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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 W2539414345
審判 全部申立て  登録を維持 W2539414345
審判 全部申立て  登録を維持 W2539414345
審判 全部申立て  登録を維持 W2539414345
審判 全部申立て  登録を維持 W2539414345
管理番号 1335301 
異議申立番号 異議2017-900189 
総通号数 217 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2018-01-26 
種別 異議の決定 
異議申立日 2017-06-12 
確定日 2017-12-14 
異議申立件数
事件の表示 登録第5929954号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて,次のとおり決定する。 
結論 登録第5929954号商標の商標登録を維持する。
理由 第1 本件商標
本件登録第5929954号商標(以下「本件商標」という。)は,別掲1のとおりの構成よりなり,平成28年12月21日に立体商標として登録出願,第25類「被服(「ナイトキャップ」及び「帽子」を除く。),運動用特殊衣服,仮装用衣服」,第39類「自動車・二輪自動車の貸与,駐車場の提供,乗物の貸与,自動車・二輪自動車の貸与に関する情報の提供,自転車の貸与」,第41類「カート(遊具)の貸与,自動車おもちゃの貸与,遊園地用機械器具の貸与,遊戯用器具の貸与,仮装用衣服の貸与,カートコース施設の提供,自動車・二輪自動車の模擬運転装置を備えた娯楽施設の提供,娯楽施設の提供,遊園地及びテーマパークの提供,カート競争の企画・運営または開催,ツーリングイベント・乗物を利用したイベントの企画・運営又は開催,レクリエーション施設及び遊園地による娯楽の提供,演芸の上演,演劇の演出又は上演,音楽の演奏 」,第43類「宿泊施設の提供,飲食物の提供,会議室の貸与,展示施設の貸与,イベント会場の貸与」及び第45類「衣服及び被服の貸与」を指定商品及び指定役務として,同29年2月24日に登録査定,同年3月10日に設定登録されたものである。

第2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が,引用する登録商標は次のとおりであり,いずれの商標権も現に有効に存続しているものである。
1 申立人が引用する登録商標
(1)登録第3326756号商標(以下「引用商標1」という。)
商標の構成:別掲2のとおり
登録出願日:平成5年11月1日
設定登録日:平成9年6月27日
最新更新登録日:平成29年2月14日
指定役務:第41類「動物の調教,植物の供覧,動物の供覧,図書及び記録の供覧,美術品の展示,映画・演芸・演劇又は音楽の演奏の興行の企画又は運営,映画の上映・制作又は配給,演芸の上演,演劇の演出又は上演,音楽の演奏,放送番組の制作,ゴルフの興行の企画・運営又は開催,相撲の興行の企画・運営又は開催,ボクシングの興行の企画・運営又は開催,野球の興行の企画・運営又は開催,音響用又は映像用のスタジオの提供,運動施設の提供,娯楽施設の提供,興行場の座席の手配,映写機及びその附属品の貸与,映写フィルムの貸与,楽器の貸与,スキー用具の貸与,スキンダイビング用具の貸与,図書の貸与,レコード又は録音済み磁気テープの貸与,録画済み磁気テープの貸与」
(2)登録第4386291号商標(以下「引用商標2」という。)
商標の構成:別掲2のとおり
登録出願日:平成11年7月13日
設定登録日:平成12年5月26日
更新登録日:平成22年2月16日
指定商品: 第14類,第16類,第21類,第24類ないし第26類に属する商標登録原簿に記載の商品
(3)登録第4435662号商標(以下「引用商標3」という。)
商標の構成:別掲3のとおり
登録出願日:平成12年6月13日
設定登録日:平成12年11月24日
更新登録日:平成22年6月1日
指定商品:第25類「履物,運動用特殊衣服,運動用特殊靴,被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,仮装用衣服」
(4)登録第4720945号商標(以下「引用商標4」という。)
商標の構成:別掲4のとおり
登録出願日:平成14年6月10日
設定登録日:平成15年10月24日
更新登録日:平成25年7月23日
指定商品及び指定役務:第7類,第9類,第11類,第12類,第14類ないし第16類,第18類,第25類,第28類,第35類,第37類,第38類及び第42類に属する商標登録原簿に記載の商品及び役務
(5)登録第4762870号商標(以下「引用商標5」という。)
商標の構成:別掲5のとおり
登録出願日:平成15年7月4日
設定登録日:平成16年4月9日
更新登録日:平成26年4月30日
指定役務:第39類「鉄道による輸送,車両による輸送,道路情報の提供,自動車の運転の代行,船舶による輸送,航空機による輸送,貨物のこん包,貨物の輸送の媒介,貨物の積卸し,引越の代行,船舶の貸与・売買又は運航の委託の媒介,船舶の引揚げ,水先案内,主催旅行の実施,旅行者の案内,旅行に関する契約(宿泊に関するものを除く。)の代理・媒介又は取次ぎ,寄託を受けた物品の倉庫における保管,他人の携帯品の一時預かり,ガスの供給,電気の供給,水の供給,熱の供給,倉庫の提供,駐車場の提供,有料道路の提供,係留施設の提供,飛行場の提供,駐車場の管理,荷役機械器具の貸与,自動車の貸与,船舶の貸与,車いすの貸与,自転車の貸与,航空機の貸与,機械式駐車装置の貸与,包装用機械器具の貸与,金庫の貸与,家庭用冷凍冷蔵庫の貸与,家庭用冷凍庫の貸与,郵便に関する情報の提供,チャイルドシートの貸与,冷凍機械器具の貸与,ガソリンステーション用装置(自動車の修理又は整備用のものを除く。)の貸与」
(6)登録第5359259号商標(以下「引用商標6」という。)
商標の構成:別掲6のとおり
登録出願日:平成22年3月24日
優先権主張:2010年3月22日(アメリカ合衆国)
設定登録日:平成22年10月8日
指定役務:第35類「被服・バックパックの小売又は卸売りの業務において行われる顧客に対する便益の提供,オンラインによる被服・バックパックの小売又は卸売りの業務において行われる顧客に対する便益の提供」
なお,以下,これらをまとめて「引用商標」という。

第3 登録異議申立ての理由
申立人は,本件商標は,商標法第3条第1項柱書,同第3号及び同法第4条第1項第11号に該当するものであるから,その登録は,同法第43条の2第1号によって取り消されるべきものであるとして,その理由を要旨以下のように述べ,証拠方法として甲第1号証ないし甲第11号証を提出した。
(1)商標法第3条第1項柱書について
本件商標は,帽子の形状からなる立体商標であり,その態様から広告宣伝用として使用される態様ではなく,需要者などが着帽して使用される形状を有している態様である。
特許庁における審査基準における商標法第3条第1項柱書の基準において,「商標が,指定商品中の一部の商品等の形状からなるが,その他の指定商品等においては商品等の形状として想定し得ず,かつ,商品等の広告としての使用も当然に想定し得ない場合」については立体商標とは認められないとして,商標登録を受けることができる商標に該当しないと判断すると示されている。
本件商標に係る指定商品については,例えば,コスチュームプレイで使用される帽子及びそれ以外の被服及び運動用特殊衣服・仮装用特殊衣服の商品を指定しているが,指定商品「被服,運動用特殊衣服,仮装用特殊衣服(帽子を除く。)」については,本件商標の立体的形状を採ることは想定し得ず,かつ,広告として使用されることも当然に想定し得ないから,商品「帽子」及び「ナイトキャップ」等を除く指定商品「被服,運動用特殊衣服,仮装用特殊衣服(帽子を除く。)」については,商標法第3条第1項柱書の規定に該当することは明白である。
(2)商標法第3条第1項第3号について
ア 本件商標について
本件商標は,前記第1のとおり,帽子の形状からなる立体商標であり,正面中央部に大きく白色の円形の図形及びその円形図形の中央部に大きく「M」の欧文字を配してなる構成を有する。
特許庁の審査基準における商標法第3条第1項第3号立体商標における基準において,「商標が,指定商品の形状(指定商品の包装の形状を含む。)又は指定役務の提供の用に供する物の形状そのものの範囲を出ないと認識されるにすぎない場合は,その商品の「形状」又はその役務の『提供の用に供する物』を表示するものと判断する」として同法第3条第1項第3号の規定に該当すると示されており,本件商標のような帽子からなる商標について,指定役務との関係において,役務の提供に供する物として使用される場合は,本号に該当するものである。また,仮装用特殊衣服における「帽子」については,指定商品の形状そのものの範囲を出ないと認識されるにすぎないものといえる。
イ 取引の実情について
本件商標に係る指定役務において,例えば「衣服や被服の貸与」においては,本件商標に係るような帽子の貸与も行っている実情があり(甲2?甲4),本件商標における立体商標は,上記役務においては役務の利用に供する物である。
また,甲第5号証に示されるように,「M」の欧文字を中央に付した帽子も多く散見されていることから,本件商標の形状としては需要者及び取引者間においてはありふれたものである。
ウ してみれば,本件商標は,帽子としての形状そのものの範囲を出ないものであり,上述の取引実情を考慮するのであれば,指定商品としての「仮装用特殊衣服における「帽子」及び指定役務「衣服及び被服の貸与」等の商品又は役務との関係において,商品「帽子」の形状及び貸与の対象となる「役務の利用に供する物」として普通に使用されていることは上記証拠より明白であり,このような商標が登録されることにより,流通秩序の維持は阻害され,商標法の制定の趣旨から鑑みても認められるべきではない。
(3)商標法第4条第1項第11号について
ア 本件商標の構成について
本件商標は,前記第1のとおり,帽子の形状からなる立体商標であり,正面中央部に大きく白色の円形の図形及びその円形図形の中央部に大きく「M」の欧文字を配してなる構成を有し,立体商標類否判断においては,特許庁における商標審査基準において,観る方向によって視覚に映る姿が異なるという立体商標の特殊性を考慮し,立体商標は,原則として,それを特定の方向から観た場合に視覚に映る姿を表示する平面商標(近似する場合を含む。)と外観において類似する,と示されている。
また,立体商標が,立体的形状と文字の結合からなる場合には,当該文字部分のみに相応した称呼又は観念も生じ得る,と示されている。
上記の基準より,本件商標を検討するに,帽子の正面部分である「M」の文字図形が,本件商標の要部であるといえる。これらの要部を有する商標において,提出した甲第6号証ないし甲第11号証において提出した登録商標のいずれについても,本件商標の要部と同様の構成を有しており,離隔的に観察した場合において出所の混同を生じ得るものといい得るため,商標として類似するものである。
イ 引用商標について
甲第6号証及び甲第7号証の商標は,白地の円形図形の中央部に太字による大文字「M」の欧文字を配置してなる商標である。また,甲第8号証の商標は,円形図形中の中央部に太字による大文字「M」の欧文字をやや斜めに表示してなる商標である。甲第9号証の商標は,円形図形の中央部に太字による大文字「M」の欧文字を配置してなる商標である。甲第10号証の商標は,白地の円形図形の中央部に小さい切れ目をする太字による大文字「M」の欧文字を配置してなる商標である。甲第11号証の商標は,円形図形の中央部に太字による大文字「M」の欧文字を配置してなる商標である。
ウ 本件商標と引用商標との対比について
本件商標は,白地の円形図形の中央部に太字による大文字「M」の表示を帽子の正面中央部に配置しており,帽子については,つば部を有する正面部に注視する形状となっており,取引においても注視される箇所であるため,この図形部分が本件商標における要部である。
また,本件商標に係る指定商品又は指定役務の主たる需要者層は,一部の専門家ではなく商標やブランドについて詳細な知識を持たない者を含む一般の消費者であり,商品の購入や役務の提供を受けるに際し,メーカー名などを常に注意深く確認するとは限らないこと等を総合すると,一般需要者の認識として,本件商標からは円形の図形と円形図形の中央に配置される「M」の文字部分に着目して商品や役務の提供を受けるとするのが相当であり,特に商標については,その場で対比観察して商標を比較することはなく,ある一定の期間と場所を異にして,過去に認識したイメージを基に商標や役務の提供を受けるのが常であり,その要部が共通するのであれば,一般的に異なる出所により生じていると判断するのは一般需要者には困難であって,外観において類似すると判断されるべきものである。
さらに,本件商標も引用商標もそれぞれ円形の図形と「M」の文字を大きく配置していることから,これらより生じる称呼も「エム」又は「円形のエム」といった共通した称呼や観念が生じるものであることを鑑みれば,本件商標と引用商標は,それぞれより生じる外観・称呼・観念のいずれにおいても,相紛れる構成となっていることは上述のとおりであり,してみれば,本件商標と引用商標とは,お互いに類似する商標であることは明白である。
エ 以上のとおり,本件商標と引用商標とは指定する商品又は役務についてもそれぞれ抵触する関係にあることから,本件商標は,提出者が示した引用商標と同一又は類似であって,その指定商品又は指定役務と同一又は類似の商品又は役務について使用するものであり,商標法第4条第1項第11号に該当することは明らかである。

第4 当審の判断
1 商標法第3条第1項柱書該当性について
本件商標は,別掲1の第1図及び第2図に示したとおり,帽子状の立体的形状を表してなるものである。
そして,各種商品,役務を取り扱う業界においては,商品又は役務に関する広告として,店頭看板,人形等の立体的形状が採用されている事実を認め得るところであり,この場合の広告としての種々の立体的形状は,立体商標の使用に当たるというべきである。
なお,申立人は,「例えば,コスチュームプレイで使用される帽子及びそれ以外の被服及び運動用特殊衣服・仮装用特殊衣服の商品を指定しているが,指定商品『被服,運動用特殊衣服,仮装用特殊衣服(帽子を除く。)』については,本件商標の立体的形状を採ることは想定し得ず,かつ,広告として使用されることも当然に想定し得ないから,商品『帽子』及び『ナイトキャップ』等を除く指定商品『被服,運動用特殊衣服,仮装用特殊衣服(帽子を除く。)』については,商標法第3条第1項柱書の規定に該当することは明白である。」旨を主張している。
しかしながら,本件商標が帽子状の立体的形状を表してなるものであるとしても,その指定商品中の「被服(「ナイトキャップ」及び「帽子」を除く。),運動用特殊衣服,仮装用衣服」について,広告として使用されることも当然に想定し得ないと,直ちにいうことができないものであって,また,申立人からは,その主張を裏付ける証拠も提出されていない。
そうすると,本件商標をその指定商品又は指定役務について使用する際には,その帽子状の立体的形状を商品又は役務に関する広告として採用し得ることが,想定できるものといわなければならない。
してみれば,本件商標は,自己の業務に係る商品又は役務について使用をする商標に該当するものであるから,商標法第3条第1項柱書の要件を具備しないものということはできない。
2 商標法第3条第1項第3号該当性について
本件商標は,別掲1の第1図及び第2図のとおりの構成からなる帽子状の立体商標であるところ,その構成全体は,朱色でつばのある丸みを帯びた特徴的な帽子の形状で,正面部分には,下方部が水平に少し切り取られた白抜きの楕円形内に,通常普通に用いられる文字とは際立って相違するデザイン化された朱色の太字の欧文字「M」を表したものと認められる。
また,職権をもって調査するに,この立体商標は,任天堂株式会社のゲーム「スーパーマリオブラザーズ」に登場する有名なキャラクターである「マリオ」が着用している帽子に酷似していると認められるものである。
そうすると,本件商標は,商品の品質や形状,又は役務の提供の用に供する物等を表示する標章のみからなるものとはいえないから,自他商品・役務の識別標識としての機能を果たし得るものである。
なお,申立人は,「本件商標は,帽子としての形状そのものの範囲を出ないものであり,取引実情を考慮するのであれば,指定商品『仮装用特殊衣服』の『帽子』並びに指定役務『衣服及び被服の貸与』等の商品又は役務との関係における『帽子』の形状及び貸与の対象となる『役務の利用に供する物』として,普通に使用されていることは明白である。」旨を主張している。
しかしながら,本件商標の指定商品中の「仮装用衣服」については,この商品に「仮装用特殊衣服」が含まれているとしても,その商品名中の「衣服」の文字は「人間が身にまとうもののうち,被り物(かぶりもの)や履き物,手袋などを除いたものの総称。(日本大百科全書「ニッポニカ」)」との記載があり,「衣服」には,「帽子」が含まれていないものであるから,本件商標をその指定商品中の「仮装用衣服」に使用しても,指定商品の形状そのものを表したものということはできない。
また,本件商標は,その指定役務中の「衣服及び被服の貸与」に使用した場合,仮に,これに接する取引者,需要者が,貸与される対象の「帽子」であると認識したとしても,上記のとおりの構成態様からなるものであって,本件商標の正面部分には下方部が水平に少し切り取られた白抜きの楕円形内に,通常普通に用いられる文字とは際立って相違するデザイン化された朱色の太字の欧文字「M」の部分は,その楕円図形と文字部分が帽子状の立体的形状と合わさって,その構成全体において,特徴的なものとして看取されるものであるから,上記指定役務における貸与される帽子において,自他役務の識別標識として機能し得るとみるのが相当である。
したがって,本件商標は,商標法第3条第1項第3号に該当しない。
3 商標法第4条第1項第11号該当性について
(1)本件商標について
本件商標は,上記2のとおりの帽子状の立体商標であるところ,全体は,朱色でつばのある丸みを帯びた特徴的な形状で,正面部分には,下方部が水平に少し切り取られた白抜きの楕円形内に,通常普通に用いられる文字とは際立って相違するデザイン化された朱色の太字の欧文字「M」を表したものである。
そして,仮に正面部分にある「M」の欧文字が,「エム」と読まれるとしても,単なる欧文字1字よりなる「M」の文字部分のみからは,自他商品・役務の識別標識としての称呼及び観念は生じない。
そうすると,本件商標は,特定の称呼及び観念を生じないものである。
(2)引用商標について
ア 引用商標1及び引用商標2について
引用商標1及び引用商標2は,別掲2のとおり,円輪郭の中に,一部が重なった黒色の二等辺三角形の底辺部分を楕円状に2カ所切り取った図形を配してなるものである。
そして,これよりは,特定の称呼及び観念を生じないものである。
イ 引用商標3について
引用商標3は,別掲3のとおり,黒色の円形内に,M字状の白抜き部分を有する図形である。
そして,これよりは,特定の称呼及び観念を生じないものである。
ウ 引用商標4について
引用商標4は,別掲4のとおり,黒色の円形の中に,一部が重なった白抜きの二等辺三角形の底辺部分を楕円状に2カ所切り取った図形を配してなるものである。
そして,これよりは,特定の称呼及び観念を生じないものである。
エ 引用商標5について
引用商標5は,別掲5のとおり,灰色の正方形内にほぼ正方形に接するように白抜きの円形があり,その中に紺色の「M」の欧文字とその中央に右から左に「?」の図形を配し,その「?」の図形が「M」の欧文字を上下半分に切ったような切れ込みのある図形からなるものである。
そして,白抜きの図形内の「M」の欧文字は,上記のとおり上下に切り込みが入っていることから,該文字は「M」の欧文字とは認識されないものである。
そうすると,これよりは,特定の称呼及び観念を生じないものである。
オ 引用商標6について
引用商標6は,別掲6のとおり,黒色の円形内に,白抜きの稲妻のような図形を横に90度倒したような図形からなるものである。
そして,これよりは,特定の称呼及び観念を生じないものである。
(3)本件商標と引用商標の類否について
本件商標と引用商標とは,外観においては,上記(1)及び(2)のとおりの構成態様よりなるから,外観上,十分区別できるものである。
そして,本件商標と引用商標とは,上記のとおり自他商品・役務の識別標識としての称呼及び観念を生じないものであるから,称呼及び観念については比較することができない。
してみれば,本件商標と引用商標とは,称呼及び観念においては比較できないとしても,外観においては顕著な差異を有するものであるから,両者は,相紛れるおそれのない非類似の商標といわざるを得ない。
したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第11号に該当しない。
4 むすび
以上のとおり,本件商標の登録は,商標法第3条第1項柱書,同第3号及び同法第4条第1項第11号に違反してされたものではないから,同法第43条の3第4項の規定に基づき,その登録を維持すべきものである。
よって,結論のとおり決定する。
別掲 別掲1(本件商標)
第1図


(色彩については,原本参照。)

第2図


(色彩については,原本参照。)

別掲2(引用商標1及び引用商標2)



別掲3(引用商標3)



別掲4(引用商標4)



別掲5(引用商標5)


(色彩については,原本参照。)

別掲6(引用商標6)



異議決定日 2017-12-06 
出願番号 商願2016-143131(T2016-143131) 
審決分類 T 1 651・ 261- Y (W2539414345)
T 1 651・ 262- Y (W2539414345)
T 1 651・ 18- Y (W2539414345)
T 1 651・ 13- Y (W2539414345)
T 1 651・ 263- Y (W2539414345)
最終処分 維持  
前審関与審査官 鈴木 斎 
特許庁審判長 井出 英一郎
特許庁審判官 榎本 政実
真鍋 恵美
登録日 2017-03-10 
登録番号 商標登録第5929954号(T5929954) 
権利者 任天堂株式会社
商標の称呼 エム 
代理人 東谷 幸浩 
代理人 林 栄二 

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