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審決分類 審判 全部取消 商50条不使用による取り消し 無効としない 003
管理番号 1340233 
審判番号 取消2014-300312 
総通号数 222 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2018-06-29 
種別 商標取消の審決 
審判請求日 2014-04-25 
確定日 2018-04-16 
事件の表示 上記当事者間の登録第4164563号商標の商標登録取消審判事件についてされた平成28年11月14日付け審決に対し,知的財産高等裁判所において審決取消しの判決(平成29年(行ケ)第10071号,平成29年11月29日判決言渡)があったので,さらに審理のうえ,次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は,成り立たない。 審判費用は,請求人の負担とする。
理由 第1 本件商標
本件登録第4164563号商標(以下「本件商標」という。)は,「COVERDERM」の欧文字を書してなり,平成9年2月5日に登録出願,第3類「化粧品」を指定商品として,平成10年7月10日に設定登録されたものである。
そして,本件審判の請求の登録日は,平成26年5月16日である。

第2 請求人の主張
請求人は,本件商標の登録を取り消す,審判費用は被請求人の負担とする,との審決を求め,審判請求書,審判事件弁駁書,口頭審理陳述要領書において,その理由を要旨次のように述べ,甲第1号証ないし甲第8号証を提出した。
1 請求の理由
請求人が調査したところによると,本件商標は,第3類「化粧品」について,本件商標の商標権者によって継続して3年以上日本国内において使用されておらず,現在も使用されている事実は見いだせない。
加えて,商標登録原簿上において,通常使用権及び専用使用権の設定登録がされておらず,使用権者が使用していることも考えられない。
したがって,請求人は,商標法第50条第1項の規定に基づき,本件商標の登録を取り消すとの審決を求める。
2 答弁に対する弁駁等
(1)商標の同一性
本件商標は,「COVERDERM」の欧文字を同一の書体・大きさ・間隔にて一連に横書きしてなる。
一方,被請求人は,本件商標と社会通念上同一の商標を使用している証拠として,雑誌広告の写しやホームページの印刷等を提出しているが,乙第1号証のカタログ,乙第6号証及び乙第9号証のホームページの印刷において表示されている商標は,別掲のとおりの商標(以下「使用商標」という。)である。
本件商標と使用商標を比較すると,「COVERDERM」の綴りは共通しているが,その表現の態様・書体は異なっている。また,使用商標は,中央の欧文字「R」については,三画目の斜め線が他の文字より突出するよう大きく書されている。さらに,使用商標に係る欧文字の直下には,本件商標には見られない細い水平線が,中央の「R」文字を挟む形で二本配置されており,かかる構成から,「COVERDERM」の欧文字と当該水平線は強い一体性をもって需要者に認識される。
このように,使用商標は,本件商標とはその表現の態様・書体,中央の「R」の文字の大きさ,二本の水平線の有無において相違して認識される。
よって,使用商標は,本件商標と社会通念上同一の商標とはいえない。
(2)商標の使用行為
ア 乙第1号証について
かかる雑誌に使用されているのは使用商標であり,本件商標及び本件商標と社会通念上同一の商標が使用されている事実はない。
また,当該雑誌は,イタリアで発行され,その内容も全て英語で表示されたものであるため,日本の需要者を対象としたものとは認められない。
さらに,被請求人は,当該雑誌がオンライン(http://exportmagazine.net)で配布されていると主張しているが,当該ホームページは英語及びイタリア語で書されており,やはり日本の需要者を対象としているとは認められない(甲3)。
当該ホームページは,日本からアクセス可能であり,日本の検索エンジンによっても検索可能であるが,たとえ日本国内に在住する者が当該ホームページにアクセスした事実があったとしても,当該ホームページ上の広告を日本国内における本件商標の使用とすることはできない(知財高裁平成17年(行ケ)第10095号判決同旨)。
イ 乙第2号証及び乙第3号証について
被請求人は,雑誌社が当該雑誌を日本に約1,000部送っていること,当該雑誌が2013年5月に日本で開催された化粧品展示会「beautyworld Japan」で配布されたことを主張している。
しかしながら,仮に当該雑誌が日本に送られたことが事実であったとしても,その先,実際に日本国内で頒布されたことは証明されていない。
また,「EXPORT MAGAZINE BEAUTY DISTRIBUTER」のブースが当該展示会に設けられ,当該雑誌が頒布されたことは推察されるが,頒布した主体は雑誌社であり,本件商標権者ではない。
また,イタリアの雑誌社が,たまたま日本に持ち込んで頒布した雑誌に,被請求人の広告が掲載されていたにすぎず,本件商標権者による日本での使用行為があったとは認められない。
さらに,被請求人は,「『Export Magazine』は見本市『COSMETOKYO』のメディア・パートナーを過去3年間務めているため,当該雑誌が,『美白用化粧品,トリートメントクリーム,メイキャップ用化粧品,日焼け止め化粧剤及びスキンケア用化粧品』(以下「使用商品」という。)の広告を掲載しているということは,日本での本件商標の使用の証左といえる」旨主張している。
しかしながら,当該雑誌が日本の見本市のメディア・パートナーであることは,本件商標の使用とは何ら直結していないし,日本において本件商標がどのように具体的に使用されたかについては立証されていない。
ウ 乙第4号証及び乙第5号証について
乙第4号証及び乙第5号証は,本件商標権者が日本企業に向けて使用商品を輸出した際のインボイス及び送り状等の写しとしている。
乙第4号証の1ないし9は,2003年ないし2005年の取引書類であり,本件審判の請求の登録前3年(以下「要証期間」という。)より前の取引であるため使用証拠にはならない。
一方,乙第4号証の10及び乙第5号証は,2011年12月7日に東京都港区の企業との間でされた取引に関する書類であり,使用商品が要証期間内に日本に向けて発送されたことがうかがえる。
しかしながら,その後,当該商品が日本国内で販売されたことまでは立証されていないため,本件商標権者と日本企業の間の取引行為をもって,本件商標が日本国内において使用されたことにはならない(知財高裁平成17年(行ケ)第10817号(甲4)参照)。
エ 乙第6号証について
乙第6号証は,被請求人による日本向けの宣伝サイトであり,当該サイトは日本語で記載され,商品の発注ができる体裁にはなっているが,販売商品の商品名・写真・価格は全く掲載されていない。
また,「弊社製品に関する詳しい説明はこちらをクリックしてください。」の表示に従いクリックすると,「COVERDERM」の英語サイトにつながり,商品名や写真は確認できたものの,依然として商品の価格を知ることができない(甲5)。
被請求人は,当該日本語サイトを通じて使用商品の注文がされていると主張しているが,商品の価格が不明な以上,日本の需要者による取引としては不自然であるといわざるを得ない。また,当該英語サイトは被請求人のホームページであるが,日本語サイトへのリンクは張られておらず,日本の需要者を取引の対象としていることがうかがい知れない(甲5)。
さらに,「Yahoo!JAPAN」で「COVERDERM」を検索しても,当該英語サイトはトップに出てくるものの,当該日本語サイトについては発見することができなかった(甲6)。
かかる事実にかんがみると,そもそも日本の需要者が当該日本語サイトにどのように行き着くのか不明であり,実際に発注サイトとして機能しているか疑わしいといわざるを得ず,商品販売の立証とはなり得ない。
オ 乙第7号証について
乙第7号証は,2011年ないし2014年9月1日までの使用商品のインターネット直接販売の売上に関する宣言書であり,「記載された売上高は,商標権者の帳簿及び税務署の監査記録に基づく」旨が宣言されている。
しかしながら,当該宣言書の中に,「インターネットでの販売先は日本のみである」又は「日本がインターネットでの販売先に含まれる」との記述はない。
カ 乙第8号証について
乙第8号証は,被請求人から韓国のJ&H World社に商品を販売した際のインボイス及びエアウェイビルである。
しかしながら,属地主義の原則から,韓国への輸出・譲渡は日本における商標の使用には該当しないため,本件商標権者による日本における本件商標の使用に係る証拠にはあたらない。
キ 乙第9号証について
(ア)乙第9号証の1について,使用商標が付されたパウダーの写真が掲載されているが,「販売価格」の欄に「完売」との記載があり,「完売」となったのは,要証期間外の可能性がある以上,要証期間内に本件商標が使用されたことを立証するものではない。
(イ)乙第9号証の2について,掲載されている「カバーダーム(COVERDERM)」のコンパクトパウダー及びコンシーラーについて,「商品購入」ボタンをクリックしたものの,「Internet Explorerではこのページは表示できません」と表示され,使用商品に関する写真が掲載されていないため,使用態様についても不明である。
(ウ)乙第9号証の3について,使用商標が付されたパウダー・コンシーラー等の写真が掲載されているが,「コスメ商品」の欄を詳しく見ると,全て「販売終了」であり(甲7),その時期は不明である。
(エ)乙第9号証の4について,掲載されている「カバーダーム(COVERDERM)」のコンパクトパウダー及びコンシーラーについて,「商品購入」ボタンをクリックしたものの,「Internet Explorerではこのページは表示できません」と表示され,使用商品に関する写真が掲載されていないため,使用態様についても不明である。
(オ)乙第9号証の5について,使用商標が付されたパウダー・コンシーラー等の写真が掲載されているが,記事の日付が,要証期間外の「2006年6月18日」となっている。また,「理想肌に簡単に実現★COVERDERMファンデーション・コンシーラー・フェイスパウダー3点セット」をクリックしたところ,「ビッダーズはサイトリニューアルのため,こちらのページはご利用いただけません。」と表示され,使用商品がいつまで販売されていたか不明である。
(カ)乙第9号証の6について,使用商標が付されたファンデーションの写真が掲載されているが,「取り扱いを終了致しました。入荷の予定はございません。」と記載されており,その時期が不明である。
(キ)乙第9号証の7について,「COVERDERM(カバーダーム) パーフェクトフェイス SPF20 ナチュラ・・・」をクリックしたところ,「指定されたストアはありません。」と表示され,使用商品がいつまで販売されていたか不明である。
(ク)乙第9号証の8について,「COVERDERM(カバーダーム)コンパクトパウダー ナチュラルベージュ31025秋祭2」との記載があるが,本件商標が付された商品の写真の掲載はない。また,当該記載をクリックできるか試してみたが,リンク先のホームページは存在せず,本件商標の使用の事実は確認できない。
(ケ)乙第9号証の9について,「パーフェクトフェイス SPF20 ピンクベージュ2 カバーダーム(COVERDERM)」の記載をクリックしたものの,「Internet Explorerではこのページは表示できません」と表示され,使用商品に関する写真が掲載されていないため,使用態様についても不明である。
(コ)乙第9号証の10について,使用商標が付されたパウダー・コンシーラー等の写真が掲載されているが,「理想肌に簡単に実現★COVERDERMファンデーション・コンシーラー・フェイスパウダー3点セット」をクリックしたところ,「ビッダーズはサイトリニューアルのため,こちらのページはご利用いただけません。」と表示され,使用商品がいつまで販売されていたか不明である。
(サ)乙第9号証の11について,使用商標が付されたパウダー・コンシーラー等の写真が掲載されているが,全て「販売終了」であり,その時期は不明である。
(シ)乙第9号証の12について,「カバーダーム【COVERDERM フィニッシングパウダー】まるでシルクのようになめらかな肌を演出092・・・」の記載をクリックしたものの,「Internet Explorerではこのページは表示できません」と表示され,使用商品に関する写真が掲載されていないため,使用態様についても不明である。
(ス)乙第9号証の13について,「カバーダーム【COVERDERM パーフェクトフェイス SPF20】陶器のような肌をつくるクリームファン・・・」の記載をクリックしたものの,「Internet Explorerではこのページは表示できません」と表示され,使用商品に関する写真が掲載されていないため,使用態様についても不明である。
以上のとおり,上記の証拠は,本件商標権者による日本国内における商標の使用を立証するものではなく,かつ,使用されている商標も,本件商標と社会通念上同一の商標でない。
(3)被請求人の主張についての反論
ア 被請求人は,日本向けのオフィシャルウェブサイトのトップページとして,乙第12号証の1のトップページにおけるリンク先のページとその抄訳として,同号証の2を提出し,実際の各商品の内容を説明したページとその抄訳として,同号証の3を提出し,当該ページ画面下欄の右側に「Copyright(C)2014-2015,Farmeco S.A.Dermocosmetics-All rights reserved.」の文字が記載されていることをもって,日本向けのオフィシャルウェブサイトが,本件審判の予告登録日においても開設されていて,日本向けに化粧品に関する情報を掲載していたとみるべきである旨主張する。
しかしながら,乙第12号証の1は,形式・様式が異なっているとはいえ,実質的に乙第6号証の1と何ら相違するところがない。また,乙第12号証の2も,甲第5号証と同様のページであって,乙第12号証の3とともに,すべて英語で表示されていることや,例えば日本円での商品価格が表示されていないこと等も,被請求人において先に提示している証拠や事実と変わりがない。
なお,請求人は,現在のページではあるが,乙第12号証の3においての各商品紹介のページを甲第8号証として提出する。
そうであれば,乙第12号証の1ないし3についても,日本の需要者を取引の対象にしているとは到底理解することはできず,各証拠におけるウェブサイトは,実際に発注サイトとして機能しているかどうかも疑わしいといわざるを得ない。
また,乙第12号証の2及び3に係るウェブサイトのページにおける「Copyright(C)2014-2015,Farmeco S.A.Dermocosmetics-All rights reserved.」との記載についても,仮に,その記載が事実であったとしても,かかるページが2014年ないし2015年に作成された,もしくは,存在していたことを示すにすぎず,それ以上の事実を何ら証明するものではない。
なお,被請求人において提出する乙第6号証の2に係る日本でのドメイン登録表の抄訳についても,かかるドメインが登録されている事実以上のものを証明するものではないが,その登録者も被請求人ではなく,また,被請求人との関係もまったく提示されていない。
イ 被請求人は,乙第13号証として,被請求人が日本の需要者を対象として日本向けのウェブサイトを立ち上げ,現在も継続して開設していた事実をある程度推認可能とする証拠として,アマゾンのウェブサイトを提出する。
しかしながら,当該アマゾンのウェブサイトと被請求人の日本向けウェブサイトとは,何ら関連がなく,推認される事実は皆無である。
また,当該アマゾンのウェブサイトにおいては,出品者等の記載もなく,当該ウェブサイトの商品と被請求人の関係は不明である。特に,当該サイトには,「現在在庫切れです。この商品の再入荷予定は立っておりません。」との表示があり,実際に販売されていたかどうかも明らかでない。

第3 被請求人の主張
被請求人は,結論同旨の審決を求める,と答弁し,審判事件答弁書,口頭審理陳述要領書及び上申書において,その理由を要旨次のように述べ,証拠方法として,乙第1号証ないし乙第13号証(枝番を含む。)を提出した(なお,証拠方法において,「乙第1A号証」,「乙第1B号証」のように記載されている号証については,これを「乙第1号証の1」,「乙第1号証の2」のように読み替える。)。
1 答弁等の理由
本件商標は,その指定商品「化粧品」である美白(しみ,しわ)用化粧品,メイキャップ用化粧品,日焼け止め化粧剤,スキンケア用化粧品などに,平成15年(2003年)頃から現在に至るまで,日本国内において,被請求人がこれを継続して使用しているものである。
(1)雑誌「Export Magazine(以下「EM雑誌」という場合がある。)」での使用
ア 被請求人は,イタリアのエム・ティ・イー エディツィオーニ有限会社が発行するEM雑誌に,本件商標を商品「化粧品」とともに多数を繰り返し広告掲載している。EM雑誌は美容産業で国際的に出版されており,151ヶ国の輸入業者,輸出業者,販売者,製造者,免税のバイヤー,チェーン店及び購買グループに送られて,それには厳選された香水類や化粧用品が掲載され,年4回発行されている。
前記雑誌社は,そのEM雑誌を日本へも郵送して購読者に配布している。 EM雑誌の中の2013年(平成25年)2月(N.2),2014年(平成26年)2月(N.2),2012年(平成24年)8月(N.8),2011年(平成23年)6月(N.6),2013年(平成25年)4月(N.4),同年(平成25年)6月(N.6)及び同年(平成25年)8月(N.8)発行を提出する(乙1の1ないし7)。
乙第1号証の1を例に挙げると,EM雑誌の発行日は,その表紙の左側欄に横向き3段組み小文字中に「N.2/2013」と表記しており,2013年のNo.2月号を意味している。
乙第1号証の1における最初の商品掲載頁には,上欄に本件商標が大きく表示され,その下方に「Cosmetic Camouflage」,「Biotech Cosmeceuticals」,「Treatment+Maquillage in1」,「Sun Care Protection」の見出しの下,美白(しみ,しわ)用化粧品,メイキャップ用化粧品,日焼け止め化粧剤及びスキンケア用化粧品などの製品群の写真が掲載されている。
また,次の頁には,上欄に「FILTERAY Sun Care Innovation!」の文字が大きく表示され,その下方に本件商標が大きく表示されている日焼け止め化粧剤などの製品群の写真が掲載されている。 上記EM雑誌に本件商標を付して展示し,頒布する行為は,商標法第2条第3項第8号の「商品に関する広告,価格表若しくは取引書類に標章を付して展示し,若しくは頒布する行為」に該当する。
イ 使用に係る商標の態様
被請求人は,欧文字「COVERDERM」の文字中,「R」等をやや変形した字体(使用商標)で使用している。
しかし,この程度の字体変形での使用は,広く一般的に行われている範囲にとどまり,商標法第50条第1項に規定されている社会通念上同一と認められる商標を含む「登録商標」の使用に当たる。
ウ 使用に係る商品
本件商標を使用している商品は,乙第1号証の1に明示されている使用商品である。この使用商品が,「化粧品」に含まれることが明らかであるから,本件商標は,その指定商品について使用されている。
エ 使用時期
(ア)乙第1号証の1は,2013年2月に発行されたものであり,イタリアの前記雑誌社から日本へ郵送により送られ購読者に配布されていることが前記雑誌社の宣言書から明らかである(乙2)。
したがって,本件商標は,要証期間内に日本国内で使用されている。
(イ)乙第2号証によれば,EM雑誌を郵送による配布のほかに展示会場での展示による配布や,オンラインによる配布も行っている(www.exportmagazine.net)。
(ウ)www.cosmetokyo.jpのウェブサイトでも明らかなように,EM雑誌は,見本市「COSMETOKYO」のメディア・パートナーを過去3年間務めている。この雑誌が本件商標を使用した使用商品の広告を掲載しているということは,日本で行われている前記見本市で本件商標が広く使用されていることの証左といえる。実際www.cosmetokyo.jpで「EM magazine」と検索すると,2013年11月11日付けの言及に当たる。
(エ)EM雑誌は,2011年から2014年の間に「beautyworld Japan」という化粧品展示会でも配布された。日本で2013年5月13日から15日に行われた展示会で,EM雑誌が配布された(乙3)。
この展示会の正規ガイドのページ2にはスタンド番号(4-132)を含む展示場フロア展開が記載されており,ページ3の左上の「Association/Press」箇所にはEM雑誌が記載されている。
これを踏まえると,本件商標を使用した広告は,2013年発行のEM雑誌の全てに掲載されており(乙1の1,5ないし7),展示会「beautyworld Japan」の開催時期が2013年5月であるから,使用商品の宣伝は日本において適切な期間展開されていたといえる。
なお,乙第1号証の2ないし7でも同様のことがいえる。
(2)商品の販売での使用
被請求人は,本件商標を使用した使用商品を,2003年から,日本の業者に輸出し,日本在住の個人にもインターネット経由にて直接販売を行っている。
その上,第三国(被請求人に協力する韓国や香港の卸売業者)の電化製品店などを通して日本の顧客に使用商品を提供している。
これを証明するために,被請求人が2003年ないし2005年,2011年に日本企業に向け発行した使用商品を輸出した際のインボイスを提出する(乙4の1ないし10)。2011年の12月に,実際に商品がギリシャのUPSから日本へ輸出されたことを証明する書面,エアウェイビル,送り状を提出する(乙5)。
また,使用商品は,販売者のオフィシャル・ウェブサイト(www.coverderm.jp)にて日本にも宣伝・販売されているので,日本の顧客からも注文を請けている(乙6の1)。このオフィシャル・ウェブサイトのドメインは2008年10月30日より稼働していた(乙6の2)。
このウェブサイトを通しての注文作業の実行は,被請求人もしくは地元の小売業者によって進められている。
上記のように,www.coverderm.jpというドメインは,2008年の登録以来使い続けており,2011年ないし2014年に日本での個人/業者の顧客に向けて使用商品を宣伝し,直接注文を請けてきた。使用商品のインターネット直接販売を証明するため,被請求人のCEOの宣言書を提出する(乙7)。
また,日本でのGmarketやQoo10のようにインターネット・ショッピングサイトを通じて2011年より韓国企業が使用商品を推進していた事実をJ&H Worldが公表している(乙8)。
使用商品に本件商標を付して販売等をする行為は,商標法第2条第3項第2号の「商品又は商品の包装に標章を付したものを譲渡し,引き渡し,譲渡若しくは引渡しのために展示し,輸出し,輸入し,又は電気通信回線を通じて提供する行為」に該当する。
(3)ウェブサイトでの使用
ア 被請求人は,本件商標を商品「化粧品」について日本国内で使用している。
(ア)「Qoo10」内の商品紹介ページ(乙9の1)において,左上欄に美白用化粧品やトリートメント入りの容器の写真が掲載され,その容器の表面には使用商標が表示されている。写真の右欄には「[COVERDERM]カバーおまけフィニシングパウダー(粉パウダー)」の記載がある。
(イ)「釣りナビ(TURINAVI)」内の商品紹介ページ(乙9の2)において,「コンパクトパウダー ライトベージュ1」の項の下に,「メーカー:カバーダーム(COVERDERM)」と,「●容量:12g>●パーツ:ベースメイク>●カラー:ライトベージュ1>・・・」の記載がある。そのほか各種色のコンパクトパウダーの項にも同様の記載がある。
(ウ)「Yahoo!BEAUTY」内の商品紹介ページ(乙9の3)において,「パーフェクトレッグズSPF16」の見出しの下,「カバーダーム」の記載があり,製品情報として脚専用のファンデーション入り容器の写真が掲載され,その容器の表面には使用商標が表示されている。
(エ)「OutdoorNAVI」内の商品紹介ページ(乙9の4)において,「コンパクトパウダー ピンクベージュ2」の見出しの下に,「メーカー:カバーダーム(COVERDERM)」と,「●容量:12g>●パーツ:ベースメイク>●カラー:ピンクベージュ2>・・・」の記載があり,そのほか各種色のコンパクトパウダーの項にも同様の記載がある。
(オ)「フェイスパウダー通販SHOP」内の商品紹介ページ(乙9の5)において,2006年06月03日の項の下に,「理想肌に簡単に実現★COVERDERMファンデーション・コンシーラー・フェイスパウダー3点セット」の記載があり,その下には製品写真が掲載されている。
(カ)「naturum」内の商品紹介ページ(乙9の6)において,左上欄に乙第6号証と同じファンデーション入り容器の写真が掲載され,その容器の表面には使用商標が表示されており,ナチュラム商品番号99914107の説明として「COVERDERM(カバーダーム)パーフェクトレッグスSPF16サンタンベージュ9」の記載がある。
(キ)「フェイスショップファンデーションYahoo!ショッピング館」内の商品紹介ページ(乙9の7)において,「フェイスショップファンデーションは,現在こちらの商品が注目されています。」の見出しの下,「【商品名】COVERDERM(カバーターム)パーフェクトフェイスSPF20ナチュラ・・・」の記載がある。
(ク)「メイク専門店」内の商品紹介ページ(乙9の8)において,「資生堂エリクシールスキンアップモイスチャーベース定価¥3000 20%OFF」の見出しの下,「COVERDERM(カバーダーム)コンパクトパウダーナチュラルベージュ31025秋祭2」の記載があり,さらにこの項の下に「カバーダーム コンパクトパウダーは,携帯用や,化粧直しの際に便利なプレストコンパクトパウダー。・・・」の記載がある。
(ケ)「Keywords」内の商品紹介ページ(乙9の9)において,商品名の項の下,「パーフェクトフェイスSPF20ピンクベージュ2カバーダーム(COVERDERM)」の記載がある。
(コ)「コスメナビ」内の商品紹介ページ(乙9の10)において,「理想肌に簡単に実現★COVERDERM ファンデーション・コンシーラー・フェイスパウダー3点セット」の項の下,同文の記載があり,その左には製品写真が掲載されている。
(サ)「@COSME」内の商品検索ページ(乙9の11)において,商品検索結果として5件が表示され,それぞれ「コンシーラーSPF15/カバーダーム」,「パーフェクトレッグスSPF16/カバーダーム」,「コンパクトパウダー/カバーダーム」,「フィニッシングパウダー/カバーダーム」,「パーフェクトフェイスSPF20/カバーダーム」の記載があり,その左には製品写真が掲載されている。
(シ)「フェロモン通販」内の商品紹介ページ(乙9の12)において,「『激安コーセーヴィセスパイダーラッシュマスカラWP』ならYahoo!ショッピング!」の見出しの下,「カバーダーム【COVERDERMフィニッシングパウダー】・・・」の記載がある。
(ス)「フェロモン通販」内の商品紹介ページ(乙9の13)において,「カバーダーム【COVERDERMパーフェクトフェイスSPF20】陶器のような肌をつくるクリームファン・・・」の見出しの下,「カバーダームパーフェクトフェイスSPF20は,クリーミーでつけやすいファンデーション・・・」の記載がある。
イ 被請求人は,日本向けのオフィシャル・ウェブサイト(www.coverderm.jp)を開設している。
オフィシャル・ウェブサイトのトップページ(乙12の1)の上欄には,使用商標が大きく表示され,この使用商標の下には「カバーダーム」というその読みを表す文字が「beauty-full skin solutions」の文字を挟んで表示され,さらに「カバーダーム」の下には説明文として「カバーダームは最先端のスキンケア化粧品の専門ブランドです。」の記載がある。
ここに記載の「スキンケア化粧品」が第3類の指定商品である「化粧品」に該当する。
上記ウェブサイトは,被請求人が2008年に日本向けに立ち上げたものであり,乙第12号証の1の下欄の「弊社製品に関する詳しい説明はこちらをクリックしてください。」の文字列をクリックすると,同号証の2の画面が表示され,各種の化粧品の名称を書いた8枚のタイルから,各商品を詳しく見られるようになっている。
そして,画面下欄の右側には,「Copyright(C)2014-2015,Farmeco S.A.Dermocosmetics-All rights reserved.」の文字が記載されている。
また,実際に各商品を見るために,8枚のタイルのうち,例えば「CAMOUFLAGE C」のタイルをクリックすると乙第12号証の3の画面が表示され,その画面の下半部には「カモフラージュC」の内容を詳しく説明した文(「skin imperfections」など)が四角の枠でくくられて記載されている。
そして,この画面下欄の右側にも「Copyright(C)2014-2015,Farmeco S.A.Dermocosmetics-All rights reserved.」の文字が記載されている。
「Complete Care CC」等,そのほかのタイルをクリックしても乙第12号証の3の画面と同様な画面が表示される。
上記の「Copyright(C)2014-2015」から,これら画面が,当該年に作成されていることが明らかであり,ウェブサイトは立ち上げた2008年(平成20年)から必要により更新(リニューアル)をしながら,2014年(平成26年),2015年(平成27年)と現在に至るまで継続して開設されている。
これらを踏まえると,上記ウェブサイトは,本件審判の予告登録日である2014年(平成26年)5月16日の時点でも現在のサイトと同一のフォーム及びレイアウトの下で開設されていて,日本向けに化粧品に関する情報を掲載していたとみるべきである。
さらに,上記ウェブサイトにより,日本での顧客に向けて商品の宣伝を行い,直接注文を請けてきたものであり,その事実を証明する証拠が,日本の顧客からの2011年の日本語での注文用紙(乙6の1),日本でのドメイン登録表(乙6の2,抄訳)である。
乙第6号証の1は,今回の乙第12号証の1に相当する。また,乙第6号証の2には2014年(平成26年)7月29日に被請求人が日本のドメイン名の登録・管理を行っているJPRS(日本レジストリサービス)に登録ドメイン名を検索した情報が記載されており,これらの事実からドメイン名(coverderm.jp)がその時点でも有効に継続管理され,被請求人の日本向けの上記ウェブサイトは2008年10月30日から幾度かの更新を経て2014年(平成26年)7月29日にも稼働していたことがわかる。
乙第12号証の2及び3に記載している上記「Copyright(C)2014-2015,Farmeco S.A.Dermocosmetics-All rights reserved.」の文字中,「Farmeco S.A.Dermocosmetics」は,被請求人のことを指称している。
ウ 乙第13号証は,アマゾンのウェブサイトであり,このウェブサイトの登録情報に「Amazon.co.jpでの取り扱い開始日 2011/9/6」とあるように,被請求人がこの期間においてアマゾンのウェブサイトをとおしても日本で販売活動を続けていたことが明らかである。
エ 上記アないしウの各ウェブサイトに本件商標を付して展示し,頒布する行為は,商標法第2条第3項第8号の「商品に関する広告,価格表若しくは取引書類を内容とする情報に標章を付して電磁的方法により提供する行為」に該当する。
(4)使用商標が本件商標の使用であるかについて
使用商標を構成する中央の欧文字「R」は,少し変形はさせているが,通常認められる範囲である。また,文字列の下に水平線を付す程度のことは装飾としてよく行われることであるし,商標の構成に影響を及ぼすものではない。
このように使用商標を装飾させても,本件商標と外観的にほぼ同じであるし,「COVERDERM」の文字から生じる称呼は「カバーダーム」であり,本件商標の称呼「カバーダーム」と同一である。
そうすれば,使用商標は,本件商標と社会通念上同一の商標である。
2 まとめ
以上のとおり,使用商標は,本件商標の指定商品である「化粧品」について,要証期間内に,日本国内において,本件商標権者である被請求人によって使用されているということができる。
よって,商標法第50条第2項に規定する本件商標の使用をしている事実が明確である以上,本件商標が不使用を理由に取り消されるべきではない。
第4 当審の判断
1 本件商標の使用について,被請求人が提出した証拠及び同人の主張によれば,以下の事実が認められる。
(1)乙第6号証の1は,2011年(平成23年)11月23日を印刷日とする「2011年の日本語での注文用紙(写し)」とされるものであるところ,その上部には,「Coverderm Product Order Form」の文字が小さく書されている。そして,使用商標及びこれの片仮名表記「カバーダーム」を表題として,「カバーダームは最先端のスキンケア化粧品の専門ブランドです。」,「輝かしい歴史を誇り,さらに成長を続ける製品ラインナップを,長年にわたり80ヶ国以上の国々にお届けしています。」,「顔や体の気になる箇所をカバーしてくれる,理想的なアイテムを多数揃えています!」,「世界中の皮膚科医やメイクアップアーティストにも長年支持されています!」の記載がある。
そして,上記記載の下には,「下記の空欄に必要事項をご記入のうえ,ご注文ください。」の記載とともに,「名」,「姓」,「住所」,「製品名」,「数量」,「メールアドレス」,及び「コメント」の記入欄と送信ボタンが設けられており,その下には「弊社製品に関する詳しい説明はこちらをクリックしてください。」の記載,さらに,右下には「Copyright(C)Farmeco S.A.Dermocosmetics-All rights reserved.」の表示があり,各頁の左下部には「http://www.coverderm.jp」の表示がある。
乙第6号証の2は,「日本でのドメイン登録表(写し)」であるところ,「Domain Information(ドメイン情報)」の項に「coverderm.jp」,「Registrant(登録者)」の項に「Alkiviadis Kostarelos」,「Created on(作成日)」の項に「2008/10/30(平成20年10月30日)」,及び「Expires on(有効期限)」の項に「2014/10/31(平成26年10月31日)」の記載がある。
(2)乙第7号証は,2014年(平成26年)8月13日付けの,本件商標権者のCEO(最高経営責任者)である「ALKIVIADIS KOSTARELOS」氏のサインがある「宣誓書(写し)」であるところ,商標「COVERDERM」のもとに市場に出されている本件商標権者の製品の,日本における販売促進,及び日本の個人/消費者から直接注文を受けることを目的として,登録ドメイン名「www.coverderm.co.jp」を平成20年に作成して以来,平成23年ないし平成26年も含めてずっと使用し続けていること,及び本件商標権者の「COVERDERM」製品のインターネット経由の売上が,平成23年は7,863.49ユーロ,平成24年は8,129.44ユーロ,平成25年は7,555.50ユーロ及び平成26年上半期は4,289.94ユーロであることが陳述されている。
(3)乙第12号証の1は,「被請求人(本件商標権者)の日本向けウェブサイト内の商品注文ページ」とされるものであり,乙第12号証の2及び3は「同ウェブサイト内の商品紹介ページ」である。
乙第12号証の1は,使用商標及びこれの片仮名表記「カバーダーム」を表題として,「カバーダームは最先端のスキンケア化粧品の専門ブランドです。・・・」の記載があり,該記載の下部には,「下記の空欄に必要事項をご記入のうえ,ご注文ください。」の記載とともに,「名」,「姓」,「住所」,「製品名」,「数量」,「メールアドレス」,及び「コメント」の記入欄と送信ボタンが設けられており,その下には「弊社製品に関する詳しい説明はこちらをクリックしてください。」の記載があり,その体裁が異なるものの,乙第6号証の1と実質的に同じ内容である。
乙第12号証の2は,乙第12号証の1の下部の「弊社製品に関する詳しい説明はこちらをクリックしてください。」の文字列部分をクリックすると表示される画面であり,これには,上部に使用商標が表示され,その下には,「CAMOUFLAGE C」,「Complete Care CC」,「Luminous」,「Peptumax」等の8種類の商品の名称が表示された8枚の矩形がある。
乙第12号証の3は,乙第12号証の2の商品名中の「CAMOUFLAGE C」をクリックすると表示される画面であり,これには,上部に使用商標が表示され,四角枠内に,使用商標及び「COMOUFLAGE C」の表示の下,商品に関する紹介が掲載されている。
そして,乙第12号証の1ないし3の右下には,「Copyright(C)2014-2015,Farmeco S.A.Dermocosmetics-All rights reserved.」の表示がある。
2 上記1において認定した事実によれば,当審の判断は,以下のとおりである。
(1)使用者について
使用商標が表示されている,乙第6号証の1は「2011年の日本語での注文用紙(写し)」とされるものであるところ,これには,ウェブサイトのアドレス「http://www.coverderm.jp」が表示されており,本件商標権者である被請求人は,「『COVERDERM』商品は販売者のオフィシャル・ウェブサイトで日本にも宣伝・販売され,日本の顧客からも注文を受けている。」旨を述べている。
そして,その著作権者が本件商標権者であること,すなわち「Copyright(C)Farmeco S.A.Dermocosmetics-All rights reserved.」の表示があり,該ウェブサイトの「http://www.coverderm.jp」のアドレスの登録者名と乙第7号証の「宣誓書」の本件商標権者の代表書の氏名が一致していることからすれば,乙第6号証の1のウェブサイトは,本件商標権者の代表者が2008年(平成20年)10月30日からドメイン名を取得し,本件商標権者に使用させていたといえるものであるから,使用商標の使用者は被請求人である本件商標権者と認めることができる。
(2)使用商標について
使用商標は,下部に細い線を付した「COVERDERM」の欧文字をややデザイン化して別掲のとおり表してなるところ,「COVERDERM」の文字部分は,本件商標の「COVERDERM」の欧文字を書体のみに変更を加えた同一の文字からなるものといえるから,使用商標は,本件商標と社会通念上同一の商標と認められる。
(3)使用に係る商品について
使用商標が表示された乙第6号証の1には,「カバーダームは最先端のスキンケア化粧品の専門ブランドです。」の記載があり,乙第6号証の1と実質的に同一の内容である乙第12号証の1から移動できる同号証の2及び3に「COVERDERM」の商品(以下「本件商品」という。)の紹介が掲載されているところ,当該商品は「スキンケア用化粧品」であり,これは「化粧品」の範ちゅうの商品である。
(4)使用時期について
上記1(1)のとおり,使用商標が表示された乙第6号証の1は,2011年(平成23年)11月23日を印刷日とするものであり,これは,要証期間内である。
そして,同号証には「下記の空欄に必要事項をご記入のうえ,ご注文ください。」の記載とともに,「名」,「製品名」,「数量」,「メールアドレス」等の記入欄と送信ボタンが設けられており,上記(3)の本件商品をインターネットで注文できるように設定されていることから,本件商品の注文フォームとみることができるものである。
また,同号証には,「弊社製品に関する詳しい説明はこちらをクリックしてください。」の記載があり,これと実質的に同じ内容である乙第12号証の1に表示された上記と同一の記載から,乙第12号証の2及び3の本件商品の紹介ページへリンクさせていたことからすれば,乙第6号証の1においても,上記記載から乙第12号証の2及び3と同様の本件商品の紹介ページへリンクをさせていたと推認することができる。
加えて,乙第6号証の1のウェブサイトは,上記1(2)によれば,使用商標を付した商品について,日本における販売促進及び日本の消費者から直接注文を受けることを目的として,平成20年に作成されたものであるといえ,また,本件商標権者においては,本件商品のインターネットを経由した売上が平成23年から平成26年上期の期間においてあったことが認められる。
してみれば,本件商標権者は,要証期間内に,乙第6号証の1のウェブサイトを通じて,使用商標を付した本件商品に関する広告を行ったことが推認でき,また,当該商品の注文フォームに使用商標を付したことが認められる。
(5)小括
そうすると,本件商標権者は,要証期間内に,乙第6号証の1のウェブサイトを通じて,日本の需要者に向けて,本件商品に関する広告に使用商標を付して電磁的方法により提供していたことが推認でき,また,当該商品の注文フォームに使用商標を付して電磁的方法により提供していたことが認められる。
これは,商標法第2条第3項第8号の「商品に関する広告,取引書類を内容とする情報に標章を付して電磁的方法により提供する行為」に該当する。
3 請求人の主張について
請求人は,「乙第6号証は,被請求人による日本向けの宣伝サイトであり
,当該サイトは日本語で記載され,商品の発注ができる体裁にはなっているが,販売商品の商品名・写真・価格は全く掲載されていない。また,『弊社製品に関する詳しい説明はこちらをクリックしてください。』の表示に従いクリックすると,『COVERDERM』の英語サイトにつながり,商品名や写真は確認できたものの,依然として商品の価格を知ることができない(甲5)。・・・商品の価格が不明な以上,日本の需要者による取引としては不自然であるといわざるを得ない。また,当該英語サイトは被請求人のホームページであるが,日本語サイトへのリンクは張られておらず,日本の需要者を取引の対象としていることがうかがい知れない(甲5)。さらに,『Yahoo!JAPAN』で『COVERDERM」』検索しても,当該英語サイトはトップに出てくるものの,当該日本語サイトについては発見することができなかった(甲6)。かかる事実にかんがみると,そもそも日本の需要者が当該日本語サイトにどのように行き着くのか不明であり,実際に発注サイトとして機能しているか疑わしいといわざるを得ず,商品販売の立証とはなり得ない。」,「 乙第12号証の1は,形式・様式が異なっているとはいえ,実質的に乙第6号証の1と何ら相違するところがない。・・・そうであれば,乙第12号証の1ないし3についても,日本の需要者を取引の対象にしているとは到底理解することはできず,各証拠におけるウェブサイトは,実際に発注サイトとして機能しているかどうかも疑わしいといわざるを得ない。」旨を主張している。
しかしながら,上記2のとおり,乙第6号証の1のウェブサイトは,日本語で本件商標に関するブランドの歴史,実績等を紹介するとともに,注文フォーム及び「送信」ボタンまで日本語で記載されているのであるから,該ウェブサイトからリンクされるものと推認されるリンク先の商品の紹介が英語で記載されているという事情を考慮しても,乙第6号証の1のウェブサイトが日本の需要者を対象とした商品の注文サイトであることは,明らかである。
そうすると,本件商標を付した本件商品が日本の需要者に販売(譲渡,引き渡し)されたか否かはさておき,少なくとも,本件商標権者は,本件商標について要証期間内に日本国内において,商標法第2条第3項第8号の使用をしたものと認められる。
なお,本件においては,上記3のとおり,本件商標と社会通念上同一と認められる商標をその取消請求に係る商品「化粧品」の範ちゅうの「スキンケア用化粧品」について使用していることが,認められるものであり,特定のインターネット検索エンジンで「COVERDERM」を検索した場合に,当該英語サイトはトップに出てくるものの,当該日本語サイトについては発見することができなかったことをもって,上記判断に影響を与えるとまではいえない。
したがって,請求人の上記主張は,認めることができない。
4 むすび
以上のとおりであるから,被請求人は,本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において,本件商標権者が,その請求に係る指定商品「化粧品」について,本件商標と社会通念上同一と認められる商標の使用をしていたことを証明したものと認められる。
したがって,本件商標の登録は,商標法第50条の規定により,取り消すことができない。
よって,結論のとおり審決する。
別掲 別掲(使用商標,色彩の詳細は,乙第6号証の1を参照)




審理終結日 2018-02-16 
結審通知日 2018-02-20 
審決日 2018-03-07 
出願番号 商願平9-10487 
審決分類 T 1 31・ 1- Y (003)
最終処分 不成立  
特許庁審判長 金子 尚人
特許庁審判官 中束 としえ
小松 里美
登録日 1998-07-10 
登録番号 商標登録第4164563号(T4164563) 
商標の称呼 カバーダーム 
代理人 中田 和博 
代理人 柳生 征男 
代理人 特許業務法人三枝国際特許事務所 
代理人 青島 恵美 
代理人 五十嵐 和壽 
代理人 青木 博通 
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