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審決分類 審判 査定不服 観念類似 取り消して登録 W28
審判 査定不服 外観類似 取り消して登録 W28
審判 査定不服 称呼類似 取り消して登録 W28
管理番号 1341174 
審判番号 不服2017-11648 
総通号数 223 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2018-07-27 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2017-08-04 
確定日 2018-06-05 
事件の表示 商願2015-95370拒絶査定不服審判事件について,次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願商標は,登録すべきものとする。
理由 1 本願商標
本願商標は,「DRONE」の文字よりなり,第28類「ゴルフクラブ,ゴルフクラブ用ヘッドカバー」を指定商品として,2015年4月6日にアメリカ合衆国においてした商標登録出願に基づきパリ条約第4条による優先権を主張して,平成27年10月2日登録出願されたものである。

2 引用商標
原査定において,本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するものとして,本願の拒絶の理由に引用した登録商標は,以下のとおりであり,いずれも現に有効に存続しているものである(以下の引用商標1及び2を総称して「引用商標」ということがある。)。
(1)登録第4886565号商標(以下「引用商標1」という。)は,「doron」の文字を標準文字で表してなり,平成17年1月25日登録出願,第25類「被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物,仮装用衣服,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」を指定商品として,同年8月12日に設定登録されたものである。
(2)登録第5233861号商標(以下「引用商標2」という。)は,別掲のとおりの構成よりなり,平成20年6月1日登録出願,第14類「身飾品」,第25類「被服,運動用特殊衣服」及び第28類「運動用具」を指定商品として,同21年5月29日に設定登録されたものである。

3 当審の判断
(1)本願商標について
本願商標は,「DRONE」の文字を一連に横書きしてなるものであり,これは「無人機,無線操縦(遠隔操作)の飛行機[船舶,車両]」の意味を有する英語(研究社 新英和大辞典第6版)と認められ,近年では「遠隔操作や自律制御によって飛行する無人航空機」を表す語(自由国民社 現代用語の基礎知識2017)として知られていることから,当該文字に相応して「ドローン」の称呼及び「遠隔操作によって飛行する無人航空機」程度の観念を生ずる。
(2)引用商標について
引用商標1は,「doron」の文字を標準文字で表してなるところ,該文字は「ガラス繊維製の防弾着」の意味を有する英語(平成29年8月4日付け手続補正書の第7号証)であるとしても,必ずしも万人に親しまれたものとはいい難く,直ちに特定の観念を生じないとみるのが相当である。そして,引用商標1は,「ドロン」の称呼が生じる。
引用商標2は,別掲のとおり,「D」の文字を極端に図案化したような円形状の図形とその右横に「Doron」の文字を横書きした構成からなる結合商標である。そして,図形部分と文字部分とは,間隔を空けて配置されており,それぞれの構成態様(図形と文字)及び大きさの相違から,両者は視覚上分離して認識,看取されるものである。また,図形部分は,文字部分の頭文字「D」を図案化して併記した可能性を示唆するとしても,その図案化の程度が顕著であるため,これより直ちに特定の称呼及び観念が生じるものではないというべきであり,文字部分とは称呼上及び観念上のつながりもみられない。
そうすると,引用商標2は,その図形部分及び文字部分を,分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合しているものではなく,その構成中の図形部分及び文字部分のそれぞれを要部として抽出し,これを本願商標と比較して商標そのものの類否を判断することも許されるものである。
そのため,引用商標2の要部の一つである文字部分からは,その構成文字に相応して「ドロン」の称呼が生じ,特定の観念は生じないとみるのが相当である。
(3)本願商標と引用商標の類否
以上を踏まえて,本願商標と引用商標1及び引用商標2の要部である「Doron」の文字部分(以下,引用商標の文字部分をまとめて「引用商標文字部分」という。)とを比較すると,両者は,共に5文字からなるところ,語頭の「D」又は「d」のつづりを共通にするものの,それに続く「RONE」と「oron」の文字部分のつづりが異なるから,外観は明らかに相違する。
次に,称呼についてみると,本願商標から生じる「ドローン」の称呼と引用商標文字部分から生じる「ドロン」の称呼とは,「ド」,「ロ」及び「ン」の3音を共通にするが,第2音における「ロ」の長音の有無に差異があるため,共に3音ないし4音という短い音構成の中では該差異が全体の称呼に与える影響は比較的大きいものであり,それぞれを一連に称呼するときでも聞き誤るおそれはないというべきである。
さらに,本願商標と引用商標文字部分との観念を比較すると,前者からは「遠隔操作によって飛行する無人航空機」の観念を生じるのに対し,後者からは特定の観念を生じないため,両者から受ける観念上の印象は異なる。
そうすると,本願商標は,引用商標文字部分との比較において,外観は明瞭に相違し,称呼は聞き誤るおそれはなく,観念の印象も異なるものであって,外観,称呼及び観念のいずれも相紛れるおそれはない。
その他,本願商標と引用商標2とが類似する商標であるとすべき理由は見いだせない。
したがって,これらを総合的に勘案すると,本願商標と引用商標は同一又は類似の商品に使用されるとしても,出所の混同を生じるおそれはなく,非類似の商標というべきである。
(4)まとめ
以上のとおり,本願商標は,引用商標とは類似する商標とはいえず,その指定商品が,引用商標の指定商品と類似するとしても,商標法第4条第1項第11号に該当しない。
その他,本願について拒絶の理由を発見しない。
よって,結論のとおり審決する。
別掲 別掲(引用商標2)


審決日 2018-05-22 
出願番号 商願2015-95370(T2015-95370) 
審決分類 T 1 8・ 263- WY (W28)
T 1 8・ 261- WY (W28)
T 1 8・ 262- WY (W28)
最終処分 成立  
前審関与審査官 山田 啓之板谷 玲子 
特許庁審判長 早川 文宏
特許庁審判官 小出 浩子
田村 正明
商標の称呼 ドローン 
代理人 網野 友康 

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