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審判番号(事件番号) | データベース | 権利 |
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不服201424972 | 審決 | 商標 |
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審決分類 |
審判 査定不服 外観類似 登録しない W30 審判 査定不服 称呼類似 登録しない W30 審判 査定不服 観念類似 登録しない W30 |
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管理番号 | 1303135 |
審判番号 | 不服2014-24820 |
総通号数 | 188 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2015-08-28 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2014-12-04 |
確定日 | 2015-07-08 |
事件の表示 | 商願2013-93370拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
1 本願商標 本願商標は、「招福羊羹」の文字を標準文字で表してなり、第30類「ようかん」を指定商品として、平成25年11月28日に登録出願されたものである。 2 引用商標 原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録商標は、以下の(1)及び(2)のとおりであり、いずれも現に有効に存続しているものである。 (1)登録第1780390号商標(以下「引用商標1」という。)は、「招福」の文字を縦書きしてなり、昭和57年5月17日に登録出願、第30類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として、同60年6月25日に設定登録され、その後、平成18年2月1日に指定商品を第30類「菓子及びパン」とする指定商品の書換登録がされたものである。 (2)登録第5174859号商標(以下「引用商標2」という。)は、「招福」の文字を横書きしてなり、平成19年7月20日に登録出願、第30類「ぎょうざ,サンドイッチ,しゅうまい,すし,たこ焼き,肉まんじゅう,ハンバーガー,ピザ,べんとう,ホットドッグ,ミートパイ,ラビオリ,酒かす」を指定商品として、同20年10月24日に設定登録されたものである。 以下、これらをまとめていうときは「引用商標」という。 3 当審の判断 (1)商標法第4条第1項第11号に係る商標の類否について 商標法第4条第1項第11号に係る商標の類否は、同一又は類似の商品又は役務に使用された商標が、その外観、観念、称呼等によって取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して、その商品又は役務に係る取引の実情を踏まえつつ全体的に考察すべきものであり、複数の構成部分を組み合わせた結合商標と解されるものについて、商標の構成部分の一部を抽出し、この部分だけを他人の商標と比較して商標そのものの類否を判断することは、その部分が取引者、需要者に対し商品又は役務の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものと認められる場合や、それ以外の部分から出所識別標識としての称呼、観念が生じないと認められる場合などを除き、許されないというべきである(最高裁平成19年(行ヒ)第223号 同20年9月8日第二小法廷判決)。 (2)本願商標について そこで、これを本願商標についてみると、本願商標は、前記1のとおり、「招福羊羹」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中「羊羹」の文字部分は、本願商標の指定商品を表す普通名称であるから、出所識別標識としての称呼、観念が生じないものと判断するのが相当である。 してみると、本願商標は、「招福」の文字部分が独立して自他商品の識別標識としての機能を果たし得るものであって、該文字部分をもって取引に資されることも決して少なくないと判断するのが相当である。 そうすると、本願商標は、「招福」の文字部分に相応して「ショウフク」の称呼を生じ、「福を招くこと」(広辞苑第六版 株式会社岩波書店発行)の観念を生じるものというべきである。 (3)引用商標について 引用商標は、前記2のとおり、「招福」の文字を書してなるから、これより「ショウフク」の称呼を生じ、「福を招くこと」の観念を生じるものである。 (4)類否判断について ア 本願商標と引用商標は、前記1及び2のとおりの構成よりなるから、その全体の外観は相違するが、本願商標の構成中、自他商品の識別標識としての機能を有する「招福」の文字部分と引用商標の文字部分とを比較すると、両者は、縦書きと横書きの差異はあるものの、「招福」という同一の文字で構成されているから、外観が類似するといえるものである。また、両者は、「ショウフク」の称呼及び「福を招くこと」の観念において同一である。 そうすると、本願商標と引用商標は、全体の外観において相違するものの、「招福」の文字部分において外観が類似し、称呼及び観念を同一にするものであるから、これらを総合的に勘案すれば、互いに類似の商標というべきである。 イ 本願商標の指定商品と引用商標の指定商品は、前記1及び2のとおりであるところ、引用商標1の指定商品には本願商標の指定商品が含まれている。 また、引用商標2の指定商品中「サンドイッチ,肉まんじゅう,ハンバーガー,ピザ,ホットドッグ,ミートパイ」は、本願商標の指定商品と販売場所、用途、需要者の範囲等を共通にすることが多いから、互いに類似する商品である。 ウ したがって、本願商標は、引用商標と類似する商標であり、かつ、本願商標の指定商品と引用商標の指定商品が同一又は類似のものといえるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。 (5)請求人の主張について 請求人は、本願商標は、自他商品の出所識別機能を果たさない部分である「羊羹」の文字を含むものであるが、「招福」と「羊羹」の語の結合が極めて強いことから、これらが一体になった「招福羊羹」全体で自他商品の出所識別機能を果たす旨主張し、本願商標の使用態様を表す証拠(資料1ないし4)を提出している。 しかしながら、請求人の提出に係る証拠は、請求人のウェブサイトにおける本願商標を使用したようかんの紹介及びニュースリリース、そのパッケージデザインを担当したレンゴー株式会社のニュースリリース及び個人のブログに止まり、「招福」と「羊羹」の語の結合が強いこと、取引者、需要者が常に「招福羊羹」の構成全体で出所を識別していることを示すものではなく、また、その他「招福羊羹」の構成全体をもって、一般の取引者、需要者が本願商標を認識しているといえるほどの取引の実情を見いだすことはできない。そして、上記(2)で述べたとおり、本願商標は、「招福」の文字部分をもって取引に資されることも少なくないというのが相当である。 また、請求人は、参考として過去の審決例を挙げているが、登録出願に係る商標が商標登録の要件を具備しているか否かは、当該商標の構成態様と、指定商品の取引の実情等に基づいて、個別具体的に判断されるものであって、他の審決例の存在によって、上記判断が左右されるものではない。 したがって、請求人の主張を採用することはできない。 (6)まとめ 以上のとおり、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当し、登録することができない。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2015-03-11 |
結審通知日 | 2015-04-03 |
審決日 | 2015-04-30 |
出願番号 | 商願2013-93370(T2013-93370) |
審決分類 |
T
1
8・
263-
Z
(W30)
T 1 8・ 261- Z (W30) T 1 8・ 262- Z (W30) |
最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 齋藤 貴博、清川 恵子 |
特許庁審判長 |
土井 敬子 |
特許庁審判官 |
梶原 良子 大橋 洋子 |
商標の称呼 | ショーフクヨーカン、ショーフク |
代理人 | 後藤 憲秋 |