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審決分類 |
審判 一部申立て 登録を維持 W0712 審判 一部申立て 登録を維持 W0712 審判 一部申立て 登録を維持 W0712 |
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管理番号 | 1330309 |
異議申立番号 | 異議2017-900013 |
総通号数 | 212 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標決定公報 |
発行日 | 2017-08-25 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2017-01-20 |
確定日 | 2017-06-26 |
異議申立件数 | 1 |
事件の表示 | 登録第5890277号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 登録第5890277号商標の商標登録を維持する。 |
理由 |
1 本件商標 本件登録第5890277号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲1のとおりの構成からなり、平成28年1月20日に登録出願、第7類「起動器,交流電動機及び直流電動機(陸上の乗物用の交流電動機及び直流電動機(その部品を除く。)を除く。),交流発電機,直流発電機,自動車用スターターモーター,自動車・その他の陸上乗物用及び土木機械器具用のスターターモーター用スイッチ,動力機械器具(陸上の乗物用のもの及び「水車・風車」を除く。),動力機械器具(「水車・風車」を除く)の部品」及び第12類「陸上の乗物用の動力機械(その部品を除く。),陸上の乗物用の交流電動機又は直流電動機(その部品を除く。)」を指定商品として、同年9月15日に登録査定、同年10月21日に設定登録されたものである。 2 引用商標 登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録第4743490号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲2のとおりの構成からなり、平成15年6月16日に登録出願、第6類「金属製貯蔵槽類,金属製包装用容器,高圧ガス容器,金属製バルブ,金属製管継ぎ手」、第7類「化学機械器具,かくはん機,風水力機械器具,ポンプ,真空ポンプ,圧縮機,機械要素(陸上の乗物用のものを除く),軸継ぎ手,流体継ぎ手,バルブ,自動調整弁」及び第9類「理化学機械器具,測定機械器具,配電用又は制御用の機械器具,電気磁気測定器,電子応用機械器具及びその部品」を指定商品として、同16年1月23日に設定登録され、同26年1月21日に存続期間の更新登録され、現に有効に存続しているものである。 3 登録異議の申立ての理由 申立人は、本件商標はその指定商品中、第7類「起動器,交流電動機及び直流電動機(陸上の乗物用の交流電動機及び直流電動機(その部品を除く。)を除く。),交流発電機,直流発電機,自動車用スターターモーター,自動車・その他の陸上乗物用及び土木機械器具用のスターターモーター用スイッチ」及び第12類「陸上の乗物用の交流電動機又は直流電動機(その部品を除く。)」(以下「申立に係る商品」という。)について、商標法第4条第1項第11号に該当するものであるから、同法第43条の2第1号により、その登録は取り消されるべきであると申立て、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証及び甲第2号証(枝番を含む。)を提出した。 (1)外観の類似 本件商標は、かまぼこ形の図形(以下「かまぼこ図形」という。)の中に欧文字の「A」と「E」とが収納された図形商標である。 かまぼこ図形の中に収納された欧文字の「A」と「E」とは、「A」の文字の左側部分に丸みを持たせ、また、「E」の文字は、通常垂直に構成される「E」の上辺を45度ほど垂れ下がるようにカーブさせ、「A」と「E」の両文字をかまぼこ図形の輪郭に沿わせるように、そして、「A」と「E」の両文字が、かまぼこ図形の左右に対応するようデザイン化されており、さながら印章のような印象を与えるものである。 一方、引用商標は、欧文字の「Autoclave\Engineers」と、丸みを帯びた山形の図形(以下「山形図形」という。)の中に、前記文字の頭文字である「A」と「E」とが収納された図形(以下「引用図形部分」という。)からなる結合商標である。 山形図形の中に収納された両文字の隣り合わせる辺を共通にする欧文字の「A」と「E」とは、「A」の文字の左側部分に丸みを持たせ、また、「E」の文字は、通常垂直に構成される「E」の文字の上辺を45度ほど垂れ下がるようにカーブさせ、「A」と「E」の両文字を丸みを帯びた山形の輪郭に沿わせるように、そして「A」と「E」の両文字が、山形図形の左右に対応するようデザイン化されており、さながら印章のような印象を与えるものである。 引用商標は、文字部分と引用図形部分を組み合わせた構成態様からなるところ、文字部分と引用図形部分とは、視覚上分離して看取されるものであり、また、「Autoclave\Engineers」の文字部分と、引用図形部分に収納された、この文字部分の頭文字である「A」と「E」とは、同一の書体によって構成される等、一体感を持たせるような構成とはされておらず、構成全体として、文字部分と引用図形部分とを一体不可分のものとして看取、把握しなければならない特段の事情は認められないことから、文字部分と引用図形部分とは、それぞれ独立した自他商品識別標識としての機能を果たすものである。 そして、本件商標と引用商標の要部の1つである引用図形部分の外観を比較すると、その構成態様は、それぞれ上述のとおりであり、「A」と「E」とを収納する枠の形がかまぼこ形と丸みを帯びた山形である点、引用図形部分に収納された「A」と「E」が、その両文字の隣り合わせる辺を共通にする点で、「A」と「E」とが隣り合わせる辺を共通としない本件商標とは異なるものの、本件商標と引用商標の要部の1つである引用図形部分とは、「A」の文字の左側部分に丸みを持たせ、また、「E」の文字は、通常垂直に構成される「E」の文字の上辺を45度ほど垂れ下がるようにカーブさせ、両文字を、丸みを帯びたこれらを収納する枠図形の輪郭に沿わせるように構成される点、「A」と「E」の両文字が、これらを収納する枠図形の左右に対応するようデザイン化されている点、図形全体をさながら印章のように構成している点で共通する。 特に、通常垂直に構成される「E」の文字の上辺を、45度ほど垂れ下がるようにカーブさせている点、このような構成を取り、「A」と「E」の両文字が左右に対応するようなデザインとした点で、本件商標と引用商標の要部である引用図形部分とは非常に似通っている。 そして、これら両商標の共通点は、その差異点を凌駕するほどに、外観上全体として近似した印象を与えるものであり、外観において相紛れるおそれは否定できない。 よって、本件商標と引用商標の引用図形部分は、その外観において類似するというべきである。 (2)称呼の類似 本件商標は、上述の構成態様からなるところ、欧文字の「A」と「E」から、「エーイー」の自然称呼を生ずる商標である。 一方、引用商標は、上述の構成態様からなるところ、文字部分の「Autoclave\Engineers」から、「オートクレーブエンジニアズ」の自然称呼が、引用図形部分の「A」と「E」から、「エーイー」の自然称呼を生ずる商標である。ここで、引用商標の文字部分と引用図形部分とは、上述のとおり、それぞれ独立した自他商品識別標識としての機能を果たすものである。 そして、本件商標と引用商標の要部の1つである引用図形部分の称呼を比較すると、その称呼は同一である。 (3)指定商品の類似 本件商標の指定商品及び引用商標の指定商品は、上記のとおりであるところ、本件商標の指定商品中、申立に係る商品は、引用商標の第9類の指定商品「配電用又は制御用の機械器具」と類似の商品である。 (4)むすび 以上より、本件商標と引用商標とは、標章が類似するとともに、本件商標の指定商品と引用商標の指定商品とは類似のものであるから、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。 4 当審の判断 (1)本件商標について 本件商標は、別掲1のとおり、底辺部を太く描いたかまぼこ図形内に上部半円形に沿うようにデザイン化された「A」と「E」を配置してなるものであって、該文字部分に相応して、「エーイー」の称呼を生じ、特定の観念は生じないものである。 (2)引用商標について 引用商標は、別掲2のとおり、「Autoclave」及び「Engineers」の文字を二段に書した文字部分と、その右側に黒色で三角形の辺を外側に丸めた山形図形内に白抜きで表された図形を配した引用図形部分からなるところ、文字部分と引用図形部分とは、視覚的に分離して看取されるというべきであって、それぞれが自他商品の識別標識として機能するものといえる。 そして、該引用図形部分は、その中に白抜きで表された図形を包含してなるところ、この白抜きの図形部分が左側に配された文字部分の頭文字「A」と「E」をモチーフとして表すものであるとしても、山形図形内に表された白抜きの図形は、かなり図案化がされており、一見して「A」と「E」とをモチーフとしていると認識することは困難であること、白抜きの図形は外側の山形図形の輪郭に沿った形状であること及び山形図形と一体に表されていることとが相俟って、引用図形部分全体で、一種の幾何図形を表したものと看取されるとするのが相当であるから、文字部分から「オートクレーブエンジニアズ」の称呼が生じる以外に、該引用図形部分から特定の称呼が生じるとはいえない。 (3)本件商標と引用商標の類否について 本件商標と引用商標は、それぞれ上記のとおりの構成からなり、かまぼこ図形内にまとまりよく「A」と「E」の文字が表されている構成の本件商標と「Autoclave」及び「Engineers」の文字を二段に書した右側に引用図形部分を配した引用商標とは、明らかにその構成態様が異なり、外観上相違するものである。 また、引用商標の構成中、自他商品の識別標識として機能する要部の一つである引用図形部分と本件商標との比較においても、丸みを帯びた黒色の山形図形中に白抜き図形を包含する一種の幾何図形と、かまぼこ形の輪郭図形内にデザイン化された「A」と「E」を配した本件商標とは、その構成において、明らかな相違があるから、外観において、相紛れるおそれはない。 また、本件商標から「エーイー」の称呼が生じるのに対し、引用商標から生じる称呼は「オートクレーブエンジニアズ」のみであるところ、両称呼は、その構成音、音数において大きく相違するものであるから、称呼上、相紛れるおそれはなく、本件商標から特定の観念は生じないことから、観念においても相紛れるおそれはない。 また、ほかに、本件商標が引用商標と類似するとみるべき特段の事情も見いだし得ない。 そうとすれば、本件商標と引用商標は、外観、称呼及び外観において、互いに紛れるおそれのない非類似の商標といえる。 (4)まとめ 以上のとおり、本件商標は、引用商標とは同一又は類似する商標ではなく、本件商標の指定商品中、申立に係る商品についての登録は、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、維持すべきものである。 よって、結論のとおり決定する。 |
別掲 |
別掲1(本件商標) 別掲2(引用商標) |
異議決定日 | 2017-06-16 |
出願番号 | 商願2016-5733(T2016-5733) |
審決分類 |
T
1
652・
262-
Y
(W0712)
T 1 652・ 263- Y (W0712) T 1 652・ 261- Y (W0712) |
最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 池田 光治 |
特許庁審判長 |
酒井 福造 |
特許庁審判官 |
田中 幸一 今田 三男 |
登録日 | 2016-10-21 |
登録番号 | 商標登録第5890277号(T5890277) |
権利者 | 株式会社ミツバ |
商標の称呼 | エイイイ |
代理人 | 朝倉 美知 |
代理人 | 伊藤 孝太郎 |
代理人 | 杉本 ゆみ子 |
代理人 | 中村 知公 |
代理人 | 前田 大輔 |