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審決分類 審判 一部申立て  登録を維持 W314344
審判 一部申立て  登録を維持 W314344
審判 一部申立て  登録を維持 W314344
審判 一部申立て  登録を維持 W314344
管理番号 1338384 
異議申立番号 異議2017-900230 
総通号数 220 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2018-04-27 
種別 異議の決定 
異議申立日 2017-07-14 
確定日 2018-03-08 
異議申立件数
事件の表示 登録第5940148号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第5940148号商標の商標登録を維持する。
理由 第1 本件商標
本件登録第5940148号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲1のとおりの構成からなり、平成28年8月22日に登録出願、第31類「ペットフード,飼料,獣類・魚類(食用のものを除く。)・鳥類及び昆虫類(生きているものに限る。)」、第36類「建物の管理,建物の貸借の代理又は媒介,建物の貸与,建物の売買,建物の売買の代理又は媒介,土地の貸与,土地の売買,土地の売買の代理又は媒介,建物又は土地の情報の提供」、第43類「飲食物の提供,動物の宿泊施設の提供」及び第44類「動物の美容,動物の飼育,動物の治療」を指定商品及び指定役務として、同29年3月3日に登録査定され、同年4月14日に設定登録されたものである。

第2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する商標は次のとおりであり(以下、それらをまとめて「引用商標」という。)、いずれの商標権も現に有効に存続しているものである。
1 登録第4134380号商標(以下「引用商標1」という。)
商標の態様 Tetra
指定商品 第31類 飼料
出願日 平成8年7月3日
設定登録日 平成10年4月10日
2 登録第4007832号商標(以下「引用商標2」という。)
商標の態様 「Tetra」の欧文字と「テトラ」の片仮名を二段に横書きしてなるもの
指定商品 第31類 飼料
出願日 平成7年5月26日
設定登録日 平成9年6月6日
3 登録第4134381号商標(以下「引用商標3」という。)
商標の態様 別掲2のとおり
指定商品 第31類 飼料
出願日 平成8年7月3日
設定登録日 平成10年4月10日
4 登録第4007833号商標(以下「引用商標4」という。)
商標の態様 別掲3のとおり
指定商品 第31類 飼料
出願日 平成7年5月26日
設定登録日 平成9年6月6日
5 登録第4134382号商標(以下「引用商標5」という。)
商標の態様 別掲4のとおり
指定商品 第31類 飼料
出願日 平成8年7月3日
設定登録日 平成10年4月10日

第3 登録異議の申立ての理由
申立人は、本件商標は、商標法第4条第1項第11号又は同項第15号に該当するものであるから、その登録は同法第43条の2第1号により取り消されるべきであるとして、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第11号証(枝番号を含む。以下、枝番号の全てを引用するときは、枝番号を省略して記載する。)を提出した。
1 申立人
申立人は、ドイツに本社を置くアクアリウム用品を中心としたペット用品メーカーであって、世界中で製品提供を行っている(甲3)。日本では日本法人スペクトラム ブランズ ジャパン株式会社(旧テトラジャパン株式会社、2013年に社名変更。以下「スペクトラム ブランズ ジャパン社」という。)が「Tetra」にかかる事業を行っており(甲4)、観賞魚製品の他、犬・猫・小動物製品も取り扱っている(甲5)。
2 申立人の「Tetra」ブランドについて
「Tetra」は、申立人の名称の略称であり、創業当時より半世紀以上にわたり使用されている(甲3)。また、魚用飼料のブランドとして「Tetra(テトラ)」は、すべてのフードの冠商標として使用されており(甲6)、その他、水質調整剤、フィルター・ろ過器、水槽・飼育セット等の製品名称にも広く「Tetra(テトラ)」商標が使用されている(甲7)。
以上のとおり、本件商標の出願日のはるか以前から、申立人の商標「Tetra」は、申立人の商品及び役務(決定注:「申立人の役務」は、明らかでない。以下同じ。)に係る商標として、継続的に使用されてきた結果、本件商標の出願日の時点ですでに日本国内において需要者に広く知られ(甲8)、商標「Tetra」が付された商品及び商標「Tetra」のもとで提供される役務が申立人の業務に係る商品及び役務であることは需要者に十分認識されていたことは明らかである。
事実、申立人は、そのハウスマークである「Tetra」を最重要の知的財産権として引用商標の他、多くの「Tetra」の文字よりなる商標登録を取得している。
3 商標法第4条第1項第11号該当性
引用商標は、「Tetra」ないし「テトラ」の文字からなる。引用商標3ないし引用商標5は、その構成要素に図形を含むが、文字部分とは分離認識される。そのため、引用商標は、「Tetra」ないし「テトラ」の文字をもって把握され、「テトラ」の称呼を生じる。
本件商標は、欧文字「PETRA」(決定注:「PETRa」の誤り。以下同じ。)と図形を組み合わせた態様からなるところ、「PETRA」の文字部分は図形とは分離認識され、「ペトラ」の称呼を生じる。
したがって、引用商標の称呼「テトラ」と本件商標の称呼「ペトラ」は、「テ」と「ぺ」のわずか1音の違いであって、その相違する音も母音が「エ」で共通するため、称呼上、極めて紛らわしい類似商標である。
事実、本件同様「テ」と「ぺ」の一音相違である「エム・テック\M-TEC」が「MPEC\エムペック」と類似と判断された例(甲9)、母音は異なるものの同じ子音関係からなる「タ」と「パ」の一音相違である「バイオパッチ」が「バイオタッチ」の称呼と類似と判断された例(甲10)も存在する。
また、外観を比較すると、引用商標1ないし引用商標4を構成する「TETRA」(決定注:「Tetra」の誤り。)と本件商標を構成する「PETRA」の文字は、5文字中4文字を共通にするものであって、異なる「T」と「P」の文字もいずれも縦にのびる直線を中心とした文字であって、時と場所を異にして観察した場合、誤認するおそれのある外観上、類似する商標である。
なお、両商標ともに特定の観念は想起させず、観念においては比較できない。
しかして、「商標が類似のものであるかどうかは、その商標を或る商品につき使用した場合に、商品の出所について誤認混同を生ずる虞があると認められるものであるかどうかということにより判定すべきものと解するのが相当」(最高裁昭33(オ)1104号昭36.6.27判決)であり、「その商品の取引の実情を明らかにしうるかぎり、その具体的な取引状況に基づいて判断するのを相当とする。」(最高裁昭39(行ツ)110号昭43.2.27判決)のであるから、周知商標であるというような取引における明白な実情については、商標の類否判断において、当然配慮、斟酌されるべき要素である。そうすると、申立人の製品及びその提供するサービスは、我が国において広く知られていること、「Tetra」は、ペット関連業者ないしペット(特に観賞用魚)所有者の間においては広く知られている商標であることを考慮すると、それと外観及び称呼において極めて類似する「PETRA」の文字からなる本件商標は、この点からも、引用商標と混同を生じるおそれの高い類似の商標と解すべきである。
また、本件商標の指定商品中、第31類「ペットフード,飼料」と引用商標の指定商品とが同一又は類似であることも明白である。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。
4 商標法第4条第1項第15号該当性
上記のとおり、本件商標は、引用商標と極めて類似する商標である。
特に、申立人の商標「TETRA」(決定注:「Tetra」の誤りと思われる。)はペット分野で広く知られているものであるから、第43類「動物の宿泊施設の提供」や第44類「動物の美容,動物の飼育,動物の治療」等の役務を指定役務とする本件商標は、申立人を想起させ、本件商標に接する需要者・取引者は、本件商標から「申立人に関係する何らかの商品・役務」をイメージすると考えられ、その出所を混同するおそれが高い。
現に、本件商標は、犬のトリミングサロン、ペットホテルといったペット関連サービスの提供、ペット商品の販売について使用されており(甲11)、同じくペット事業を展開する申立人とは需要者・消費者を共通にし、より混同のおそれが高い状況にある。
特許庁審査基準では、「他人の業務に係る商品又は役務と混同を生ずるおそれがある商標」についての考慮事項として、以下の(1)ないし(6)を挙げている。これらについて検討すると、本件商標が使用されると、出所の混同が生じるおそれや、申立人の周知商標「Tetra」の希釈化汚染化が生じるおそれがある。
(1)その他人の標章の周知度
申立人の「Tetra」商標が周知であることは上記のとおりである。
(2)その他人の標章が創造標章であるかどうか
「Tetra」は、既存の言葉にあるが、半世紀以上申立人のハウスマークとして使用されており、強い識別力を有する。
(3)その他人の標章がハウスマークであるかどうか
「Tetra」が申立人のハウスマークであることは上記のとおりである。
(4)企業における多角経営の可能性
「Tetra」事業を行うスペクトラム ブランズ ジャパン社は、上記のとおり観賞魚用製品を中心としたペット関連商品を取り扱っている(甲4、甲5)。したがって、ペット関連の事業について多角経営の可能性は十分に認められる。
(5)商品間、役務間又は商品と役務間の関連性
商品等の関連性があることは、本件商標の指定商品・役務から十分に認められる。
(6)商品等の需要者の共通性その他取引の実情
需要者の共通性があることは、上記のとおり本件商標がペット関連事業について使用され、申立人がペット事業を行っていることから明らかである。
また、商標法第4条第1項第15号には、ある他人の業務に係る商品等であると誤信されるおそれのある商標のみならず、その他人との間にいわゆる親子会社や系列会社等の緊密な営業上の関係又は同一の表示による商品化事業を営むグループに属する関係にある営業主の業務に係る商品等であると誤信されるおそれがある商標を含むものであるから、申立人の周知商標である「Tetra」に、極めて類似する本件商標は、少なくとも、申立人と何らかの関係にある営業主の業務に係る役務と誤認されるおそれがあることは明らかである。
さらに、商標法第4条第1項第15号は、単純な「出所の混同」のみならず「ただ乗り」、「希釈化」をも防止しようとする規定であるから、「ただ乗り」、「希釈化」により、申立人の業務上の信用が損なわれる状況となっている。
以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。

第4 当審の判断
申立人は、その業務に係る商標として「Tetra」の文字のみを挙げて周知であると主張しているが、以下では、「テトラ」の文字についても、検討し、判断する。
1 「Tetra」及び「テトラ」の文字の周知性について
(1)申立人提出の甲各号証及び同人の主張によれば、次のとおりである。
ア 申立人は、ドイツ所在の観賞魚の餌のメーカーであり、「Tetra」は、申立人の略称である。日本においては、スペクトラム ブランズ ジャパン社が、「Tetra」に係る事業を行っている(甲3、甲4)。
イ スペクトラム ブランズ ジャパン社のウェブページには、「Tetra」の欧文字と図形からなる標章(別掲5)が掲載されている(甲4の1、甲5の1、甲6、甲7)。
そして、当該ウェブページにおいては、別掲5の標章のもと、「フード」に係る「製品情報」として、「すべての熱帯魚の主食」、「魚種専用主食」、「海水魚用」及び「金魚用」などの項に、「Tetra」の文字及び「テトラ」の文字を冠した標章を付した商品の画像が掲載され(甲6)、また、「水質調整剤/テトラテスト」、「フィルター・ろ過器」及び「水槽・飼育セット」に係る「製品情報」として、「テトラ」の文字を冠した標章を付した商品の画像が掲載されている(甲7)。
ウ 個人のブログにおいて、2017年6月30日付けの「アクアリウム初心者におすすめの淡水熱帯魚20選【60cm以下の水槽用】」と題する記事に「ペット用品で有名なテトラ社のアクアリウムセットですが、・・・」との記載がある(甲8の1)。
エ QUBE(キューブ)と称するウェブページにおいて、「熱帯魚や金魚のおすすめな餌の種類・選び方とエサやりの自動化」の表題の下、「餌の種類 粒・顆粒タイプ」の項に「テトラ プランクトン/TetraPlankton/小型熱帯魚の主食」の文字が付された商品の画像とともに「テトラ プランクトン 112g」、「熱帯魚フードでベストセラーの商品です。」との記載があり、「金魚向け」として「TetraFin/テトラフィン/金魚のえさ」の文字が付された商品の画像とともに「テトラ(Tetra)フィン 200g」、「テトラ社はアクアリウム業界で実績あるメーカーで、魚のエサも評判が高いです。」との記載があり、「フレークタイプ」の項に別掲5の標章及び「TetraMin/テトラミン/すべての熱帯魚の主食」の文字が付された商品の画像とともに「テトラ(Tetra)テトラミン 52g」、「熱帯魚のフレークタイプのフードでは最も有名な商品です。」との記載がある(甲8の2)。
オ PetPediaと称するウェブページにおいて、「熱帯魚の餌の種類と選び方」の表題の下、「5.熱帯魚の餌について知ろう! ?おすすめの餌ランキングTOP10からTOP4!?」の「おすすめの餌ランキングTOP6」の項に「テトラ(Tetra) テトラプランクトン112g」として「テトラプランクトン/TetraPlankton/小型熱帯魚の主食」の文字が付された商品の画像とともに「テトラ プランクトン 112g」、「スペクトラム ブランズ ジャパン」、「多くの熱帯魚愛好者に好まれている、ベストセラー商品でもあります。」との記載があり、「6.熱帯魚の餌について知ろう! ?おすすめの餌ランキングTOP3からTOP1!?」の「熱帯魚のおすすめ餌ランキングTOP1」の項に「テトラ(Tetra) テトラミン52g」として別掲5の標章及び「TetraMin/テトラミン/すべての熱帯魚の主食」の文字が付された商品の画像とともに「テトラ(Tetra)テトラミン52g」、「スペクトラム ブランズ ジャパン」、「テトラミン52gは、人気のベストセラー商品です。」との記載がある(甲8の3)。
(2)上記(1)によれば、我が国において「Tetra」及び「テトラ」の文字は、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、申立人(又は、スペクトラム ブランズ ジャパン社)の業務に係る商品「観賞魚の餌」を表示するものとして、その商品の需要者の間にある程度認識されているといえる。
2 商標法第4条第1項第11号該当性について
(1)本件商標について
本件商標は、別掲1のとおり、図形と「PETRa」の欧文字とを横並びに配してなるところ、その構成態様からは、「PETRa」の文字部分が独立して自他商品識別標識としての機能を果たし得るというのが相当である。
そして、本件商標構成中の「PETRa」の文字が、我が国において特定の意味を有する語として広く知られているというべき事情は認められない。
そうすると、本件商標は、その構成中の「PETRa」の文字に相応して「ペトラ」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものといえる。
(2)引用商標について
ア 引用商標1は、上記第2の1のとおり、「Tetra」の欧文字を横書きしてなるところ、該文字は、「4」の意味を有する接頭辞であるとしても、我が国において、該文字が単独で使用されるなど、特定の意味を有する語として一般の需要者が看取するというべき事情は認められない。
そうすると、引用商標1は、その構成文字に相応して「テトラ」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものといえる。
イ 引用商標2は、上記第2の2のとおり、「Tetra」の欧文字と「テトラ」の片仮名を二段に横書きしてなるところ、その構成中、上段の「Tetra」の文字は、上記アと同様の理由により、特定の観念を生じないものであり、また、下段の「テトラ」の文字は、上段の「Tetra」の文字の読みを表したものとみることは何ら不自然なものとはいえず、さらに、該文字は、「4」の意味を有する接頭辞であるとしても、我が国において、該文字が単独で使用されるなど、特定の意味を有する語として一般の需要者が看取するというべき事情は認められない。
そうすると、引用商標2は、その構成文字に相応して「テトラ」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものといえる。
ウ 引用商標3は、別掲2のとおり、「Tetra」の欧文字と図形とを横並びに配してなるところ、その構成態様からは、「Tetra」の文字部分が独立して自他商品識別標識としての機能を果たし得るというのが相当であり、「Tetra」の欧文字からは、「テトラ」の称呼を生じ、上記アと同様の理由により、特定の観念を生じないものといえる。
エ 引用商標4は、別掲3のとおり、「Tetra」の欧文字と「テトラ」の片仮名を二段に横書きしてしてなり、さらに、上段の「Tetra」の欧文字と引用商標3構成中の図形と同一の図形とを横並びに配してなるところ、その構成態様からは、「Tetra」及び「テトラ」の文字部分が独立して自他商品識別標識としての機能を果たし得るというのが相当であり、「Tetra」の欧文字及び「テトラ」の片仮名からは、「テトラ」の称呼を生じ、上記ア及びイと同様の理由により、特定の観念を生じないものといえる。
オ 引用商標5は、別掲4のとおり、「テトラ」の片仮名と引用商標3構成中の図形と同一の図形とを横並びに配してなるところ、その構成態様からは、「テトラ」の文字部分が独立して自他商品識別標識としての機能を果たし得るというのが相当であり、「テトラ」の片仮名からは、「テトラ」の称呼を生じ、上記イと同様の理由により、特定の観念を生じないものといえる。
(3)本件商標と引用商標との類否について
本件商標と引用商標の、いずれもそれ自体独立して自他商品識別標識として機能し得る本件商標における「PETRa」の文字部分と、引用商標1及び3における「Tetra」の文字部分、引用商標5における「テトラ」の文字部分及び引用商標2及び4における「Tetra」及び「テトラ」を二段に横書きした文字部分とをそれぞれ比較すると、「PETRa」と「Tetra」は、構成文字における大文字と小文字の差異のほか、語頭の「P」と「T」の文字の差異を有するものであり、また、「PETRa」と「テトラ」は、構成文字における欧文字と片仮名という明らかな差異を有するものであり、さらに、「PETRa」と「Tetra」及び「テトラ」を二段に横書きした文字部分とは、構成文字における片仮名の有無という明確な差異を有するものであり、両商標の欧文字部分を比較しても、大文字と小文字の差異のほか、語頭の「P」と「T」の文字の差異を有するものである。
そうすると、本件商標と引用商標とは、外観において相紛れるおそれのないものである。
また、本件商標から生じる「ペトラ」の称呼と引用商標から生じる「テトラ」の称呼とを比較すると、語頭の「ペ」と「テ」という明らかな差異を有し、この差異が3音という短い音構成からなる両称呼全体の語調語感に及ぼす影響は小さいものとはいえず、両者をそれぞれ称呼しても、相紛れるおそれのないものというのが相当である。
さらに、観念においては、共に特定の観念を生じないものであるから、比較できない。
してみれば、本件商標と引用商標とは、観念において比較できないものであるとしても、外観及び称呼において、相紛れるおそれのないことが明らかなものであるから、両商標が需要者に与える印象、記憶、連想等を総合してみれば、両商標は、非類似の商標であって、別異のものというのが相当である。
なお、申立人は過去の審決例を挙げているが、商標の類否の判断は、査定時又は審決時における取引の実情を勘案し、その指定商品、指定役務の取引者、需要者の認識を基準に対比される商標について個別具体的に判断されるべきものであるから、それらをもって本件の判断が左右されるものではない。
(4)本件商標の指定商品と引用商標の指定商品との類否について
本件商標の指定商品中の第31類「ペットフード,飼料」と引用商標の指定商品である第31類「飼料」とは、同一又は類似の商品である。
(5)小括
以上のとおり、本件商標と引用商標とは、非類似の商標であって、別異のものであるから、本件商標の指定商品が引用商標の指定商品と同一又は類似のものであるとしても、本件商標は商標法第4条第1項第11号に該当しない。
3 商標法第4条第1項第15号該当性について
「Tetra」及び「テトラ」の文字は、上記1のとおり、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、申立人(又はスペクトラム ブランズ ジャパン社)の業務に係る商品「観賞魚の餌」を表示するものとして我が国のその商品の需要者の間にある程度知られているものであるとしても、本件商標と「Tetra」及び「テトラ」の文字とは、上記2(3)と同様に、非類似の商標であって、別異のものであるから、本件商標は、本件商標権者がこれをその指定商品及び指定役務について使用しても、これに接する取引者、需要者に申立人(又は、スペクトラム ブランズ ジャパン社)の使用に係る「Tetra」及び「テトラ」の文字を連想、想起させることはなく、その商品が申立人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように、その出所について混同を生じるおそれはないものというべきである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。
4 むすび
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号及び同項第15号のいずれにも違反してされたものとはいえないから、同法第43条の3第4項の規定により、維持すべきである。
よって、結論のとおり決定する。
別掲 別掲1 本件商標(色彩は原本参照。)


別掲2 引用商標3


別掲3 引用商標4


別掲4 引用商標5


別掲5




異議決定日 2018-02-27 
出願番号 商願2016-91578(T2016-91578) 
審決分類 T 1 652・ 271- Y (W314344)
T 1 652・ 263- Y (W314344)
T 1 652・ 262- Y (W314344)
T 1 652・ 261- Y (W314344)
最終処分 維持  
前審関与審査官 中尾 真由美 
特許庁審判長 大森 健司
特許庁審判官 松浦 裕紀子
小松 里美
登録日 2017-04-14 
登録番号 商標登録第5940148号(T5940148) 
権利者 株式会社ナイスメイトコーポレイション
商標の称呼 ペトラ、ピイ 
代理人 特許業務法人大島・西村・宮永商標特許事務所 

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