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審決分類 審判 査定不服 外観類似 登録しない W091042
審判 査定不服 称呼類似 登録しない W091042
審判 査定不服 観念類似 登録しない W091042
管理番号 1311978 
審判番号 不服2015-15294 
総通号数 196 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2016-04-28 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2015-08-17 
確定日 2016-02-18 
事件の表示 商願2015-9114拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は、「CANACCS」の欧文字を標準文字で表してなり、第9類、第10類、第11類及び第42類に属する願書記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、平成27年2月2日に登録出願されたものであり、指定商品及び指定役務については、原審における同年6月3日付け手続補正書により、第9類及び第11類に属する指定商品が補正された結果、第9類「理化学機械器具,測定機械器具,電気磁気測定器,細胞培養装置,細胞培養用器具,細胞計測装置,細胞培養キット,実験・研究用細胞を培養・保存するための保温器」、第10類「医療用機械器具,細胞培養に使用される医療用機械器具及びその部品並びにその付属品」及び第42類「医薬品・化粧品又は食品の試験・検査又は研究,農業・畜産又は水産に関する試験・検査又は研究,機械・装置若しくは器具(これらの部品を含む。)又はこれらにより構成される設備の設計,細胞・組織培養に関する試験・検査又は研究」となったものである。

2 引用商標
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録第4387288号商標(以下「引用商標」という。)は、「カナックス」の片仮名を標準文字で表してなり、平成10年11月5日登録出願、第10類「医療用機械器具」を指定商品として、平成12年5月26日に設定登録されたものであり、現に有効に存続しているものである。

3 当審の判断
(1)商標の類否について
ア 本願商標
本願商標は、前記1のとおり、「CANACCS」の欧文字を標準文字で表してなるところ、該文字は、辞書等に掲載のない一種の造語と認められるから、特定の観念を生じないものである。
そして、一般的には、特定の意味合い又は特定の読みを想起しない本願商標のような綴りの欧文字からなる場合、これに接する取引者、需要者は、我が国において広く親しまれている英語読みに倣って称呼されるとみるのが自然であるところ、「can」の綴りを語頭に有する英単語、例えば、「Canada」が「カナダ」、「canal」が「カナル」、「canary」が「カナリー」、「canon」が「カノン」、「canister」が「キャニスター」、「canopy」が「キャノピー」、「can」が「キャン」、「candy」が「キャンディー」と発音されることを踏まえると、本願商標からは「カナックス」又は「キャナックス」の称呼が生ずるというのが相当である。
イ 引用商標
引用商標は、前記2のとおり、「カナックス」の片仮名を標準文字で表してなるところ、引用商標からは、その構成文字に照応して、「カナックス」の称呼を生じ、また、該文字は、辞書等に掲載のない一種の造語と認められるから、特定の観念を生じないものである。
ウ 商標の類否
本願商標と引用商標との類否について検討するに、称呼においては、本願商標は、上記アのとおり、「カナックス」又は「キャナックス」の称呼を生じ、また、引用商標は、上記イのとおり、「カナックス」の称呼を生ずるものであるから、両商標は「カナックス」の称呼を同一にするものである。
次に、両商標は、いずれも特定の観念を生じないものであるから、両者は、観念上比較することはできない。
さらに、外観において、本願商標と引用商標は、上記ア及びイのとおり、欧文字又は片仮名からなるものではあるが、両者は、共に標準文字によって表されているものであるから、特徴的な外観の相違はないというべきである。
してみれば、本願商標と引用商標とは、「カナックス」の称呼を共通にするものであって、その称呼の共通性を凌駕するほどの特徴的な外観及び観念上の相違はないというべきであるから、両商標は、互いに相紛れるおそれのある類似の商標というべきである。
(2)指定商品の類否について
本願商標の指定商品は、前記1のとおり、「医療用機械器具,細胞培養に使用される医療用機械器具及びその部品並びにその付属品」を含み、引用商標の指定商品は、前記2のとおり、「医療用機械器具」であるから、本願商標の指定商品は、引用商標の指定商品と同一又は類似の商品を含むものである。
(3)小括
以上からすれば、本願商標は、引用商標に類似する商標であって、かつ、本願商標の指定商品は、引用商標の指定商品と同一又は類似の商品について使用するものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当するものである。
(4)請求人の主張について
請求人は、本願商標については、実際の取引においてホームページなどで、上に「キャナックス」と振り仮名をふり、また、本願と同日付けで「キャナックス」の片仮名からなる商標について商標登録出願を行うことにより、その読み方が「キャナックス」であることを周知している旨主張する。
しかしながら、本願商標は、「CANACCS」の欧文字のみからなるものであり、商標法第27条第1項に「登録商標の範囲は、願書に記載した商標に基づいて定めなければならない。」と規定されているとおり、同法第4条第1項第11号における引用商標との類否については、願書に記載された商標に基づいて判断されるべきものである。
したがって、本願商標は、「キャナックス」の称呼のほかに、「カナックス」の称呼をも生ずるものであり、また、本願商標から「キャナックス」の称呼のみしか生じないというような特段の事情を見いだすことはできないものであるから、請求人の上記主張は、採用することができない。
(5)まとめ
以上のとおり、本願商標は商標法第4条第1項第11号に該当し、登録することができない。
したがって、本願商標が同号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、取り消すことができない。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2015-12-18 
結審通知日 2015-12-21 
審決日 2016-01-05 
出願番号 商願2015-9114(T2015-9114) 
審決分類 T 1 8・ 263- Z (W091042)
T 1 8・ 262- Z (W091042)
T 1 8・ 261- Z (W091042)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 山田 忠司 
特許庁審判長 酒井 福造
特許庁審判官 藤田 和美
堀内 仁子
商標の称呼 キャナックス、カナックス 

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