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審決分類 審判 査定不服 商3条1項3号 産地、販売地、品質、原材料など 登録しない W30
管理番号 1338244 
審判番号 不服2017-13069 
総通号数 220 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2018-04-27 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2017-09-05 
確定日 2018-02-08 
事件の表示 商願2016-17210拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は、「政所茶」の文字を標準文字で表してなり、第3類、第30類及び第32類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として、平成28年2月18日に登録出願され、その後、本願の指定商品については、原審における同年10月18日付け手続補正書及び当審における同29年9月5日付け手続補正書により、最終的に、第30類「滋賀県東近江市政所町及びその周辺で生産された茶を加味した食品香料(精油のものを除く。),滋賀県東近江市政所町及びその周辺で生産された茶を加味した菓子,滋賀県東近江市政所町及びその周辺で生産された茶を加味したパン,滋賀県東近江市政所町及びその周辺で生産された茶を加味したサンドイッチ,滋賀県東近江市政所町及びその周辺で生産された茶を加味した中華まんじゅう,滋賀県東近江市政所町及びその周辺で生産された茶を加味したハンバーガー,滋賀県東近江市政所町及びその周辺で生産された茶を加味したピザ,滋賀県東近江市政所町及びその周辺で生産された茶を加味したホットドッグ,滋賀県東近江市政所町及びその周辺で生産された茶を加味したミートパイ,滋賀県東近江市政所町及びその周辺で生産された茶を加味した調味料,滋賀県東近江市政所町及びその周辺で生産された茶を加味した香辛料,滋賀県東近江市政所町及びその周辺で生産された茶を加味したアイスクリームのもと,滋賀県東近江市政所町及びその周辺で生産された茶を加味したシャーベットのもと,滋賀県東近江市政所町及びその周辺で生産された茶を加味した穀物の加工品,茶を加味した食用粉類」に補正されたものである。

2 原査定の拒絶の理由(要点)
原査定は、「本願商標は、『政所茶』の文字を標準文字で表してなるところ、当該文字は、『宇治は茶所、茶は政所』と茶摘み唄にも歌われ、朝廷や彦根藩などにも献上されていたほどの銘茶といわれている『滋賀県東近江市政所町周辺で栽培されている日本茶』を表す語であり、また、本願の指定商品を含む多くの商品分野において茶の成分を配合した商品が製造、販売されている実情がある。そうすると、本願商標を本願の指定商品に使用したときは、『滋賀県東近江市政所町周辺で栽培されている茶の成分を配合したもの』と理解させるにとどまるから、本願商標は、単に商品の品質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標といわざるを得ない。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。」旨認定、判断したものである。

3 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第3号該当性について
ア 商標法第3条第1項第3号の趣旨
商標法第3条第1項第3号に掲げる商標が商標登録の要件を欠くとされているのは、このような商標は、取引に際し必要適切な表示として何人もその使用を欲するものであるから、特定人によるその独占使用を認めるのは公益上適当でないとともに、一般的に使用される標章であって、多くの場合自他商品識別力を欠くものであることによるものと解される(最高裁昭和54年4月10日第三小法廷判決・裁判集民事126号507頁、判例時報927号233頁参照。)。この趣旨に照らせば、本件審決時において,当該商標が指定商品の原材料又は品質を表すものと取引者、需要者に広く認識されている場合はもとより、将来を含め、取引者、需要者にその商品の原材料又は品質を表すものと認識される可能性があり、これを特定人に独占使用させることが公益上適当でないと判断されるときには、その商標は、同号に該当するものと解するのが相当である(平成17年(行ケ)第10342号、知的財産高等裁判所、同年6月9日判決言渡し)。
イ 本願商標について
本願商標は、前記1のとおり、「政所茶」の文字を標準文字で表してなるところ、当該文字は、原審における拒絶理由通知書において提示されたインターネット及び新聞記事の情報の内容にあるとおり、「滋賀県東近江市政所町及びその周辺で栽培されている日本茶」を表す語として理解、認識されているといえるものである。
そうすると、本願商標をその指定商品である「滋賀県東近江市政所町及びその周辺で生産された茶を加味した菓子」等に使用した場合、これに接する取引者、需要者は、本願商標を商品の原材料又は品質を表したものと認識するといえるから、自他商品識別力を欠くものというべきであり、また、「政所茶」の文字からなる標章は、取引に際し必要適切な表示として何人もその使用を欲するものであるから、これを特定人に独占使用させることは公益上適当でないというべきである。
してみると、本願商標は、その指定商品との関係において、商品の原材料又は品質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなるものであるから、商標法第3条第1項第3号に該当する。
なお、請求人は、本願商標について、「滋賀県東近江市政所町及びその周辺で栽培されている日本茶」を表す語ではあるが、銘茶として知られているものであるから、十分な自他商品識別力を有する旨述べるとともに、本願に係る出願人について、商標を「政所茶」とする地域団体商標に係る別個の登録出願の出願人と一致させる用意がある旨述べている。
しかしながら、本願商標がその指定商品に使用した場合に自他商品識別力を欠くものであることは、上記のとおりであり、たとえ、本願の出願人の名義が変更されたとしても、それをもって、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するとした上記判断が覆るものではない。
(2)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当するものであるから、登録することはできない。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2017-11-30 
結審通知日 2017-12-05 
審決日 2017-12-20 
出願番号 商願2016-17210(T2016-17210) 
審決分類 T 1 8・ 13- Z (W30)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 大橋 良成 
特許庁審判長 半田 正人
特許庁審判官 田中 敬規
松浦 裕紀子
商標の称呼 マンドコロチャ、マンドコロ、マドコロ 
代理人 松下 ひろ美 
代理人 岸本 忠昭 

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