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審決分類 審判 査定不服 外観類似 取り消して登録 W33
審判 査定不服 称呼類似 取り消して登録 W33
審判 査定不服 観念類似 取り消して登録 W33
管理番号 1318161 
審判番号 不服2016-2033 
総通号数 201 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2016-09-30 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2016-02-10 
確定日 2016-08-17 
事件の表示 商願2015-30967拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願商標は、登録すべきものとする。
理由 1 本願商標
本願商標は、「こめいっこ」の文字と「米一刻」の文字を上下二段に横書きしてなり、第33類「日本酒,米を使用してなる洋酒,米を使用してなる果実酒,米を使用してなる酎ハイ,米を使用してなる中国酒,米を使用してなる薬味酒」を指定商品として、平成27年4月2日に登録出願され、その後、指定商品については、原審における同年8月24日付け手続補正書により、第33類「米を使用してなる日本酒,米を使用してなる洋酒,米を使用してなる果実酒,米を使用してなる酎ハイ,米を使用してなる中国酒,米を使用してなる薬味酒」に補正され、さらに、当審における同28年6月1日付け手続補正書により、第33類「泡盛,米を使用してなる焼酎,白酒,清酒,直し,みりん,にごり酒,米を使用してなる濁酒,柳陰,発泡性清酒,米を使用してなる発泡性焼酎,米を使用してなる発泡性濁酒,米を使用してなる洋酒,米を使用してなる果実酒,米を使用してなる酎ハイ,米を使用してなる中国酒,米を使用してなる薬味酒」に補正されたものである。

2 引用商標
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録第5800283号商標(以下「引用商標」という。)は、「こめいっこく」の文字を標準文字により表してなり、平成27年3月16日に登録出願され、第33類「米を原材料とする焼酎,その他の米を原材料とする日本酒」を指定商品として、同年10月16日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。

3 当審において通知した拒絶の理由
審判長は、請求人に対し、平成28年5月24日付け拒絶理由通知書で、要旨次のとおりの拒絶の理由を通知した。
指定商品は、商標とともに権利範囲を定めるものであるから、その内容及び範囲は明確でなければならないところ、指定商品「日本酒」の表示については、商標法施行規則(改正:平成26年12月12日経済産業省令第63号、平成27年1月1日施行)別表の第33類に例示し、「泡盛,焼酎,清酒」などを含む日本固有の酒を表す商品表示として採択してきたが、酒税の保全及び酒類業組合等に関する法律(昭和28年法律第7号)に基づく「酒類の地理的表示に関する表示基準」(平成27年国税庁告示第19号)により、国税庁長官が「日本酒」を酒類の地理的表示として指定した(平成27年12月25日)結果、地理的表示としての「日本酒」は、国内産米を原料とし、国内で製造された清酒のみに使用できる名称であり、指定商品「日本酒」の範囲とは異なることから、本願の指定商品中「米を使用してなる日本酒」の表示は、現在においては、その内容及び範囲が明確でない表示であるといわざるを得ないものである。
したがって、本願は、商標法第6条第1項の要件を具備しない。

4 当審の判断
(1)商標法第6条第1項について
本願は、その指定商品について、上記1のとおり補正された結果、商品の内容及び範囲が明確なものになった。
その結果、本願は、商標法第6条第1項の要件を具備するものとなった。
(2)商標法第4条第1項第11号について
本願商標は、上記1のとおり、「こめいっこ」の文字と「米一刻」の文字を二段に横書きしてなるところ、それぞれの文字は、特定の意味を有する語として一般に知られているとはいい難いものであって、特定の意味を想起させることのない造語として認識されるものであり、その構成中、上段の「こめいっこ」の文字部分は、下段の「米一刻」の文字の読みを特定したものと無理なく認識できるものであるから、その構成文字に相応する「コメイッコ」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。
他方、引用商標は、上記2のとおり「こめいっこく」の文字を書してなるところ、該文字から「コメイッコク」の称呼を生じること明らかである。また、引用商標は、その構成中、「こめ」の文字部分が指定商品との関係において「米」を想起させることから、「いっこく」の文字部分が「一石」(穀物の量:10斗、180.39リットル)を連想・想起させ、全体として「米一石」(米が一石)の意味合いを認識させるものといえるから、「米が一石」程の観念を生じるものである。
そこで、本願商標と引用商標とを比較すると、外観については、構成文字の種類や文字数等において明らかに相違するから、外観上、相紛れるおそれはない。
つぎに、称呼については、本願商標から生じる「コメイッコ」の称呼と、引用商標から生じる「コメイッコク」の称呼とを比較すると、語尾における「ク」の音の有無に差異を有するものであるところ、さほど冗長とはいえない音構成にあっては、該差異音が全体の称呼に及ぼす影響は大きく、その語感、語調が相違し、互いに聴き誤るおそれはないというべきであるから、称呼上、相紛れるおそれはない。
さらに、観念については、本願商標は、特定の観念を生じないものであるのに対し、引用商標は、「米が一石」の観念を生じるものであるから、観念上、相紛れるおそれはない。
そうすると、本願商標と引用商標とは、外観、称呼及び観念のいずれの点からみても、相紛れるおそれのない非類似の商標といえる。
したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものではないから、これを理由として本願を拒絶した原査定は、取消しを免れない。
また、当審において通知した拒絶の理由も解消しているものである。
その他、本願について拒絶の理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
審決日 2016-07-27 
出願番号 商願2015-30967(T2015-30967) 
審決分類 T 1 8・ 261- WY (W33)
T 1 8・ 263- WY (W33)
T 1 8・ 262- WY (W33)
最終処分 成立  
前審関与審査官 内田 直樹蛭川 一治 
特許庁審判長 大森 健司
特許庁審判官 板谷 玲子
松浦 裕紀子
商標の称呼 コメイッコ、コメイッコク、イッコ、イッコク 
代理人 特許業務法人みのり特許事務所 

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