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審決分類 審判 全部無効 外観類似 無効としない X03
審判 全部無効 観念類似 無効としない X03
審判 全部無効 称呼類似 無効としない X03
管理番号 1314535 
審判番号 無効2013-680003 
総通号数 198 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2016-06-24 
種別 無効の審決 
審判請求日 2013-09-20 
確定日 2016-03-07 
事件の表示 上記当事者間の国際登録第983641号商標の商標登録無効審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。
理由 第1 本件商標
本件国際登録第983641号商標(以下「本件商標」という。)は、「PHYT’S」の欧文字からなり、2010年(平成22年)10月22日に国際商標登録出願(事後指定)、第3類「Soaps;perfumes;essential oils;cosmetics;dentifrices;depilatories;make-up removing preparations;lipstick;beauty masks;shaving products.」を指定商品として、平成23年10月25日に登録査定され、同年12月16日に設定登録されたものである。
第2 引用商標
請求人が本件商標の無効の理由に引用する登録第4609049号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲のとおりの構成からなり、平成13年11月7日に登録出願、第3類「化粧品」を指定商品として、平成14年10月4日に設定登録されたものである。
第3 請求人の主張
請求人は、「本件商標の登録を無効とする、審判費用は被請求人の負担とする。」との審決を求め、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第24号証(枝番号を含む。)を提出した。
1 理由
本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものであるから、同法第46条第1項の規定により、その登録を無効とすべきものである。
2 具体的理由
(1)本件商標の登録査定時、被請求人及びその総代理店(以下、これを「被請求人等」という。)は、本件商標の使用態様として、「その称呼を文字化してなる標章『フィッツ』」を使用している(甲3)。
そして、本件商標の当該標章「フィッツ」は、引用商標の称呼を文字化した標章「フィッツ」と同一であるから、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号により拒絶されるべきものである。
(2)被請求人等の本件商標の使用事実について
請求人は、被請求人等の標章「フィッツ」の使用事実が確認できたので、当該使用事実を示す証拠を、本件商標の登録査定時の瑕疵を裏付ける証拠の補充として提出する(甲11?24)。
(3)引用商標の使用実績
引用商標は、平成15年から現在に至るまで、請求人が適正に使用し続けた結果、請求人の製品の出所表示標識として、市場において広く認知される状態になっている(甲4)。
これに加えて、引用商標の要部を構成する標章「FITS」、引用商標の「称呼を文字化した標章『フィッツ』」及び標章「フィッツコーポレーション」が、請求人の製品の出所であることを表示する識別標識として、広く認知される状態になっている。
これらの識別力は、以下のとおり、請求人が適正な使用努力を積み重ねたことにより生じた顧客吸引力が大きくなっていることを意味しており、引用商標は、正に、商標法が保護すべき趣旨に合致した商標であるというべきものである。
ア 引用商標の露出等
請求人は、そのすべての商品に、薬事法第61条で定める、いわゆる「責任表示」を付しており、当該「責任表示」の記載の一部に、引用商標を追記表示している。
また、請求人は、2003年頃、自社オリジナルの香水・化粧品ブランドを開発し、引用商標を使用するとともに、一連の類似する標章「FITS」「フィッツコーポレーション」「フィッツ」「(株)フィッツコーポレーション」及び「FITS CORPORATION K.K.」を含めて全体として一体のものであるように使用し、努力を重ねている(甲5 5-1?5)。また、化粧品業界において主要な商品情報を提供している中心的な情報提供サイトにおいて、引用商標、標章「フィッツ」「フィッツコーポレーション」を用いて請求人の商品であることを特定して使用し、認知度が高くなってきている(甲5 5-10?30)。
さらに、引用商標は、標章「FITS CORPORATION K.K.」「フィッツコーポレーション」「株式会社フィッツコーポレーション」「FITS Cotporation」とともに、刊行物の請求人の商品の紹介記事中に多数掲載され(甲6)、また、請求人の商品発表展示会場において、当該商品の出所が請求人であることを需要者に強く訴えかけるように、使用されている(甲7)。
商談においても、請求人を「フィッツ様」「フィッツさん」「フィッツコーポレーション」「フィッツ」又は「(株)フィッツ御中」と指称している(甲9)。
イ 一般需要者の出所混同の事実
引用商標の禁止権に包含される類似商標「フィッツ」と同一の標章「フィッツ」を被請求人等が使用しているために、一般需要者に混同を生じさせる結果になっているものであり(甲10、12等)、標章「フィッツ」による検索結果には、請求人の商品についてのツイートと被請求人等の商品についてのツイートとが混在するが、このことは、一般需要者であるツイータが請求人の商品と、被請求人等の商品との区別をつけることができない状態で商品に接していることを表わしている。
(4)まとめ
本件商標と引用商標を対比すると、引用商標の要部「FITS」の文字配列と本件商標の文字配列とは互いに異なるので、本件商標は引用商標と外観上類似しているということはできないが、引用商標の要部「FITS」は「フィッツ」と称呼されるのに対して、本件商標は「フィッツ」と称呼されるから、両者は称呼上実質的に同一であるといえる。また、引用商標の要部「FITS」は造語であるから、本件商標の観念と比較できるような観念を直感できない。
したがって、両者を比較して総体的に類否を検討すれば、本件商標と引用商標は、称呼上同一といえる程度に類似しているが、外観上の文字配列の差が大きいので、この限りにおいて、一応非類似であると考えることもあり得る。
しかしながら、上記(2)及び(3)のとおり、使用による周知度が高い引用商標の「称呼を文字化してなる標章『フィッツ』」に対して、これと同一の標章「フィッツ」を、被請求人等が本件商標の「称呼を文字化した標章」として使用すれば、出所の混同を生じさせる結果になることを想定せずに本件商標を登録したことは、判断に重大な瑕疵があるから、本件商標の登録を無効とすべきである。
第4 被請求人の答弁
被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第8号証(枝番号を含む。)を提出した。
1 本件商標と引用商標の類否について
請求人は、本件商標と引用商標は、「フィッツ」の称呼が共通することをもって、両商標について混同が生じると述べているが、称呼は商標の類否を判断する上での一要素であり、称呼が一致することをもって、直ちに、両商標について混同が生じると断定することはできない。
そして、片仮名「フィッツ」は、お菓子のガム、収納ケース、パソコン教室、ウォーキングプログラム等様々な例が検索されることから(乙1)、日本における一般需要者は「フィッツ」という音の言葉には慣れ親しんでおり、「フィッツ」という称呼の商標について、それが引用商標のような「FITS」という文字から成るものか、又は本件商標のように全く別の綴りから成るものかに自然と着目することが考えられる。
したがって、本件商標と引用商標は、外観が明らかに異なり、また、「フィッツ」という称呼が一般的に親しまれていることから、需要者はその外観上の差異に着目し、更には外観から生じる観念を連想して出所を識別する。
よって、称呼が共通することのみをもって、直ちに需要者において混同が生ずると判断することは妥当ではない。
ここで、両商標の観念について検討すると、本件商標は、全体として特に意味を有しない一種の造語である。ただし、「PHYT」の部分からは、接頭語「PHYTO」からの連想により、明確な意味までは生じなくとも、「植物」又は「植物由来」のイメージが把握される。
一方、単語「FIT」が「適合、一致、ピッタリ合っていること、適している、(形や大きさが)合う」を表す英単語であり、「フィット」及び「フィットする」が頻繁に使用されていて、広く一般的に親しまれていることから、引用商標は、広く一般に知られている英単語としての「FIT」と三単現の「S」等であることが簡単に把握されると考えられ、「ピッタリ合っていること」程度の意味合いが生じ得る。
よって、両商標は、観念において非類似である。
したがって、本件商標と引用商標は、外観が顕著に異なることが着目されるのみならず観念も異なり、需要者に与える印象・記憶・連想が全く異なるものとなり、本件商標の登録は、これらの事実を総合的に観察した場合に、全体として非類似であるから、本件商標は商標法第4条第1項第11号に該当しないと判断されたものである。
よって、請求人の主張は失当である。
2 本件商標と引用商標の取引の実情について
(1)本件商標はあくまで「PHYT’S」を主たる商標として全面的に強調して使用し、その称呼を示す目的で片仮名「フィッツ」を併記しているにすぎない。このような使用態様では、「フィッツ」の表記から、「PHYT’S」以外の欧文字を連想することは極めて困難であるから出所の混同が生じることは考えられない。
(2)我が国において、欧文字で表記した商標について片仮名を付記することは一般的に行われる広告手法であることから、本件商標においても、本件商標から自然に生じる称呼「フィッツ」を表すために、当該片仮名を使用することは自然である。
そして、引用商標は、請求人の社名とともに近接して使用されることが多く(甲5)、また、商品の背面にあまり目立たない態様で付されており、具体的な商品名の一部として使用するものではない。
一方、被請求人は「PHYT’S」又は「PHYT’S(フィッツ)」を商品名の一部として商品の正面に目立つ態様で付している。このような状況の中で、需要者が本件商標に接した際に、直ちに引用商標を想起することは困難である。直ちに引用商標を想起できない場合において、被請求人が本件商標を使用する際に付記的に片仮名を付していた場合にまで、出所の混同が生ずるとはいえない。
また、引用商標は主にスキンケア関連商品について使用されている一方、本件商標は主に香水について使用されている。一般的に、スキンケア商品を含む化粧品の需要者は自分の体質に合う商品を選び、香水等については香りや成分について自らの嗜好に基づき商品選択を慎重に行う傾向があると考えられる。
したがって、本件商標及び引用商標の具体的な使用態様及び使用している商品、化粧品業界の需要者の傾向等の取引実情を総合的に判断すると、請求人の主張する商標「PHYT’S」に関連付けた称呼「フィッツ」の付記的な表示の使用により出所の混同が生じるとは考えられない。
また、請求人の商標に係る商品の取引者が、流通経路において片仮名「フィッツ」を引用商標等と併用している事実のみでは、被請求人の商品と出所の混同が生ずると主張する根拠となり得ない。
(3)請求人は、引用商標が市場において広く認知されていると主張しているが、被請求人の本件商標に係るブランドは、1972年に南フランスで植物学者シャン=ポール・ロバート氏により創業され、近年注目されているオーガニックコスメブランドの先駆けとして40年以上もの間、愛用され、2005年にはフランスで最もポピュラーなスキンケア製品に、2010年にはエステサロンコスメNo.1に選ばれている(乙3)。このようなブランドの歴史に加え、被請求人の総代理店も本件商標を付した商品を輸入・販売してきたことから(乙4)、本件商標も同様に商品の市場において広く認知されている。
上記のとおり、本件商標にかかるブランドは南フランス発祥の歴史あるオーガニックコスメの先駆けとして商品が広く流通し、需要者に認知されている事実から、既に引用商標にかかる商品との間で特段出所混同を生じることなく流通し、おのおのの商標に業務上の信用が化体していることが明らかとなる。
また、本件商標に係る商品もメディア等において取り上げられている(乙5、6)。
したがって、引用商標等がメディア等に露出していることを根拠に、本件商標との出所混同を主張する請求人の主張は失当であり、当該主張を裏付ける事実も見当たらない。
加えて、請求人は、引用商標の片仮名「フィッツ」が標章「フィッツコーポレーション」とともにインターネット上の商品紹介欄等に書き込まれていることを根拠として、片仮名「フィッツ」に係る商品の出所は請求人であることが一般需要者によって広く見分けられている旨を主張しているが、これらの書き込みは全て引用商標の外観及び当該商標にかかるブランドの存在を想起した上で、その片仮名を記載した書き込みである。このような書き込みの存在を理由に、片仮名「フィッツ」から直ちに引用商標のみを想起するとはいえない。
(4)上述のとおり、本件商標が引用商標とは非類似である点に加え、両商標の具体的使用態様を含めた取引実情を総合的に勘案すると、本件商標の登録を無効とする根拠は見当たらず、請求人の各主張はいずれも失当である。
したがって、本件商標は商標法第4条第1項第11号に該当するものではない。
第5 当審の判断
1 引用商標の取引の実情及び周知性について
引用商標は、本件商標の登録査定時までに、業界紙「週刊粧業」(2004年3月8日)、雑誌「SWEET」(2011年11月号)、「non・no」(2011年11月号 NINA RICCI(香水)の広告)、「Oggi」(2011年12月号 VALENTINO(香水)の広告)において、請求人が輸入販売又は製造販売する香水又は化粧品の広告に表示されたこと(甲5 5-5、甲6 6-3?7、6-10・11)、及びその商品の背面部分に、製造販売者として「株式会社フィッツコーポレーッション」又は「(株)フィッツコーポレーッション」の表示とともに引用商標が表示されていること(甲4)を認めることができる。
なお、「フィッツ」のみの表示は、上記広告及び商品において確認できない。
また、本件商標の登録査定後の発行又は打ち出し日に係る証拠によると、雑誌「Free&Easy」(2012年7月号)「EDGE・S」(2012年11月号)、プレスリリース(2013年5月)、展示会(2013年7月)において、請求人の業務に係る香水又は化粧品について引用商標が使用されていることを確認することができるが(甲6 6-12・13 6-14・15、甲5 5-29・30、甲7)、インターネットショッピングサイトの情報においては、「フィッツコーポレーション」の文字が表示されているにすぎないものであり、引用商標の使用を確認することはできない(甲5 5-11?25)。
そこで、上記の事実を総合すると、請求人が、その業務に係る香水又は化粧品について引用商標を使用していることを認めることができるものの、雑誌等における引用商標に係る広告について多いものと評価することはできず、その他の証拠をみても、引用商標が、本件商標の登録査定時において、その取引者、需要者の間に広く知られていたものとは認められない。
また、請求人が提出する全証拠をみても、本件商標の登録査定時において、取引者、需要者が「フィッツ」の文字及びその称呼により請求人の業務に係る商品であることを認識していたものと認めることはできない。
2 本件商標の取引の実情について
本件商標は、1972年にフランスにおいて、植物学者でもある自然療法家により創設された被請求人の業務に係る天然由来成分で作られたオーガニック化粧品に使用されているものであり、我が国においては、2005年頃から販売されている(乙3、5)。
そして、被請求人は、本件商標に係る商品の正面部分に本件商標を表示し、その背面部分には、我が国における販売者の表示とともに、本件商標の読み方を表したものと認識し得る「フィッツ」の文字を使用して、商品の使用方法、成分等を表示している(甲11?24、乙5、8(枝番号を含む。)等)。
また、被請求人のホームページ、商品パンフレット及びインターネットショッピングサイトにおいて、多くの場合、上記本件商標に係る商品の写真とともに、本件商標が表示されているものであり、また、「フィッツ」の文字が表示される場合は、本件商標に近接して、又は、括弧書きにより記載されている(乙3、5、8の1)。なお、「フィッツ」の文字が単独で表示されている場合があるが、本件商標に係る商品の紹介記事又はパンフレットにおいて表示されているものであるから(乙8の2)、これに接する者は、当該商品が被請求人の業務に係る商品であることを十分に認識したうえで、「フィッツ」の文字に接するものといえる。
さらに、本件商標に係る商品は、2006年秋頃から2012年の間、女性誌を中心とした各雑誌・書籍等において、自然派化粧品として、多数、紹介された(乙6)。
3 本件商標の外観、称呼及び観念について
本件商標は、上記第1のとおり、「PHYT’S」の欧文字からなるものであり、その構成文字は、直ちに親しまれた成語として認識されるものではないが、英語「phytochemistry」(植物化学)の読みに倣い、また、被請求人における本件商標の使用の実情に照らし、「ファイツ」又は「フィッツ」の称呼を生じるものであり、特定の観念を生じないものとみるのが相当である。
4 引用商標の外観、称呼及び観念について
引用商標は、上記第2のとおり、チェックマークが付されたチェックボックス図形及びゴシック体の太字斜体の「FITS」の文字から構成されているものであり、その図形部分と文字部分とを常に一体不可分のものとして認識し把握しなければならないとする格別の理由は見当たらず、図形部分からは、特定の称呼及び観念は生じないものである。
そして、引用商標中の「FITS」の文字部分は、その構成文字に相応して「フィッツ」の称呼を生じるものであり、直ちに、特定に観念を生じないものとみるのが相当である。
5 本件商標と引用商標の類否について
本件商標と引用商標は、それぞれ上記3及び4のとおりの構成よりなるものであるから、図形の有無、構成文字及び構成文字数において明らかに異なり、その構成全体をもって比較した場合はもちろん、両商標の文字部分を比較しても、外観上明らかに相違する。
そして、本件商標と引用商標から生ずる称呼を比較すると、共に「フィッツ」の同一の称呼を生じる。また、本件商標から生じる「ファイツ」と引用商標から生じる「フィッツ」を比較すると、語頭における「ファ」の音と「フィ」の音の相違及び2音目の「イ」の音と促音における差異を有するところ、両称呼は、ともに短い音構成であるから、この差異が称呼全体に及ぼす影響は決して小さなものとはいえず、それぞれを一連に称呼した場合には、音調、音感が異なるものとなり、称呼において相紛れるおそれはないというべきである。
また、両商標は、いずれからも、特定の観念は生じないから、観念において比較することができない。
さらに、本件商標は、自然派化粧品のブランドを表すものとして使用されているものであり、他方、引用商標は、請求人の名称とともに香水・化粧品等の輸入販売・製造者を表すものとして使用されているものであって、「フィッツ」の文字及びその称呼が、取引者、需要者の間に請求人の業務に係る商品を表すものとして広く認識していたものとは認められない。
このような取引の実情等を総合すれば、本件商標と引用商標とは、「フィッツ」の称呼を共通にするが、両者の構成態様は明らかに相違し、一見して区別し得るものであり、外観において紛れるおそれはなく、また、いずれからも特定の観念を生じないものであり、両者を観念において類似するということはできないものであるから、本件商標は、その指定商品に使用された場合、引用商標とは異なる印象、記憶、連想等を需要者に与えるものと認められ、商品の出所について誤認混同を生じるおそれはないというべきである。
したがって、本願商標と引用商標とは非類似の商標と判断するのが相当であるから、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
6 請求人の主張について
請求人は、平成15年から継続して使用してきた周知度の高い引用商標の称呼を文字化してなる標章「フィッツ」に対して、これと同一の、被請求人等が本件商標の称呼を文字化した標章「フィッツ」を使用すれば、出所の混同を生じさせる結果になるにもかかわらずなされた、本件商標の登録は無効である旨述べている。
確かに、「フィッツ」の表示は請求人及び被請求人等の業務に係る商品について使用されていることが認められるが、登録商標の範囲は、願書に記載された商標に基づいて定めなければならないものである。そして、商標の類否は、同一又は類似の商品に使用された商標が外観、観念、称呼等によって取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すべきであり、かつ、その商品の取引の実情を明らかにし得る限り、その具体的な取引状況に基づいて判断すべきものであるから、本件商標と引用商標は、上記のとおり、非類似の商標であるというのが相当であり、本件商標と引用商標の称呼を文字にした表示が同一であることを理由にして、本件商標と引用商標とが類似すると判断することはできない。
また、本件商標は、我が国において親しまれた成語ではないから、需要者が直ちにその読み方を特定することは困難であり、そのような欧文字からなる商標に係る商品の宣伝広告、陳列においては、例えば、乙第5号証の2における「PATYKA」について「パティカ」、「MIMC」について「エムアイエムシー」のように、その読みを片仮名で表示することは一般的に行われていること及び化粧品の分野における取引者、需要者が「フィッツ」の片仮名により引用商標のみを想起するという実情は見当たらないことからみても、本件商標と引用商標とは、何ら商品の出所について誤認混同するおそれのある商標とは認められないというべきである。
7 まとめ
以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものでないから、同法第46条第1項の規定により、その登録を無効とすべきでない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 【別記】

審理終結日 2015-12-09 
結審通知日 2015-12-14 
審決日 2016-02-01 
審決分類 T 1 11・ 261- Y (X03)
T 1 11・ 262- Y (X03)
T 1 11・ 263- Y (X03)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 小出 浩子 
特許庁審判長 今田 三男
特許庁審判官 堀内 仁子
酒井 福造
登録日 2008-10-03 
商標の称呼 ファイツ、フィッツ、フィトス 
代理人 小暮 理恵子 
代理人 田辺 恵基 
代理人 志賀 正武 
代理人 渡邊 隆 
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