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審決分類 |
審判 一部申立て 登録を維持 W141825 審判 一部申立て 登録を維持 W141825 審判 一部申立て 登録を維持 W141825 |
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管理番号 | 1326090 |
異議申立番号 | 異議2016-900289 |
総通号数 | 208 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標決定公報 |
発行日 | 2017-04-28 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2016-09-12 |
確定日 | 2017-03-02 |
異議申立件数 | 1 |
事件の表示 | 登録第5857274号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 登録第5857274号商標の商標登録を維持する。 |
理由 |
1 本件商標 本件登録第5857274号商標(以下「本件商標」という。)は、「ALTERNATIVE SYNDROME」の欧文字を横書きしてなり、平成27年12月18日に登録出願、第14類「身飾品,貴金属,キーホルダー,宝石箱,宝玉及びその原石並びに宝玉の模造品,貴金属製靴飾り,時計」、第18類「かばん類,袋物,かばん金具,がま口口金,蹄鉄,愛玩動物用被服類,携帯用化粧道具入れ,傘,ステッキ,つえ,つえ金具,つえの柄,皮革」及び第25類「被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物,仮装用衣服,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」を指定商品として、同28年4月27日に登録査定、同年6月10日に設定登録されたものである。 2 引用商標 登録異議申立人(以下「申立人」という。)が本件登録異議の申立てに引用する登録商標は、以下のとおりであり、いずれも現に有効に存続しているものである。 (1)登録第5693409号商標(以下「引用商標1」という。)は、「ALTERNATIVE」の欧文字を横書きしてなり、平成25年12月19日に登録出願、第25類及び第35類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、同26年8月15日に設定登録されたものである。 (2)登録第5693408号商標(以下「引用商標2」という。)は、別掲1のとおり、「ALTERNATIVE」の欧文字を横書きしてなり、平成25年6月11日に登録出願、第25類及び第35類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、同26年8月15日に設定登録されたものである。 (3)登録第5367073号商標(以下「引用商標3」という。)は、「ALTERNATIVE APPAREL」の文字を標準文字で表してなり、平成19年10月25日に登録出願、第25類及び第35類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、同22年11月12日に設定登録されたものである。 (4)登録第5367072号商標(以下「引用商標4」という。)は、別掲2のとおりの構成からなり、平成19年10月25日に登録出願、第25類及び第35類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、同22年11月12日に設定登録されたものである。 (5)登録第5156736号商標(以下「引用商標5」という。)は、「ALTERNATIVE EARTH」の文字を標準文字で表してなり、平成19年10月25日に登録出願、第18類及び第25類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同20年8月1日に設定登録されたものである。 (6)国際登録第1113794A号商標(以下「引用商標6」という。)は、別掲3のとおり、「ALTERNATIVE」の欧文字を横書きしてなり、2011年8月25日にアメリカ合衆国においてした商標登録出願に基づいてパリ条約第4条による優先権を主張し、2012年(平成24年)1月24日に国際商標登録出願、第18類に属する国際登録に基づく商標権に係る商標登録原簿に記載の商品を指定商品として、平成26年5月16日に設定登録されたものである。 なお、引用商標1ないし6をまとめていうときは、以下、単に「引用商標」という。 3 登録異議の申立ての理由 申立人は、本件商標は、その指定商品中、第14類「貴金属製靴飾り」、第18類「かばん類,袋物,携帯用化粧用具入れ,傘,ステッキ,つえ,つえ金具,つえの柄」及び第25類「被服,履物」については、商標法第4条の規定により、その登録は取り消されるべきであると申立て、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第7号証(枝番を含む。)を提出した。 (1)本件商標について 本件商標は、「ALTERNATIVE SYNDROME」の欧文字を横書きしたものであり、「ALTERNATIVE」と「SYNDROME」との二つの語を結合してなる結合商標であるところ、その「ALTERNATIVE」の語は「代わりの、別の、他にとり得る」等の意味を有する英単語であり、「SYNDROME」の語は「症候群、シンドローム」等の意味を有する英単語であり、両英単語は結合しても何ら特別な意味を持たない相互の結合力が弱い英単語であるといえる。 また、本件商標は、全体として称呼する場合には「オルタナティブシンドローム」という11音(決定注:12音の誤記と思われる。以下、同じ。)もある非常に長い称呼が生じることになる。 このように本件商標は、二つの語を結合してなる結合商標であるところ、全体として称呼する場合には11音という非常に長い称呼が生じ、かつ、結合される二つの英単語の相互結合力が弱いため、「オルタナティブ」又は「シンドローム」の何れかの語に簡略化される可能性が極めて高いものである。 したがって、本件商標からは、「オルタナティブシンドローム」に加えて、「オルタナティブ」及び「シンドローム」の称呼が生じる。 (2)本件商標と引用商標の指定商品の比較 本件商標の指定商品は、引用商標1ないし6の指定商品と同一又は類似の商品を含むものである。 (3)本件商標と引用商標の比較 本件商標は、「ALTERNATIVE SYNDROME」の欧文字を横書きしてなるところ、全体として称呼した場合には「オルタナティブシンドローム」という冗長な称呼が生じてしまうため、何れか一方の語に省略されて「オルタナティブ」又は「シンドローム」の称呼が生じるものである。 これに対して、引用商標1、2、4及び6は、その構成態様から唯一「オルタナティブ」の称呼が生じる。 また、引用商標3は「ALTERNATIVE APPAREL」の欧文字を横書きしてなり、引用商標5は「ALTERNATIVE EARTH」の欧文字を横書きしてなるところ、どちらも全体として称呼した場合には「オルタナティブアパレル」、「オルタナティブアース」という冗長な称呼が生じるため、何れか一方の語に省略されて、称呼される可能性が高く、したがって、「オルタナティブ」の称呼も生じるものである。 そこで、本件商標及び引用商標の称呼を比較すると、両商標からは、「オルタナティブ」の称呼が生じるものであり、よって、外観及び観念について詳細に検討するまでもなく、本件商標と引用商標は、称呼が類似している類似商標である。 (4)むすび 以上のとおり、本件商標は、その指定商品中、第14類「貴金属製靴飾り」、第18類「かばん類,袋物,携帯用化粧用具入れ」及び第25類「被服,履物」が、商標法第4条第1項第11号に違反して登録がなされたものである。 4 当審の判断 (1)商標法第4条第1項第11号該当性について 本件商標は、「ALTERNATIVE SYNDROME」の文字を横書きしてなるところ、その構成各文字は、同書、同大でまとまりよく外観上一体に表されているばかりでなく、これより生じる「オルタナティブシンドローム」の称呼もやや冗長ではあるものの、無理なく一連に称呼し得るものである。 そして、本件商標は、その構成中、前半部の「ALTERNATIVE」の文字が、「代わりの、二者択一」等の意味を有する語であり、後半部の「SYNDROME」の文字が、「症候群」等の意味(どちらも、株式会社大修館書店「ベーシックジーニアス英和辞典」)を有する語であり、これらの語からなる本件商標の構成全体としては、直ちに特定の意味合いを理解、認識させるものではない一種の造語よりなるものと認められるものであって、本件商標からは、特定の観念を生じないものである。 そうすると、本件商標は、両文字の意味及びその構成において、いずれかの文字部分が商品の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものとはいい難く、どちらの語も特に軽重の差があるものとはいえないから、構成全体を一体のものとしてのみとらえ、その構成文字に相応して、「オルタナティブシンドローム」の一連の称呼のみを生じ、特定の観念を生じないものというのが相当である。 してみれば、本件商標は、その構成中の「ALTERNATIVE」の文字部分だけを分離、抽出し、引用商標と比較して商標そのものの類否を判断することが許されないものというべきである。 そうとすれば、本件商標より「ALTERNATIVE」の文字部分を分離、抽出し、これより生じる「オルタナティブ」の称呼が、引用商標から生じる称呼と同一であるとして、本件商標と引用商標とが類似する商標であるとする申立人の主張は、その前提において誤りがあるというべきであり、理由がない。 そして、本件商標と引用商標は、それぞれ前記1及び2のとおりの構成からなるものであるから、外観において、明らかに相違し、称呼においては、引用商標からは、その構成文字に相応して、それぞれ、「オルタナティブ」、「オルタナティブアパレル」及び「オルタナティブアース」の称呼が生じるものであり、本件商標から生じる「オルタナティブシンドローム」の称呼とは、その構成音及び構成音数において明らかな差異を有するものであるから、称呼上、明瞭に聴別できるものであり、観念においては、本件商標は、特定の観念を生じないことから、両者を比較することができないものである。 以上のとおり、本件商標と引用商標とは、観念において比較できないとしても、外観及び称呼において相紛れるおそれのない非類似の商標というべきである。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。 (2)むすび 以上のとおり、本件商標の登録は、本件申立てに係る指定商品について、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきものとする。 よって、結論のとおり決定する。 |
別掲 |
別掲 1 引用商標2 2 引用商標4 3 引用商標6 |
異議決定日 | 2017-02-20 |
出願番号 | 商願2015-124638(T2015-124638) |
審決分類 |
T
1
652・
262-
Y
(W141825)
T 1 652・ 261- Y (W141825) T 1 652・ 263- Y (W141825) |
最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 大塚 順子 |
特許庁審判長 |
山田 正樹 |
特許庁審判官 |
榎本 政実 大井手 正雄 |
登録日 | 2016-06-10 |
登録番号 | 商標登録第5857274号(T5857274) |
権利者 | 株式会社アールエヌエー |
商標の称呼 | オルタナティブシンドローム、オルターナティブシンドローム、オルタナティブ、オルターナティブ、シンドローム |
代理人 | 八木田 智 |
代理人 | 浜野 孝雄 |
代理人 | 稲垣 謙司 |