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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 W25
審判 全部申立て  登録を維持 W25
審判 全部申立て  登録を維持 W25
審判 全部申立て  登録を維持 W25
管理番号 1335305 
異議申立番号 異議2017-900231 
総通号数 217 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2018-01-26 
種別 異議の決定 
異議申立日 2017-07-14 
確定日 2017-12-14 
異議申立件数
事件の表示 登録第5952434号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて,次のとおり決定する。 
結論 登録第5952434号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第5952434号商標(以下「本件商標」という。)は,別掲1のとおりの構成からなり,平成28年12月1日に登録出願,同29年4月19日に登録査定,第25類「被服,バンド,ベルト,履物,仮装用衣服,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」を指定商品として,同年6月9日に設定登録されたものである。

2 引用商標
商標異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する商標(以下「引用商標」という。)は,別掲2のとおりの構成からなり,同人が「ゴルフウエア,帽子,キャディーバッグ,バッグ,ゴルフクラブカバー,傘,タオル」等について使用するものである。
なお,引用商標に係る登録出願(商願2017-092283,平成29年7月10日出願)は,現在審査に係属している。

3 登録異議の申立ての理由
申立人は,本件商標は商標法第4条第1項第7号,同項第10号,同項第15号及び同項第19号に該当し,商標登録を受けることができないものであるから,その登録は同法第43条の2第1号により取り消されるべきものであるとして,その理由を要旨次のように述べ,証拠方法として甲第1号証ないし甲第33号証を提出した。
(1)本件商標について
本件商標は,微笑んだ丸い顔の図形の目の箇所に「P」と「G」の文字を表示し,顔の周囲に「DESIGNED BY HARVEY BALL」の文字を配してなる図形と文字の結合商標である。
本件商標は,その構成から,顔の図形部分と,顔の周囲に表示された「DESIGNED BY HARVEY BALL」の文字部分に分離することができるところ,当該顔の図形部分は,申立人が,2009年春より「ゴルフウエア,帽子,キャディーバッグ,バッグ,ゴルフクラブカバー,傘,タオル」等について使用している周知・著名な商標と,その構成を共通にするものである。
(2)本件商標の指定商品について
本件商標は,第25類「被服,バンド,ベルト,履物,仮装用衣服,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」を指定商品とするものである。
これらの商品は,需要者等を共通にし,販売部門の共通性も有する商品であり,本件商標の指定商品中に含まれる「ゴルフウエア,ゴルフシューズ」などのスポーツアパレル商品やスポーツ用品との関係においては,需要者,販売部門,用途等の共通性は相当高いものということができる。
(3)引用商標について
ア 引用商標の構成について
引用商標は,微笑んだ丸い顔の図形の目の箇所に「P」と「G」の文字を表示してなるもの(以下「PGフェイスマーク」という場合がある。)である。
イ 引用商標の使用実績,周知・著名性等について
申立人は,引用商標を2009年春より「ゴルフウエア」等について使用を開始し,その後,申立人による継続的な使用,プロゴルファーを起用した宣伝広告活動等の結果,本件商標の登録出願時には,既に,申立人の商標として周知,著名となっていたものである。
(ア)申立人について
申立人は,衣料品,スポーツ用品,日用雑貨品等の企画,製造,販売及び輸出入等を主な事業内容とするアパレルメーカーであり,申立人の主要ブランドの一つに「PEARLY GATES」がある(甲3?甲5等)。
申立人は,「PEARLY GATES」ブランドの下,ゴルフウエア,帽子,ベルトなどの被服類,その他のゴルフグッズを製造,販売している。
(イ)申立人のアパレルブランド「PEARLY GATES」について
「PEARLY GATES」は,1989年春にスタートし,以来,「PEARLY GATES」は好評を博しており,2013年3月ないし2017年2月までの販売実績(売上金額)は,毎年74億1400万円ないし102億8700万円である(甲4)。
このように,「PEARLY GATES」ブランドは,申立人により継続使用されており,申立人の営業努力,宣伝広告活動の結果,需要者の間で既に著名となっている。
「PEARLY GATES」は,直営店が国内に62店舗(2017年9月現在)存在し,直営店以外の取扱い店舗を加えれば,100店舗以上にて販売されており,オンラインショップによっても販売されている(甲5)。
また,海外にも展開されており,現時点で中国,韓国において実際に販売されている。
「PEARLY GATES」のゴルフウエア等は,著名人やプロゴルファーにも愛用されている(甲11?甲17)。
「PEARLY GATES」は,その人気の高さゆえ,海外から多くの模倣品が輸入されており,かかる模倣品対策にも力を入れている実情がある。
申立人は,商標「PEARLY/GATES」の商標権者であるところ(甲6,甲7),当該商標権に基づき輸入差止申立てをしている(甲8)。その結果として,数多くの「PEARLY GATES」侵害品が輸入差し止めされている事実がある(甲9,甲10)。この事実も「PEARLY GATES」の周知・著名性を立証する強力な証左である。
(ウ)引用商標の使用実績について
申立人は,「PEARLY GATES」ブランドにおいて,「PGフェイスマーク」を制作し,2009年春より商標の使用を開始した(甲23)。
いうまでもなく,「P」,「G」は,「PEARLY GATES」の頭文字から採択されたものである。
引用商標の周知・著名性を示すものとして,例えば,インターネット検索サイト「google」にて「pearlygates smile」と検索すると,多数の「PGフェイスマーク」の画像が検索結果として表示される(甲18)。
その他,引用商標が使用されたゴルフウエアが,著名人やプロゴルファーにより着用された写真がインターネット上の通販サイト等で紹介され(甲13?甲17),同じく,引用商標が使用されたゴルフウエア,帽子,キャディーバック,バッグ,ゴルフカバー,傘,タオル等が,ゴルフ雑誌又はインターネット上の記事等として紹介されている(甲19?甲22,甲26?甲29,甲31?甲33)。
また,申立人は,引用商標を2009年春から継続して使用している(甲23?甲25)。
引用商標の使用に係る商品のうち,「キャディーバッグ」及び「ゴルフカバー」についての2017年第1週ないし第39週までの売上実績は,1億7800万円である(甲30)。この金額は「キャディーバッグ」及び「ゴルフカバー」についてのみの金額であり,引用商標が使用されている商品は,他にもゴルフウエア,帽子,傘,タオルなどが存在することは既に述べたとおりである。
以上の甲各号証により,引用商標は,本件商標の登録出願日前よりゴルフウエア,帽子,キャディーバッグ,バッグ,ゴルフクラブカバー,傘,タオルなどについて継続使用されている,周知・著名の商標であることが立証される。
(4)本件商標が引用商標を剽窃したものであることについて
本件商標の構成中「DESIGNED BY HARVEY BALL」の文字部分からは,「ハーベイボールによるデザイン」との意味が生じるところ,上記のとおり,「PGフェイスマーク」は,申立人により2009年春の時点で制作,使用されていることが明らかである。
そして,「PGフェイスマーク」の「P」及び「G」が申立人のアパレルブランド「PEARLY GATES」の頭文字より採択されたものであることも上記のとおりであるところ,本件商標権者が,「P」及び「G」の文字を採択する合理的な理由は見あたらない。
したがって,本件商標の構成中の「DESIGNED BY HARVEY BALL」との表示は,明らかに誤りであり,本件商標は,申立人の周知・著名な引用商標を剽窃したものであることが明らかである。
(5)本件商標と引用商標は類似することについて
本件商標は,その構成から,顔の図形部分と,顔の周囲に表示された「DESIGNED BY HARVEY BALL」の文字部分に容易に分離することができ,当該図形部分は,本件商標の要部ということができる。
そして,当該図形部分は,「PGフェイスマーク」,すなわち引用商標そのものであるから,両者が類似の商標であることは明らかである。
(6)本件商標が取り消されるべき理由
ア 商標法第4条第1項第7号に該当することについて
上記(3)で述べたとおり,引用商標は,本件商標の登録出願日前より,ゴルフウエアなどについて継続使用されており,申立人の業務に係る商品を表示するものとして需要者の間に広く認識されている周知・著名な商標である。
そして,本件商標は,その構成中に「PGフェイスマーク」,すなわち,引用商標をそのまま含むものであるから,本件商標と引用商標の類似の程度は極めて高いといえる。
そればかりか,本件商標の構成中の「DESIGNED BY HARVEY BALL」との表示は,これに接する需要者等に,申立人の周知・著名な商標「PGフェイスマーク」について誤った印象を与える悪質なものと考えざるを得ない。
したがって,本件商標は,引用商標が商標登録されていないことを奇貨として,引用商標に化体した信用,名声及び顧客吸引力にただ乗り(フリーライド)する不正な目的で採択・出願し登録を受けたものであることは明らかである。
さらには,本件商標をその指定商品に使用する場合には,引用商標の出所表示機能が希釈化(ダイリューション)されて,引用商標に化体した信用,名声及び顧客吸引力が毀損されるばかりでなく,公正な取引秩序を乱すものといわざるを得ない。
してみれば,本件商標は,不当な利益を得る等の不正の目的をもって剽窃的に登録出願したものであることは明らかであり,出願の経緯に社会的相当性を欠き,登録を認めることが商標法の目的にも反するものであるから,商標法第4条第1項第7号に該当する。
イ 商標法第4条第1項第10号に該当することについて
上述のとおり,引用商標は,周知・著名の商標であり,本件商標と引用商標は類似の商標であって,その類似の程度は極めて高いものである。
したがって,本件商標は,その指定商品中,引用商標の使用に係る「ゴルフウエア」などの「被服」や「キャディーバッグ,ゴルフクラブカバー」に類似する「運動用特殊衣服,運動用特殊靴」との関係では,引用商標に類似する商標であって,引用商標の使用に係る商品又はそれらに類似する商品について使用をするものであるから,商標法第4条第1項第10号に該当する。
ウ 商標法第4条第1項第15号に該当することについて
引用商標は,申立人の商標として広く知られていること,本件商標と引用商標の類似の程度は極めて高いことは既に述べたとおりである。
そして,本件商標の指定商品中「被服,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」以外の「バンド,ベルト,履物,仮装用衣服」は,引用商標の使用に係る「ゴルフウエア」などの「被服」と,販売部門,需要者及び用途の共通性等を有するものであり,特にゴルフ用の商品の場合には,その共通性はさらに強力なものということができる。
したがって,本件商標と引用商標の類似性の程度,引用商標の周知・著名性の程度,需要者等の共通性等を総合勘案すれば,本件商標権者が本件商標をこれらの指定商品に使用すると,これに接する取引者,需要者は,申立人の周知・著名な引用商標を直ちに想起するものであり,申立人と経済的又は組織的に何等かの関係がある者の業務に係る商品等であると誤認し,需要者が商品等の出所について混同を生ずるおそれが多分に存するものであることは明らかである。
よって,本件商標は,商標法第4条第1項第15号に該当する。
エ 商標法第4条第1項第19号について
引用商標は,申立人の商標として広く知られていること,本件商標と引用商標の類似の程度は極めて高いこと,及び本件商標が不当な利益を得る等の不正の目的をもって剽窃的に登録出願したものであることは既に述べたとおりである。
したがって,本件商標は,他人の業務に係る商品を表示するものとして日本国内における需要者の間に広く認識されている商標と類似の商標であって,不正の目的をもって使用をするものというべきであるから,商標法第4条第1項第19号に該当する。

4 当審の判断
(1)引用商標の周知性について
ア 申立人提出の甲各号証及び同人の主張によれば,次の事実を認めることができる。
(ア)申立人は,婦人服・紳士服・服飾品,スポーツ用品,日用雑貨品等の企画,製造,販売及び輸出入等を主な事業内容とする株式会社であり,同人が1989年から展開するブランドの一つである「PEARLY GATES」の商品は,北海道から鹿児島まで全国100以上の店舗で販売されているほか,オンラインショップやアウトレットでも販売されている(甲3,甲5,甲23)。
(イ)「PEARLY GATES」ブランドでは,ポロシャツ,スカート,Tシャツ,帽子などの被服,キャディーバッグ,ゴルフクラブカバーなどのゴルフ用の商品が販売されており(甲23?甲25),同ブランドの2013年3月ないし2017年2月の販売実績(売上金額)は,毎年74億円ないし103億円であった(甲4)。
(ウ)「PEARLY GATES」ブランドの商品は,著名人やプロゴルファーにも着用され,インターネット上の記事及びテレビCMで紹介されている(甲11?甲17)。
しかしながら,これらの証拠の一部には,引用商標らしき図形が掲載されているものの,商品中に小さく表示されていることから,引用商標の構成を明確に確認できない。
(エ)引用商標が使用された「PEARLY GATES」ブランドの商品は,2010年及び2015年のゴルフ雑誌に掲載されているほか(甲19?甲22),インターネット上の記事情報等でも紹介等され(甲26?甲29),引用商標の需要者が掲載したブログ記事でも紹介されている(甲31?甲33)。
(オ)引用商標は,「PEARLY GATES」ブランドの商品(ポロシャツ,スカート,Tシャツ,帽子,キャディーバッグ,ゴルフクラブカバーなど)の一部について,遅くとも2009年(平成21年)春頃から商標又はデザインとして継続して使用されている(甲20,甲23?甲25)。
しかしながら,引用商標が用いられている商品のみの売上高,シェアなど販売実績を示す主張はなく,また,証左も見いだせない。
イ 上記アの事実からすれば,「PEARLY GATES」ブランドは,申立人の業務に係る商品を表示するものとして需要者の間にある程度認識されているものと認めることができる。
しかしながら,引用商標については,申立人が引用商標をポロシャツ,スカート,Tシャツ,帽子,キャディーバッグ,ゴルフクラブカバーなど(以下「引用商標使用商品」という。)に,遅くとも2009年(平成21年)から現在まで継続して使用していることが認められるものの,引用商標使用商品の販売実績を示す証左はなく,当該商品についての広告宣伝等も,著名人やプロゴルファーが着用している写真がインターネット上の記事及びテレビCMで紹介されているとしても,引用商標の構成が明確に確認できないし(甲11?甲17),雑誌については,2010年及び2015年のゴルフ雑誌に引用商標を使用した商品が一部に掲載されているにすぎない(甲19?甲22)。
また,インターネット上の記事情報についても,その使用は限定的であり,かつ,その一部は,引用商標の需要者が掲載したブログ記事であって,その数も多いものとはいえない(甲26?甲29,甲31?甲33)。
そして,申立人は,引用商標使用商品のうちキャディーバッグ及びゴルフクラブカバーの2017年(平成29年)第1週ないし第39週の売上げが1.8億円である(甲30)旨主張しているが,その期間は,本件商標の登録出願の日以後であって,第17週以降は登録査定の日後であり,さらに,かかる金額がキャディーバッグ及びゴルフクラブカバーの1ブランドの売上げとしてその周知性を基礎付けるほど多額であると認めるに足りる証左は見いだせない。
そうすると,申立人が提出した証拠からは,引用商標が,本件商標の登録出願時及び登録査定時において,申立人の引用商標使用商品を表示するものとして需要者の間に広く認識されているものと認めることはできない。
(2)本件商標と引用商標の類否について
ア 本件商標は,別掲1のとおり,中央に太い線で描いた円輪郭内の上部に目と思しき位置に「P」と「G」の文字を表し,その下に口と思しき両端上がりの弧線を描いた図形(以下「本件図形」という。)を配し,その円輪郭外側の下,3分の2程度に沿って「DESIGNED BY HARVEY BALL」の文字を配した構成からなるものである。
そして,本件図形部分は,一見して人の笑顔を簡潔,かつ,象徴的に表現したものと認識されるものであり,構成上,本件商標中の主要部を占めているのに対し,文字部分は,円輪郭に沿って配されているとしても,人の顔を構成するものとはいえないから,本件商標は,視覚上,本件図形部分が独立して見る者の注意を惹き,強く印象に残るように構成されているものということができる。
そうすると,本件商標は,本件図形部分が,取引者,需要者に対し,商品の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものとみるのが相当である。
イ 引用商標は,別掲2のとおり,中央に太い線で描いた円輪郭内の上部に目と思しき位置に「P」と「G」の文字を表し,その下に口と思しき両端上がりの弧線を描いた図形を配した構成からなるものであって,一見して人の笑顔を簡潔,かつ,象徴的に表現したものと認識されるものである。
ウ 本件商標と引用商標の類否について検討するに,本件商標の要部である本件図形部分と引用商標とは,外観上同一といえる構成,態様であって,両者は酷似するものといえるから,本件商標は,引用商標と類似の商標と認められる。
(3)商標法第4条第1項第10号該当性について
上記(2)のとおり,本件商標は,引用商標と類似の商標であって,本件商標の指定商品中「被服」のうち,「洋服,ポロシャツ,スカート,Tシャツ,帽子」などは,引用商標使用商品と同一又は類似の商品と認められる。
しかしながら,引用商標は,上記(1)のとおり,申立人の引用商標使用商品を表示するものとして需要者の間に広く認識されているものと認めることはできないものである。
したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第10号に該当しない。
(4)商標法第4条第1項第15号該当性について
引用商標は,上記(1)のとおり,申立人の引用商標使用商品を表示するものとして需要者の間に広く認識されているものと認めることはできないものである。
そうとすると,たとえ本件商標と引用商標が類似するものであって,本件商標の指定商品と引用商標使用商品とが同一又は類似のものあるいは関連性の程度が強いものとしても,本件商標は,これに接する取引者,需要者が,引用商標又は申立人を連想又は想起するものということはできない。
してみれば,本件商標は,本件商標権者がこれをその指定商品について使用しても,取引者,需要者をして引用商標又は申立人を連想又は想起させることはなく,その商品が申立人あるいは同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかのように,その商品の出所について混同を生ずるおそれはなかったものというべきである。
したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第15号に該当しない。
(5)商標法第4条第1項第19号該当性について
上記(1)のとおり,引用商標は,申立人の引用商標使用商品を表示するものとして需要者の間に広く認識されているものと認められないものである。
そして,申立人が提出した証拠からは,本件商標は,引用商標の信用,名声に便乗するものといえないし,かつ,引用商標の顧客吸引力を希釈化させ,その信用,名声を毀損するなど不正の目的をもって使用をするものというべき証左は見いだせない。
したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第19号に該当しない。
(6)商標法第4条第1項第7号該当性について
上記(1)のとおり,引用商標は,申立人の引用商標使用商品を表示するものとして需要者の間に広く認識されているものと認められないものであり,上記(5)のとおり,本件商標は,引用商標の信用,名声に便乗するものといえず,かつ,引用商標の顧客吸引力を希釈化させ,その信用,名声を毀損するなど不正の目的をもって使用をするものというべき証左は見いだせない。
また,本件商標は,その構成自体が非道徳的,卑わい,差別的,矯激若しくは他人に不快な印象を与えるようなものでないこと明らかであり,さらに,その登録出願の経緯に社会的相当性を欠くなど,公序良俗に反するものというべき証左も見いだせない。
したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第7号に該当しない。
(7)むすび
以上のとおり,本件商標の登録は,商標法第4条第1項第7号,同項第10号,同項第15号及び同項第19号のいずれにも違反してされたものとはいえないから,同法第43条の3第4項の規定により,維持すべきである。
よって,結論のとおり決定する。
別掲 別掲1(本件商標)





別掲2(引用商標)





異議決定日 2017-12-06 
出願番号 商願2016-140502(T2016-140502) 
審決分類 T 1 651・ 22- Y (W25)
T 1 651・ 25- Y (W25)
T 1 651・ 222- Y (W25)
T 1 651・ 271- Y (W25)
最終処分 維持  
前審関与審査官 渡辺 悦子 
特許庁審判長 早川 文宏
特許庁審判官 田中 亨子
阿曾 裕樹
登録日 2017-06-09 
登録番号 商標登録第5952434号(T5952434) 
権利者 有限会社ハーベイ・ボール・スマイル・リミテッド
商標の称呼 デザインドバイハーベーボール、ハーベーボール、ハーベー、ボール、ピイジイ 
代理人 鈴木 亜美 
代理人 保崎 明弘 
代理人 水野 勝文 
代理人 和田 光子 

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