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審決分類 審判 一部取消 商50条不使用による取り消し 無効とする(請求全部成立)取り消す(申し立て全部成立) Z42
管理番号 1340310 
審判番号 取消2016-300832 
総通号数 222 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2018-06-29 
種別 商標取消の審決 
審判請求日 2016-11-28 
確定日 2018-05-10 
事件の表示 上記当事者間の登録第4460902号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 登録第4460902号商標の指定役務中、第42類「健康に関する情報の提供,医療情報の提供」についての商標登録を取り消す。 審判費用は、被請求人の負担とする。
理由 1 本件商標
本件登録第4460902号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲のとおりの構成からなり、平成9年10月21日に登録出願、第9類、第25類及び第41類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品及び役務並びに第42類「健康に関する情報の提供,結婚又は交際を希望する者への情報の提供,医療情報の提供,気象情報の提供,求人情報の提供,オフセット印刷,その他の印刷,電子計算機(中央処理装置及び電子計算機用プログラムを記憶させた電子回路・磁気ディスク・磁気テープその他の周辺機器を含む。)の貸与」を指定商品及び指定役務として、同13年3月23日に設定登録され、その後、同23年4月26日に第41類及び第42類に属する指定役務について商標権の存続期間の更新登録がされ、その商標権は、現に有効に存続しているものである。
そして、本件審判の請求の登録は、平成28年12月9日にされたものである。

2 請求人の主張
請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨次のとおり述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第6号証を提出した。
(1)請求の理由
本件商標は、その指定役務中、第42類「健康に関する情報の提供、医療情報の提供」について、継続して3年以上日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存しないから、商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。
(2)取消事由の詳細
本件商標の商標権には専用使用権及び通常使用権は登録されていない。
本件商標について請求人が使用状況を調査したところ、本件商標の商標権者は、主に雑誌を刊行している米国の会社であり、題号「Men’sHealth」なる雑誌を年10回刊行していることが判明した。この雑誌は日本国内でも極少部数販売されていることが確認できた。
しかし、同社が医療又は医療関係の業務を行っている事実は発見することができなかった。
商標権者が発行する雑誌において、ダイエットに関する医療的な記事、しわ取りに関する医療関係の記事を掲載している事実は確認できたが、これらは、第16類「印刷物」に分類される商品に関するものであり、これらの記事掲載が第42類に属する役務に該当するものではない。さらに、個別の医療機関を紹介するとか、個別の病気に対する相談等を医療機関に引き継ぐ等の情報も掲載されていなかった。
念の為に付言すると、本件商標の役務「医療情報の提供」は、「医業」を含む類似群コード(42V02)に分類されており、医療情報を求める患者に対して個別に情報を提供するものである。
また、「健康に関する情報の提供」は、「医業」を含む類似群コード(42V02)と「栄養の指導」を含む類似群コード(42V03)を与えられており、同様に、患者個々人に対して個別的な情報の提供を業として行うことを予定しているものである。
したがって、雑誌記事のような一般的な情報を紙媒体によって提供する行為は、第16類に属する商品「印刷物」の販売に該当するものであり、本類の「情報の提供」の役務に該当するものでないことは明らかである。
上記のとおり、請求人の調査によっては、本件商標が商標権者等によって指定役務「健康に関する情報の提供,医療情報の提供」に使用されている事実を見いだすことができなかった。
したがって、本件商標の登録は、商標法第50条第1項の規定により、その指定商品及び指定役務中、第42類「健康に関する情報の提供,医療情報の提供」の登録の取消しを免れないものである。
(3)被請求人の答弁に対する弁駁
被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内(以下「要証期間内」という場合がある。)に日本国内においてその請求に係る指定役務について本件商標を使用している旨を主張し、証拠方法として乙第1号証ないし乙第10号証を提出した。
しかしながら、いずれの証拠も、以下のとおり、本件商標を使用していたことを証明するものでないことは明らかである。
ア 使用に係る役務の性質について
(ア)被請求人は、乙第1号証ないし乙第10号証を提出しているが、そのいずれの証拠も、本件商標の取消請求対象である指定役務の第42類「健康に関する情報の提供」又は「医療情報の提供」のいずれかについて使用したことを証明するものではない。むしろ、第16類「印刷物,雑誌」又は第41類「電子出版物の提供,電子雑誌の提供」についての使用を証明したにすぎないというべきである。
被請求人は、答弁書において、「商標権者が提供するインターネットウェブサイト メンズヘルスドットコムにおいて(中略)健康に関する情報または医療情報に関する記事を掲載して、これらの記事を公衆が閲覧可能な状態にすることにより、『健康に関する情報の提供』または『医療情報の提供』に関する役務を提供している。」と主張している。
しかしながら、これらの被請求人の行為は、一般大衆が関心を持つような雑誌記事を紙媒体でなく電子媒体で提供しているものにすぎず、第41類「電子出版物の提供」には属し得るものの、第44類に定める「健康に関する情報の提供」又は「医療情報の提供」に該当するものではない。
(イ)商標法における商品又は役務の意義につき、被請求人は「請求人が審判請求において『健康に関する情報の提供』と『医療情報の提供』の性質についてした主張に全く根拠がなく、請求人が自己に有利な審決を得るためにした請求人独自の身勝手な解釈である。」と主張している。
しかしながら、「商標法施行規則別表において定められた商品又は役務の意義は、商標法施行規則別表の区分に付された名称,商標法施行規則別表において当該区分に属するとされた商品又は役務の性質,国際分類を構成する類別表注釈において示された商品又は役務についての説明、類似商品・役務審査基準における類似群の同一性などを参酌して解釈するのが相当である」と考えるのが妥当である。
この請求人の主張は「自己に有利な審決を得るためにした請求人独自の身勝手な解釈」ではなく、最高裁における判決と同一の趣旨である(甲3:最高裁平成21年(行ヒ)第217号同23年12月20日第三小法廷判決)。
具体的には、第35類の「商品の販売に関する情報の提供」につき、「商業等に従事する企業に対し、その管理、運営等を援助するための情報を提供する役務であると解するのが相当である」とし、単に「商品の最終需要者である消費者に対し商品を紹介することなどは、『商品の販売に関する情報の提供』には当たらない」と判断している。
本件において、「医療情報の提供」が属する第44類は、商標法施行規則別表における名称が「医療、動物の治療、人又は動物に関する衛生及び美容並びに農業、園芸又は林業に係る役務」と定められ、国際分類の類別表注釈には、「主として人又は事業所が人及び動物に提供する医療ケア、衛生及び美容ケアを含む。」と示されており、患者等に対して医療や衛生に関する専門的なケアを行う類の役務が該当することがわかる。また、「医療情報の提供」が医師又は医療法人等の専門的な資格を要する「医業」等と並べて定められ、類似商品・役務審査基準においても、これらと同一の類似群(42V02)に属している。このように定められていることから、「医療情報の提供」が、被請求人の行う電子雑誌等の媒体を通じて一般公衆に対して医療的な話題を提供する行為ではなく、医師又はそれに準ずる専門的な立場で患者等に対して個別に情報を提供する役務が該当すること考えるのが上記の最高裁判決で示された判決の考え方に従った正しい解釈である。
また、「健康に関する情報の提供」についても、類似群42V02に加え、「栄養の指導」が属する類似群(42V03)が付与されている。そうすると、当該役務が、医師や栄養士又はそれに準ずる専門的な立場の者が、患者等に対して個別的に健康管理に関する見解を提供するような役務が該当するといえる。
(ウ)請求人が調査した商標権者等の商標の使用状況や、後述する被請求人の証拠では、雑誌や電子雑誌に健康や医療を題材とした記事を掲載している事実は確認できるものの、患者個々人が求める専門性のある医療情報又は健康情報を提供している事実は全く確認できない。
したがって、商標権者は、「医療情報の提供」又は「健康に関する情報の提供」の役務について本件商標を使用していないことは明白であり、雑誌や電子雑誌における本件商標の使用をもって、本件審判請求に係る指定役務について商標を使用しているという被請求人の主張は失当である。
イ 乙各号証について
(ア)乙第1号証
乙第1号証は、商標権者が「Men’s Health」というブランドを採用していることが記載されているが、被請求人が自ら答弁するように、商標権者が自己を紹介するために設けたウェブページにすぎず、「Men’s Health」が本件審判請求に係る指定役務である「健康に関する情報の提供」又は「医療情報の提供」について使用されていることを具体的に示す何らの記載はない。
また、乙第1号証には、「Rodale Inc.(中略)is a global health and wellness content company(ロデイル インク.は国際的な健康に関するンテンツ企業です。)」、「(前略)Rodale Books is the premier destination for wellness content with a purpose(Rodale Booksは、目的意識の高い、健康コンテンツに行き着くための一流の到達地点です。)」という記載がある。ここで、被請求人は自らを「コンテンツ企業」と称している。「コンテンツ」とは、「インターネットやケーブルテレビなどの情報サービスにおいて、提供される文書・音声・映像・ゲームソフトなどの個々の情報のこと。」と辞書にも掲載されており(甲4)、実際、被請求人は、「multiple distribution channels, including magazines, books, online, mobile, e-commerce, direct-to-consumer,social,and video(雑誌、書籍、オンライン、モバイル、eコマース、直販、ソーシャルチャネル、およびビデオを含む様々な配信チャネル)」を介してコンテンツを配信していると述べている。つまり、商標権者は、一般大衆向けに有益な情報を取り揃え、様々な媒体を通じてコンテンツを配信する業務を行っているのであって、患者等が欲するような医療や健康に関する具体的な情報を専門的に提供しているわけではなく、役務の性質が全く異なっている。このことからも、商標権者は「健康に関する情報の提供」又は「医療情報の提供」という役務を行っていないことは明らかである。
(イ)乙第2号証及び乙第3号証
乙第2号証及び乙第3号証も、被請求人の答弁のように、商標権者が使用する商標を紹介するために設けたウェブページであるが、本件商標を使用した雑誌等の印刷物を出版していることは示されているものの、本件審判請求に係る指定役務「健康に関する情報」又は「医療情報の提供」についての使用を証明するものではない。
(ウ)乙第4号証
乙第4号証は、「Men’s Health」の語を使用したウェブサイト、書籍、ビデオ、インターネットによる小売店舗、運動用具、運動に関する計測を行うアプリケーション、雑誌、電子雑誌、イベントの興行を紹介するウェブページであるが、本件商標の指定役務「健康に関する情報の提供,医療情報の提供」を行っていることを示す記載はない。
(エ)乙第5号証ないし乙第10号証
乙第5号証ないし乙第10号証は、被請求人が運営するウェブサイト「MENSHEALTH.COM」内の記事である。医療又は健康と関連する記事ではあるが、上記アで述べたように、これらの内容は、一般的な雑誌の記事を電子媒体で提供しているものにすぎず、第44類の役務である、専門性の高い医療情報や健康に関する情報を提供しているわけではない。したがって、これらの証拠に表れている行為は、「電子雑誌の提供」であり、「健康に関する情報の提供,医療情報の提供」には該当するものではない。
ウ 外国発信のウェブページにおける商標の使用について
(ア)不使用取消審判において、商標登録の取消しを免れるためには、日本国内で商標が使用されていなければならず、外国での商標の使用をもって取消しを免れることはできない。
(イ)商標権者は、「商標権者が提供した健康に関する情報と医療情報は全て英語で記載されているが、我が国における英語の普及の程度、インターネットウェブサイトにおける翻訳サイトまたは翻訳ソフトの普及、(中略)を考慮すれば、情報提供の態様が英語であることを理由として、役務の提供が妨げられると判断することは不合理である。」と主張している。
しかしながら、商標権者が提出したウェブページの写しは、雑誌記事の提供の役務にすぎないと考えるが、その役務の提供さえ日本国内で行われているとは認められず、英語圏の需要者(特に米国内)に向けて発信されたものである。
被請求人が提出した乙各号証の英語を理解できる日本人が全く居ない、とは言わないまでも、英語の雑誌記事を読みこなす程度の実力を有する需要者はごく僅かしかいないことを鑑みると、「雑誌記事の態様が英語であること」は、日本人に対して大きな障害であると言わなければならない。日本国内の日本人を対象として雑誌記事を提供していると言うためには、少なくとも記事の一部について日本語が記載されている必要があると言える。
「翻訳サイトまたは翻訳ソフトが普及している」とも被請求人は主張しているが、それらのツールを利用しなくては解読できないウェブページを、日本国内の需要者に向けて発信しているとは到底考えられない。また、英語から日本語へ翻訳するサイトの精度はまだ低いのが現状であり、日本語に翻訳されたとしても、十分に解読することはまず困難である。
商標権者の主張に従って、試みに、乙第9号証の英文をウェブサイト上のグーグル翻訳により日本語の翻訳をしてみた。その結果は、甲第5号証のとおりである。この翻訳をもって、日本人が記事の内容を理解できると商標権者は考えるのであろうか。乙第9号証に付された訳文とグーグル翻訳を見比べれば、その差は歴然であり、機械翻訳では内容を理解できないことは明らかである。
したがって、我が国における英語の普及の程度や、インターネットウェブサイトにおける翻訳サイト又は翻訳ソフトの普及を考慮しても、英語による雑誌記事をもって、日本国内における役務の提供が行われたとは到底言うことはできない。
(ウ)また、被請求人は、「電気通信回線を通じて提供される情報の提供は、役務の提供者が提供する情報を我が国の需用者が電気通信回線を通じて利用可能な状態にすることをもって、日本国内において役務が提供されたと判断しなければ、使用の範囲を不当に狭く判断することにつながり不合理である」とも主張している。
しかしながら、このような被請求人の主張は明らかに不当である。インターネット上にウェブページを公開すれば、その瞬間に日本に限らず全世界においても利用可能な状況になることは至極当然のことであり、その行為をもって直ちに日本国内で役務を提供していると判断することは妥当ではない。仮に、海外における海外の需要者向けのウェブページでの商標使用を、インターネットで日本からアクセス可能というだけで日本国内の使用と認めるのであれば、外国のみでインターネット上において商標を使用していれば国内の商標使用として認められることとなり、パリ条約6条の商標独立の原則に反し、日本の商標権の効力が不当に広く及ぶ結果となり不合理である。
上記の請求人の主張が正しいことは、知財高裁の判決によっても明らかである(甲6:知財高裁平成17年(行ケ)第10095号同年12月20日判決)。同判決では、ウェブページによる広告について、日本からもアクセスが可能であることを認めながらも、「上記ウェブページは、米国サーバーに設けられたものである上、その内容もすべて英語で表示されたものであって、日本の需要者を対象としたものとは認められない。上記ウェブページは日本からもアクセス可能であり、日本の検索エンジンによっても検索可能であるが、このことは、インターネットのウェブページである以上当然のことであり、同事実によっては上記ウェブページによる広告を日本国内による使用に該当するものということはできない」と判示している。商標権者のウェブページでの商標使用は、まさに上記の状況と同様であるといえるので、日本国内での商標の使用に該当するとは認められない。
したがって、被請求人のインターネットウェブサイト上の商標の使用は、日本国内における使用とは到底認められない。
(4)むすび
以上のように、被請求人が答弁書で提出した証拠では、いずれも被請求人が要証期間内に日本国内において、その請求に係る指定役務について本件商標を使用したことを証明するものではなく、また、請求人が行った調査によっても、本件商標が商標権者等により、上記指定役務について本件商標を使用されている事実を見いだすことはできなかった。
したがって、本件商標の登録は、商標法第50条第1項の規定により、その指定商品及び指定役務中の第44類「健康に関する情報の提供,医療情報の提供」について、取り消されるべきものである。

3 被請求人の答弁
請求人は、本件審判の請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とする、との審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のとおり述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第10号証を提出した。
(1)本件商標の使用の事実の要点
商標権者は、要証期間内に我が国において、請求に係る指定役務である「健康に関する情報の提供、医療情報の提供」について本件商標を使用している。
(2)本件商標の使用の事実
ア 商標の使用者
(ア)乙第1号証「商標権者が提供するインターネットウェブサイト・商標権者の紹介」は、商標権者がインターネットウェブサイトにおいて、自己を紹介するために設けたページである。このページの最上段左側には商標権者の略称「ロデイル(RODALE)」の記載があり、また、最下段左側にはこのページの著作者が商標権者「ロデイル インク.(RODALE Inc.)」である旨の記載がある。さらに、本文中には、商標権者の拠点がアメリカ合衆国ペンシルヴァニア エモーズに所在する旨の記載がある。そして、このページには本件商標が記載されている。商標権者は本件商標を使用して、健康に関する情報及び医療に関する情報を、雑誌、書籍、インターネット、ビデオなどの媒体を通じて公衆に提供し、我が国を含む世界67か国において、商標権者が提供した健康に関する情報及び医療情報は入手可能である。
(イ)乙第2号証「商標権者が提供するインターネットウェブサイト・商標権者が使用する商標の紹介」は、商標権者が使用する商標を紹介するために設けたページである。このページの最上段左側に商標権者の略称「ロデイル(RODALE)」の記載があり、最下段左側にはこのページの著作者が商標権者「ロデイル インク.(Rodel Inc.)」である旨の記載がある。このページには、商標権者を象徴する商標として本件商標が記載され、商標権者が本件商標を使用した雑誌等の印刷物を出版している旨の記載がある。
(ウ)乙第3号証「商標権者が提供するインターネットウェブサイト・商標権者を象徴する商標」は、商標権者が長年にわたって使用したことにより、商標権者を象徴するに至った商標を紹介するために設けたページである。このページは、乙第2号証の商標権者を象徴する商標(ICONIC BRANDS)について「詳しく知る(Lern More)」をクリックすることにより表示されるページである。このページの最上段左側に商標権者の略称「ロデイル(RODALE)」の記載があり、最下段左側にはこのページの著作者が商標権者「ロデイル インク.(Rodale Inc.)」である旨の記載がある。そして、このページには本件商標が記載されており、本件商標を付した雑誌を紹介する記載がある。
(エ)乙第4号証「商標権者が提供するインターネットウェブサイト・本件商標を使用した商品及び役務の紹介」は、商標権者が本件商標を使用した商品及び役務を紹介するために設けたページである。このページは、乙第3号証の本件商標を付した雑誌を紹介について「詳しく知る(Lern More)」をクリックすることにより表示されるページである。このページの最上段左側には商標権者の略称「RODALE」の記載があり、最下段左側にはこのページの著作者が商標権者「ロデイル インク.(Rodale Inc.)」である旨の記載がある。そして、このページには本件商標が記載され、本件商標を付した雑誌を紹介する記載、商標権者が開設したインターネットウェブサイト「メンズヘルス ドットコム(MEN’S HEALTH.COM)」、「http://www.menshealth.com」において健康に関する情報及び医療情報を提供している旨の記載、本件商標を付した雑誌・書籍及びビデオを紹介する記載、本件商標を使用した小売等役務を紹介する記載、本件商標を付した種々の商品を紹介する記載、本件商標を付したアプリケーション及びアプリケーションの提供を紹介する記載、本件商標を付した雑誌が世界64か国において入手可能であることを紹介する記載、本件商標を付したイベント等の興行を紹介する記載がある。
(オ)乙第5号証ないし乙第10号証「商標権者が提供するインターネットウェブサイト メンズヘルスドットコムにおける役務の提供」は、商標権者が本件商標を使用し、インターネットウェブサイト(http://www.menshealth.com)を通じて、健康に関する情報及び医療情報を提供に係る役務を提供するページである。このページは、乙第4号証の商標権者が開設したインターネットウェブサイト「メンズヘルス ドットコム(MEN’S HEALTH.COM)」において健康に関する情報及び医療情報を提供している旨の記載に設けられた「メンズヘルス ドットコムを訪問する(Visit MensHealth.Com)」をクリックすることにより表示されるページである。そして、乙第7号証ないし乙第10号証の右側に設けられた赤色の枠の内側に記載された「我々について(About Us)」をクリックすると、乙第1号証が表示される。乙第1号証の最上段左側には商標権者の略称「ロデイル(RODALE)」の記載があり、最下段左側にはこのページの著作者が商標権者「ロデイル インク.(RODALE Inc.)」である旨の記載がある。また、乙第1号証の本文中には商標権者の拠点がアメリカ合衆国ペンシルヴァニア エモーズに所在する旨の記載がある。したがって、乙第5号証ないし乙第10号証に表されたインターネットウェブサイト「メンズヘルス ドットコム(MEN’S HEALTH.COM)」は、商標権者が提供しているインターネットウェブサイトであることが明らかである。
イ 使用に係る役務
(ア)まず、審判請求書において請求人は、「医療情報の提供」の役務について、個別の医療機関を紹介、又は、個別の病気に対する相談等を医療機関に引き継ぐ等の個別的な情報を提供しなければ、医療情報の提供に関する役務を提供しているとはいえないという主張をしているが、このような主張には全く根拠がなく、請求人独自の解釈であること言わざるを得ない。また、請求人は、類似商品・役務審査基準において、「健康に関する情報の提供」と「医療情報の提供」が「医業」と同一の類似群コードである「42V02」が付与されていることを理由として、「健康に関する情報の提供」と「医療情報の提供」が、患者個々人に対して個別的な情報の提供を行うことを予定した役務であると主張しているが、このような主張にも全く根拠がなく、請求人独自の解釈であること言わざるを得ない。類似群コードは、登録主義を採用する我が国の商標登録制度において、出所の混同が生じるのを未然に防止するために、役務の提供の手段・目的・場所の共通性、需要者の範囲の共通性及び業種の共通性等を経験則に基づいて判断した「同一または類似の商標を使用した場合に、商品又は役務について出所の混同が生じるおそれのある範囲」を定めたものであり、個別的な役務の提供という観点から、「健康に関する情報の提供」と「医療情報の提供」が「医業」と同一の類似群コードが付与されたとの請求人の主張は失当である。したがって、請求人が審判請求書において「健康に関する情報の提供」と「医療情報の提供」の性質についてした主張には全く根拠がなく、請求人が自己に有利な審決を得るためにした請求人独自の身勝手な解釈であり、到底是認できる主張ではない。
(イ)一方、商標権者は、商標権者が提供するインターネットウェブサイト メンズヘルスドットコム(MEN’S HEALTH.COM)(http://www.menshealth.com)において、商標権者が著作者である健康に関する情報または医療情報に関する記事を掲載して、これらの記事を公衆が閲覧可能な状態にすることにより、「健康に関する情報の提供」又は「医療情報の提供」に関する役務を提供している。
なお、商標権者が提供した健康に関する情報と医療情報は全て英語で記載されているが、我が国における英語の普及の程度、インターネットウェブサイトにおける翻訳サイト又は翻訳ソフトの普及、我が国に居住する英語を理解できる外国人の存在を考慮すれば、情報提供の態様が英語であることを理由として、役務の提供が妨げられると判断するのは不合理である。また、電気通信回線を通じて提供される情報の提供は、役務の提供者が提供する情報を我が国の需用者が電気通信回線を通じて利用可能な状態にすることをもって、日本国内において役務が提供されたと判断しなければ、使用の範囲を不当に狭く判断することにつながり不合理である。
(ウ)乙第5号証「商標権者が提供するインターネットウェブサイト メンズヘルスドットコムにおける役務の提供」は、健康に関する情報または医療情報の提供に係るページの見出しであり、商標権者が「健康に関する情報の提供」又は「医療情報の提供」に関する役務を提供したことを表すものである。乙第5号証に記載された記事の見出しは、「世界最強の元気が出る料理をマスターしよう」、「ヨーグルトを食べる5つの新たな理由」、「カフェイン過剰摂取(あるいは過小摂取)に気づくためのシンプルな方法」であり、これらの見出しから、記事の内容が「健康に関する情報」又は「医療情報」に当たることは明らかである。
(エ)乙第6号証「商標権者が提供するインターネットウェブサイト メンズヘルスドットコムにおける役務の提供」は、健康に関する情報又は医療情報の提供に係るページの見出しであり、商標権者が「健康に関する情報の提供」又は「医療情報の提供」に関する役務を提供したことを表すものである。乙第6号証に記載された記事の見出しは、「アメリカで最も革新的なジム」、「なぜ、あなたの鬱状態を主治医が見逃しがちなのか?」であり、これらの見出しから、記事の内容が「健康に関する情報」又は「医療情報」に当たることは明らかである。
(オ)乙第8号証「商標権者が提供するインターネットウェブサイト メンズヘルスドットコムにおける役務の提供」は、健康に関する情報または医療情報の提供に係るページであり、商標権者が「健康に関する情報の提供」又は「医療情報の提供」に関する役務を提供したことを表すものである。乙第8号証に記載された記事の見出しは、「あなたが毎日犯している5つの健康に関する間違い」であり、この記事は、商標権者が研究者及び歯科医師等の専門家から得た見解を公衆が容易に理解できるようにまとめたものである。したがって、この記事が「健康に関する情報」又は「医療情報」に当たることは明らかである。
(カ)乙第9号証「商標権者が提供するインターネットウェブサイト メンズヘルスドットコムにおける役務の提供」は、健康に関する情報又は医療情報の提供に係るページであり、商標権者が「健康に関する情報の提供」又は「医療情報の提供」に関する役務を提供したことを表すものである。乙第9号証に記載された記事の見出しは、「あなたの乳がんリスクは思っているよりも高い」であり、記事は、商標権者が研究者及び医師等の専門家から得た「乳がん」に関する見解を公衆が容易に理解できるようにまとめたものである。したがって、この記事が「健康に関する情報」又は「医療情報」に当たることは明らかである。
(キ)乙第10号証「商標権者が提供するインターネットウェブサイト メンズヘルスドットコムにおける役務の提供」は、健康に関する情報又は医療情報の提供に係るページであり、商標権者が「健康に関する情報の提供」又は「医療情報の提供」に関する役務を提供したこと表すものである。乙第10号証に記載された記事の見出しは、「キャリー・フィッシャーの死が、どのように彼女のファンが精神疾患について語る力となったのか」であり、この記事は商標権者が「メンタルヘルス」について記載したものである。したがって、この記事が「健康に関する情報」又は「医療情報」に当たることは明らかである。
ウ 使用に係る商標
乙第1号証ないし乙第10号証には、いずれも本件商標「MEN’SHEALTH」が記載されている。
エ 使用に係る時期
乙第5号証には、当該見出しに関する記事を公衆が閲覧可能となった年月として、2014年12月(DECEMBER 2014)と記載されている。
乙第6号証には、当該見出しに関する記事を公衆が閲覧可能となった年月として、2015年1月 2月(JANUARY FEBRUARY 2015)と記載されている。
乙第8号証には、当該記事を公衆が閲覧可能となった年月日として2014年7月20日(July 20,2014)と記載されている。
乙第9号証には、当該記事を公衆が閲覧可能となった年月日として2015年4月17日(April 17,2015)と記載されている。
そして、本件審判の請求の登録は平成28(2016)年12月7日であるから、上記証拠はいずれも要証期間内に属するものである。
(3)むすび
乙第1号証ないし乙第10号証により表した使用証拠以外にも、商標権者は要証期間内において本件商標を使用して、自己が提供するインターネットウェブサイト メンズヘルスドットコム(http://www.menshea1th.com)を通じて、健康に関する情報の提供及び医療情報の提供に関する役務を提供している。また、商標権者は、フェイスブック(https://www.Facebook.com/menshealth)、ツイッター(https://twitter.com/menshealthmag)、インスタグラム(https://www.instagram.com/menshealthmag/)等のソーシャル・ネットワーキング・サービスを通じて、健康に関する情報の提供及び医療情報の提供に関する役務を提供している。
以上のとおり、本件商標は、要証期間内に日本国内において商標権者により、本件審判の請求に係る指定役務「健康に関する情報の提供,医療情報の提供」について使用していることが明らかである。

4 当審の判断
(1)被請求人の提出した証拠及び同人の主張によれば、以下の事実が認められる。
ア 商標権者(被請求人)「Rodale Inc.」(ロデイル インク.)が提供するインターネットウェブサイトには、同社がアメリカ合衆国ペンシルヴァニア州エモーズ及びニューヨーク州ニューヨークに拠点を置く、国際的な健康に関するコンテンツ企業であり、雑誌、書籍、オンライン、モバイル、ビデオなどの配信チャンネルを介して、1億人以上の人々にコンテンツを配信しているとの記載がある(乙1)。
イ 商標権者が提供するインターネットウェブサイトには、「Men’s Health」(以下「使用商標1」という。)を題号とする雑誌を始めとする雑誌の表紙の画像が表されており、これらの雑誌を商標権者が発行していること、及び使用商標1を付した雑誌は世界で最も有名な男性向け雑誌ブランドであり、健康的でアクティブなライフスタイルに関する最新情報や専門家のアドバイスに関する頼りになる情報源であることが記載されている(乙2,乙3)。
ウ 商標権者が提供するインターネットウェブサイトには、使用商標1を題号とする雑誌の表紙の画像が表されており、(a)雑誌「Men’s Health」は、65か国41版にわたり、紙媒体及びデジタル版において6,000万人もの読者を持つ世界で最も大きな男性向け雑誌ブランドであること、(b)該雑誌は、健康的でアクティブなライフスタイルに関する最新情報や専門家のアドバイスに関する頼りになる情報源であること、(c)商標権者により米国内で年10回刊行される該雑誌は、世界で最も売れている男性雑誌であり、健康、フィットネス、ファッション、栄養、人間関係、旅行、技術及び金融に関する最新情報を読者に提供していること、(d)該雑誌は、2015年に米国雑誌大賞で優秀賞及びベストカバー賞の2つの賞を受賞、そして、メディア業界会報による、過去25年で最も注目すべき雑誌の立ち上げにおけるナンバー1に選出されたことを含み、業界から数多くの称賛を得てきたこと、(e)MensHealth.comは、フィットネス、栄養、人間関係、セックス、キャリア、ライフスタイルに加え、トレーニングのヒント、ビデオ及び男性が最高の生活を送るためのモチベーションに関する専門家のアドバイスや記事を求めるユーザの日々の到達点であり、また、毎月1400万人ものユニーク・ビジターがサイトをチェックし、1200万人以上のファンが、インスタグラム、ツィッター、フェイスブックを含む9つのソーシャルメディアプラットフォームを介してMen’s Healthブランドをフォローしていること、等が記載されている(乙4)。
エ 乙第5号証ないし乙第10号証は、商標権者が提供するインターネットウェブサイトである「MensHealth.com」における表示の一部を、それぞれ打ち出したものであり、各号証の1ページ目の上部の赤色の帯状の部分左側に白抜きで「Men’s Health」の文字(以下「使用商標2」という。)が表示されている。
そして、各号証は、全て英文で記載されており、乙第5号証には、「世界最強の元気が出る料理をマスターしよう」、「ヨーグルトを食べる5つの新たな理由」、「カフェイン過剰摂取(あるいは過小摂取)に気づくためのシンプルな方法」の見出しの記事、乙第6号証には、「アメリカで最も革新的なジム」、「なぜ、あなたの鬱状態を主治医が見逃しがちなのか?」の見出しの記事、乙第8号証には「あなたが毎日犯している5つの健康に関する間違い」の見出しの記事、乙第9号証には、「あなたの乳がんリスクは思っているよりも高い」の見出しの記事、乙第10号証には、「キャリー・フィッシャーの死が、どのように彼女のファンが精神疾患について語る力となったのか」の見出しの記事が掲載されている。
これらには、それぞれ、当該見出しに関する記事を公衆が閲覧可能となった年月として、 乙第5号証には2014年12月(DECEMBER 2014)、乙第6号証には2015年1月 2月(JANUARY FEBRUARY 2015)、乙第8号証には2014年7月20日(July 20,2014)、乙第9号証には2015年4月17日(April 17,2015)と記載されている。
(2)上記(1)で認定した事実によれば、以下のことがいえる。
ア 商標権者は、使用商標1を題号とする男性向け雑誌を発行し、また、該雑誌に係る内容等を提供するインターネットウェブサイト「MensHealth.com」も使用商標2を表題として提供していたものであり、これらの雑誌の発行及びインターネットウェブサイトの提供は、要証期間内において行われていたということができる。
イ そして、本件審判の請求に係る指定役務は「健康に関する情報の提供,医療情報の提供」(第42類)であるところ、使用商標1を題号とする男性向け雑誌についてみるに、そもそも「雑誌」は、商標法施行規則別表において、商品及び役務の区分の第16類に属する商品として明確に例示されている商品であって、第42類「健康に関する情報の提供,医療情報の提供」の範疇に属するといい得るものではない。さらに、上記(1)で認定した事実を総合しても、使用商標1を使用した「雑誌」が雑誌の商品概念を超えて、「健康に関する情報の提供,医療情報の提供」の役務を行っているとみる実情は見いだせない。
また、使用商標2を表題として提供するインターネットウェブサイト「MensHealth.com」の内容についてみるに、上記(1)で認定した事実にあるように、その内容は、健康や医療を題材とした記事を掲載しているものであり、患者個々人が求める専門性のある医療情報又は健康情報を提供している事実は見いだせず、使用商標2の使用に係る役務は、「健康に関する情報の提供,医療情報の提供」に該当するものではない。
ウ この点について、被請求人は、商標権者が本件商標を使用して、健康に関する情報及び医療に関する情報を雑誌、インターネット等の媒体を通じて公衆に提供しており、本件商標を請求に係る指定役務について使用している旨主張している。
しかしながら、「商標法施行規則別表において定められた商品又は役務の意義は,商標法施行令別表の区分に付された名称,商標法施行規則別表において当該区分に属するものとされた商品又は役務の内容や性質,国際分類を構成する類別表注釈において示された商品又は役務についての説明,類似商品・役務審査基準における類似群の同一性などを参酌して解釈するのが相当であるということができる」(前出:最高裁平成21年(行ヒ)第217号同23年12月20日第三小法廷判決:甲3)と解されているところ、本件審判の請求に係る指定役務は、第42類「健康に関する情報の提供,医療情報の提供」であり、本件商標登録出願時に施行されていた商標法施行令別表(平成13年政令第265号による改正前のもの。以下「政令別表」という。)及び同法施行規則別表(平成13年経済産業省令第202号による改正前のもの。以下「省令別表」という。)により検討されるべきものである。
「健康に関する情報の提供,医療情報の提供」が指定されている第42類は、政令別表における名称が「飲食物の提供、宿泊施設の提供、医療、衛生及び美容、動物の治療、農業に係る役務、法律事務、調査研究、電子計算機のプログラムの作成、その他の他の類に属しない役務」と定められ、国際分類の類別表注釈には、「この類には、他の類に分類することが出来ないすべての役務を含む。」の記載のほか「人が組織の構成員として個別的に又は集団的に提供する役務であって、高度の知的活動を要し、かつ、人間の諸活動のうち複雑な領域の理論的又は実際的な側面に関連を有するもの。この役務を提供するものには、深くかつ広範な大学教育又はこれと同等の経験が要求される。」と示されており、また、「医療情報の提供」が医師又は医療法人等の専門的な資格を要する「医業」等と同様に第42類の役務として省令別表に定められ、類似商品・役務審査基準において、これらと同一の類似群(42V02)に属している。このように定められていることから、「医療情報の提供」が、被請求人の行う電子雑誌等の媒体を通じて一般公衆に対して医療的な話題を提供する行為ではなく、医師又はそれに準ずる専門的な立場で患者等に対して個別に情報を提供する役務が該当することと考えるのが相当である。
また、「健康に関する情報の提供」についても、類似群コードが「42V02」に加え、「栄養の指導」が属する類似群コード「42V03」が付与されていることからすると、当該役務が、医師や栄養士又はそれに準ずる専門的な立場の者が、患者等に対して個別的に健康管理に関する見解を提供する役務が該当するといえる。
そうすると、使用商標1及び2の使用に係る商品又は役務は、雑誌、並びに雑誌及び雑誌に相当する記事を内容とする電子出版物の提供といえるものであり、第42類「健康に関する情報の提供,医療情報の提供」には当たらないというべきである。
したがって、被請求人の上記主張は、採用することができない。
エ さらに、使用商標2が使用されていることが認められる乙第5号証ないし乙第10号証は、インターネットウェブサイトの写しであるところ、これらのウェブページはアメリカ合衆国に設けられたサーバーから配信されているものである上、その内容も全て英語で表示されているものであって、日本の需要者を対象としたものとは認められない。上記ウェブページは日本からもアクセス可能であり、日本の検索エンジンによっても検索可能であるが、このことは、インターネットのウェブページである以上当然のことであり、同事実によっては上記ウェブページによる役務の提供又は広告を日本国内による使用に該当するものということはできない。
したがって、被請求人のインターネットウェブサイト上の商標の使用は、日本国内における使用であるとはいえない。
オ よって、被請求人の提出した証拠によっては、要証期間内において、商標法第2条第3項第1号、第2号、第7号又は第8号に係る本件商標の使用があったということはできない。
カ なお、審判長は、請求人提出の弁駁に対する意見及び既に提出の乙各号証以外の証拠方法の提出を求める旨の審尋を行ったところ、被請求人からは、所定の期間内に何らの回答もなかった。
(3)むすび
以上のとおり、被請求人の提出に係る乙各号証によっては、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかがその請求に係る指定役務のいずれかについて、本件商標の使用をしていたことを証明したものとは認められない。また、被請求人は、本件商標を請求に係る指定役務について使用していないことについて、正当な理由があることを明らかにしていない。
したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により、その指定商品及び指定役務中「結論掲記の指定役務」について、その登録を取り消すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 別掲
本件商標


審理終結日 2017-12-01 
結審通知日 2017-12-07 
審決日 2017-12-26 
出願番号 商願平9-170153 
審決分類 T 1 32・ 1- Z (Z42)
最終処分 成立  
特許庁審判長 今田 三男
特許庁審判官 網谷 麻里子
酒井 福造
登録日 2001-03-23 
登録番号 商標登録第4460902号(T4460902) 
商標の称呼 メンズヘルス、ヘルス、メンズ 
代理人 藤本 綾子 
代理人 特許業務法人広江アソシエイツ特許事務所 

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