第2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は,「本願商標構成中,『ハイブリッド』の文字は,『異種のものを組みあわせたもの』の意を有する語であり,また,『化粧板』の文字は,『合板・パーティクルボード・金属板などのボード類の表面に,突板・印刷紙・塗料またはプリントなどでオーバーレイした材料で,ふつう表面材・鏡板などに使われる。』の意を有する語であるから,本願商標は,その第19類の指定商品との関係からすれば,全体として『異種のものを組みあわせた化粧板』程の意味合いを容易に想起させる。また,建築に関する分野において,『ハイブリッド構造』の文字が,『2つ以上の材質をあわせお互いの短所を長所で補う構造のもの』の意を有する語として使用されており,また,本願の指定商品を取り扱う分野において,異種の素材を組みあわせてなる,各種建築材料が流通しており,これに『ハイブリッド』の文字が使用されている実情があることから,『ハイブリッド化粧板』の文字からなる本願商標は,その指定商品との関係において,全体として取引者,需要者に『異種のものを組合わせた化粧板』程の意味合いを容易に理解・認識させるにすぎないというべきである。そうすると,本願商標をその指定商品中の『異種のものを組合わせた化粧板』等の前記文字に相応する商品に使用するときには,単に商品の品質を表示するにすぎないものであるから,自他商品を区別するための識別標識としての機能を果たさないものというのが相当であり,前記商品以外の商品に使用するときは,商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるというのが相当である。したがって,本願商標は,商標法第3条第1項第3号に該当し,前記商品以外の商品に使用するときは,商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるので,同法第4条第1項第16号に該当する。」旨を認定,判断し,本願を拒絶したものである。

第3 当審の判断
1 商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号該当性について
本願商標は,「ハイブリッド化粧板」の文字からなるところ,その構成中の「ハイブリッド」の文字は「異種のものを組み合わせたもの」(「広辞苑 第六版」岩波書店)の意味を,また,「化粧板」の文字は「合板・パーティクルボード・金属板などのボード類の表面に,突板・印刷紙・塗料またはプリントなどでオーバーレイした材料で,ふつう表面材・鏡板などに使われる。」(「インテリアデザイン辞典 初版」朝倉書店)の意味をそれぞれ有する語として広く知られているものである。
そうすると,「ハイブリッド化粧板」の文字からなる本願商標は,その構成文字から,「異種のものを組み合わせた化粧板」程の意味合いを容易に理解させるものである。
そして,本願指定商品を取り扱う業界においては,異種の素材を組み合わせてなる,各種建築材料が流通しており,また,その建築材料について,「ハイブリッド」の文字が,「ハイブリッド○○」の形で「異種のものを組み合わせた○○」程の意味合いを有する語として,原審で示した事実のほか,以下のように建築材料等に使用されている実情がある。
(1)「ハイブリッド合板」の文字の使用(下線は合議体による。以下同じ。)
《新聞記事》
2010年3月23日付け「日刊工業新聞」の13頁には,「朝日ウッドテック,床材の規格品を環境配慮型に転換」の見出しのもと,「朝日ウッドテックは,持続可能な木質部材が製品体積の70%以上のものをエコフロアーとしている。エコフロアーには森林管理協議会(FSC)認証材や森林認証プログラム(PEFC)認証材を使用。認証材以外では,自然の生態系に配慮した持続的森林経営が行われている木や混農林業(アグロフォレストリー)で育てる早生植林木『ファルカータ』をハイブリッド合板に用いる。エコフロアーに用いるファルカータは軽く柔らかいため,ファルカータをメランティ(ラワン材)など堅い木材で挟み,ハイブリッド合板にする。3・3平方メートル当たりの重量はメランティ合板は24キログラムだが,ハイブリッド合板では18キログラムと軽量化できる。合板の硬質パワーシートには間伐材,端材を使う。」の記載がある。
《インターネット情報》
ア 「FRP素材屋さん」のウェブサイトには,「ハイブリッド合板とは?」の見出しのもと,「安心な国産材100%を使用し,有名な木曾ひのき,東濃ひのきを利用した合板です。さらに,中芯には軽量で強度のある杉を表には美しいひのきを使ったイイトコドリの合板なのです。」の記載がある。
(http://www.frpsozai.com/95_873.html)
イ 「株式会社ヒラサワ」のウェブサイトの「掘り出し物,特価品,珍しモノ,銘木などの耳より情報」のページには,「表面もきれいなハイブリッド合板の取り扱い」の見出しのもと,「白樺の材料で表面がおおわれた,ハイブリッド合板の取り扱いをしております。シナベニヤのように白く,表面がきれいで,値段もシナベニヤより少しお求め安くなっております。無塗装の台座の制作の際にこちらのハイブリッド合板を使わせていただきましたが,きれいな仕上がりにすることができました。在庫にも限りがありますのでお早めにお求めください。」の記載がある。
(http://hirasawa-wood.com/mimiyori/2016/01/09/%E8%A1%A8%E9%9D%A2%E3%82%82%E3%81%8D%E3%82%8C%E3%81%84%E3%81%AA%E3%83%8F%E3%82%A4%E3%83%96%E3%83%AA%E3%83%83%E3%83%89%E5%90%88%E6%9D%BF%E3%81%AE%E5%8F%96%E3%82%8A%E6%89%B1%E3%81%84/)
ウ 「株式会社LIXILグループ」のウェブサイトの旧トステム(株)の情報に関するニュースリリースのページには,「基材に環境負荷の少ない植林木複合合板を使用した床材『ハーモニアスライト12E』新発売」の見出しのもと,「“ファルカータ”は,5?6年という短期間で成長するため,スギなどよりも短いサイクルで森林を維持しながら伐採・利用できる,森林資源の保護に貢献する早生樹です。『ハーモニアス ライト12E』はこの“ファルカータ”と,合法的に伐採された“ラワン”を組み合わせる『植林木複合合板(ハイブリッド合板)』を基材に採用しました。5層12mmの合板は,表面に強度のあるラワン材を,そして内側3層にファルカータの木材を使用し,環境に配慮するだけでなく,軽量で施工性にも優れ,床材としての強度も備えています。」の記載がある。
(http://tostem.lixil.co.jp/newsrelease/2010/nr035.htm)
(2)「ハイブリッド仕上材」の文字の使用
《インターネット情報》
「建築知識WEB」のウェブサイトの設計カタログのページには,「FMX Paint(エフエムエックス・ペイント)」の見出しのもと,「無機材(セメント)と有機材(樹脂)のメリットを融合したハイブリッド仕上材『FMX』の新製品。強度・耐久性・質感などFMXの優れた特性はそのままに,簡便なローラーでの施工を実現。強固な塗膜は,紫外線・水・炭酸ガス・塩分などの浸透を抑制し,躯体に対して高い防護機能を発揮する。また,銀イオンが配合されており,カビや微生物の発生を防止。建物の美観を長期にわたり維持できる。製品ラインナップは壁面用と床面用の2種類。」の記載がある。
(http://www.xknowledge.co.jp/kenchi/kenzai_guide/2008/10/fmx-paint.html)
(3)「ハイブリッド集成材」の文字の使用
《新聞記事》
ア 2014年7月8日付け朝日新聞朝刊の24頁には,「県産材の展示・商談会 スギの香り会場包む 10月 東京 /秋田県」の見出しのもと,「10月2?11日,東京・新宿のパークタワー1階のアトリウムを借り切って,約1万社を招待する。これまで東京でのジャパンホームショーに県ブースを出展したことはあるものの,県産材単独でこれだけの規模の展示・商談会を開くのは初めてだ。出展するのは,強度を増すための県産スギと北海道産カラマツのハイブリッド集成材や通気層と耐力壁を兼ねたパネルなど,高度な技術を示すものや,グッドデザイン賞を受賞した家具,曲げわっぱなどの特産品まで多岐にわたる。」の記載がある。
イ 2011年1月7日付け日本経済新聞 地方経済面 栃木の42頁には,「トーセン,国産杉とヒノキで集成材,強度,外国産材並みに。」の見出しのもと,「異なる種類の木の平板を接着剤などで1本の木材にしたものを『ハイブリッド集成材』と呼ぶ。同社は杉の平板を張り合わせ,その外側にヒノキの平板を張ったハイブリッド集成材を開発した。国産の集成材で杉とヒノキを組み合わせたものは珍しいという。住宅用のはりの材料は卸売価格が1立方メートル当たり6万円前後の米国産の松の無垢(むく)材や欧州産のアカマツの集成材が大半を占めている。国産の杉の集成材を使うと外国産材と同じ程度の価格に抑えられるが強度は劣る。一方,ヒノキを使った集成材では,強度は外国産材より高まるが,卸売価格は高くなる。杉とヒノキのハイブリッド集成材は栃木県林業センター(宇都宮市)の協力を得て開発した。強度の異なる複数の木材の組み合わせを工夫することで,全体の強度も外国産材とほぼ同等にした。卸売価格を1立方メートル当たり7万5000?8万円程度に抑える予定。」の記載がある。
ウ 2007年2月20日付け日本経済新聞 地方経済面 九州Bの14頁には,「中国木材,伊万里工場を拡張,今秋稼働,国産使用の集成材増産。」の見出しのもと,「国内製材大手の中国木材(広島県呉市,堀川保幸社長)は,伊万里工場(佐賀県伊万里市)で木材加工の新工場を増設する。九州各地の国産材を使った集成材の生産を拡大する。外国産木材は需要拡大で値上がり傾向となっており,国産材の活用を進める。二〇〇六年に中小企業基盤整備機構から,既存工場に隣接する約十一万五千平方メートルの土地を購入した。第一期工事として敷地面積で約三万三千平方メートルの製材・加工工場を着工し,〇七年秋から順次操業を始める計画だ。伊万里工場では国産スギと米マツを五〇%ずつ合わせた『ハイブリッド集成材』を生産している。月当たりで約五千立方メートルの国産の集成材を生産しているが,新工場の稼働により一万立方メートル以上に高める。投資総額は五十億円以上になる見通し。」の記載がある。
エ 2005年9月28日付け日経産業新聞の20頁には,「ハイブリッド集成材普及へ,日集協,研究会を発足。」の見出しのもと,「集成材の製造業者で構成する日本集成材工業協同組合(東京・港)は二十七日,鋼材を集成材で覆った『木質ハイブリッド鋼材内蔵型集成材』の早期普及・浸透に向けた取り組みに着手したと発表した。一時間耐火認定をこのほど国土交通大臣から取得したのを受け,十月にも技術研究会を発足,人材育成も急ぐ。ハイブリッド集成材は柱用が角形鋼材内蔵型とH形鋼材内蔵型,ハリ用が平型鋼材内蔵型とH形鋼材内蔵型の合計四種。耐火認定取得により,従来の集成材では実現しなかった防火地域での木質四階建ての建築が可能になった。学校や幼稚園,オフィス,ショールーム,共同住宅といった新たな需要を見込む。十月には大学教授や設計者,防火構造研究者らで『木質ハイブリッド建築研究会』を設立する。設計の基準づくりや施工標準化などハイブリッド集成材の利用にかかわる技術支援が目的。ハイブリッド集成材の品質確保に向け独自資格『製造管理士』の取得者も増やす。需要動向に応じて講習会を開き,認定する。」の記載がある。
《インターネット情報》
ア 「日本集成材工業協同組合」のウェブサイトの「造作材・構造材」のページには,「ハイブリッド集成材」の見出しのもと,「集成材の新たな可能性(ハイブリッド集成材,試験開発)/ 木造建築,新時代へ/木質ハイブリッド集成材による,国土交通大臣認定で,集成材の可能性がさらに広がりました。木質ハイブリッド集成材は,内部に鋼材を内蔵した集成材です。平成12年(2000年)の建築基準法改正により,今まで木造建築では制限されていた耐火建築物を可能とする法的枠組みがつくられて以降,耐火建築物を構成する部材として開発を進めてきました。木質ハイブリッド集成材において,集成材は中の鋼材に対する耐火被覆の役割を担っており,鋼材の周囲の集成材は,火災によって一定のスピードで燃焼しますが,燃え尽きることはなく,ある段階になると耐火構造の条件である『燃えどまり』が起こることが実験で確認されています。また,集成材部分は,耐火被覆として働くとともに,そのまま仕上げ材とすることもできるなど,鉄と木のハイブリッドは大きなメリットがあります。」の記載がある。
(http://www.syuseizai.com/material02)
イ 「株式会社宮盛」のウェブサイトの「お知らせ」のページにおいて,「新製品純国産ハイブリッド集成材『パワービーム』のご案内」の見出しのもと,「弊社は,このたび杉と唐松の組み合わせによる純国産材の『異樹種複合集成材』(通称名:純国産ハイブリッド集成材,商品名:パワービーム)を開発しました。国産材の集成材は,平成21年7月に杉の管柱のJASを取得し,同年10月に唐松の管柱と平成23年1月に梁(平角)のJASを取得しております。 今回,杉と唐松のハイブリッド集成材『パワービーム』は,梁,桁角,通し柱等の製品としてJASを平成23年7月に取得し,生産を開始しました。」の記載がある。
(http://www.miyamori.co.jp/powerbeam.htm)
ウ 「丸美産業株式会社」のウェブサイトの「企業情報 社屋案内」のページにおいて,「構造のご紹介 ハイブリッド集成材柱構造」の見出しのもと,「燃え止まり現象/ハイブリッド集成材の耐火性能は,木材の『燃え止まり現象』によるものです。『燃え止まり現象』とは,着火して燃焼している材が,その表面に形成される炭化層の働きにより,燃え尽きることなく自然に鎮火して火種がなくなる現象をいいます。」の記載がある。
(http://www.marumi.com/corporation/gallery.html)
エ 「日本経済新聞」のWEBサイトにおける2011年1月7付けの記事に,「トーセン,国産杉とヒノキでハイブリッド集成材」の見出しのもと「異なる種類の木の平板を接着剤などで1本の木材にしたものを『ハイブリッド集成材』と呼ぶ。同社は杉の平板を張り合わせ,その外側にヒノキの平板を張ったハイブリッド集成材を開発した。国産の集成材で杉とヒノキを組み合わせたものは珍しいという。」の記載がある。
(https://www.nikkei.com/article/DGXNASFB0605E_W1A100C1L51000/)
(4)「ハイブリッド建材」の文字の使用
《新聞記事》
1983年4月12日付け日経産業新聞の9頁には,「材料革命を担う複合建材(上)木&プラスチック??安定・加工・成型性を兼備。」の見出しのもと,「ハイブリッド建材??言い換えれば複合,合成建材が脚光を浴びている。合板を中心とする『木質建材』,アルミ製品の『金属建材』,セメント系の『窯業建材』のワクを互いに乗り越えて新たな建築材料を人工的に合成しようというものだ。全般的な建材不況の中でかいま見える明るい兆しとして建築分野における新材料革命の動きを紹介しよう??。 有機物である木材と,無機物のプラスチックの“結婚”??。いわゆる『ウッド・アンド・プラスチック・コンビネーション』の考え方は,日本でも実は戦前からあった。」の記載がある。
《インターネット情報》
ア 「日本経済新聞」のウェブサイトにおける2017年7月10日付け記事に,「ハイブリッド木質建材 高層への階段」の見出しのもと,「建設各社が木と燃えない鉄骨などを組み合わせたハイブリッド建材の開発を進めている。主要な構造部に木を使った中高層建築の普及に一役買いそうだ。」の記載がある。
(https://www.nikkei.com/article/DGXZZO18662490Q7A710C1000000/)
イ 「KOUCHI SYSTEM」のウェブサイトの「耐火&断熱」のページにおいて,「『壁』により家を守る!地震・火災に断然強い新素材・ハイブリッド建材を採用しました。」の見出しのもと,「地震・火災に強いハイブリッド建材 『かべ震火』による安全な住まいを。水熱合成セラミック系素材であるトバモライトの結晶は,その形態から高強度で軽量性,断熱性,不燃性に富み,加工しやすいという特徴を持っています。ドリームボード『かべ震火』はトバモライト・セメント・繊維質材料等を独特の配合系で均一に混合し,特殊成型することによって得られる材料です。・・・・『かべ震火』の2つの長所。無機と木質のハイブリッド建材/ドリームボード『かべ震火』は無機建材と木質建材それぞれのメリットを兼ね備えたハイブリッド建材。」の記載がある。
(http://www.kouchisystem.co.jp/fireproof.html)
ウ 「積水樹脂株式会社」のウェブサイトの「見切り材」の「製品構造」に関するページにおいて,「ステンレス泊+アルミ型材 メタブライト」の説明として,「高アルミ型材をステンレス箔でラッピングするという,新しい発想のハイブリッド建材。従来のオールステンレス製の約1/3という軽量化を可能にし,加工性・施工性にも優れています。」の記載がある。
(http://www.metacolor.jp/mikiri/structure/index.html)
エ 「株式会社ハウスドゥ」のウェブサイトの「サイディングのこだわり」に関するページにおいて,「下地処理のこだわり 樹脂胴縁の使用」の見出しのもと,「水に強いハイブリッド建材の使用/金属サイディングを重ね貼りする場合,既存の壁と新しく貼るサイディングを一体化させるために,『胴縁』と呼ばれる下地材を留め付けます。この胴縁には一般的に木材が使用されますが,変形や湿気による痛みが心配です。 弊社では,水による腐食の心配が無く,変形の小さい樹脂製の胴縁を使用し,水による腐食や経年変化を軽減します。」の記載がある。
(http://gaihekiyane.bubun.jp/technic/sidingtec/)
オ 「一般社団法人日本アルミニウム協会」のウェブサイトに掲載されている「『建築・建材展2012』JAPAN SHOP 2012視察メモ」において,「【ハイブリッド建材】」の見出しのもと,「■三菱樹脂(株) ポリエチレン樹脂をアルミ板でサンドウィッチしたアルミ樹脂複合板。1971 年に発売され,現在では世界各国で建築の内外装に使用されている建材である。今回の展示ではミラー仕様の他,豊富な表面のコーティング材を揃え,従来では平板パネルとしての採用が多かったが,加工面でも U カット工法 等もアピールし採用範囲の拡大を狙っている。/■ミノ・ネットワーク(株) 従来はバルコニー用アルミ手摺り,アルミフェンス等を製造販売しているが,近年デッキ,玄関袖スクリーン,板塀等優れた質感と高い耐候性を備えた硬質低発泡ウレタン樹脂とアルミのハイブリッドのエクステリア商品に力を入れている。」の記載がある。
(http://www.aluminum.or.jp/alken/cms/files/1331691463-siryo1.pdf)
(5)「ハイブリッド耐震パネル」の文字の使用
《インターネット情報》
ア 「杜和建設株式会社」のウェブサイトにおいて,「要望を予算内で丁寧に形にする努力 等身大モデルハウス2棟で体感」の見出しのもと,「構造は,木造軸組工法とハイブリッド耐震パネルを組み合わせた高耐震構造。」の記載がある。
(http://www.towa-construction.jp/pdf/tyuumon_jyutaku171023.pdf)
イ 「GOOD DESIGN AWARD」のウェブサイトの2013年グッドデザイン賞を受賞した「建築構造 耐震要素[S+W ハイブリッド耐震パネル]」の紹介ページにおいて,その概要の説明として,「本構造システムは,EU圏では主流の木積層パネル(マッシブホルツ)を活用し,鋼構造体と木を組み合わせた,国内初『ハイブリッド耐震パネル』である。マッシブホルツのメリットとして低質木材の有効活用が可能な点があり,国産杉材を使用することで間伐材の大量消費に貢献できる構法となっている。また木部は荷重を受けず水平力のみ負担するため,耐火建築物において木部のあらわしが可能であり,且つ乾式工法のため施工性にも優れ,工期短縮にも有用である。簡易に施工できる耐震パネルとして,既存建物の耐震補強としての使用も考えられる。国内林業活性化,低炭素社会への配慮,都市木造化への一手として,非常に有用な構造システムである。」の記載がある。
(http://www.g-mark.org/award/describe/40366)
(6)「ハイブリッド壁材」の文字の使用
《インターネット情報》
ア 「RAKUTEN」のウェブサイトにおいて,「壁材料・建材」のカテゴリで「珪藻(けいそう)土壁」として販売されている「珪藻土 壁材 けいそうエコジュラク・白壁用塗り替えプラスター1坪3.3m2お試しセット 送料無料」の説明として,「珪藻土で吸着し,アルデヒド分解剤で化学的に分解・浄化・消臭する機能を兼ね備えたハイブリッド壁材です。 」の記載がある。
(https://item.rakuten.co.jp/kenzai-yamashita/sasia2/)
イ 「温熱・陶板・健康サロンEVERGREEN」のウェブサイトにおいて,「陶板室内環境を整える天井,壁材」の見出しのもと,「珪藻土の調湿性に,漆喰の表面強度とアルカリ性を加え,ホタテ貝の吸着性を加えさらにバイオ効果を合わせてカビの発生を防ぐハイブリッド壁材です。」の記載がある。
(http://touban-salon.com/method/efficacy/)
(7)「ハイブリッド屋根材」の文字の使用
《インターネット情報》
ア 「デクラ屋根システム」のウェブサイトにおいて,「デクラ屋根システムについて About Decra」の見出しのもと「デクラ屋根システムはAHI ROOFINGの屋根材です。世界で初めてプレス成形加工の鋼板屋根材を開発したAHI ROOFINGは,リーディングサプライヤとして60年以上もの間,国際的な信頼と実績を培ってきました。そのAHI ROOFINGが提供するハイブリッド屋根材『デクラ屋根システム』は,ガルバリウム鋼板に天然石チップを付着させた,超軽量で取扱い性に優れた環境にやさしい屋根材で,『30年の材料品質保証』と『10年の美観保証』がついていて安心です。」の記載がある。
(http://www.decra-roof.jp/about/)
イ 「旭トステム外装株式会社」のウェブサイトの「屋根材」のページに掲載されている「天然石付き軽量ガルバリウム鋼板屋根材 『T・ルーフ』」の説明として,「丈夫で長持ち,リフォームにも最適な天然石チップ+ガルバリウム鋼板のハイブリッド屋根材です。」の記載がある。
(http://www.asahitostem.co.jp/product/yanezai/)
ウ 「iPROS建築建材インテリア」のウェブサイトの「国産ハイブリッド屋根材『ストーンウェイブ(R)』」のページにおいて,その説明として「高次元で備えた石粒とガルバリウム鋼板によるハイブリッド屋根材 株式会社佐渡島/『ストーンウェイブ(R)』は,金属と石粒による,耐久性に優れ,軽くて美しい屋根材として定評をいただいている環境配慮型屋根材です。」の記載がある。
(https://kensetsu.ipros.jp/product/detail/2000364306/)
(8)「ハイブリッド断熱材」の文字の使用
《インターネット情報》
ア 「新建ハウジングDIGITAL」のウェブサイトにおいて,「アキレス,性能25%向上した高性能ハイブリッド断熱材を発売」の見出しのもと,「アキレスは,硬質ウレタンフォーム内に,真空断熱材を組み合わせたハイブリッド断熱ボード『ブイパックボード』を3月16日に発売する。新商品は,厚さ50mmで,熱抵抗値2.60m2・K/Wと,従来の硬質ウレタンボードに比べ,断熱性能を約25%向上。無暖房住宅やQ値1.0住宅などの高性能住宅用の断熱材としての展開を想定している。」の記載がある。(http://www.s-housing.jp/archives/7908)
イ 「新価値創造NAVI」のウェブサイトのウェブ展示会のページにある,「協同組合ティー・デイー・アール」の企業PRとして,「次世代省エネ基準義務化に適合,ハイブリッド断熱材『パルトン』」の見出しのもと,「施工が簡単・清潔ハイブリッド断熱材パルトン結露・防音の効果大。『パルトン』の使用で,グラスウール断熱材住宅とは年間87,000円の光熱費低減が期待できます,従来の低価格断熱材は年月で沈下が進み断熱・防音効果が低下します。また調湿効果が低いので結露の誘発が心配です。特許ハイブリッド断熱材は沈下や結露の進行防止に優れています。高性能断熱材ハイブリッド『パルトン』が発明製品化しました。古紙を解繊したセルローズ綿と,ペットボトルを再生した合成繊維綿を混合し防炎剤で熟成,軽量マット化に仕上げ,施工現場の大幅な能率化を実現しました。軽いので大工さん等作業員が効率よくスピードで施工が出来ます。」の記載がある。
(https://shinkachi-sec.smrj.go.jp/navi/exhibition/528)
ウ 「有限会社 南満工業」のウェブサイトの「断熱材+遮熱塗料」のページにおいて,「No2断熱材各種施工例」に関する説明として,「特殊な断熱材 硬質ウレタンフォームとガルバリウム鋼板を接着させたハイブリッド断熱材。」の記載がある。
(http://ms7xqr.la.coocan.jp/contents8.html)
そうすると,上記したインターネット情報や新聞記事によれば,「ハイブリッド合板」,「ハイブリッド仕上材」,「ハイブリッド集成材」,「ハイブリッド建材」,「ハイブリッド耐震パネル」,「ハイブリッド壁材」,「ハイブリッド屋根材」,「ハイブリッド断熱材」などのように「ハイブリッド○○」の使用例の存在を多数確認できることからすると,取引者,需要者は,これらの使用例において,「異種のものを組み合わせた○○」のように理解し,それぞれ商品名や商品の品質を表示したものとして認識するものと認めることができる。
そうすれば,「ハイブリッド化粧板」の文字からなる本願商標は,これをその指定商品に使用したときは,「異種のものを組み合わせた化粧板」という商品の品質を表したものとして理解するにとどまり,自他商品の識別標識としては認識し得ないものといわざるを得ない。
してみれば,本願商標は,その商品の品質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標というのが相当であり,上記商品以外の指定商品に使用するときは,商品の品質の誤認を生ずるおそれがあるものというのが相当である。
したがって,本願商標は,商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当する。
2 請求人の主張について
(1)請求人は,「実際に言葉(熟語)として,『ハイブリッド化粧板』が理解され,確立されているという事実はない。そのため,『ハイブリッド化粧板』がある一つの商品を表す言葉として,建築に関する分野や業界において確立され使用あるいは流通しているのであればまだしも,そのような事実がない以上,本願商標を以て,単に商品の品質を普通に用いられる方法で表示する商標と言うことはできない」旨を主張している。
しかしながら,商標法第3条第1項第3号については,「商標法3条1項3号は,取引者,需要者に指定商品の品質等を示すものとして認識され得る表示態様の商標につき,それ故に登録を受けることができないとしたものであって,該表示態様が商品の品質を表すものとして必ず使用されるものであるとか,現実に使用されている等の事実は,同号の適用において必ずしも要求されないものと解すべきである。」(平成12年(行ケ)第76号,平成12年9月4日 東京高等裁判所判決)と判示されているものである。
してみれば,「ハイブリッド化粧材」の文字が,本願指定商品を取り扱う分野において,取引上普通に使用されていないとしても,該文字は,上記1のとおり,「異種のものを組み合わせた化粧板」であるとの商品の品質を表示したものとして,取引者,需要者に認識される構成態様からなる商標であるから,これを登録することはできないものである。
したがって,請求人の上記主張は,採用することができない。
(2)請求人は,「一口に『化粧板』と言っても,そこで使用される基材としては合板,パーティクルボード,金属板に加え,MDFのような木材ファイバーボード,ケイカル板や石膏ボードなどの無機基材,メラミン化粧板やジアリルフタレート化粧板のようなプラスチック有機基材等様々であり,更に使用用途によって難燃性,耐久性,耐候性,耐水性,耐薬品性等,求められる性能が全く異なるため,その組合わせにより膨大な種類に上る。そのため,仮に本願商標を『異種のものを組合せた化粧板』という意味に取ったとしても,それが如何なる商品を表すものであるか定かではないし,またどのような材料を組合せたのかも定かではない。それ故,取引者,需要者が,本願商標をみて具体的にどのような化粧板を示すものと理解することも,通常はありえない。」旨を主張している。
しかしながら,上記1のとおり,本願商標は,その構成文字の意味から理解される内容は明らかであり,その構成文字や表現方法も特異なものではなく,本願指定商品を取り扱う業界において,「ハイブリッド」の文字が,「ハイブリッド○○」の形で「異種のものを組み合わせた商品」であることを指称する文字として多数使用されていることからすれば,本願商標をその指定商品に使用したときには,これに接する需要者,取引者は,どのような材料を組み合わせたか商品かどうか,どのような用途でどのような性能が求められた商品なのかということではなく,「異種のものを組み合わせた化粧板」であるという商品の品質を理解するにとどまるのであって,自他商品の識別標識としては認識し得ないものであるというのが相当である。
したがって,請求人の上記主張は,採用することができない。
3 まとめ
以上のとおり,本願商標は,商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当し,登録することができない。
よって,結論のとおり審決する。
審理終結日 2018-04-25 
結審通知日 2018-04-26 
審決日 2018-05-21 
出願番号 商願2016-46651(T2016-46651) 
審決分類 T 1 8・ 13- Z (W19)
T 1 8・ 272- Z (W19)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 今田 尊恵 
特許庁審判長 井出 英一郎
特許庁審判官 薩摩 純一
須田 亮一
商標の称呼 ハイブリッドケショーイタ、ハイブリッド、ケショーイタ、ケショーバン 

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