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審決分類 |
審判 査定不服 外観類似 登録しない W25 審判 査定不服 観念類似 登録しない W25 審判 査定不服 商4条1項16号品質の誤認 登録しない W25 審判 査定不服 称呼類似 登録しない W25 |
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管理番号 | 1333351 |
審判番号 | 不服2014-26615 |
総通号数 | 215 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2017-11-24 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2014-12-26 |
確定日 | 2017-01-19 |
事件の表示 | 商願2013- 64971拒絶査定不服審判事件について,次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は,成り立たない。 |
理由 |
1 本願商標 本願商標は,別掲1のとおりの構成よりなり,第25類「被服,履物,運動用特殊靴,帽子,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,仮装用衣服,運動用特殊衣服」を指定商品とし,平成25年8月21日に登録出願されたものである。 そして,指定商品については,当審における平成26年12月26日付け手続補正書により,第25類「イタリアでデザインされた被服,イタリアでデザインされた履物,イタリアでデザインされた運動用特殊靴,イタリアでデザインされた帽子,イタリアでデザインされたガーター,イタリアでデザインされた靴下止め,イタリアでデザインされたズボンつり,イタリアでデザインされたバンド,イタリアでデザインされたベルト,イタリアでデザインされた仮装用衣服,イタリアでデザインされた運動用特殊衣服」と補正されたものである。 2 原査定の拒絶の理由の要点 (1)本願商標は,構成中にイタリア北部の都市である「MILANO」の欧文字を有してなるから,本願指定商品中「イタリア製の商品」以外の商品に使用するときは,商品の品質の誤認を生じるおそれがあるから,商標法第4条第1項第16号に該当する。 (2)本願商標は,以下の引用商標1ないし引用商標6(以下,これらをまとめて「引用商標」という。)と同一又は類似の商標であって,その商標に係る指定商品と同一又は類似の商品について使用をするものであるから,商標法第1条第1項第11号に該当する。 ア 登録第1909530号商標(以下「引用商標1」という。) 引用商標1は,別掲2のとおりの構成よりなり,昭和56年10月8日に登録出願,商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として,同61年11月27日に設定登録され,その後,平成19年2月21日に第3類「つけづめ,つけまつ毛」,第6類「金属製のバックル」,第8類「ひげそり用具入れ,ペディキュアセット,まつ毛カール器,マニキュアセット」,第10類「耳かき」,第14類「身飾品,貴金属製のがま口及び財布,宝玉及びその模造品,貴金属製コンパクト」,第18類「かばん類,袋物,携帯用化粧道具入れ」,第21類「化粧用具(「電気式歯ブラシ」を除く。)」,第25類「ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト」及び第26類「腕止め,衣服用き章(貴金属製のものを除く。),衣服用バッジ(貴金属製のものを除く。),衣服用バックル,衣服用ブローチ,帯留,ボンネットピン(貴金属製のものを除く。),ワッペン,腕章,ボタン類,造花(「造花の花輪」を除く。),つけあごひげ,つけ口ひげ,ヘアカーラー(電気式のものを除く。)」とする指定商品の書換登録がされたものである。 イ 登録第2035726号商標(以下「引用商標2」という。) 引用商標2は,別掲3のとおりの構成よりなり,昭和56年3月18日に登録出願,商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として,同63年3月30日に設定登録され,その後,平成20年8月13日に第5類「失禁用おしめ」,第9類「事故防護用手袋,防じんマスク,防毒マスク,溶接マスク,防火被服」,第10類「医療用手袋」,第16類「紙製幼児用おしめ」,第17類「絶縁手袋」,第20類「クッション,座布団,まくら,マットレス」,第21類「家事用手袋」,第22類「衣服綿,ハンモック,布団袋,布団綿」,第24類「布製身の回り品,かや,敷布,布団,布団カバー,布団側,まくらカバー,毛布」及び第25類「被服」とする指定商品の書換登録がされたものである。 ウ 登録第2089821号商標(以下「引用商標3」という。) 引用商標3は,別掲2のとおりの構成よりなり,昭和56年10月8日に登録出願,商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として,同63年10月26日に設定登録され,その後,平成21年2月25日に第5類「失禁用おしめ」,第9類「事故防護用手袋,防じんマスク,防毒マスク,溶接マスク,防火被服」,第10類「医療用手袋」,第16類「紙製幼児用おしめ」,第17類「絶縁手袋」,第20類「クッション,座布団,まくら,マットレス」,第21類「家事用手袋」,第22類「衣服綿,ハンモック,布団袋,布団綿」,第24類「布製身の回り品,かや,敷布,布団,布団カバー,布団側,まくらカバー,毛布」及び第25類「被服」とする指定商品の書換登録がされたものである。 エ 登録第3133265号商標(以下「引用商標4」という。) 引用商標4は,別掲4のとおりの構成よりなり,平成5年3月17日に登録出願,第25類「被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト」を指定商品として,同8年3月29日に設定登録されたものである。 オ 登録第4843027号商標(以下「引用商標5」という。) 引用商標5は,別掲3のとおりの構成よりなり,平成15年3月17日に登録出願,第25類「履物,仮装用衣服,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」を指定商品として,同17年3月4日に設定登録されたものである。 カ 登録第5255377号商標(以下「引用商標6」という。) 引用商標6は,「MAGGY」の欧文字を横書きしてなり,平成21年1月26日に登録出願,第35類「織物及び寝具類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,被服の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,履物の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,かばん類及び袋物の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,身の回り品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」を指定役務として,同年8月7日に設定登録されたものである。 なお,原査定では,以上の6件の引用商標のほか,14件の登録商標を拒絶の理由として引用している。 3 当審の判断 (1)商標法第4条第1項第16号該当性について 本願の指定商品については,上記1のとおり補正された結果,本願商標を補正後の指定商品について使用しても,商品の品質について誤認を生ずるおそれはないものというべきである。 したがって,本願商標が商標法第4条第1項第16号に該当するとして本願を拒絶した上記拒絶の理由2(1)は解消した。 (2)商標法第4条第1項第11号該当性について ア 本願商標について 本願商標は,別掲1のとおり,語頭の「M」の欧文字について,その左端の縦線をやや長く伸ばし,先端を「J」の欧文字のようにやや外側に曲げた特徴を有するが,「MAGGIE MILANO」の欧文字を書したものと容易に理解できるものである。 そして,本願商標の構成中,後半の「MILANO」の欧文字部分が,「イタリア北部の都市」(株式会社岩波書店発行 広辞苑第六版)を指称する語として広く一般に知られているものであることからすれば,本願商標を上記1のとおりの補正後の指定商品に使用するときは,それに接する取引者,需要者は,当該「MILANO」の欧文字を,イタリア国ミラノでデザイン等された商品であることを表す部分,すなわち,商品の品質を表示した部分と容易に認識するものとみるのが相当である。 そうすると,本願商標は,その構成中,前半の「MAGGIE」の欧文字が出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものであるから,当該欧文字のみを抽出し,他人の商標と比較して商標そのものの類否を判断することが許されるというべきである。 してみれば,本願商標は,その構成中「MAGGIE」の欧文字から「マギー」の称呼を生じ,「『マギー』という女性の名又は愛称」の観念を生じるというのが相当である。 イ 引用商標について (ア)引用商標1及び引用商標3は,別掲2のとおり,ややデザイン化された「maggy」の欧文字と「マギー」の片仮名とを二段に横書きしてなるところ,下段の片仮名が上段の欧文字の読みを特定したものと認められることから,「マギー」の称呼が生ずるとみるのが自然であり,「『マギー』という女性の名又は愛称」の観念を生じるというのが相当である。 (イ)引用商標2及び引用商標5は,別掲3のとおり,「銀座」の漢字と「マギー」の片仮名からなるところ,「銀座」の漢字は,商品の産地,販売地を表したものと認識される上,当該漢字は「マギー」の片仮名に比べて小さく表されている。 そうすると,引用商標2及び引用商標5は,「マギー」の片仮名部分が,出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものであるから,その構成中の「マギー」の片仮名に相応して「マギー」の称呼及び「『マギー』という女性の名又は愛称」の観念を生じるというのが相当である。 (ウ)引用商標4は,別掲4のとおり「マギー」の片仮名を横書きしてなり,これより「マギー」の称呼を生じること明らかであり,「『マギー』という女性の名又は愛称」の観念を生じるものというのが相当である。 (エ)引用商標6は,「MAGGY」の欧文字を横書きしてなり,これより「マギー」の称呼を生じ,「『マギー』という女性の名又は愛称」の観念を生じるものというのが相当である。 ウ 本願商標と引用商標との類否について 本願商標と引用商標との称呼を比較すると,上記アのとおり,本願商標からは「マギー」の称呼が生じるものであり,上記イのとおり引用商標からも「マギー」との称呼が生じるものであるから,両商標は,称呼を同一にするものである。 また,本願商標と引用商標との観念を比較すると,上記ア及びイのとおり,本願商標と引用商標は,ともに「『マギー』という女性の名又は愛称」の観念を生じるものであるから,両商標は,観念を同一にするものである。 さらに,本願商標と引用商標との外観については,上記ア及びイのとおり,その構成が明らかに異なるものであるから,両者は,外観において相違するものである。 エ 小括 以上によれば,本願商標と引用商標とは,外観上相違する点があるとしても,「マギー」の称呼及び「『マギー』という女性の名又は愛称」の観念を同一にするものであるから,これらを総合して考察すれば,両者は,互いに相紛れるおそれのある類似の商標というべきである。 そして,本願と引用商標1の指定商品は商品「ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト」,本願と引用商標2は商品「被服」,本願と引用商標4は商品「被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト」,及び本願と引用商標5の指定商品は商品「履物,運動用特殊靴,仮装用衣服,運動用特殊衣服」を共通にするから,本願と引用商標1ないし5の指定商品は,同一又は類似する。 加えて,本願の指定商品「イタリアでデザインされた被服,イタリアでデザインされた履物」と引用商標6の指定役務「被服の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,履物の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」とは,商品の販売と役務の提供が一般的に同一事業者によって行われるものであり,また,商品の販売場所と役務の提供場所とを同一にし,さらに,需要者を共通にするものであるから,本願の指定商品と引用商標6に係る指定役務とは類似するものとみるのが相当である。 したがって,本願商標は商標法第4条第1項第11号に該当する。 (3)請求人の主張について ア 請求人は,「本願商標は,全体として一体不可分の造語として認識された結果,『ミラノのマギーという女性』という観念と『マギーミラノ』の称呼が生じるとするのが自然である」旨主張している。 しかしながら,本願商標は,その構成中「MAGGIE」の欧文字部分が出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものであるから,この部分だけを抽出し,他人の商標と比較して商標そのものの類否を判断することが許されるというべきであることは,上記3(2)で述べたとおりである。 イ 請求人は,本願商標構成中の「MILANO」の欧文字は,人物の姓として用いられることも多いことから,本願商標を人物名と認識する需要者等が存在しても不思議ではなく,その場合,本願商標からは「マギー・ミラノという人物名」という観念と,「マギーミラノ」の称呼が生じる旨主張している。 しかしながら,我が国において,「MILANO」の欧文字は,上記3(2)で述べたとおり,「イタリア北部の都市」を意味するものとして広く一般に知られている語であって,当該文字が人物の姓を表すものとして一般に認識されているとはいい難いものであり,かつ,請求人の提出した証拠は,「ミラノ」の姓を表す人物として「アリッサ・ミラノ」氏(甲5)のみであり,これのみをもって,需要者等が本願商標中の「MILANO」の欧文字を人物の姓を表すものであると認識,把握するとは認めることができない。 ウ 請求人は,「引用商標はいずれも株式会社銀座マギーが有するものであり,株式会社マギーやそのブランド『銀座マギー』及び『maggy』のロゴマークは,少なくともいわゆる熟年層世代の需要者には広く知られているものであり,需要者等は銀座マギーを日本の銀座の代表的ファッションブランドであると認識している。それに対し,本願商標は明らかに外国のファッションブランドを表すものであるから,両者の差異は明確であり,現実上の誤認混同のおそれは低い。」旨主張している。 しかしながら,引用商標の商標権者のブランド名が広く知られているものであるとしても,本願商標と引用商標からは「マギー」の称呼及び「『マギー』という女性の名又は愛称」の観念が生じ,本願商標と引用商標が類似するものであることは,上記3(2)で述べたとおりである。 エ 小括 したがって,上記の請求人の主張は,いずれも採用することができない。 (4)むすび 以上のとおり,本願商標は,商標法第4条第1項第16号に該当しないものであるとしても,本願商標と引用商標とは類似する商標であり,かつ,本願の指定商品は引用商標指定商品又は指定役務と類似するものであるから,同法第4条第1項第11号に該当し,登録することができない。 よって,結論のとおり審決する。 |
別掲 |
別掲1(本願商標) 別掲2(引用商標1及び引用商標3) 別掲3(引用商標2及び引用商標5) 別掲4(引用商標4) |
審理終結日 | 2015-05-18 |
結審通知日 | 2015-05-22 |
審決日 | 2015-06-02 |
出願番号 | 商願2013-64971(T2013-64971) |
審決分類 |
T
1
8・
272-
Z
(W25)
T 1 8・ 262- Z (W25) T 1 8・ 261- Z (W25) T 1 8・ 263- Z (W25) |
最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 今田 尊恵 |
特許庁審判長 |
早川 文宏 |
特許庁審判官 |
前山 るり子 小林 裕子 |
商標の称呼 | マギーミラノ、マギー |
代理人 | 長谷川 綱樹 |
代理人 | 木村 吉宏 |
代理人 | 小谷 武 |
代理人 | 永露 祥生 |
代理人 | 伊東 美穂 |