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審決分類 |
審判 全部申立て 登録を維持 W16182529303233 審判 全部申立て 登録を維持 W16182529303233 |
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管理番号 | 1313272 |
異議申立番号 | 異議2015-900321 |
総通号数 | 197 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標決定公報 |
発行日 | 2016-05-27 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2015-10-15 |
確定日 | 2016-04-07 |
異議申立件数 | 1 |
事件の表示 | 登録第5779763号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 登録第5779763号商標の商標登録を維持する。 |
理由 |
第1 本件商標 本件登録第5779763号商標(以下「本件商標」という。)は、「MONSTER STRIKE」の欧文字を横書きしてなり、平成26年12月26日に登録出願され、第16類、第18類、第25類、第29類、第30類、第32類及び第33類に属する別掲に記載のとおりの商品並びに第9類、第14類、第20類、第21類、第24類、第28類及び第34類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同27年6月8日に登録査定、同年7月17日に設定登録されたものである。 第2 引用商標 登録異議申立人(以下「申立人」という。)が、登録異議の申立てにおいて引用する商標は、以下のとおりの38件の商標である。 そして、以下の商標のうち、文字からなる商標は、いずれも標準文字によるものである。 なお、以下の(36)に係る商標は未だ審査に係属中であるが、その他の(1)ないし(35)、(37)及び(38)に係る商標は、商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として、設定登録され、現に有効に存続しているものである(これらの商標については、以下「(1)国際登録第1048069号商標」を「引用商標1」、「(2)登録第5788675号商標」を「引用商標2」のように、引用商標の後にかっこ内の数字を付けて表示し、これらの商標をまとめていうときは、「引用商標」という場合がある。) 。 (1)国際登録第1048069号商標は、別掲1のとおりの構成よりなり、2010(平成22年)年6月28日に国際商標登録出願され、第9類「Sports helmets.」、第16類「Stickers; decals.」、第18類「All purpose sports bags; all-purpose carrying bags; backpacks; duffle bags.」及び第25類「Clothing, namely, t-shirts, hooded shirts and hooded sweatshirts, sweat shirts, jackets, pants, bandanas, sweat bands and gloves; headgear, namely, hats and beanies.」を指定商品とし、平成23年5月31日に登録査定、同年7月29日に我が国において設定登録されたものである。 (2)登録第5788675号商標:別掲2のとおり (3)登録第5788676号商標:「MONSTER ENERGY」 (4)登録第5689430号商標:別掲1のとおり (5)登録第5730813号商標:別掲3のとおり (6)登録第5393681号商標:「MONSTER ENERGY」 (7)登録第5057229号商標:別掲1のとおり (8)登録第5010968号商標:「M MONSTER ENERGY」 (9)登録第5394526号商標:別掲4のとおり (10)登録第5442171号商標:「MONSTER ENERGY PINK」 (11)登録第5417815号商標:「MONSTER ENERGY AGENT ORANGE」 (12)登録第5379390号商標:「MONSTER」 (13)登録第5527566号商標:「MONSTER DETOX」 (14)登録第5476620号商標:「MONSTER REHAB」 (15)登録第5490798号商標:「MONSTER RECOVERY」 (16)登録第5497766号商標:「MONSTER UNLEADED」 (17)登録第5451361号商標:「MONSTER PUMPED」 (18)登録第5480373号商標:「MONSTER BIOACTIVATED」 (19)登録第5527567号商標:「MONSTER REHABITUATE」 (20)登録第5495941号商標:「MONSTER KHAOS ENERGY + JUICE」 (21)登録第5769176号商標:「MONSTER ENERGY ABSOLUTELY ZERO」 (22)登録第5417770号商標:「MONSTER LO-CARB」 (23)登録第5375090号商標:「PROTEIN MONSTER」 (24)登録第5327467号商標:「MUSCLE MONSTER」 (25)登録第5409580号商標:「MONSTER RIPPER」 (26)登録第5409582号商標:「MONSTER BLACK」 (27)登録第5419507号商標:「MONSTER DOUBLE BLACK」 (28)登録第5409583号商標:「MONSTER GIRL」 (29)登録第5542584号商標:「MONSTER CUBA-LIMA」 (30)登録第5043703号商標:「JAVA MONSTER」 (31)登録第5431412号商標:「JAVA MONSTER」 (32)登録第5419513号商標:別掲5のとおり (33)登録第5423080号商標:「LOCA MOCA JAVA MONSTER」 (34)登録第5757485号商標:「COFFEE MONSTER」 (35)登録第5389881号商標:「X-PRESSO MONSTER」 (36)商願2015-008109号商標:「MONSTER ENERGY」 (37)登録第5715016号商標:「MONSTER ENERGY ULTRA」 (38)登録第5657923号商標:「MONSTER ENERGY ULTRA RED」 第3 登録異議申立ての理由の要点 申立人は、本件商標の指定商品中、第16類、第18類、第25類、第29類、第30類、第32類及び第33類についての登録は、商標法第4条第1項第15号及び同項第7号に違反してされたものであるから、同法第43条の2第1号により、取り消されるべきであると申し立て、その理由を要旨次のように述べ、その証拠方法として、甲第1号証ないし甲第280号証(枝番を含む。)を提出した。 1 申立人の「MONSTER」ファミリー商標の著名性 (1)会社沿革及び取り扱い商品 申立人は、1930年代に創業した米国の飲料メーカーであり、アルコールを含有しない飲料等の企画、開発、製造、マーケティング、販売の事業に従事していたが、2015年6月からは、エナジードリンクの事業に注力している(甲2、甲58の宣誓供述書の段落3)。 (2)「MONSTER ENERGY」ブランド創設と「MONSTER」ファミリー商標 申立人は、2002年(平成14年)にエナジードリンクの新ブランド「MONSTER ENERGY」を創設し、米国で同年3月から広告宣伝を開始し、同年4月から製造販売を開始した(甲4、甲7、甲18、甲58の宣誓供述書の段落8ないし12及び同証拠物件RCS-2)。 この「MONSTER ENERGY」のオリジナル版のエナジードリンク製品は、従来の清涼飲料製品の容器とは異なる黒色ベースのボトル缶にモンスターの爪痕を象った「M」のロゴマークと「MONSTER」の文字を太字で目立つように表示した野性味あふれる独特な雰囲気が経済・ビジネス界でも注目を浴び(甲56ないし甲58の宣誓供述書の証拠物件RCS-2)、男性若者層を中心に、たちまち人気商品となった。 申立人の「MONSTER ENERGY」ブランド(以下「MEブランド」という。)の各種エナジードリンクには、2002年(平成14年)の発売開始以降、現在まで継続して、「MONSTER ENERGY」をはじめ、「MONSTER」と他の語又は文字を組み合わせてなる構成を共通点とする多数の「MONSTER」ファミリー商標が個別商品名として使用されており(甲58の宣誓供述書の段落11)、そのボトル缶には、「MONSTER」の文字が太字で顕著に表示されている(甲11ないし甲16、甲58の宣誓供述書の証拠物件RCS-2及び3)。 (3)広告・マーケティング・販売促進活動 申立人は、2002年(平成14年)から現在まで、全世界におけるMEブランドのエナジードリンクに関する広告、マーケティング及び販売促進活動費として総額30億米ドルを超える費用を支出した(甲58の宣誓供述書の段落24)。その販売促進活動の主な内容は、世界の有名アスリート・レーシングチーム及び競技会、アマチュア選手、音楽祭及びミュージシャン、並びに米国ラスベガスの公共機関モノレールに対する支援活動(スポンサー提供)、並びに販売店用什器及び備品の供給である(甲34ないし甲45、甲52、甲53、甲56、甲57)。 (4)国内における販売及び販売促進活動 日本国内ではMEブランドのエナジードリンクの販売は、アサヒ飲料株式会社(以下「アサヒ飲料」という。)を通じて行われている。2012年(平成24年)3月15日付のニュースリリースでアサヒ飲料が国内独占販売権取得を公表し、2種類のエナジードリンク「MONSTER ENERGY」及び「MONSTER KHAOS」の発売を発表、同年5月8日から販売が開始した(甲5ないし甲7、甲12、甲14、甲58の段落13)。当該商品は、2012年(平成24年)5月8日の発売後、日本国内でもたちまち人気となり、同年9月時点で既に年間売上目標の100万箱を突破し(甲8)、その後も好調に売上を伸ばして157万箱の売上を記録した(甲9、甲130ないし甲132)。さらに、2013年(平成25年)5月7日からは同ブランドの新製品として糖質ゼロ・カロリーゼロのエナジードリンク「MONSTER ABSOLUTELY ZERO」が発売され(甲10、甲13、甲15)、2014年8月19日からは濃縮飲みきりサイズの「MONSTER ENERGY M3」が発売され(甲124、甲126)、2014年10月7日からはエナジーブレンド入りコーヒー飲料の「MONSTER COFFEE」が発売され(甲125、甲127)、2015年7月21日からは白いパッケージと甘すぎないすっきりした味わいが特徴の「MONSTER ENERGY ULTRA」が発売されている(甲185ないし甲187、甲202)。 これら6種のMEブランドのエナジードリンクは、日本全国のコンビニエンスストア、自動販売機、キオスク、スーパーマーケット、列車の売店、会員制スーパー、店舗、ゲームセンター、ドラッグストア及びホームセンター等の販売小売店のほか(甲58の宣誓供述書の段落18)、アサヒ飲料の通販サイトからも直接購入可能である(甲11ないし甲17)。また、大手ネットショッピングサイトのアマゾンジャパンなどでは日本未発売の輸入品販売も取り扱われている(甲33、甲210)。2012年5月の販売開始から2015年6月30日までに、申立人は、国内で約2億3,600万缶の「MONSTER ENERGY」ブランドのエナジードリンクを販売した。上記期間の販売総額は、1億7,500万米ドル以上、日本円で170億円以上である(甲58の宣誓供述書の段落18)。 また、2012年(平成24年)5月の国内発売直後から、継続的にテレビコマーシャル放映、日本開催の多数のスポーツイベント等へのスポンサー提供、サンプル配布などを含む大々的な広告・販売促進活動が実施されている(甲58の宣誓供述書の段落22、23、30ないし34、同証拠物件RCS-5ないし8)。 (5)全世界の販売国・地域及び販売額 申立人は、現在までに全世界100以上の国及び地域で、1種類以上の「MONSTER」ファミリー商標を使用したエナジードリンクを販売し、又は販売中である(甲第58号証の宣誓供述書の段落14)。販売額は、2002年(平成14年)に米国で販売開始以来、130億缶以上販売し、世界中で毎年30億缶以上を売上げ、世界中で合計240億米ドルを超える収益を上げており、全世界での小売販売額は毎年60億米ドルを超える。2014年度(12月31日締め)の申立人の年間販売額は、2013年度(12月31日締め)の25.9億米ドル及び2012年度(12月31日締め)の23.7億米ドルから28.3億米ドルに増加した。 (6)アパレル製品、ビデオゲーム製品等の販売 申立人は、2002年から現在まで、MEブランドマークを付したアパレル製品等の製造販売をライセンスしており、多数のライセンシーを通じて現在、日本及びアジア全域、オーストラリア、米国、カナダ、中央アメリカ、南米、ヨーロッパ、アイスランド、スカンジナビア及びメキシコを含む世界各地で販売中である(甲58の宣誓供述書の段落124ないし126、同証拠物件RCS-36)。 また、MEブランドマークのステッカーや転写シールも製造販売されており、モンスターアーミーの登録会員、スポンサー提供するアスリートやイベントの観客・ファンに配布されている。(甲58の宣誓供述書の段落127及び128)。 このようなMEブランドマークが付された被服、運動用特殊衣服、運動用ヘルメット、ステッカー、リュックサック等は、インターネットの通信販売業者により、日本国内でも輸入販売されており(甲47及び甲48)、一般消費者の人気も高い。 また、申立人は、ビデオゲーム制作販売会社とも提携し、申立人がスポンサーを努めるカーレーサー等がMEブランドマークを付したウェア等を着用し、レーシングカーを使用して登場する複数のビデオゲーム製品なども商品化しており、日本でも購入可能である(甲58の宣誓供述書の段落137及び138、同証拠物件RCS-46)。 (7)ウェブサイト及びソーシャルメディアによる情報発信と需要者の反響及びアクセス数 申立人の「MONSTER ENERGY」のエナジードリンクの商品情報、スポンサー契約アスリート・チーム及びスポーツ等のイベントに関する情報、アスリート等の大会成績や記録情報、「MONSTER ENERGY」のアパレル及びアクセサリー類に関する商品情報や販売などが、申立人が開設運営する複数のウェブサイト及びソーシャルメディアサイトを介して日本を含む全世界の需要者に対して発信されており、日本を含む多数の需要者からのアクセス数がある(甲58の宣誓供述書の段落118ないし122、同証拠物件RCS-32ないし35)。 (8)経済界等からの表彰等 MEブランドのエナジードリンクの開発、導入の成功に急成長を遂げた申立人の業績は、本件商標が登録出願される遙か以前から、経済界でも高く評価され、数々の表彰を受けている(甲58の宣誓供述書の段落4及び129並びに同証拠物件RCS-37)。 (9)国内外における商標登録によるブランド保護 申立人のMEブランドのエナジードリンク製品、並びにアパレル製品、アクセサリー類・その他の関連グッズには、関連グッズにおいて、「MONSTER ENERGY」の文字、「MONSTER」の文字、モンスターの爪痕を象った「M」のロゴマーク、これらを一体化させた「M MONSTER ENERGY」のロゴマーク、並びに「MONSTER」と他の語や文字を結合した様々な結合商標が使用されており、これら全体で「MONSTER」ファミリー商標を形成している。「MONSTER」ファミリー商標は、世界115以上の国及び地域で商標登録・出願済みである。(甲58の宣誓供述書の段落7) (10)国内における申立人アパレル製品等の人気と模倣品の水際取締り 申立人のライセンシーの製造販売に係るMEブランドマークを付した帽子、Tシャツ、スウェットシャツ、レーシングジャケット、手袋等のアパレル製品、オートバイ、自動車の車体、サーフボード、スノーボードなどに貼付することができるステッカー(シール)などは、日本の国内でも、輸入販売されており、モトクロス、F1その他の自動車レース、スノーボード、サーフィン、エックススポーツ等のスポーツ愛好家を含む一般消費者の間で人気の高い商品となっている。 そのような国内市場におけるMEブランドマークの人気、周知性の高まりに便乗して、申立人の商標権を侵害するアパレル製品、帽子、バッグ類、ステッカー等の模倣品が海外で製造され、申立人の商標権侵害物品として、日本の税関で輸入が差止められる案件も増加している(甲59ないし甲74、甲108ないし甲123、甲143ないし甲156、甲211ないし甲220)。 (11)国内スポーツイベント等の開催と広告宣伝活動の概要 申立人は、申立人の主催又は協賛による国内開催のスポーツイベント等及び関連のプロモーションキャンペーン(甲157ないし甲160、甲162、甲164、甲166、甲167等)、プロモーションキャンペーン(甲161、甲163、甲171ないし甲175等)にMEブランドを使用している。 (12)申立人ライセンシーの製造販売に係る関連グッズの販売状況 申立人の「M」のロゴマーク又はこれを包含した「M MONSTER ENERGY」のロゴマークを付したアパレル製品(ジャケット、帽子、Tシャツ、バックパック、ランニングシャツ)、サーフボード、ヘルメット、時計、傘、ステッカー等のライセンス製品(甲176ないし甲184)が販売されている。 以上の事実に照らせば、申立人の「MONSTER」ファミリー商標は、本件商標の登録出願日の遙か以前より、申立人の業務に係る商品を表示するものとして、米国をはじめとする外国で広く認識されていただけにとどまらず、本件商標の登録出願時及び登録査定時には、日本国内の需要者の間においても、申立人の業務に係る商品を表示するものとして広く認識されていたことが明らかである。 2 本件商標が商標法第4条第1項第15号に該当する理由 本件商標の指定商品中、第16類、第18類、第25類の指定商品は、引用商標1ないし引用商標4及び引用商標36の指定商品又は指定役務と同一又は類似の商品を含んでいる。 したがって、本件指定商品は、申立人及びその商標ライセンシーの取扱いに係る商品及び役務と同一又は類似のものであり、あるいは、当該商品及び役務と製造部門、販売部門、原材料、用途、効能、販売場所、提供場所、需要者の範囲等が一致ないし重複し、密接な関連性を有するものであることが明らかである。 本件商標の構成文字「MONSTER STRIKE」は、13文字(スペースを含めると14文字)からなり、外観的及び称呼において冗長なものであることに加えて、「MONSTER STRIKE」の文字は、辞書等に掲載されている既成語として認識されているものでもないから、必ずしも常にひと纏まりの一体的な自他商品識別標識として認識、理解されるものとはいえない。さらに、「MONSTER STRIKE」は、一般に看者の注意、関心を最も強く惹きつける語頭部分に、外来語「モンスター(monster)」として広く一般に親しまれている「MONSTER」の文字を有するから、「MONSTER」の文字部分が出所識別標識として最も強く需要者を印象づけ、その記憶に留まることが明らかである。 また、「MONSTER STRIKE」の文字は、「MONSTER」の文字に他の文字を組み合わせて構成されたものとして容易に認識、理解されるものであり、「MONSTER」の文字を包含することを共通の特徴とする申立人の「MONSTER」ファミリー商標と構成方法が一致する。 したがって、本件商標は、申立人の「MONSTER」ファミリー商標と極めて似通った出所識別標識として需要者に認識、理解され、記憶されるものであることが明らかである。 本件商標の登録出願時には、申立人の使用に係る「MONSTER」ファミリー商標は、日本国内及び米国を含む多数の外国において申立人の業務に係る商品を表示するものとして本件指定商品の分野の需要者の間で広く認識されていた。 したがって、本件商標が本件指定商品に使用された場合は、これに接した需要者は、本件商標の構成中、申立人の「MONSTER」ファミリー商標の構成と一致する「MONSTER」の文字部分着目し、申立人の業務に係る商品を表示するものとして需要者の間で広く認識されている「MONSTER」ファミリー商標を直観することにより、本件商標を申立人の使用に係る「MONSTER」ファミリー商標のひとつであると誤信し、あるいはまた、本件商標を付した本件指定商品が、申立人又は申立人と経済的又は組織的関係を有する者(たとえば、申立人から「MONSTER」ファミリー商標の使用許諾を受けたライセンシー)の取扱いに係る商品であると誤信し、その出所について混同を生じるおそれが高いことが明らかである。 本件商標が本件指定商品に使用された場合は、2002年(平成14年)から現在に至る申立人による継続的使用と営業努力によって申立人の商品出所識別標識として広く認識されるに至った「MONSTER」ファミリー商標の強力な出所表示力が希釈化することが明らかである。また、本件商標権者による本件商標の使用は、申立人がこれらの商標について獲得した信用力、顧客吸引力にフリーライドする行為といわざるを得ない。 したがって、本件商標は商標法第4条第1項第15号に該当する。 3 本件商標が商標法第4条第1項第7号に該当する理由 本件商標は、その登録出願時に申立人の業務に係る商品を表示するものとして日本国内及び米国その他の外国で広く認識されていた「MONSTER」の文字を看者の注意を最も強くひきつける語頭部分に包含し、かつ、「MONSTER」の文字と他の文字を結合させた構成からなるものとして容易に認識、理解されるものであるから、「MONSTER」の文字を包含することを共通の特徴とする申立人の「MONSTER」ファミリー商標の構成と一致する。また、本件指定商品は、申立人又はその商標ライセンシーの業務に係る商品及び役務と同一又は類似のもの、あるいはこれらと密接な関連性を有するものである。 そうすると、本件商標の使用は、「MONSTER」ファミリー商標について獲得した信用力、顧客吸引力にフリーライドするものといわざるを得ず、申立人に経済的および精神的損害を与える。 したがって、本件商標は、社会一般道徳及び公正な取引秩序を旨とする商標法の精神並びに国際信義に反するものであり、公の秩序を害するおそれがあるから、商標法第4条第1項第7号に該当する。 第4 当審の判断 1 本件商標の商標法第4条第1項第15号該当性について (1)MEブランドを始めとする「MONSTER」ファミリー商標の周知性について ア 申立人の主張及び同人提出に係る各甲号証によれば、以下の事実が認められる。 (ア)申立人は、2002年(平成14年)に、米国においてエナジードリンク(エネルギー補給用飲料)の販売を開始した。該飲料は、従来の清涼飲料製品の容器とは異なる黒色ベースのボトル缶に、別掲1に示す、Mの字状の図形を大きく表示し、その下部に、図案化した「MONSTER」の文字と小さな「ENERGY」の文字を併記した構成からなる商標(前記第2の引用商標1、引用商標4及び引用商標7と同一の構成からなる。以下「使用商標」という。)が付されている(甲10、甲12、甲13等並びに甲58の証拠物件RCS-2及び3)。 また、上記ボトル缶には、使用商標に加えて、あるいは、使用商標の構成中の「ENERGY」の文字部分に代えて、「KHAOS」、「ABSOLUTELY ZERO」、「EXTRA STRENGTH」、「BLACK ICE」、「Rehab」、「Baller’s Blend」、「Mad Dog」、「MUSCLE」、「M-80」等の文字を表示したものもある(甲6ないし甲8、甲10、甲11、甲13ないし甲17、甲19ないし甲33及び甲58の証拠物件RCS-3)。 (イ)申立人は、2002年(平成14年)から現在まで、MEブランドを使用したエナジードリンク製品に関し、全世界での広告、マーケティング及び販売促進活動費として、総額30億米ドル以上を支出している。販売促進活動の主な内容は、様々なスポーツ分野で活動する世界の有名アスリート・レーシングチーム及び競技会、スケートボーダー等のアマチュア選手、音楽祭及びミュージシャン、並びに米国ラスベガスの公共機関モノレール等に対する支援活動(スポンサー提供)、販売店用什器・備品の供給等であり、スポーツ分野では、スケートボーダー、モトクロスライダー、オートバイライダー、カーレーサー、カワサキオートバイのレーシングチーム等に対する支援活動(スポンサー提供)がある(甲34ないし甲45、甲52、甲53、甲56ないし甲58)。 上記支援活動は、スポンサー提供を受けるアスリートのホームページやブログ、経済ビジネス誌、報道ニュース、スポーツファンのホームページ等を通じて、日本国内の一般消費者にも発信され紹介されているが、多くは「Monster Energy」として表示・紹介され、「Monster」のみで表示・紹介されているものは、ほとんど見当たらない(甲34ないし甲45、甲52、甲53、甲56ないし甲58)。 そして、上記スポンサー提供を受けるアスリートやチームが着用又は使用するウェア、レーシングスーツ、帽子、レーシングヘルメット、レーシングカー、オートバイ、サーフボード等には、MEブランドのうちの一つ又は複数が付されているが、そのほかに、「MONSTER」の文字のみからなる標章や「MONSTER」ファミリー商標と思しき標章が付されたものはほとんど見当たらない。 また、ラスベガスの公共交通機関モノレール支援活動では、車両にMEブランドを付したモンスター列車が走行し、多くの人々が乗車したことがマスメディア等で報道されたほか、エナジードリンクの販売用の什器等にもMEブランドが付されているが、その他に、「MONSTER」の文字のみからなる標章や「MONSTER」ファミリー商標と思しき標章が付されたものは見当たらない(甲49、甲50、甲58の証拠物件RCS-37ないし40及び45)。 (ウ)申立人は、MEブランドマークを付したアパレル製品の製造販売をライセンスしており、多数のライセンシーを通じて、現在、日本及びアジア全域、オーストラリア、米国、カナダ、中央アメリカ、南米、ヨーロッパ、アイスランド、スカンジナビア及びメキシコを含む世界各地で販売しており、インターネットの通信販売業者により日本国内でも輸入販売されている(甲47、甲48及び甲58の段落126ないし128、証拠物件RCS-36)。 甲第47号証、甲第48号証、甲第176号証ないし甲第184号証及び甲第58号証の証拠物件RCS-36に示された申立人アパレル製品等の写真によれば、申立人アパレル製品等のそれぞれには、MEブランドのいずれか、特に、Mの文字状の図形が付されているものの、そのほかに、「MONSTER」の文字のみからなる標章や「MONSTER」ファミリー商標と思しき標章が付されたものは見当たらない。 (エ)MEブランドのエナジードリンクの開発・導入の成功により急成長を遂げた申立人の業績は、経済界でも注目され、本件商標の登録出願前には、既に「Forbes」、「FORTUNE」、「BusinessWeek」、「Newsweek」、「TIME」、「BeverageWorld」等の経済ビジネス誌において紹介されている(甲49、甲51ないし甲57)。 しかしながら、これらの雑誌は、全て英文によるものであり、かつ、米国において発行されたものであって、これら雑誌に掲載された記事内容が我が国において紹介されたのかは明らかにされていない。しかも、掲載記事では、「Monster Energy」と一連で表記されているものがほとんどである。 (オ)日本国内では、アサヒ飲料がMEブランドのエナジードリンクの独占販売権を取得し、同社は、2012年(平成24年)5月8日から2種類のエナジードリンク(「MONSTER ENERGY」及び「MONSTER KHAOS」)を発売、その販売は、同年の9月には年間売上目標の100万箱を突破し、販売目標を120万箱に上方修正したことが発表された(甲7及び甲8)。その後も売上を伸ばして157万箱の売上を記録した(甲9)。さらに、2013年(平成25年)5月7日に「MONSTER ABSOLUTELY ZERO」が発売(甲10、甲13、甲15)、2014年8月19日に「MONSTER ENERGY M3」が発売(甲124,甲126)、2014年10月7日に「MONSTER COFFEE」が発売(甲125、甲127)、2015年7月21日に「MONSTER ENERGY ULTRA」が発売(甲185ないし甲187、甲202)され、現在では、上記6種類のエナジードリンクが、日本全国のコンビニエンスストアをはじめ、アサヒ飲料の通販サイト、ネットショッピングのアマゾンで購入することができる(甲11ないし甲17、甲33、甲210)。 申立人は、2012年5月の国内における販売開始から2015年6月30日までに、約2億3,600万缶、170億円以上のMEブランドのエナジードリンクを販売した(甲58の宣誓供述書の段落18)。 申立人は、上記飲料の国内販売の開始直後から本件商標の登録出願の前まで、発売を記念するイベントを行ったほか、各種イベントのスポンサー提供を介して広告宣伝を行った。例えば、2012年(平成24年)5月17日から2ヶ月間にわたり50万缶のサンプルを路上配布した(甲58の宣誓供述書の段落22)ほか、同年6月2日及び3日には渋谷における路上発表会で4万缶のサンプルを配布、同年7月には東京晴海埠頭におけるパンクロックイベントで5,500缶のサンプルの配布、同月に愛知県田原海岸におけるサーフィン大会で4,500缶のサンプルの配布、同年10月18日から28日まで各地で行われたスケートボード競技会のスポンサー提供などを行った(甲58の宣誓供述書の段落30ないし34及び証拠物件RCS-4ないし8)。 しかしながら、上記イベントの参加者やサンプルの配布の対象者は、一部の若者が中心であるばかりでなく、証拠物件RCS-4ないし8に示す写真によれば、MEブランドのいくつか、特にMの文字状の図形が使用されているものの、そのほかに、「MONSTER」の文字のみからなる標章や「MONSTER」ファミリー商標と思しき標章は見当たらず、写真の撮影時期は必ずしも明らかでない。 他に、本件商標の登録出願前に、使用商標及びMEブランドを始め「MONSTER」ファミリー商標を使用したエナジードリンクについて、新聞、雑誌、テレビ等のマスメディアにおいて宣伝広告された事実を示す証拠はない。 イ 上記(1)アの事実を総合勘案すると、本件商標の登録出願時及び登録査定時には、MEブランドが、申立人の業務に係る商品「エナジードリンク」を表示する商標として、米国における取引者、需要者の間に広く認識されていたものといえるとしても、MEブランドは、「M」の文字状のロゴマークと「MONSTER ENERGY」の文字を一体にした商標として、一連の「MONSTER ENERGY」として、あるいは、「M」の文字状の図形として使用されているが、そのほかに、「MONSTER」の文字のみからなる標章や「MONSTER」ファミリー商標と思しき標章が多く使用されているとはいえないものであるから、「MONSTER」の文字のみをもって、申立人又は申立人の業務に係る商品を表すものとして広く知られていたとはいい難い。 他方、我が国おいては、市場参入から日が浅く、また、宣伝広告も限られた範囲のものである。さらに、申立人は、「国内で約2億3,600万缶の『MONSTER ENERGY』ブランドのエナジードリンクを販売した。上記期間の販売総額は、1億7,500万米ドル以上、日本円で170億円以上である。」旨述べるが、それを証する書面の提出はなく、販売シェアについて、確認することができないことを踏まえると、本件商標の登録出願時及び登録査定時に、MEブランドについて、申立人の業務に係る商品「エナジードリンク」を表示する商標として、取引者、需要者の間に広く認識されていたとまでいうことはできない。まして、そのほかの「MONSTER」の文字のみからなる標章や「MONSTER」ファミリー商標が需要者の間で広く認識されていたということもできない。 また、MEブランドを付した申立人のアパレル製品が、インターネットを通じた通信販売により取引されている事実があるとしても、その販売の開始時期・売上数・販売額を述べるのみで、販売シェア等を示す証拠等の提出がないものであるから、MEブランドが申立人のアパレル製品について使用する商標として需要者の間で広く認識されているとは認められず、上記通信販売の事実によって、結果的に、MEブランドが申立人の業務に係る商品「エナジードリンク」を表示する商標として需要者の間で広く認識されているということもできない。 さらに、MEブランドが、「M」の文字状のロゴマークと「MONSTER ENERGY」の文字を一体にした商標として、一連の「MONSTER ENERGY」として、あるいは、「M」の文字状の図形として認識されているというべきであり、「MONSTER」の文字のみをもって、申立人又は申立人の業務に係る商品を表すものとして広く知られていたということはできない。 (2)本件商標と使用商標やMEブランドを始めとした「MONSTER」ファミリー商標との対比 ア 本件商標は、「MONSTER STRIKE」の欧文字を横書きしてなるところ、「MONSTER」の文字と「STRIKE」の文字との間にスペースがあることから、「MONSTER」と「STRIKE」の2語を結合したものと認識されるとしても、該構成は、同じ書体で、まとまりよく一体的に表されており、視覚上、いずれかの文字が特に強い印象を与える部分ということもできず、また、構成文字全体から生ずる「モンスターストライク」の称呼も無理なく一連に称呼し得るものである。 そして、別掲6のとおり、当審の職権による調査によれば、「MONSTER STRIKE」の語、「MONSTER STRIKE」の読みである「モンスターストライク」の語は、本件商標権者が提供するスマートフォン向けのゲームアプリとして知られているものである。 以上によれば、本件商標は、同ゲームアプリを表すものとして一体不可分のものとして認識され、「モンスターストライク」の称呼及びスマートフォン向けのゲームアプリ「マンスターストライク」の観念を生じるものである。 イ 他方、使用商標は、別掲1のとおりであり、その構成及び態様に徴すれば、中央上方に大きく顕著に描かれたM字状の図形部分と、その下部に表された「MONSTER」(やや図案化されているものの、「MONSTER」の文字を表したものと容易に認識できるものである。)及び「ENERGY」の文字部分とは、常に不可分一体にのみ認識されるというよりは、むしろ、その図形部分と文字部分が独立して、その商品の出所の識別標識として認識される場合もあるとみるのが自然といえる。そして、使用商標の構成中のM字状の図形は、具体的に何を表した図形であるのかまでは直ちに把握し得ないことから、該図形部分からは、特定の称呼、観念は生じないものとみるのが相当である。 そうすると、使用商標は、読み易い上記文字部分を捉え、該文字部分より生ずる称呼及び観念をもって取引に資される場合が少なくないというべきである。 したがって、使用商標は、「MONSTER ENERGY」の構成文字から「モンスターエナジー」の称呼及び「怪物のエネルギー」の観念並びに大きく表された「MONSTER」の文字部分から「モンスター」の称呼及び「怪物」の観念が生ずるとみるのが相当である。 同様に、MEブランドからも、「モンスターエナジー」の称呼及び「怪物のエネルギー」の観念並びに「モンスター」の称呼及び「怪物」の観念を生ずるものといえる。 ウ 本件商標と使用商標及びMEブランドとを対比するに、全体の外観においては、本件商標と使用商標及びMEブランドとは、図形の有無、構成文字及び態様において、明確な差異を有し、明らかに区別できるものである。 また、本件商標と使用商標及びMEブランドの要部である「MONSTER ENERGY」の外観とを対比するに、構成文字及び態様において、明確な差異を有し、明らかに区別できるものである。 称呼においては、本件商標から生ずる「モンスターストライク」の称呼と、使用商標及びMEブランドから生ずる「モンスターエナジー」及び「モンスター」の称呼を比較すると、まず「モンスターストライク」と「モンスターエナジー」の称呼とでは、「ストライク」及び「エナジー」の音の有無の差異があり、「モンスターストライク」の称呼と「モンスター」の称呼とでは、「ストライク」の音の有無の差異があり、それぞれを一連に称呼するときは、全体の音感、音調が著しく相違し、容易に区別し得るものである。 観念においては、本件商標より生じるスマートフォン向けのゲームアプリ「マンスターストライク」の観念と、使用商標及びMEブランドより生じる「怪物のエネルギー」又は「怪物」の観念を比較すると、その観念は明らかに異なるものであるから、両者は、観念においても相紛れるおそれがないこと明らかである。 してみれば、本件商標と使用商標及びMEブランドとは、外観、称呼及び観念のいずれの点においても、相紛れるおそれのない非類似の商標というべきである。 エ なお、本件商標と「MONSTER」ファミリー商標を対比してみても、「MONSTER」ファミリー商標は、「MONSTER」の文字と「KHAOS」、「ABSOLUTELY ZERO」、「JAVA」、「Rehab」等の文字とを結合してなるものであって、それぞれ「モンスター」の称呼のほか、結合する各文字に相応した「モンスターカオス」、「モンスターアブソリュートリーゼロ」、「モンスタージャバ」、「モンスターリハブ」等の称呼を生ずるものである。 他方、本件商標は、その外観、称呼及び観念は上記アのとおりである。 そうすると、本件商標と「MONSTER」ファミリー商標とは、外観、称呼及び観念のいずれの点においても、相紛れるおそれのない非類似の商標といえる。 (3)商品の出所の混同のおそれについて 使用商標、MEブランドを始めとした「MONSTER」ファミリー商標は、前示のとおり、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、いずれも申立人の業務に係る商品「エナジードリンク」を表示する商標として取引者、需要者の間に広く認識されていたということができないものである。しかも、これらの商標と本件商標とは、相紛れるおそれのない非類似の商標であって、別異の商標と認められる。 そうすると、本件商標は、これを、その指定商品に使用した場合、これに接する取引者、需要者が使用商標及びMEブランドを始めとする「MONSTER」ファミリー商標や申立人を連想、想起するとは考え難く、該商品が申立人又は申立人と経済的、組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかの如く、その商品の出所について混同を生ずるおそれはないものである。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。 2 本件商標の商標法第4条第1項第7号該当性について 本件商標は、上記1(2)アのとおり、まとまりよく一体的であって、「MONSTER」の文字部分に着目する理由はなく、しかも、使用商標やMEブランドを始めとする「MONSTER」ファミリー商標は、上記1(1)イのとおり、我が国において、周知であるとはいえず、さらに、本件商標と使用商標やMEブランドを始めとする「MONSTER」ファミリー商標とは、上記1(2)のとおり、外観、称呼及び観念のいずれの点についても、相紛れるおそれのない非類似の商標というべきであるから、取引者、需要者をして使用商標及びMEブランドを始めとする「MONSTER」ファミリー商標や申立人を連想、想起するとはいえないものである。 そして、申立人は、本件商標が、MEブランドを始めとする「MONSTER」ファミリー商標の顧客吸引力にフリーライドするものであるとか、MEブランドを始めとする「MONSTER」ファミリー商標を剽窃したものであるなどといった社会的妥当性を欠く事情を具体的に明らかにするところもない。 そうすると、本件商標の登録出願の経緯に著しく社会的妥当性を欠くと認めるべき事情があるものと認めることはできない。 また、本件商標は、「MONSTER STRIKE」の欧文字を横書きしてなるものであるところ、その構成が、きょう激、卑わい、差別的若しくは他人に不快な印象を与えるような文字よりなるということもできない。 その他、本件商標が、「公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがある商標」とみるべき事情を見いだすことができない。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第7号に該当しない。 3 むすび 以上のとおり、本件商標は、本件登録異議の申立てに係る指定商品について、商標法第4条第1項第15号及び同項第7号のいずれにも違反して登録されたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、維持すべきものである。 よって、結論のとおり決定する。 |
別掲 |
別掲1(引用商標1、引用商標4、引用商標7及びMEブランド) 別掲2(引用商標2) 別掲3(引用商標5) 別掲4(引用商標9) 別掲5(引用商標32) 別掲6 職権による調査によれば、「モンスターストライク」、「Monster Strike」」語は、新聞記事及びインターネット記事情報において、以下の記載が認められる。 <新聞記事> (1)2014年10月29日付け日本経済新聞朝刊の11ページには、「ミクシィ、黒字140億円、4?9月営業、『モンスト』好調で。」の見出しの下に、「ミクシィの2014年4?9月期は連結営業損益が140億円前後の黒字(前年同期は3億9800万円の赤字)となったようだ。従来予想を10億円上回り、4?9月期の営業利益としては過去最高になった。スマートフォン(スマホ)向けゲーム「モンスターストライク(モンスト)」のヒットで、利用者からの課金収入が増えた。売上高は従来予想を20億円上回り、前年同期比約9倍の350億円程度になったようだ。13年10月に国内で配信を開始したモンストの利用が伸びている。海外でも14年5月に台湾、10月には北米での配信を開始し、今後は韓国や中国での展開も計画している。世界での利用者は月100万人を超えるペースで増えており、10月27日には1500万人を超えた。」の記載がある。 (2)2014年11月19日付け日刊工業新聞の3ページには、「ミクシィ、モンストを韓国でも提供」の見出しの下に、「ミクシィは18日、国内でヒットしているスマートフォン向けゲーム『モンスターストライク(モンスト)』について、韓国でも提供を開始したと発表した。当初は米グーグルの基本ソフト(OS)『アンドロイド』搭載の端末が対象だが、近日中に米アップルの「iPhone(アイフォーン)」向けにも公開する予定。現在の利用者数は1600万人を突破。海外展開は、台湾、北米に次いで第3弾となる。」の記載がある。 <インターネット記事> (3)2014年10月23日付け株式会社ミクシィのニュースリリースには、「モンスターストライク、北米での提供を開始」の見出しの下に、「『モンスターストライク』は、スマートフォンの特性を活用した、誰でも簡単に楽しめる爽快アクションRPGです。自分のモンスターを指で引っ張って弾き敵のモンスターに当てて倒していくターン制のゲームで、壁やモンスターへの“跳ね返り”や“ぶつかり”を上手く活用することで、クエストを攻略していきます。一緒にいる友だちと、最大4人まで一緒に遊べる協力プレイ(マルチプレイ)が特長です。2013年10月の提供開始より多くのユーザーの皆さまにご利用いただき、サービス開始から1年で利用者数1400万人を突破しております。アプリ名 Monster Strike」の記載がある。 (http://mixi.co.jp/press/2014/1023/15324/) 別掲(本件商標に係る指定商品) 第16類「事務用又は家庭用ののり及び接着剤,印刷用紙,インディアペーパー,カーボンペーパー,グラシンペーパー,新聞用紙,タイプライターペーパー,トイレットペーパー,筆記図画用紙,画用紙,画用紙帳,包装用紙,ライスペーパー,硫酸紙,ろ紙,アイボリー紙,色板紙,白板紙,心紙,段ボール原紙,表紙,ポストカード紙,温床紙,傘紙,火薬包み紙,工芸紙,こうぞ紙,証券紙,障子紙,書道用紙,仙貨紙,ちり紙,典具じょう紙,謄写原紙用紙,鳥の子紙,ナプキン紙,複写紙,奉書紙,紙製レース,擬革紙,ジャガードカード,耐酸紙,段ボール,ふすま紙,防かび紙,防水紙,りん光紙,セロハン類,合成紙,その他の紙類,ボールペン,その他の文房具類,コンピュータゲーム用の攻略本,漫画本,絵はがき,楽譜,歌集,カタログ,カレンダー,雑誌,時刻表,書籍,新聞,地図,日記帳,ニューズレター,パンフレット,その他の印刷物,書画,写真,写真立て,ステッカー,ステッカー用アルバム,印刷したくじ(「おもちゃ」を除く。)」 第18類「蹄鉄,愛玩動物用被服類,かばん用のストラップ,折りかばん,肩掛けかばん,グラッドストン,書類入れかばん,スーツケース,手提げかばん,トランク,ハンドバッグ,ボストンバッグ,ランドセル,リュックサック,その他のかばん類,お守り入れ,カード入れ,買物袋(車付きのものを含む。),キーケース,巾着,幼児用背負い袋,引きひも付き小袋,財布,クレジットカード入れ(財布),名刺入れ,その他の袋物,携帯用化粧道具入れ,傘」 第25類「ティーシャツ,イブニングドレス,学生服,作業服,ジャケット,スウェットパンツ,スーツ,スカート,スキージャケット,スキーズボン,ズボン,スモック,礼服,オーバーコート,トッパーコート,マント,レインコート,カーディガン,セーター,チョッキ,開きんシャツ,カフス,スポーツシャツ,ブラウス,ポロシャツ,ワイシャツ,ナイトガウン,ネグリジェ,寝巻き,パジャマ,バスローブ,アンダーシャツ,コルセット,コンビネーション,シュミーズ,ズボン下,スリップ,パンツ,下着,ブラジャー,ペチコート,水泳着,水泳帽,キャミソール,帯,帯揚げ,帯揚げしん,腰ひも,腰巻,じゅばん,だて締め,だて巻き,長着,羽織,羽織ひも,はかま,半えり,アイマスク,エプロン,えり巻き,靴下,メリヤス下着,メリヤス靴下,ゲートル,毛皮製ストール,ショール,スカーフ,足袋,手袋,ネクタイ,ネッカチーフ,バンダナ,マフラー,耳覆い,ナイトキャップ,帽子,その他の被服,ガーター,ズボンつり,ウエストバンド,ベルト,雨靴,革靴,サンダル靴,スニーカー,地下足袋,ブーツ,ハーフブーツ,婦人靴,防寒靴,かかと,靴の中敷き,靴用継ぎ目革,地下足袋底,履物用甲革,履物用つま先革,半張り底,靴合わせくぎ,靴くぎ,靴びょう,靴保護金具,靴の引き手,げた,草履類,その他の履物,仮装用衣服,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」 第29類「マーガリン,その他の食用油脂,コーヒー入り乳飲料,牛乳,ヨーグルト,その他の乳製品,加工野菜,加工果実,豆乳,豆腐,納豆,即席シチュー,即席カレー,その他のカレー・シチュー又はスープのもと,お茶漬けのり,ふりかけ,保存加工をした豆類,その他の豆」 第30類「茶,コーヒー,ココア,洋菓子,かりんとう,氷砂糖(菓子),せんべい,だんご,パン,サンドイッチ,ハンバーガー,ピザ,ホットドッグ,ミートパイ,まんじゅう(菓子),いもを使用したスナック菓子,えびを主原料とするスナック菓子,さつまいもを使用したスナック菓子,とうもろこしを主原料とするスナック菓子,チョコレートを使用したスナック菓子,その他のスナック菓子,その他の菓子,調味料,香辛料,アイスクリームのもと,シャーベットのもと,穀物の加工品・穀物(未加工のものを除く。)・食用粉類,ぎょうざ,しゅうまい,すし,弁当,ラビオリ,ドーナツのもと,プリンのもと,ホットケーキのもと,その他の即席菓子のもと」 第32類「ビール,アイソトニック飲料,ガラナ飲料,シロップ,コーラ飲料,サイダー,シャーベット水,ジンジャーエール,清涼飲料のもと,炭酸水,ミネラルウォーター,その他の清涼飲料,果実飲料,飲料用野菜ジュース,ビール製造用ホップエキス,乳清飲料」 第33類「日本酒,ウイスキー,ウォッカ,ジン,ブランデー,ラム,リキュール,その他の洋酒,果実酒,果実のエキス(アルコール分を含むもの),中国酒,はちみつ酒,その他の薬味酒」 |
異議決定日 | 2016-03-30 |
出願番号 | 商願2014-110075(T2014-110075) |
審決分類 |
T
1
651・
271-
Y
(W16182529303233)
T 1 651・ 22- Y (W16182529303233) |
最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 今田 尊恵 |
特許庁審判長 |
林 栄二 |
特許庁審判官 |
田中 亨子 平澤 芳行 |
登録日 | 2015-07-17 |
登録番号 | 商標登録第5779763号(T5779763) |
権利者 | 株式会社ミクシィ |
商標の称呼 | モンスターストライク、モンスター、ストライク |
代理人 | 柳田 征史 |
代理人 | 佐久間 剛 |
代理人 | 中熊 眞由美 |
代理人 | 中山 俊彦 |