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審決分類 |
審判 全部無効 外観類似 無効とする(請求一部成立)取り消す(申し立て一部成立) W03 審判 全部無効 称呼類似 無効とする(請求一部成立)取り消す(申し立て一部成立) W03 審判 全部無効 商4条1項19号 不正目的の出願 無効とする(請求一部成立)取り消す(申し立て一部成立) W03 審判 全部無効 商4条1項15号出所の混同 無効とする(請求一部成立)取り消す(申し立て一部成立) W03 審判 全部無効 観念類似 無効とする(請求一部成立)取り消す(申し立て一部成立) W03 |
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管理番号 | 1333338 |
審判番号 | 無効2017-890020 |
総通号数 | 215 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2017-11-24 |
種別 | 無効の審決 |
審判請求日 | 2017-03-16 |
確定日 | 2017-09-11 |
事件の表示 | 上記当事者間の登録第5860158号商標の商標登録無効審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 登録第5860158号の指定商品中、第3類「化粧品,ヘアーリンス,パック用化粧料,せっけん類,シャンプー」についての登録を無効とする。 その余の指定商品についての審判請求は成り立たない。 審判費用は、その2分の1を請求人の負担とし、2分の1を被請求人の負担とする。 |
理由 |
第1 本件商標 本件登録第5860158号商標(以下「本件商標」という。)は、「ミニョンディーセス」の文字を標準文字で表してなり、平成27年12月15日に登録出願、同28年5月10日に登録査定、第3類「化粧品,ヘアーリンス,パック用化粧料,せっけん類,シャンプー,歯磨き,洗口液,口臭用消臭剤,香料,薫料,つけづめ,つけまつ毛」及び第5類「サプリメント,食餌療法用飲料,食餌療法用食品,酵素製剤,ビタミン剤,アミノ酸剤,滋養強壮変質剤」を指定商品として、同年6月17日に設定登録されたものである。 第2 引用商標 請求人が本件商標の登録無効の理由に引用する登録第4230865号商標(以下「引用商標」という。)は、「deesse’s」の文字と「ディーセス」の文字を上下二段に横書きしてなり、平成9年11月20日に登録出願、第3類「せっけん類,香料類,化粧品」を指定商品として、同11年1月14日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。 第3 請求人の主張 請求人は、「本件商標の登録を無効とする。審判費用は被請求人の負担とする。」との審決を求め、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第66号証(枝番号を含む。なお、枝番号を有する証拠において、枝番号のすべてを引用する場合は、枝番号の記載を省略する。)を提出した。 1 請求の理由 本件商標の登録は、以下の理由により、商標法第4条第1項第11号、同項第15号及び同項第19号に違反してされたものであるから、同法第46条第1項の規定により無効とされるべきである。 (1)引用商標等の周知・著名性について ア 請求人について 請求人は、1960年に設立されたヘアケア用品の製造・販売等を行う企業である(甲3)。業務用頭髪化粧品市場は、エイジングケアヘの関心の高まり等により拡大を続けており、2015年には840億円規模に至っている。そのような業務用頭髪化粧品市場において、請求人が販売等する商品は長年にわたり上位シェアを維持し続けており、2013年以降はトップシェアを誇るまでに至っている。請求人の2015年の売上(出荷額)及びシェアは約130億円、15.6%であった(甲4、甲5)。 イ 引用商標等について (ア)請求人は、1999年6月(甲3)以来現在に至るまで、引用商標及びこれと社会通念上同一である商標「DEESSE’S」や「ディーセス」(これらをまとめて、以下「引用商標等」という。)をシャンプー等の頭髪用せっけん類やトリートメント等の頭髪用化粧品(これらの商品をまとめて、以下「請求人商品」という場合がある。)に使用し(甲7?甲9)、日本全国に販売してきた。 また、請求人は、請求人商品のシリーズ商品を毎年のように発表し、これらの商品に、「ディーセス S」や「ディーセス アウフェ」などのように、引用商標等と他の文字を結合した商標を多数使用している(甲10?甲13)。その結果、商標中に「ディーセス」の片仮名文字を含む商標は、取引者・需要者に請求人の販売に係る商品であると認識させるに至っている。 (イ)請求人商品及びそのシリーズ商品の売上は、2015年には約60億円に達した(甲6)。これは業務用頭髪化粧品市場の7%を占めるものであり、約130億円の売上げ(2015年)でトップシェアを誇る請求人の売上げの約半分を占める程の主力製品である。第2位のメーカーの年間売上げが70億円(2015年)、第3位のメーカーの年間売上げが55億円(2015年)で(甲4、甲5)、これらメーカーの売上げが全取扱商品を含むものであることに鑑みれば、シリーズ商品のみで他の上位メーカーの年間売上げに引けを取らない程の売上げを誇っている請求人商品が、いかに高いシェアと著名性を誇っているかが看て取れる。 ウ 広告等 (ア)請求人は、毎年、国内大都市において、販売ディーラーを対象とした「政策発表会」、美容室関係者を対象とした「グレードアップセミナー」を開催し、これらの場において、請求人商品の新シリーズ商品の発表も行っている。「政策発表会」は東京会場だけでも毎年400?500名もの販売ディーラーが参加する大々的なものである(甲14)。また、「グレードアップセミナー」も、参加者は合計3,000名を超える規模となっている。また、請求人は、各販売ディーラーや美容室を訪れ、請求人商品の宣伝、普及に努め、かつ、セミナーやイベントを継続的に開催し、請求人商品を実際に使用してもらえる場を設けている。 (イ)請求人商品は、1999年の初版発行から約180万部のリーフレット・パンフレットが発行されており、請求人商品のシリーズ商品を含め、総部数2,300万部以上ものパンフレットやリーフレットが発行されている(甲15)。 エ 受賞歴及び美容サロン以外での販売 (ア)日本最大のコスメ・美容の総合サイト「@cosme」では、ベストコスメアワードとして、一般消費者の口コミにより選ばれた年間のベストコスメを発表している。請求人商品及びそのシリーズ商品は、ベストコスメアワード2015のベストヘアケア部門において第1位、第3位、第6位に入賞した(甲16、甲17)。「@cosme」はヘアケア用品、化粧品類についての情報を得る際に利用されることが圧倒的に多いサイトであり、このようなサイトにおいて、人気商品上位10位以内に請求人商品及びそのシリーズ商品が3商品も入賞していることからも、一般消費者の認知度が非常に高い商品であることがわかる。 また、請求人商品及びそのシリーズ商品は、2009年、2012年、2014年にグッドデザイン賞も受賞した(甲18)。 以上のように、請求人商品及びそのシリーズ商品は、ヘアケア用品や化粧品類に興味のある層だけでなく、広く一般にもアピールされているシリーズであるといえる。 (イ)請求人商品及びそのシリーズ商品は、もともと美容室向け商品であり、一般消費者は美容室を介して購入していたが、請求人商品及びそのシリーズ商品の人気が高いものであったため、現在では美容室以外の、例えば、大手インターネット通販サイトや大手小売店で一般消費者が直接購入することができるようになり、当該ルートによる販売数も増えており、例えば、2016年12月時点の楽天市場のランキングを見ると、入浴時以外に使用するトリートメント類を集めた「アウトバストリートメント」週間ランキングにおいて、請求人商品及びそのシリーズ商品は、上位20位内に8商品、上位80位以内に31商品がランクインした(甲19)。また、請求人商品及びそのシリーズ商品は、Loftや東急ハンズなどの大手小売店でも販売されている(甲20、甲21)。 オ テレビ、雑誌、インターネット等における紹介記事 請求人商品及びそのシリーズ商品は、前記ウのとおり、請求人による広告活動に加え、テレビの人気番組に取り上げられ(甲22、甲23)、さらに、多数のファッション雑誌等で紹介され(甲24?甲43)、また、ブログ等でも数多く取り上げられている(甲44?甲61)。 カ 以上より、引用商標等が需要者である美容業界の関係者や一般消費者において広く知られるに至っていることは疑いがない。 (2)商標法第4条第1項第11号該当性について ア 本件商標 本件商標は、「ミニョンディーセス」の文字を標準文字で表してなるところ、「ミニョン」の文字部分は、本件商標権者の名称(株式会社MIGNON JAPAN)の略称であり、また、「ミニョン」(mignon)の文字は「(小さくて)かわいい」を意味するフランス語でもあるため(甲64)、本件商標を「ミニョン」と「ディーセス」の2語からなると認識する取引者・需要者がいるとみるのは自然である。 化粧品やファッションの各分野ではフランス語が用いられることが多く、特に小さくてかわいい様を表す形容詞である「ミニョン」(mignon)の文字も、これら分野において多用される傾向にある。例えば、インターネット検索で、「mignon 化粧品」は、約22万件もの検索結果がヒットし、「mignon ファッション」は、約44万件もの検索結果がヒットするなど(甲65)、「ミニョン」(mignon)の文字はそれほど強い自他商品識別性を発揮するとはいえない。 他方、「ディーセス」の文字は、造語であり、前記のとおり、請求人の商標として周知・著名であるため、本件商標に接する需要者は、本件商標のうち「ディーセス」の文字部分が強く支配的な部分であると看取するとみるのが相当である。 よって、本件商標からは、「ミニョンディーセス」の称呼に加え、「ディーセス」の文字部分に則して「ディーセス」の称呼も生ずるとみるべきである。また、本件商標からは、全体の構成文字に則して「請求人の販売するヘアケア用品であるディーセスシリーズの(小さくて)かわいい商品」との観念が生ずることに加え、「ディーセス」の文字部分に則して、単に「請求人の販売するヘアケア用品であるディーセス」なる観念も生ずる。 イ 引用商標 引用商標は、「deesse’s」の文字と「ディーセス」の文字を上下二段に横書きしてしてなるものであり、下段の「ディーセス」の文字が上段の「deesse’s」の文字の読みを特定したものと理解されることに加え、引用商標等が周知・著名となっていることから、引用商標からは「ディーセス」の称呼のみが生ずる。また、引用商標は、特定の意味を有しない造語であるが、その周知・著名性から、「請求人の販売するヘアケア用品であるディーセス」との観念が生ずる。 ウ 本件商標と引用商標の対比 本件商標及び引用商標から生ずる称呼「ディーセス」は同一である。 また、両商標から生ずる「請求人の販売するヘアケア用品であるディーセス」との観念は同一である。 前記イのとおり、本件商標は、独立して認識され得る「ディーセス」の文字が引用商標の片仮名部分と同一であることからすれば、外観上も近似した印象を与える。 したがって、本件商標と引用商標とは外観、称呼及び観念において相紛らわしい類似の商標である。 エ 小括 以上のとおり、本件商標と引用商標とは類似の商標であり、本件商標の指定商品中の「化粧品,ヘアーリンス,パック用化粧料,せっけん類,シャンプー」は、引用商標の指定商品と同一又は類似の商品であるから、本件商標の指定商品のうち上記商品については、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものである。 (3)商標法第4条第1項第15号該当性について ア 引用商標等の周知・著名性 前記(1)のとおり、引用商標等は、請求人の販売するヘアケア商品の商標として、その需要者である美容業界の関係者及び一般消費者の間において周知・著名となっている。 イ 商標の類似性 本件商標は、フランス語で「(小さくて)かわいい」を意味し、化粧品等の分野において多く使用されている単語でもある。「ミニョン」の文字は被請求人の名称であるものの、需要者において周知であるとの事情も見受けられないことからすれば、「ミニョン」の文字部分の識別力は「ディーセス」の文字と比して高くなく、本件商標に接する需要者は、「ミニョン」の文字よりも「ディーセス」の文字に着目し、「ディーセス」を要部として取引に資するものといえる。 したがって、本件商標と引用商標等とは、外観、称呼及び観念において互いに相紛らわしい類似の商標である。 ウ 商品の関連性 引用商標等は、頭髪用せっけん類、頭髪用化粧品に使用されるものであるところ、これと類似する本件商標の指定商品中の「化粧品,ヘアーリンス,パック用化粧料,せっけん類,シャンプー」はもちろんのこと、「歯磨き,洗口液,口臭用消臭剤,香料,薫料,つけづめ,つけまつ毛」や「サプリメント,食餌療法用飲料,食餌療法用食品,酵素製剤,ビタミン剤,アミノ酸剤,滋養強壮変質剤」といった栄養補助食品類についても、需要者層が重なるなど関連性が高い商品である。 エ 出所の混同 以上を総合すると、本件商標を請求人商品及びそのシリーズ商品と同一又は類似の商品や関連性の高い商品に使用すれば、その商品が請求人又は請求人と何らかの関係にある者の業務に係る商品であると誤信されるおそれがある。現にその混同性については、請求人商品を美容室等に卸している取引ディーラーや美容室の経営者が陳述していることからも明らかである(甲66)。 オ 小括 以上より、本件商標は、その指定商品中、商標法第4条第1項第11号に該当しない商品については、同項第15号に違反して登録されたものである。 (4)商標法第4条第1項第19号該当性について ア 引用商標等の周知・著名性については、前記(1)のとおりであり、本件商標と引用商標等との類似性については、前記(3)のとおりである。 イ 本件商標の商標権者(以下「本件商標権者」という。)の代表取締役であるAは、本件商標権者と同一の住所に本店を置くBの代表取締役でもある(甲62)ところ、Bは、ヘアエクステンション等のヘア美容商材を業として扱う会社であること(甲63)からすれば、本件商標権者は、本件商標の出願時において、美容業界、特に業務用頭髪化粧品市場に関しても精通していたとみるのが自然である。そのような者が、業務用頭髪化粧品業界トップシェアのブランドである引用商標等を知らないはずがなく、周知・著名な引用商標等の「ディーセス」の文字をそのまま含む本件商標を偶然に採択したなどとは到底考えられない。本件商標の指定商品には、シャンプーやヘアーリンスが積極表示されており、これら商品へ使用する意図がうかがえる。本件商標権者は、本件商標を独自に採択したというよりも、むしろ周知・著名な引用商標等の顧客吸引力にただ乗り(フリーライド)せんとする不正な意図をもって故意に本件商標を採択したとみるのが自然である。 ウ したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第19号に違反して登録されたものである。 第4 被請求人の主張 被請求人は、前記第3の請求人の主張に対し、何ら答弁をしていない。 第5 当審の判断 前記第3の請求人の主張によれば、請求人が本件審判を請求するにつき、利害関係を有する者であると認められる。よって、以下、本案に入って審理する。 1 「ディーセス」及び「DEESSE’S」商標の周知・著名性 (1)請求人の提出した証拠によれば、以下の事実を認めることができる。 ア 「ディーセス」及び「DEESSE’S」商標及びその使用商品について (ア)請求人は、1960年(昭和35年)に、化粧品(コールドパーマ剤、シャンプー等)の製造・販売を目的に設立され、1965年(昭和40年)に、現在の商号に変更した(甲3)。請求人は、1999年(平成11年)6月に、カラー毛対応のヘアケア商品「ディーセス」の発売を開始した。それ以降、2017年(平成29年)1月にかけて、「ディーセス S」、「ディーセスデイサマーミスト」、「ディーセスエルジューダエマルジョン」、「ディーセス デイチャームUVミスト」等の「ディーセス」、「deesse’s」の商標又はこれらの文字を冠した商標を付した業務用の頭髪用化粧品及び業務用の頭髪用せっけん類(以下「『ディーセス』シリーズ商品」という。)を販売、広告してきた(甲3、甲7?甲13、甲15等)。 (イ)「富士経済マーケットデータの要約/2015年メーカー出荷額データ」(出所:業務用化粧品市場の戦略分析2016年度版、発行日:2016年5月、発行所:株式会社富士経済)の「カテゴリー別出荷実績推移・シェア推移(ヘアケア)」によれば、請求人の出荷額及びシェアは、2010年(平成22年)から2012年(平成24年)にかけて、いずれの年も2位であったが、2013年(平成25年)から2016年(平成28年:見込)にかけては、いずれの年も1位であった。特に、2015年(平成27年)の出荷額は約130億円でシェアは15.6%であり、2016年(見込)の出荷額は約140億円でシェアは16.2%であって、2位以下を大きく引き離した(甲4)。 また、前記資料によれば、「業務用頭髪化粧品市場に占める各メーカーブランドシェア(出荷額ベース)」については、請求人の「ミルボン」(メーカーブランド)は、2014年(平成26年)が14.4%、2015年(平成27年)が15.6%と、いずれの年も1位であった(甲5)。さらに、前記資料によれば、「『ディーセス』シリーズ商品 出荷実績及びシェア」は、2014年(平成26年)の出荷本数が約834万本、出荷額が約60億円、業務用頭髪化粧品市場合計出荷額に占める「ディーセス」シリーズ商品シェアが7.5%であり、2015年(平成27年)の出荷本数が約832万本、出荷額が約58億円、業務用頭髪化粧品市場合計出荷額に占める「ディーセス」シリーズ商品シェアが6.9%であった。そして、「請求人・業務用頭髪化粧品合計出荷額に占める『ディーセス』シリーズ商品シェア」は、2014年(平成26年)が51.7%で、2015年(平成27年)が44.3%であった(甲6)。 (ウ)「ディーセス」シリーズ商品は、ディーラーを介して美容室に販売され、主として美容室で消費される業務用頭髪化粧品等であり、美容室において顧客の要望があれば、一般の消費者にも販売される美容室専売の商品であると認められる(甲14、甲18、甲35、甲45等)。そして、請求人は、ディーラーを対象にした「政策発表会」を、少なくとも2014年(平成26年)及び2015年(平成27年)に東京で開催し、2015年(平成27年)の同会では、新製品として「ディーセスディチャームUVミスト」の発売を発表した(甲14)。 なお、2013年(平成25年)1月11日付けブログには、「『ミルボン』の『ディーセスノイドゥーエ』・・・甘い香りで好きだったんですが、最近人気なのか、東急ハンズに買いに行ったら売り切れなんです。入荷もいつか分からないと・・・」などと記載され、一部の大手小売店でも一般の消費者を対象に販売されていたことがうかがえる(甲20)。また、本件商標の登録査定日後である2016年(平成28年)12月時点において、楽天市場の「アウトバストリートメントランキング」に「ディーセス」シリーズ商品が掲載されていることが認められ、「ディーセス」シリーズ商品が、いつの時点からインターネット通販で販売されたかは、請求人の提出した証拠から明らかではないが、本件商標の登録査定日後において、インターネット通販で販売されたことは認められる(甲19)。 イ 広告等について (ア)請求人は、1999年から2014年に「ディーセス」シリーズ商品の発売に際し、パンフレット及びリーフレットを作成・頒布したと推認され、その発行部数は総計2,300万部を超えるとされる(甲15)。また、「ディーセス」シリーズ商品の一部は、その発売に際し、ニュースリリースがされた(甲10?甲12)。 (イ)「ディーセス」シリーズ商品は、日本テレビ放送網株式会社の毎週月曜日から金曜日の11時55分から13時55分にかけて放送される番組「ヒルナンデス!」において、2013年(平成25年)6月18日の放送で取り上げられた(甲22、甲23)。また、これらの商品は、2014年(平成26年)秋頃から2015年(平成27年)にかけて発行された若い女性を主な読者層とする多くの雑誌(sweet、mina、GLOW、with、MAQUIA、ViVi、LARME、美的、GINGER、VOGUE JAPAN等)に紹介され(甲24?甲43)、さらに、インターネット上のブログ等でも紹介された(甲44?甲61)。 ウ 受賞等について 「ディーセス」シリーズ商品は、コスメ・美容の総合サイト「@cosme」が主催する「ベストコスメアワード2015」のベストヘアケア部門において1位、3位、6位に入賞した(甲16、甲17)。なお、「ベストコスメアワード2015」は、「ベーシックスキンケア」、「スペシャルスキンケア」、「ベースメイク」、「アイメイク」、「リップ・チーク・ネイル」、「ボディ」、「ヘア」、「ビューティグッズ・日用品」の各部門に分かれ、それぞれの部門がさらに下位の部門に細分化されており、「ヘア」部門は、上記「ヘアケア」のほか、「シャンプー・コンディショナー」、「ヘアスタイリング」、「ヘアカラー」の各部門に区分けされている(甲16)。 また、「ディーセス」シリーズ商品は、2009年(平成21年)、2012年(平成24年)、2014年(平成26年)にグッドデザイン賞を獲得した(甲18)。 (2)前記(1)で認定した事実によれば、請求人は、業務用の頭髪用せっけん類・頭髪用化粧品の製造・販売会社として我が国において有力な企業の一つであるといえる。そして、「ディーセス」シリーズ商品は、1999年(平成11年)6月から、美容室向けの商品として販売が開始され、少なくとも本件商標の登録査定日である平成28年5月10日まで、約17年にわたり継続して販売・広告されてきた請求人の主力商品といえるものである。 また、「ディーセス」シリーズ商品は、業務用頭髪化粧品市場におけるシェアも、2014年(平成26年)に7.5%、2015年(平成27年)に6.9%であり、業務用頭髪化粧品市場に限ってみれば、極めて高いとはいえないとしても決して低いものとはいえないこと、「ディーセス」シリーズ商品が、コスメ・美容の総合サイト「@cosme」が主催する「ベストコスメアワード2015」のベストヘアケア部門において、一般消費者の口コミにより1位、3位、6位に選ばれたり、あるいは、若い女性を主な読者層とする数多くのファッション関連の雑誌やブログ等で取り上げられたことなどを認めることができる。 しかしながら、「ディーセス」シリーズ商品は、美容室専売の商品であって、その販売方法・場所、その需要者も限定されているばかりか、当該商品が属する業務用頭髪化粧品市場は、一般の頭髪用化粧品の市場に比べると、その規模がかなり小さいものと優に推認することができるから、「ディーセス」シリーズ商品の業務用頭髪化粧品市場におけるシェアが前記のとおり相当程度あったとしても、頭髪用化粧品の市場全体からみれば、そのシェアは高いものではないというべきである。このことは頭髪用せっけん類についても同様である。 また、「ディーセス」シリーズ商品が、本件商標の登録出願前に、一部の小売店において販売されていたことがうかがえるとしても、本件商標の登録出願前後からその登録査定時までに、その売上高・販売数量がどの程度であったのかは明らかではない。さらに、請求人は、美容室向けに、販売代理店を介してリーフレット等を頒布したと推認することはできるが、一般の需要者に向けて、新聞や雑誌等を介して積極的に宣伝広告活動をしたと認めるに足りる証拠はない。さらに、「ディーセス」シリーズ商品がファッション関連の雑誌で紹介されたとしても、このための特集を組んで紹介されたわけではなく、多数掲載された頭髪用化粧品等のうちの一つとして紹介されたにすぎず、さほど目立つ態様での掲載とはいえない。さらに、「ディーセス」シリーズ商品が「@cosme」サイトが主催する「ベストコスメアワード2015」のベストヘアケア部門において、1位、3位、6位に選ばれたとしても、多数ある部門のうちの「ヘア」部門の、しかもヘアケア部門と極めて限定された部門での入賞といえるばかりか、「@cosme」サイトが、請求人が主張する“化粧品類についての情報を得る際に利用されることが圧倒的に多いサイト”であることを裏付ける証拠の提出はなく、したがって、同サイトの極めて限定された部門で入賞した事実が、引用商標等が化粧品の分野の需要者の間に広く浸透していることに直結するということはできない。 そうすると、「ディーセス」シリーズ商品は、美容室関係者の間においては、よく知られていたものと認めることができるが、世間一般に広く知られるに至ったとはいえず、一般の消費者に知られていたとしても、ごく一部の者に限られていたとみるのが相当である。 したがって、「ディーセス」及び「DEESSE’S」商標は、「ディーセス」と称呼されて、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、「ディーセス」シリーズ商品の出所を表示するものとして、主として美容室関係者の間において、広く認識されていたというべきであるが、これらの商標が「業務用の頭髪用せっけん類・頭髪用化粧品」を取り扱う分野を超えてなお、その著名性を獲得していたということはできない。 2 商標法第4条第1項第11号該当性について (1)本件商標の指定商品と引用商標の指定商品について 本件商標の指定商品中、「化粧品,ヘアーリンス,パック用化粧料,せっけん類,シャンプー,香料,薫料」は、引用商標の指定商品「せっけん類,香料類,化粧品」と同一又は類似の商品と認められる。 (2)本件商標について ア 本件商標の構成 本件商標は、前記第1のとおり、「ミニョンディーセス」の文字を標準文字で表してなる商標であるところ、該文字は、同一の書体をもって同一の間隔で表され、外観上まとまりよく表されているといえる。また、本件商標の構成文字全体から生ずると認められる「ミニョンディーセス」の称呼は、よどみなく称呼し得るものである。しかし、本件商標は、構成全体をもって親しまれた成語を表すものではない。 イ 本件商標をその指定商品中の「業務用の頭髪用せっけん類・頭髪用化粧品」について使用した場合 前記アのとおり、本件商標は、その外観及び称呼において一体性を有するものの、観念において、これを常に一体のものとして把握すべき理由は見いだせない。 そして、本件商標中の「ディーセス」の文字部分は、前記1のとおり、「ディーセス」シリーズ商品を表示するものとして、「業務用の頭髪用せっけん類・頭髪用化粧品」の分野の取引者、需要者の間に広く認識されている商標「ディーセス」と同一の文字列よりなるものである。 そうすると、本件商標をその指定商品中、「業務用の頭髪用せっけん類・頭髪用化粧品」と同一又は類似の商品である「化粧品,ヘアーリンス,パック用化粧料,せっけん類,シャンプー」について使用した場合は、これに接する取引者、需要者は、その構成中の「ディーセス」の文字部分に強く印象付けられるというべきである。 したがって、本件商標は、これをその指定商品中の「化粧品,ヘアーリンス,パック用化粧料,せっけん類,シャンプー」について使用した場合は、「ディーセス」の文字部分がその取引者、需要者に対し、商品の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものと認められるから、本件商標全体を称呼した場合の「ミニョンディーセス」の称呼のほか、「ディーセス」の文字部分より、単に「ディーセス」の称呼をも生ずるというべきである。そして、「ディーセス」の語は、特段の観念を有しない造語と理解されるものである。 ウ 本件商標をその指定商品中の「香料,薫料」について使用した場合 前記1(2)のとおり、「ディーセス」及び「DEESSE’S」商標が、「ディーセス」シリーズ商品以外の商品を表示するものとして、取引者、需要者の間に広く認識されている事実を明らかにする証拠はない。 してみると、本件商標は、これをその指定商品中の「化粧品,ヘアーリンス,パック用化粧料,せっけん類,シャンプー」以外の商品であって、引用商標の指定商品と抵触する「香料,薫料」について使用した場合は、その構成中の「ディーセス」の文字部分のみがその取引者、需要者に強く印象付けられるものではないから、前記アのとおり、本件商標の外観上及び称呼上の一体性を考慮すれば、本件商標の構成文字全体に相応した「ミニョンディーセス」の称呼のみを生ずるとみるのが相当である。 エ 小括 以上によれば、本件商標は、その構成文字に相応して、「ミニョンディーセス」の称呼を生ずるものであるところ、「業務用の頭髪用せっけん類・頭髪用化粧品」の分野において広く認識されていると認められる「ディーセス」及び「DEESSE’S」商標との関係からみると、これをその指定商品中の「化粧品,ヘアーリンス,パック用化粧料,せっけん類,シャンプー」について使用した場合は、「ディーセス」の称呼をも生ずるものであって、指定商品中の「香料,薫料」について使用した場合は、「ミニョンディーセス」の一連の称呼のみを生ずるというべきである。そして、本件商標は、構成文字全体としても、「ディーセス」の文字部分のみが抽出された場合においても、特段の観念を有しないものである。 (3)引用商標 引用商標は、前記第2のとおり、「deesse’s」の文字と「ディーセス」の文字を上下二段に横書きしてなるものであるから、その構成文字に相応して、「ディーセス」の称呼を生ずるものであり、「deesse」の文字が「女神」を意味するフランス語であるとしても、該語は、我が国において親しまれたものではないことから、特定の意味合いを有しない造語と理解されるとみるのが相当である。 したがって、引用商標は、「ディーセス」の称呼を生ずるものであって、特段の観念を有しないものである。 (4)本件商標と引用商標との対比 ア 外観 本件商標は、前記第1のとおり、「ミニョンディーセス」の文字を標準文字で表してなる商標であり、引用商標は、前記第2のとおり、「deesse’s」の文字と「ディーセス」の文字を上下二段に横書きしてなるものであるから、外観上明らかに相違するものである。 しかし、本件商標は、これをその指定商品中の「化粧品,ヘアーリンス,パック用化粧料,せっけん類,シャンプー」について使用した場合は、その構成中の「ディーセス」の文字部分に着目され、該「ディーセス」の文字部分と引用商標中の片仮名部分とは、同一の文字列からなり、いずれもその書体に格別の特徴を有するものではないから、外観上近似した印象を与えるものといえる。 イ 称呼 本件商標より生ずる「ミニョンディーセス」の称呼と引用商標より生ずる「ディーセス」の称呼は、前半部分において、「ミニョン」の音の顕著な差異を有するものであるから、それぞれの称呼を一連に称呼した場合は、その語調、語感が著しく相違したものとなり、互いに紛れるおそれはないものである。 しかし、前記(2)のとおり、本件商標は、これをその指定商品中の「化粧品,ヘアーリンス,パック用化粧料,せっけん類,シャンプー」について使用した場合は、「ディーセス」の称呼をも生ずるものであるから、本件商標と引用商標は、「ディーセス」の称呼を同じくする場合があるものである。 ウ 観念 本件商標と引用商標は、いずれも特段の観念を有しない造語よりなるものであるから、観念上比較することができない。 エ 小括 以上によれば、本件商標と引用商標は、観念において比較することができないものであるとしても、本件商標の指定商品中の「化粧品,ヘアーリンス,パック用化粧料,せっけん類,シャンプー」について使用するときは、外観上近似した印象を与えるものであり、かつ、「ディーセス」の称呼を同じくする場合がある類似の商標というべきである。 (5)結び 以上のとおりであるから、本件商標の指定商品中の「化粧品,ヘアーリンス,パック用化粧料,せっけん類,シャンプー」についての登録は、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものというべきである。 3 商標法第4条第1項第15号該当性について (1)「ディーセス」及び「DEESSE’S」商標の著名性 前記1のとおり、「ディーセス」及び「DEESSE’S」商標は、「ディーセス」シリーズ商品を表示するものとして、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、当該商品の主たる取引者、需要者である美容室関係者の間に広く認識されていたものといえるが、上記商品分野を超えて広く認識されていたとまでは認めることができない。 (2)出所の混同 本件商標の指定商品中、前記2で認定した商標法第4条第1項第11号に該当する商品である「化粧品,ヘアーリンス,パック用化粧料,せっけん類,シャンプー」以外の指定商品に本件商標を使用した場合に、商品の出所について混同を生ずるおそれがあるか否かについて、以下検討する。 前記(1)のとおり、「ディーセス」及び「DEESSE’S」商標の周知・著名性は、「業務用の頭髪用せっけん類・頭髪用化粧品」を取り扱う分野に限定されていたのであるから、商品の用途、品質、原材料等において相違し、また、商品の流通経路、販売場所等においても相違する「第3類 歯磨き,洗口液,口臭用消臭剤,香料,薫料,つけづめ,つけまつ毛」及び第5類「サプリメント,食餌療法用飲料,食餌療法用食品,酵素製剤,ビタミン剤,アミノ酸剤,滋養強壮変質剤」を取り扱う分野にまで及ぶとはいいえないものである。 また、本件商標は、これを「化粧品,ヘアーリンス,パック用化粧料,せっけん類,シャンプー」以外の前記商品について使用するときは、その構成中の「ディーセス」の文字部分のみがその需要者に強く印象付けられるものではないから、その外観上及び称呼上の一体性を考慮すれば、本件商標の構成文字全体に相応した「ミニョンディーセス」の称呼のみを生ずるとみるのが相当であって、「ディーセス」及び「DEESSE’S」商標とは、外観、称呼及び観念のいずれの点についても非類似の商標であり、商標それ自体異なるというべきである。 してみれば、本件商標に接する前記商品の取引者・需要者は、これより「ディーセス」及び「DEESSE’S」商標を想起又は連想することはないといえるから、本件商標をその指定商品中、第3類「歯磨き,洗口液,口臭用消臭剤,香料,薫料,つけづめ,つけまつ毛」及び第5類「サプリメント,食餌療法用飲料,食餌療法用食品,酵素製剤,ビタミン剤,アミノ酸剤,滋養強壮変質剤」について使用しても、該商品が請求人又は請求人と組織的・経済的に何らかの関係にある者の業務に係る商品であるかのように、商品の出所について混同を生ずるおそれがあるということはできない。 (3)結び したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。 4 商標法第4条第1項第19号該当性について (1)「ディーセス」及び「DEESSE’S」商標の周知・著名性 前記1のとおり、「ディーセス」及び「DEESSE’S」商標は、「ディーセス」シリーズ商品を表示するものとして、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、「業務用の頭髪用せっけん類・頭髪用化粧品」を取り扱う分野の取引者・需要者の間に広く認識されていたものといえる。 (2)本件商標と「ディーセス」及び「DEESSE’S」商標の類似性 前記2のとおり、本件商標は、これをその指定商品中の「化粧品,ヘアーリンス,パック用化粧料,せっけん類,シャンプー」について使用した場合は、引用商標又は「ディーセス」及び「DEESSE’S」商標における「ディーセス」の文字よりなる商標と外観において類似し、かつ、「ディーセス」及び「DEESSE’S」商標とは「ディーセス」の称呼を同じくする類似の商標である。 (3)不正の目的 そこで、本件商標が、その指定商品について、不正の目的をもって使用する商標であるか否かについて検討する。 ア 甲第1号証、甲第62号証及び甲第63号証によれば、以下の事実を認めることができる。 (ア)本件商標権者は、大阪市中央区島之内に所在の株式会社MIGNON JAPANである(甲1)。 (イ)Bの商号登記簿謄本によれば、Bは、本店を大阪市中央区島之内(平成24年5月20日移転)とし、「身のまわり品及び日用品雑貨の輸出入並びに販売」等を目的として、平成15年12月18日に設立され会社であり、その代表取締役を大阪市中央区上本町に所在のAとする(甲62)。 (ウ)Bのウェブサイト(掲載日は不明である。)の「PRODUCTS」のページには、「KING extension ハイグレード・エクステンション/軟水をふんだんに使用、トリートメント剤等も日本製にこだわり丁寧な加工で極力熱処理をせず、手触り・潤い・美しさ・使用感の全てを兼ね備えたEXTENSION 品質にこだわりカット毛のみを使用した人毛100%の最高級品EXTENSIONです。」、「Queen extension スタンダード・エクステンション/エクステブームを支え続けてきたスタンダードEXTENSIONです。ストレート処理をし、見た目の美しさ・手触りの良さを追求!コストパフォーマンスに長けた人毛100% EXTENSIONでより自然なスタイルを!」などと記載されている(甲63)。 イ 前記アによれば、Bは、その本店が本件商標権者の住所と一致することが認められるが、その代表取締役と本件商標権者の代表取締役とが同一人であることは、前記アの証拠からは明らかではない。 また、Bは、人毛100%のエクステンション(かつら)等を販売する会社と認められるところ、エクステンション(かつら)と請求人商品とは、いずれも頭髪に関連する商品であるとしても、商品の用途、目的、原材料等において大きく相違し、また、生産者、流通経路、販売場所等も異なるのが一般的であること、「ディーセス」及び「DEESSE’S」商標の周知・著名性は、前記(1)のとおり、「業務用の頭髪用せっけん類・頭髪用化粧品」を取り扱う分野といった限られた範囲内であることに加え、「deesse’s(ディーセス)」の語は、「女神」を意味するフランス語「deesse」に由来するものともいえ、それが一般の需要者に知られていないとしても、フランス語が比較的多用される化粧品等の分野にあっては、請求人以外の業者がこれを採択することは、特段不自然ともいえないことなどを勘案すると、仮にBの代表取締役と商標権者の代表取締役が同一人であるとしても、これのみをもって、本件商標権者が「ディーセス」及び「DEESSE’S」商標の周知・著名性にフリーライドするなどの不正な意図をもって、本件商標を出願し、登録を得たものとみることはできない。その他、本件商標が不正の目的をもって使用する商標であると認めるに足りる証拠はない。 してみると、本件商標は、不正の目的をもって使用する商標ということはできない。 (4)結び したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第19号に該当しない。 5 まとめ 以上によれば、本件商標の登録は、その指定商品中の「化粧品,ヘアーリンス,パック用化粧料,せっけん類,シャンプー」について、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものというべきであるから、同法第46条第1項の規定により、無効とすべきものである。 しかし、その余の指定商品については、商標法第4条第1項第11号、同項第15号及び同項第19号に違反して登録されたものではないから、同法第46条第1項の規定により、その登録を無効とすることはできない。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2017-07-12 |
結審通知日 | 2017-07-18 |
審決日 | 2017-08-01 |
出願番号 | 商願2015-123332(T2015-123332) |
審決分類 |
T
1
11・
262-
ZC
(W03)
T 1 11・ 222- ZC (W03) T 1 11・ 263- ZC (W03) T 1 11・ 271- ZC (W03) T 1 11・ 261- ZC (W03) |
最終処分 | 一部成立 |
前審関与審査官 | 大橋 良成 |
特許庁審判長 |
半田 正人 |
特許庁審判官 |
原田 信彦 青木 博文 |
登録日 | 2016-06-17 |
登録番号 | 商標登録第5860158号(T5860158) |
商標の称呼 | ミニョンディーセス |
代理人 | 川本 篤 |
代理人 | 徳永 弥生 |
代理人 | 齊藤 整 |
代理人 | 服部 京子 |