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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 W32
審判 全部申立て  登録を維持 W32
審判 全部申立て  登録を維持 W32
審判 全部申立て  登録を維持 W32
審判 全部申立て  登録を維持 W32
管理番号 1325085 
異議申立番号 異議2016-900181 
総通号数 207 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2017-03-31 
種別 異議の決定 
異議申立日 2016-07-12 
確定日 2017-02-16 
異議申立件数
事件の表示 登録第5840062号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第5840062号商標の商標登録を維持する。
理由 第1 本件商標
本件登録第5840062号商標(以下「本件商標」という。)は、「XStraBurn」の欧文字と「エクストラバーン」の片仮名を二段に横書きしてなり、平成27年10月15日に登録出願、第32類「エネルギー補給用清涼飲料,スポーツ用のアルコール分を含まない飲料,スポーツ用の清涼飲料及びスポーツ用のアルコール分を含まない清涼飲料,その他の清涼飲料及びその他のアルコール分を含まない飲料,乳清飲料,果実飲料,飲料用野菜ジュース」を指定商品として、平成28年4月8日に設定登録されたものである。

第2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が本件登録異議の申立てに引用する登録商標は、以下の4件であり、いずれも現に有効に存続しているものである。
1 登録第5031960号商標(以下「引用商標1」という。)は、「burn」の欧文字と「バーン」の片仮名を二段に横書きしてなり、平成18年5月19日に登録出願、第32類「清涼飲料のもと,飲料水,アイソトニック飲料,その他の清涼飲料,果実飲料,乳清飲料,飲料用野菜ジュース」を指定商品として、平成19年3月9日に設定登録され、その後、平成19年7月3日に指定商品中の「乳清飲料,飲料用野菜ジュース」について放棄の申請がなされ、一部抹消の登録がされているものである。
2 登録第5411336号商標(以下「引用商標2」という。)は、別掲のとおりの構成よりなり、平成22年12月6日に登録出願、第32類「飲料水,香りを付けた飲料水,鉱泉水,炭酸水,栄養補助剤を添加した清涼飲料,スポーツ用の清涼飲料,飲料製造用のシロップ・濃縮液・その他の液状・粉末状の清涼飲料製造用調製品,その他の清涼飲料,液状・粉末状の果実飲料製造用調製品,その他の果実飲料,その他のアルコール分を含有しない飲料」を指定商品として、平成23年5月13日に設定登録されたものである。
3 登録第5568560号商標(以下「引用商標3」という。)は、「バーン」の片仮名と「BURN」の欧文字を二段に横書きしてなり、平成24年6月21日に登録出願、第32類「飲料水,香りを付けた飲料水,ミネラルウォーター,炭酸水,エネルギー補給用の清涼飲料(医療用のものを除く。),スポーツ用の清涼飲料,飲料製造用のシロップ・濃縮液・その他の液状・粉末状の清涼飲料製造用調製品,その他の清涼飲料,果実飲料,その他のアルコール分を含有しない飲料」を指定商品として、平成25年3月22日に設定登録されたものである。
4 登録第5751909号商標(以下「引用商標4」という。)は、「LIVE WHAT YOU BURN FOR」の欧文字を横書きしてなり、2014年5月30日にロシア連邦においてした商標登録出願に基づきパリ条約第4条による優先権を主張して、平成26年9月25日に登録出願、第32類「ビール,ミネラルウォーター,炭酸飲料水,エネルギー補給用の清涼飲料(医療用のものを除く。),スポーツ用の清涼飲料,飲料製造用のシロップ・濃縮液・その他の液状・粉末状の清涼飲料製造用調製品,その他の清涼飲料,果実飲料,飲料用野菜ジュース,その他のアルコール分を含有しない飲料(乳清飲料を除く。)」を指定商品として、平成27年3月20日に設定登録されたものである。

第3 登録異議申立ての理由
申立人は、本件商標は、商標法第4条第1項第11号、同項第15号及び同項第7号に該当するから、同法第43条の2第1号により、その登録は取り消されるべきであると申し立て、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第70号証(枝番を含む。)を提出した。
1 商標法第4条第1項第11号該当性
本件商標中の「エクストラ」の文字部分は、「特別の、余分の、特上の、極上品」といった意味の外来語として親しまれている(甲7?甲10)ことに加え、本件商標の指定商品を取り扱う業界において、商品の品質が優れていること、極上品、特級品であることを示す誇称表示として不特定多数の者によって広く一般に使用されている(甲13?甲32)。また、「XStra」の文字部分は、「エクストラ」と称呼され、上記意味の外来語「エクストラ」を直観させる。
そうすると、本件商標は、その構成中の「XStra」及び「エクストラ」の文字部分が商品の出所識別標識としての機能を果たさないものである(甲11、甲12、甲33?甲54、甲65)から、「Burn」及び「バーン」の文字部分が取引者、需要者に対して商品の出所識別標識として強く支配的な印象を与えることが明らかである。
そして、本件商標中の「Burn」及び「バーン」の文字部分と引用商標1ないし3とは、「バーン」の称呼及び「燃える」の観念(甲6)を共通にし、主要部に「burn」、「バーン」又は「BURN」の文字を含み、外観が近似するから、本件商標は、引用商標1ないし3と類似するものである。
また、本件商標の指定商品は、引用商標1ないし3の指定商品と同一又は類似のものである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。
2 商標法第4条第1項第15号該当性
「BURN(バーン)」は、ザ コカ・コーラ カンパニー(関連会社を含め、以下「コカ・コーラ社」という。)及びコカ・コーラ社からエナジードリンク事業を承継した申立人(以下、両者を合わせていうときは、「申立人ら」という。)の製造販売に係るエナジードリンクのブランド名として長年使用されているものであり、2000年に北欧で販売を開始して以降、現在までに日本を含む世界の85ヶ国以上の国及び地域で販売され、テレビコマーシャル、ソーシャルメディア、世界規模でのプロモーションイベント等を含む多様な形態の大規模な広告宣伝効果も相まって、本件商標の登録出願時及び登録査定時には、申立人らの業務に係るエナジードリンクの出所識別標識として取引者、需要者の間で広く認識されていた(甲55?甲64、甲66?甲70)。
申立人は、引用商標1ないし3に加えて、構成中に「BURN」の文字を有する引用商標4についても国内で登録を取得している。また、世界の125を超える国及び地域で「BURN」及び「BURN」の文字を包含する様々な商標について出願し、権利化している(甲66及び同付属物件12)。
本件商標は、上記1のとおり、「Burn」及び「バーン」の文字部分が商品の出所識別標識として強く支配的な印象を与え、「BURN(バーン)」と類似のものであり、かつ、申立人らの取り扱いに係る「BURN(バーン)」ブランドのエナジードリンクと競合する同一又は類似の商品に使用されるものである。
また、本件商標の指定商品の需要者は一般消費者であり、かつ、当該商品は、日常で消費される安価な製品であるから、通常の需要者の注意力の程度は高いものとはいえない。
そうすると、本件商標が使用された場合は、申立人の業務に係る「BURN(バーン)」ブランドのエナジードリンクの新製品又はその姉妹商品であると誤信され、その出所について混同を生じるおそれが高いことが明らかである。
さらに、本件商標の使用は、エナジードリンクの有名ブランド「BURN(バーン)」の出所識別力希釈化させるものであり、また、その名声、顧客吸引力にフリーライドするものといわざるを得ない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。
3 商標法第4条第1項第7号該当性
本件商標の使用は、その登録出願時に申立人の業務に係るエナジードリンク製品を表示するものとして外国及び日本国内で広く認識されていた「BURN(バーン)」ブランドの出所識別力希釈化するものであり、また、申立人が当該ブランドについて獲得した信用力、顧客吸引力にフリーライドするものといわざるを得ないものであるから、申立人に経済的及び精神的損害を与えることが明らかである。
そうすると、本件商標は、社会一般道徳及び公正な取引秩序の維持を旨とする商標法の精神並びに国際信義に反するものであるから、公の秩序を害するおそれがある。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第7号に該当する。

第4 当審の判断
1 商標法第4条第1項第11号該当性について
(1)本件商標
本件商標は、前記第1のとおり、「XStraBurn」の欧文字と「エクストラバーン」の片仮名を二段に横書きしてなるところ、上段の欧文字と下段の片仮名は同じような書体により、外観上まとまりよく表されているものである。
そして、上段の欧文字は、「XS」と「B」が大文字で、他の文字が小文字で書されているとしても、いずれの文字も同じ書体、同じ間隔でまとまりよく一体的に表されているものである。
また、下段の片仮名は、いずれの文字も同じ書体、同じ間隔でまとまりよく一体的に表されているものであり、その構成態様からみて、上段の欧文字の読みを特定するためのものと無理なく理解されるものとみるのが相当である。
さらに、本件商標の構成中、「XStra」の文字部分が、本件申立てに係る指定商品の分野において、商品の品質等を表していると認めるべき実情や、「Burn」の文字部分が、取引者、需要者に対し商品の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものと認めるべき特段の事情は見いだせない。
そうすると、本件商標は、その構成文字に相応して、「エクストラバーン」の称呼のみを生じるものであって、また、上段及び下段の各文字部分は、いずれも特定の意味を有する語として一般の辞書等に掲載されていないものであるから、造語と認められ、特定の観念を生じないものということができる。
なお、申立人は、本件商標中の「エクストラ」の文字部分は、「特別の」等を意味する外来語として親しまれ、かつ、様々な商品分野において、商品の品質が優れていること、極上品、特級品であることを表示するために使用されているとして、また、「XStra」の文字部分から生ずる「エクストラ」の称呼は、上記意味の外来語「エクストラ」を直観させるとして、本件商標中の「XStra」及び「エクストラ」の文字部分は、自他商品の識別機能を有しないものであり、本件商標は、「Burn」及び「バーン」の文字部分から、「バーン」の称呼及び「燃える」の観念が生ずる旨主張してい
る。
しかしながら、申立人が提出した証拠(甲7?甲10、甲13?甲32)によれば、「EXTRA(extra)」、「エクストラ(エキストラ)」が「特別の」等の意味を有し、飲料を含む様々な食品について、単独又は他の語と結合して使用されている実情が把握できるとしても、本件商標の構成中、「エクストラバーン」の片仮名は、上記のとおり、その構成態様からみて、上段の欧文字の称呼を特定するために書されたものと理解されるものであり、かかる構成においては、本件商標から「Burn」及び「バーン」の文字部分を分離、抽出し、この部分から「バーン」の称呼及び「燃える」の観念が生じるとは認めることはできない。
また、本件商標の構成中、「XStra」の欧文字が下段の片仮名により「エクストラ」と読まれるとしても、このことから直ちに、該文字が「特別の」等の意味を有する英語「EXTRA(extra)」を想起させることはないというべきである。
したがって、申立人の主張は、採用することができない。
(2)引用商標1ないし3
ア 引用商標1
引用商標1は、前記第2の1のとおり、「burn」の欧文字と「バーン」の片仮名を二段に横書きしてなるところ、上段の欧文字と下段の片仮名は同じような書体により、外観上まとまりよく表されているものであり、かつ、下段の片仮名は、上段の欧文字の読みを特定するものと無理なく認識できるものであるから、その構成文字に相応して、「バーン」の称呼を生じ、また、「burn」の欧文字は、「燃える」の意味を有する英語として知られているものであるから、「燃える」の観念を生じるものである。
イ 引用商標2
引用商標2は、別掲のとおり、黒塗りの縦長長方形内に、赤系と白系の色彩を基調とした炎と思しき図形とその下に「burn」の欧文字を白抜きで表してなるものであり、その構成中の図形部分は、これより直ちに特定の称呼、観念が生じるものではないから、これに接する取引者・需要者は、称呼しやすい「burn」の文字部分を捉えて商品の取引に当たる場合が多いとみるのが相当である。
そうすると、引用商標2は、その構成中の「burn」の文字部分に相応して、「バーン」の称呼及び「燃える」の観念を生ずるものである。
ウ 引用商標3
引用商標3は、前記第2の3のとおり、「バーン」の片仮名と「BURN」の欧文字を二段に横書きしてなるところ、上段の片仮名と下段の欧文字は同じような書体により、外観上まとまりよく表されているものであり、かつ、上段の片仮名は、下段の欧文字の読みを特定するものと無理なく認識できるものであるから、その構成文字に相応して、「バーン」の称呼及び「燃える」の観念を生じるものである。
(3)本件商標と引用商標1ないし3との対比
ア 外観
本件商標と引用商標1及び3とを比較すると、外観については、本件商標は、「XStraBurn」の欧文字と「エクストラバーン」の片仮名を二段に横書きしてなるのに対し、引用商標1は、「burn」の欧文字と「バーン」の片仮名を二段に横書きして、引用商標3は、「バーン」の片仮名と「BURN」の欧文字を二段に横書きしてなるものであるから、本件商標と引用商標1及び3とは、「XStra」及び「エクストラ」の有無において明確な差異を有するものである。
そして、本件商標と引用商標2とを比較すると、本件商標は、「XStraBurn」の欧文字と「エクストラバーン」の片仮名を二段に横書きしてなるのに対し、引用商標2は、別掲のとおりの構成態様からなるものであるから、両者は、外観上明らかに相違するものである。
イ 称呼
称呼については、本件商標より生ずる「エクストラバーン」の称呼と引用商標1ないし3より生ずる「バーン」の称呼とは、「エクストラ」の音の有無の差異を有するものであるから、それぞれの称呼を一連に称呼した場合には、その語調、語感が著しく相違したものとなり、称呼上互いに紛れるおそれはないものである。
ウ 観念
観念については、本件商標は、特段の観念を有しないものであるから、引用商標1ないし3とは、観念上比較することはできないものである。
(4)小活
そうすると、本件商標と引用商標1ないし3とは、外観、称呼及び観念のいずれの点からみても、相紛れるおそれのない非類似の商標というべきである。
したがって、本件商標の指定商品と引用商標1ないし3の指定商品の類否について判断するまでもなく、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
2 商標法第4条第1項第15号該当性について
(1)使用商標の著名性について
ア 申立人の提出に係る証拠によれば、以下の事実を認めることができる。
(ア)コカ・コーラ社は、2012年(平成24年)3月12日に、エネルギー補給飲料(エナジードリンク。以下「申立人商品」という。)「バーン エナジードリンク」及び「バーン エナジーブースト」の販売を日本全国で開始し、同年3月に渋谷において、同年4月に札幌、仙台、名古屋、大阪、福岡にある大学において、申立人商品の試供品配布のイベントを開催した(甲55?甲57)。これらの申立人商品には、引用商標2が顕著に表示されているほか、「バーン」の文字が表されている。
(イ)コカ・コーラ社は、2013年(平成25年)3月に、「バーン エナジードリンク」のパッケージをリニューアルし「バーン エナジードリンク」に関するテレビCMをオンエアする旨の、同年6月に、姉妹品である「バーン リフレッシュエナジー」を発売しエナジードリンク「burn」の新キャンペーンを行う旨の、2014年(平成26年)4月に、「バーン エナジードリンク」のボトル缶を発売する旨の、同年6月に、「バーン リフレッシュエナジー」のボトル缶を発売する旨のニュースリリースをそれぞれ行った(甲58?甲62)。これらの申立人商品には、引用商標2又は色彩が同一のものとすれば、引用商標2と同一の構成からなる商標が表示されており、ニュースリリース中では、「バーン」、「Burn」の文字が使用されている。
(ウ)2013年(平成25年)4月及び2014年(平成26年)4月に、コカ・コーラ社の「バーン(burn) エナジードリンク」は、「海外発エナジードリンク」として、引用商標2が顕著に表された申立人商品の写真や「burn(バーン)」の略称が用いられて、雑誌で紹介されるなどした(甲63、甲64)。
(エ)申立人は、モンスタービバレッジコーポレーションの傘下にある申立人が、申立人商品に付される「BURN」ブランドの所有権が、2015年(平成27年)に、コカ・コーラ社からモンスタービバレッジコーポレーションに譲渡されたのを契機に、「BURN」ブランドを使用したエナジー飲料の販売を開始した(甲66?甲70)。
イ 上記アの事実によれば、引用商標2並びに「バーン」及び「Burn」の文字(以下、これらをまとめて「使用商標」という。)は、我が国において、本件商標の登録出願日前である平成24年3月12日から申立人商品に使用され、申立人商品に関する試供品の配布、テレビCM、キャンペーン、ニュースリリース、雑誌への掲載において用いられていたことが認められる。
しかしながら、これらは、使用商標が付された申立人商品についての我が国における宣伝広告が、試供品の配布や、一時的なテレビCMやキャンペーンが行われたという程度にとどまるものであり、申立人らが継続して使用商標を付した申立人商品の広告等を我が国において積極的に行ったという事実を明らかにする証拠の提出はないから、使用商標が、我が国においてどの程度知られていたかを把握することはできない。
また、申立人商品の日本における販売量、売上高等については、申立人の会長兼最高経営責任者の宣誓供述書(甲66)に、「2015年の後半の2四半期だけでも、当社は日本の販売業者に50万ドルを遙かに超える『BURN』製品を販売した。」との記載があるだけで、これを裏付ける証拠の提出はなく、さらに、申立人商品の我が国における清涼飲料等の分野でのシェアも明らかではない。
そうすると、申立人が提出した証拠からは、使用商標が、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、申立人の業務に係る「エナジードリンク」を表示するものとして、我が国の取引者、需要者の間に広く認識されていたものと認めることはできない。
さらに、引用商標1、3及び4が、申立人の業務に係る商品に使用されていた事実を確認することができず、これらの商標が、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、申立人の業務に係る「エナジードリンク」を表示するものとして、我が国の取引者、需要者の間に広く認識されていたものと認めることもできない。
(2)混同のおそれについて
上記(1)のとおり、使用商標並びに引用商標1、3及び4は、申立人らの業務に係る「エナジードリンク」を表示するものとして、本件商標の登録出願日及び登録査定日の時点において、我が国の取引者、需要者の間に広く認識されていた商標と認めることはできない。
そして、本件商標は、上記1(1)のとおり、「XStraBurn」の欧文字と「エクストラバーン」の片仮名を二段に横書きしてなるところ、その構成文字に相応して、「エクストラバーン」の称呼のみを生じ、特定の観念を生じないものである。
また、本件商標の構成態様において、ことさら「Burn」及び「バーン」の文字部分が商品の出所識別標識として着目されるとすべき特段の事情は見あたらない。
さらに、本件商標は、引用商標1ないし3とは、上記1のとおり、非類似の商標である。また、引用商標4は、「LIVE WHAT YOU BURN FOR」の欧文字を横書きしてなり、その構成文字に相応して、「リブワットユーバーンフォー」の称呼を生じ、「燃える(あこがれる)ことをして生きなさい」程の意味合いを生じるものであるから、本件商標とは、外観、称呼及び観念のいずれの点についても非類似の商標というべきである。
そうすると、本件商標は、その構成中に「Burn」の欧文字及び「バーン」の片仮名を含んでいるものの、本件商標をその指定商品に使用しても、本件商標に接する取引者、需要者が、その商品が申立人ら又は申立人らと何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように、使用商標並びに引用商標1、3及び4を想起又は連想することはなく、その出所について混同を生ずるおそれはないというべきである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。
3 商標法第4条第1項第7号該当性について
本件商標は、上記1(1)のとおり、その構成態様が、きょう激、卑わい、差別的若しくは他人に不快な印象を与えるような文字からなるものではなく、また、その構成において、「Burn」の文字を含むものの、上記2のとおり、使用商標は、申立人らの業務に係る「エナジードリンク」を表示するものとして、我が国の取引者、需要者の間に広く認識されていた商標と認めることはできず、申立人提出の証拠からも、本件商標権者が本件商標をその指定商品に使用し、申立人らの使用商標を希釈化したり、使用商標が獲得した信用力、顧客吸引力にフリーライドするなどの社会的妥当性を欠くというところがあるというべき事情は見いだせないから、それをその指定商品について使用しても、社会の一般道徳観念に反するということはできないし、国際信義に反するものということもできない。
したがって、本件商標は、公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがある商標ということはできないから、商標法第4条第1項第7号に該当しない。
4 むすび
以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号、同第15号及び同第7号のいずれにも違反して登録されたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
別掲 別掲 引用商標2(色彩は原本参照)


異議決定日 2017-02-07 
出願番号 商願2015-99540(T2015-99540) 
審決分類 T 1 651・ 271- Y (W32)
T 1 651・ 263- Y (W32)
T 1 651・ 261- Y (W32)
T 1 651・ 22- Y (W32)
T 1 651・ 262- Y (W32)
最終処分 維持  
前審関与審査官 佐藤 松江 
特許庁審判長 青木 博文
特許庁審判官 大橋 洋子
小松 里美
登録日 2016-04-08 
登録番号 商標登録第5840062号(T5840062) 
権利者 アルティコア インコーポレイテッド
商標の称呼 エクストラバーン、エックスストラバーン、エクストラ、エックスストラ、ストラ、バーン 
代理人 中村 稔 
代理人 柳田 征史 
代理人 辻居 幸一 
代理人 田中 伸一郎 
代理人 藤倉 大作 
代理人 熊倉 禎男 
代理人 松尾 和子 
代理人 中熊 眞由美 
代理人 佐久間 剛 
代理人 井滝 裕敬 

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