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審決分類 審判 全部申立て  登録を取消(申立全部取消) W43
審判 全部申立て  登録を取消(申立全部取消) W43
審判 全部申立て  登録を取消(申立全部取消) W43
管理番号 1331467 
異議申立番号 異議2016-900374 
総通号数 213 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2017-09-29 
種別 異議の決定 
異議申立日 2016-11-25 
確定日 2017-07-12 
異議申立件数
事件の表示 登録第5879158号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて,次のとおり決定する。 
結論 登録第5879158号商標の商標登録を取り消す。
理由 1 本件商標
本件登録第5879158号商標(以下「本件商標」という。)は,「漁師焼岩山海」の文字を標準文字で表してなり,平成28年3月7日に登録出願,同年8月18日に登録査定され,第43類「飲食物の提供」を指定役務として,同年9月2日に設定登録されたものである。

2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が登録異議の申立ての理由において引用する登録第5778970号商標(以下「引用商標」という。)は,「岩山海」の文字を横書きしてなり,平成24年11月19日に登録出願,第43類「飲食物の提供」を指定役務として,同27年7月17日に設定登録され,現に有効に存続しているものである。

3 登録異議の申立ての理由
申立人は,本件商標は,商標法第4条第1項第11号に該当するから,同法第43条の2第1号により,その登録は取り消されるべきであると申立て,その理由を要旨以下のように述べ,証拠方法として甲第1号証ないし甲第59号証を提出した。
(1)本件商標の要部
本件商標の構成中「漁師焼」の文字は,甲第2号証ないし甲第59号証のとおり,本件商標の登録査定日又は遅くとも登録査定直後までに,イカ,タコ,ホタテ,カキ,サザエ,ハマグリ,アワビ,海老,さば,いわし,きす,あじ,ししゃも,ままかり等の魚介類についての料理方法又はその方法により料理された飲食物を表すものとして「飲食物の提供」の役務を提供する者において広く用いられ,魚介類についての家庭料理を表すものとしても一般的に用いられている。そのため,本件商標の登録査定時において,その指定役務「飲食物の提供」の需要者,取引者に,本件商標の構成中「漁師焼」の文字が,その役務の内容,質などを表示するものとして広く認識されていたことは明らかである。しかも,その「漁師焼」の文字部分は,ごく一般的な書体の漢字を,同一書体かつ同一の大きさで等間隔に横書きしたものであるから,本件商標の指定役務の内容,質などを普通に用いられる方法で表示するものといえる。
したがって,本件商標の構成中「漁師焼」の文字部分は,その指定役務について,自他役務の識別機能を有しないか,又は自他役務の識別機能が非常に弱い部分であることは明らかである。
一方,本件商標の構成中「岩山海」の文字部分は,特定の観念を有するものではなく,指定役務との関係において独立して自他役務識別力を発揮する部分である。
以上のとおり,「漁師焼」の文字部分は,本件商標の指定役務について,その内容,質などを普通に用いられる方法で表示するものであって,自他役務の識別機能を有しないか,又は自他役務の識別機能が非常に弱い部分であり,特定の観念を有しない「岩山海」の文字部分とは,両者を一体として把握すべき関係もなく,「岩山海」の文字は,指定役務との関係において独立して自他役務識別力を発揮する部分であることから,「岩山海」の文字部分は,本件商標において自他役務識別機能を果たす要部であるといえる。
そして,本件商標の自然の称呼としては,全体から生じる「リョウシヤキイワサンカイ」以外に,その要部である「岩山海」の文字部分から「イワサンカイ」の称呼も生ずる。
(2)本件商標と引用商標の対比
本件商標の要部「岩山海」は,引用商標「岩山海」とは,同一の文字からなるため外観において類似し,同一の称呼を生じ,いずれも特定の観念を有しないものであるから,両商標は類似する商標である。
また,本件商標と引用商標との指定役務は同一であり,本件商標の出願人と引用商標の登録名義人とは同一ではない。
したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第11号の規定に違反して登録されたものである。
(3)まとめ
以上のとおり,本件商標は,商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものであり,商標法第43条の2第1号の規定により取り消されるべきものである。

4 当審における取消理由
当審において,平成29年3月21日付けで,商標権者に対し通知をした取消理由は,商標法第4条第1項第11号に基づくものであり,要旨以下のとおりである。
(1)本件商標と引用商標の類否
本件商標は,「漁師焼岩山海」の文字を標準文字で表してなるところ,その構成中「漁師焼」の文字は,証拠(甲2?59)によれば,その指定役務との関係においては,魚介類の調理方法の一又は調理した料理名,すなわち役務の質(提供される料理名又はその調理方法)を表してなると認識させるにすぎず,自他役務の出所識別標識としての称呼及び観念が生じるものとはいえないため,その構成中「岩山海」の文字部分を,本件商標の要部と認めることができる。そうすると,本件商標は,その要部である「岩山海」の文字部分に相応して,「ガンサンカイ」又は「イワサンカイ」の称呼を生じ,特定の観念は生じない。
イ 引用商標について
引用商標は,「岩山海」の文字を書してなるところ,その構成文字に相応して「ガンサンカイ」又は「イワサンカイ」の称呼を生じ,特定の観念は生じない。
ウ 本件商標と引用商標の比較
本件商標と引用商標を比較すると,本件商標の要部と引用商標とは,いずれも「岩山海」の文字構成を共通にするため,外観上,近似した印象を与えるものであり,観念においては比較できないものの,それより生じる「ガンサンカイ」又は「イワサンカイ」の称呼を共通にする。このような称呼及び外観の共通性をもとに全体として考察すれば,本件商標と引用商標とは,同一又は類似の役務に使用された場合に,役務の出所につき誤認混同を生ずるおそれがあるというべきであり,両商標は類似するものといえる。
(2)本件商標の指定役務と引用商標の指定役務の比較
本件商標の指定役務と引用商標の指定役務は,いずれも第43類「飲食物の提供」であるから,同一の役務である。
(3)まとめ
上記のとおり,本件商標は,引用商標と類似する商標であって,同一の役務について使用するものであるから,商標法第4条第1項第11号に該当する。

5 本件商標権者の意見
本件商標権者は,上記4の取消理由に対して,要旨以下のとおりの意見を述べ,証拠方法として,乙第1号証及び第2号証を提出した。
(1)本件商標と引用商標の全体観察について
本件商標は,「漁師焼岩山海」の文字を書してなるところ,全体として「リョウシヤキイワサンカイ」又は「リョウシヤキガンサンカイ」の称呼が生じ,「漁師が焼く岩山海」といった独自の観念を形成する。
本件商標と引用商標を,全体として観察すると,両商標が外観及び称呼において共通するのは半分しかないから,類似しているとはいえず,観念においても類似しない。したがって,本件商標は,外観,称呼及び観念のいずれにおいても引用商標とは類似しておらず,また,他に類似性を考慮すべき事情も見受けられないから,両商標は類似しない。
(2)本件商標の分離観察の可否について
甲第2号証ないし甲第59号証によれば,料理を表示する文言として「漁師焼(き)」が記載されており,「漁師焼(き)」が飲食店において料理名として使用されている事実が見られる。これらのすべてが本件商標の登録出願前に使用されていたのか否かは明確ではないが,仮に,全部又は大半の証拠が本件商標の登録出願前に使用されていたとしても,「漁師焼(き)」は,扱う食材にしても調理方法,提供方法にしても一定しておらず,雑多な料理が挙げられており,需要者がそれらから特定の料理をイメージできるとはいい難い。例えば,甲第39号証に至っては,黒毛和牛の漁師焼きというものまであるが,黒毛和牛と漁師がどのように結び付くのか,甚だ不明である。結局,甲各号証から分かることは,「漁師焼(き)」は店が勝手にイメージを作って使用しているということであり,店によって内容も大きく相違するのであるから,需要者が具体的,統一的なイメージを把握することは不可能である。このように,「漁師焼(き)」は,食材として魚介類を使用するであろうという漠然とした内容を暗示しても,料理の具体的な内容を需要者にイメージさせるものではないから,需要者が「漁師焼(き)」から指定役務の質を直感するものとはいえず,識別標識として機能し得るものである。
また,本件商標は全体として6文字で長くはなく,全体を称呼しても冗長とはいえず,全体をよどみなく一声で発声でき,さらに,「漁師焼」の末尾の母音が「イ」で,これが「岩山海」の語頭の「イ」となめらかに連続するため,全体をごく自然に称呼できるものであるとともに,全体として「漁師が焼く岩山海」という独自のイメージも形成している。
したがって,本件商標から「漁師焼」を分離するのは不自然であり,本件商標は全体を一体にして観察すべきものである。
(3)引用商標は本件商標の排除効を有しないこと
ア 本件商標権者と申立人との関係
「岩山海」の商標は,本件商標権者が考案したもので,本件商標権者は,この商標を使用した飲食店(居酒屋)を,平成16年に東大阪市布施に初めて開店した(布施本店)。その後,平成18年に小阪店,平成19年に八尾店と鶴橋店を開店し,平成20年に難波店を開店した。
難波店の開店後に資金繰りに困った時期に融資の話があったところ,話が進むにつれて脅しといえる強要もあり,恐れた本件商標権者は断ることもできず,結局は融資を受けた。その後,難波店について共同経営の話があり,結局,難波店を経営していた「株式会社岩山海」の株式を株式会社一番に譲渡することになり,平成21年に難波店の経営権は移譲された。
その後,平成23年に,株式会社一番の名義で「とっとり岩山海」なる商標が登録出願され,登録後に申立人に名義変更されている。申立人は,平成24年に引用商標を,平成26年に「岩山海ぐみ」の商標の登録を受けている。なお,株式会社一番と申立人の関係は明確ではないが,名義変更されるぐらいであるから深い関係にあるものと推測される。
イ 申立人らの行為の本質
上記の難波店の譲渡は,実体は乗っ取りであり,法律を悪用して店舗と一緒に商標も乗っ取ったというべきである。申立人による商標登録出願は,「岩山海」に愛着を持つ本件商標権者らが登録を受けるかもしれないと予想して,その使用行為を封じるためのみに登録を受けたものであり,これは平穏に事業活動を営んでいる者の業務上の信用を破壊する行為であって,競業秩序を維持して健全な産業の発達を図る商標法の目的に反していることは明らかである。
そうすると,引用商標は,元々,公序良俗に反するとともに,信義誠実の原則に反して取得されたもので,商標法の精神から著しく乖離して正義に反するものであるから,権利行使できるものではなく,本件商標の登録を排除する効果は有さないというべきである。
ウ 実際に迷惑を受けていること
申立人らが経営する難波店はホームページを持っておらず,布施本店が難波店の本店であると勘違いした顧客が,難波店のクレームを布施本店のホームページに投稿したり,苦情の電話を布施本店にかけてくることもある。
これは,本件商標権者が作り育てた商標である「とっとり岩山海」の信用を毀損するものであるのみならず,顧客のサービス向上に努めている布施本店及び鶴橋店の「岩山海」の信用まで失墜させかねないものであり,需要者の利益も損ね,商標法の目的に著しく反している。
エ 引用商標の本件商標の排除効
以上のとおり,本件異議申立て事件は,元々は,本件商標権者が開店した「岩山海難波店」の営業譲渡に端を発するものであるが,営業譲渡自体が不誠実なものであるから,これを端緒とした申立人の商標権取得も,信義則及び公序良俗に反するものであって,本件商標の登録を排除する地位は持っていないというべきである。

6 当審の判断
(1)商標の類否判断について
商標法第4条第1項第11号に係る商標の類否は,同一又は類似の商品又は役務に使用された商標が,その外観,観念,称呼等によって取引者,需要者に与える印象,記憶,連想等を総合して,その商品又は役務に係る取引の実情を踏まえつつ全体的に考察すべきものであり,複数の構成部分を組み合わせた結合商標と解されるものについて,商標の構成部分の一部を抽出し,この部分だけを他人の商標と比較して商標そのものの類否を判断することは,その部分が取引者,需要者に対し商品又は役務の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものと認められる場合や,それ以外の部分から出所識別標識としての称呼,観念が生じないと認められる場合などを除き,許されないというべきである。
(2)本件商標と引用商標の類否
ア 本件商標について
(ア)本件商標は,「漁師焼岩山海」の文字を標準文字で表してなるところ,これは漢字6文字を,同一書体,同一の大きさで,等間隔に配置してなることから,構成上はまとまりのよい印象を与えるものではあるが,全体として特定の意味合いを有する成語を構成するものでもなく,以下のとおり「漁師焼」は,魚介類の調理方法の一を表示してなるものと容易に認識することができるため,「漁師焼」及び「岩山海」の文字を単純に連結してなる結合商標であると理解できる。
すなわち,本件商標の構成中「漁師焼」の文字は,「漁師焼き」の語にも通じ,「漁師焼(き)」の語は,例えば「帆立貝はあまーいお造りに漁師焼・醤油バター焼・・・」(甲5),「・・・新鮮な魚介類を漁師焼で召し上がって下さい。」(甲7),「・・・新選な魚介を備長炭漁師焼きにて」(甲13),「一品料理 > いか漁師焼き」(甲8),「一品もの 活貝漁師焼」(甲15)などのように,魚介類の調理方法又は調理した料理名を指称する語として,飲食店のメニューや料理紹介などに多数掲載されている(甲2?59)。具体的な調理方法は,「オススメのメニューは『漁師焼』。新鮮な魚を七輪で焼いて食べていただけます」(甲9),「漁師焼き(牡蠣焼き)・・・人気の焼き牡蠣。雄勝産の牡蠣を表面も軽く炙って香ばしい仕上がりになっております」(甲11),「豪快に炭火で炙る漁師焼・・・」(甲36),「炭火で焼く『漁師焼き』が人気」(甲39),「・・・中でも私のおすすめは『漁師焼き』。イカを輪切りにしてワタと一緒に醤油とバターでホイル焼きしたもの・・・」(甲41),「『小川島漁師焼き』は,漁師の手で大切に釣り上げたケンサキイカを,皮付きのまま玄界灘の潮風になびかせ一夜干し焼き上げ真空パック」(甲59)などのように必ずしも定まってはいないが,総じて,素材にできるだけ手を加えず焼いて調理する,魚介類の調理方法の一を指称する語として,取引上普通に用いられている。
また,飲食店などでは提供される料理名や調理方法を店舗名と併記することも一般的に行われている。
このように,本件商標の構成中「漁師焼」の文字部分は,その指定役務との関係においては,その需要者,取引者をして,魚介類の調理方法の一又は調理した料理名,すなわち役務の質(提供される料理名又はその調理方法)を表してなると認識させるにすぎず,自他役務の出所識別標識としての機能を有さないものであり,当該文字部分からは,自他役務の出所識別標識としての称呼及び観念は生じない。
なお,申立人提出の証拠(甲2,3,7?16,18?20,22,23,25?27,29,33?36,38,39,44,45,48,50,53?57,59)は,本件商標の登録査定日(平成28年8月18日)後の同年9月8日にプリントアウトされたものもあるが,登録査定日前のその他の甲各号証に係る事情に加え,本件商標の登録査定日からプリントアウトされた日までの約3週間程度の間に,「漁師焼」の文字に係る取引の事情が大きく変わったというべき要因は見いだし難いことを考慮すれば,本件商標の登録査定日後にプリントアウトされた証拠に係る事情についても,本件商標の登録査定時の取引の実情を示すものと推認できる。
(イ)本件商標の構成中「岩山海」の文字部分は,それぞれ「岩」,「山」,「海」といずれも平易な語より構成されるものの,全体として成語を構成するものでもないため,特定の意味合いを有しない造語と認識されるから,当該文字部分に相応して「ガンサンカイ」又は「イワサンカイ」の称呼を生じる。
(ウ)以上よりすると,本件商標は,その構成中「漁師焼」の文字部分は,本件商標の指定役務との関係においては,自他役務の出所識別標識としての称呼及び観念が生じるものとはいえない文字部分である上,飲食店などでは提供される料理名や調理方法を店舗名と併記することも一般的であることから,当該文字部分から出所識別標識としての称呼,観念が生じないと認められる。他方,本件商標は,その構成中「岩山海」の文字部分が,その前半の文字部分との対比から,その指定役務の需要者,取引者をして,本件商標の構成における要部として強い印象を与えるものと認められ,これより生じる称呼及び観念をもって取引にあたる場合も十分あるというのが相当である。
したがって,本件商標は,その要部である「岩山海」の文字部分に相応して,「ガンサンカイ」又は「イワサンカイ」の称呼を生じ,造語であるため特定の観念は生じない。
イ 引用商標について
引用商標は「岩山海」の文字を書してなるところ,それぞれ「岩」,「山」,「海」といずれも平易な語より構成されるものの,全体として成語となるものでもないため,特定の意味合いを有しない造語と認識され,その構成文字に相応して「ガンサンカイ」又は「イワサンカイ」の称呼を生じるものと認められる。
ウ 本件商標と引用商標の比較
本件商標と引用商標を比較すると,本件商標の要部と引用商標とは,いずれも「岩山海」の文字構成を共通にするため,外観上,近似した印象を与えるものであり,観念においては比較できないものの,それより生じる「ガンサンカイ」又は「イワサンカイ」の称呼を共通にする。このような称呼及び外観の共通性をもとに全体として考察すれば,本件商標と引用商標とは,同一又は類似の役務に使用された場合に,役務の出所につき誤認混同を生ずるおそれがあるというべきであり,両商標は類似するものといえる。
(3)本件商標の指定役務と引用商標の指定役務の比較
本件商標の指定役務と引用商標の指定役務は,いずれも「飲食物の提供」であるから,同一の役務である。
(4)本件商標権者の主張について
本件商標権者は,申立人による引用商標の取得は,本件商標権者の業務を妨害するためになされたもので,信義則及び公序良俗に反するものであり,本件商標の登録を排除する地位は持っていない旨主張する。
しかし,商標法第4条第1項第11号は,商品又は役務の出所につき誤認混同を防止するため,登録出願された商標が先願に係る他人の登録商標と同一又は類似するものであるときは商標登録を受けることができない旨規定しているところ,「他人の登録商標」に該当する要件としては,「当該商標登録出願の日前の商標登録出願に係る」ものであること以外には何も定めていない。そして,当該「他人の登録商標」は,存続期間の満了,無効や取消し又は放棄などによりその登録が消滅しない限り有効なものである。
そうすると,本件商標の登録査定時において有効に存続している引用商標に基づいて,商標法第4条第1項第11号を適用することは,本件商標権者の主張するような理由によっては,特段妨げられるものではない。
したがって,本件商標権者の上記主張は採用できない。
(5)本件商標の商標法第4条第1項第11号該当性
上記のとおり,本件商標は,引用商標と類似する商標であって,同一の役務について使用するものであるから,商標法第4条第1項第11号に該当する。
(6)まとめ
以上のとおり,本件商標の登録は,商標法第4条第1項第11号に違反してされたものであるから,同法第43条の3第2項の規定により,取り消すべきものである。
よって,結論のとおり決定する。
異議決定日 2017-06-02 
出願番号 商願2016-24349(T2016-24349) 
審決分類 T 1 651・ 263- Z (W43)
T 1 651・ 262- Z (W43)
T 1 651・ 261- Z (W43)
最終処分 取消  
前審関与審査官 大森 友子 
特許庁審判長 早川 文宏
特許庁審判官 田村 正明
阿曾 裕樹
登録日 2016-09-02 
登録番号 商標登録第5879158号(T5879158) 
権利者 松田 金光
商標の称呼 リョーシヤキガンサンカイ、リョーシヤキイワヤマウミ、リョーシヤキ、ガンサンカイ、イワヤマウミ 
代理人 高良 尚志 
代理人 西 博幸 

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