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審決分類 |
審判 一部取消 商50条不使用による取り消し 無効とする(請求全部成立)取り消す(申し立て全部成立) 042 |
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管理番号 | 1300639 |
審判番号 | 取消2014-300275 |
総通号数 | 186 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2015-06-26 |
種別 | 商標取消の審決 |
審判請求日 | 2014-04-14 |
確定日 | 2015-04-06 |
事件の表示 | 上記当事者間の登録第4222236号商標の登録取消審判事件について,次のとおり審決する。 |
結論 | 登録第4222236号商標の指定役務中,第42類「庭園又は花壇の手入れ,庭園樹の植樹,肥料の散布,雑草の防除,有害動物の防除(農業・園芸又は林業に関するものに限る),植木の貸与,コンバインの貸与」については,その登録は取り消す。 審判費用は,被請求人の負担とする。 |
理由 |
第1 本件商標 本件登録第4222236号商標(以下「本件商標」という。)は,「BLOOM」,「for GIRLS & BOYS」,「DAIKANYAMA」及び「ブルーム」の文字を4段に書してなり,平成8年11月25日に登録出願,第42類「宿泊施設の提供,宿泊施設の提供の契約の媒介又は取次ぎ,飲食物の提供,美容,理容,入浴施設の提供,写真の撮影,オフセット印刷,グラビア印刷,スクリーン印刷,石版印刷,凸版印刷,気象情報の提供,求人情報の提供,結婚又は交際を希望する者への異性の紹介,婚礼(結婚披露を含む。)のための施設の提供,葬儀の執行,墓地又は納骨堂の提供,一般廃棄物の収集及び処分,産業廃棄物の収集及び処分,庭園又は花壇の手入れ,庭園樹の植樹,肥料の散布,雑草の防除,有害動物の防除(農業・園芸又は林業に関するものに限る。),建築物の設計,測量,地質の調査,デザインの考案,電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守,医薬品・化粧品又は食品の試験・検査又は研究,建築又は都市計画に関する研究,公害の防止に関する試験又は研究,電気に関する試験又は研究,土木に関する試験又は研究,農業・畜産又は水産に関する試験・検査又は研究,著作権の利用に関する契約の代理又は媒介,通訳,翻訳,施設の警備,身辺の警備,個人の身元又は行動に関する調査,あん摩・マッサージ及び指圧,きゅう,柔道整復,はり,医業,健康診断,歯科医業,調剤,栄養の指導,家畜の診療,保育所における乳幼児の保育,老人の養護,編機の貸与,ミシンの貸与,衣服の貸与,植木の貸与,計測器の貸与,コンバインの貸与,祭壇の貸与,自動販売機の貸与,消火器の貸与,超音波診断装置の貸与,展示施設の貸与,電子計算機(中央処理装置及び電子計算機用プログラムを記憶させた電子回路・磁気ディスク・磁気テープその他の周辺機器を含む)の貸与,布団の貸与,ルームクーラーの貸与」を指定役務として,平成10年12月18日に設定登録され,同21年1月13日に,商標権の存続期間の更新登録がされたものである。 その後,本件商標権については,商標登録の一部取消し審判の請求により,その指定役務中,第42類「医薬品・化粧品又は食品の試験・検査又は研究,建築又は都市計画に関する研究,公害の防止に関する試験又は研究,電気に関する試験又は研究,土木に関する試験又は研究,農業・畜産又は水産に関する試験・検査又は研究」について取り消すべき旨の審決がされ,同19年1月29日に確定審決の登録がなされ,さらに,その指定役務中,第42類「電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守,電子計算機(中央処理装置及び電子計算機用プログラムを記憶させた電子回路・磁気ディスク・磁気テープその他の周辺機器を含む)の貸与」について取り消すべき旨の審決がされ,同23年7月14日に確定審決の登録がなされ,現に有効に存続しているものである。 なお,本件審判の請求の登録日は,平成26年4月30日である。 第2 請求人の主張 請求人は,結論同旨の審決を求め,その理由及び答弁に対する弁駁を要旨次のように述べ,甲第1号証及び甲第2号証を提出した。 1 請求の理由 本件商標権者は,正当な理由なく,継続して3年以上日本国内において,本件商標をその指定役務中,第42類「庭園又は花壇の手入れ,庭園樹の植樹,肥料の散布,雑草の防除,有害動物の防除(農業・園芸又は林業に関するものに限る),植木の貸与,コンバインの貸与」(以下「取消請求役務」という場合がある。)に使用していない。 また,商標登録原簿を確認してみても,専用使用権者及び通常使用権者の登録はない。 したがって,本件商標の取消請求役務に係る登録は,商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。 2 答弁に対する弁駁 (1)商標の使用者について ア 被請求人は,「株式会社パークウェイ」が通常使用権者として本件商標を使用していると主張している。 この主張をそのまま受け取れば,本件商標権者と同一名称の法人「株式会社パークウェイ」が別に存在し,本件商標権者から同法人に対して通常使用権が許諾されていることになるが,答弁書の記載及び提出された証拠を見ても,そのような事情は把握できない。 この点,該請求人の主張に対する反論として,「株式会社パークウェイ」の履歴事項全部証明書が乙第11号証として提出されているが,同証明書の内容を見る限り本件商標権者のものであり,本件商標権者と別法人に係る「株式会社パークウェイ」の存在を証明するものではない。 イ 他方で,被請求人は,商標の使用者として「株式会社パークウェイ BLOOM事業部」なる者を挙げているが,同事業部は,上記通常使用権者の事業部であるのか,それとも本件商標権者の事業部であるのか定かではない。 なお,同事業部による商標の使用については,証拠として乙第1号証及び乙第2号証が挙げられているが,乙第1号証は,平成12年1月11日付「工業所有権実施契約書」,乙第2号証は,平成3年4月1日付の契約書の変更に係る「覚書」であり,その内容を見ても元々の契約内容が不明であるため,いずれも本件商標の使用に関し,いかなる内容を証明するものであるか不明である。 ウ 以上より,被請求人が商標使用者として主張する「通常使用権者」がいかなる者か不明であり,また,いかなる行為を行っているか定かではないことから,本件商標の通常使用権者による使用という被請求人の主張内容は,証明されていない。 (2)使用商標について 被請求人は,本件商標の使用証拠として,乙第3号証ないし乙第7号証の写真を提出しているが,被請求人が「登録商標の使用」と主張する箇所をみると,いずれも「BLOOM」との表記態様となっている。 他方,本件商標は,欧文字及び片仮名により左横書きで「BLOOM」,「for GIRLS & BOYS」,「DAIKANYAMA」及び「ブルーム」と上下4段に分けて表記した態様からなるものである。 以上を総合すれば,被請求人が本件商標の使用と主張する内容については,仮に商標の使用に該当したとしても,「登録商標の一部使用」に他ならず,商標法第50条第1項で求められている「登録商標と同一の商標の使用」ではない。 したがって,被請求人の主張に係る使用商標は,本件商標の一部に係る「BLOOM」だけなのであって,同商標は,本件商標と同一の商標には該当せず,また,商標法第50条第1項かっこ書に規定される,いわゆる社会通念上同一の商標にも該当しないことは明らかである。 (3)使用時期について 本件商標の使用時期についての主張は,前記乙第1号証及び乙第2号証の覚書の内容に沿ったものであり,商標の直接的な使用証拠である乙第3号証ないし乙第7号証の写真の撮影日については,一切主張されておらず,またその証拠の提出もない。 したがって,被請求人の主張に係る商標の使用時期は不明であるといわざるを得ず,本件商標の使用時期に係る主張内容は,証明されていない。 (4)以上より,通常使用権者,本件商標権者のいずれもが,本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において取消請求役務について本件商標を使用していないから,取消請求役務の登録は,取り消されるべきものである。 第3 被請求人の主張 被請求人は,請求人の主張は理由がないものとする,審判費用は請求人の負担とする,と答弁し,その理由を要旨次のように述べ,証拠方法として,乙第1号証ないし乙第11号証を提出した。 1 本件商標の使用事実 本件商標の通常使用権者である「株式会社パークウェイ」は,本件審判の請求の登録前3年以内に我が国において,その取消請求役務中「庭園又は花壇の手入れ,庭園樹の植樹,肥料の散布,雑草の防除」について,本件商標を使用している。 (1)商標の使用者 乙第1号証「工業所有権実施契約書変更覚書」及び乙第2号証「覚書」には,「株式会社パークウェイ BLOOM事業部」が植栽管理業務を行うとの記載がある。 (2)使用に係る役務 乙第1号証「工業所有権実施契約書変更覚書」及び乙第2号証「覚書」には,登録に係る指定役務「雑草の防除,花壇の手入れ,肥料の散布に係る植樹の管理業務」に係る契約が記載されている。 (3)使用に係る商標 乙第3号証ないし乙第5号証は,被請求人の本店の「写真」である。本店は「緑小通り」と呼ばれる交通量の比較的多い道路に約520cm接道しており,その接道箇所地上約260cmの高さに約縦64cm×横200cmの「BLOOM」の看板が設置されている。 乙第6号証及び乙第7号証の「写真」は,植栽の管理契約をしている株式会社ワイエスパークの運営する美容室(東京都渋谷区猿楽町10番8号)に設置した「BLOOM」の看板であり,「BLOOM」の管理業務下にあることを証している。 (4)使用時期 被請求人は,平成20年8月29日に本店を「東京都目黒区緑が丘一町目5番13号」へ移転した後,平成21年9月1日に定款事業の一つである「生花の販売」,それに附帯する業務として,「庭園又は花壇の手入れ,庭園樹の植樹,肥料の散布,雑草の防除」及びグリーンインテリアを含めたエクステリアのコンサルティング業務を主たる業務とした「BLOOM」部門を発足した。 平成21年12月28日には,株式会社ワイ.エス.パークプロフェッショナル(品川区上大崎三丁目九番二号)及び株式会社ワイエスパーク(渋谷区猿楽町10番8号)と,植栽の管理業務及び報酬に関する工業契約書覚書を締結し,現在も契約を履行中である。 乙第1号証「工業所有権実施契約書変更覚書」及び乙第2号証「覚書」には,締結日が「平成21年12月28日」と記載され,覚書変更内容の実施日は「平成22年1月1日」よりとの記載がある。 乙第8号証ないし乙第10号証は,被請求人が,植栽に関する管理業務及びグリーンインテリアを含めたエクステリアのコンサルティング業務を行っている株式会社パークウェイBLOOM事業部の写真である。上記の写真は,被請求人が本件商標を審判請求がされたことを知った後に駆け込みで使用していないことを証している。 2 むすび 以上のとおり,本件商標は,本件審判の請求の登録前3年以内に国内において通常使用権者により,その指定役務中「庭園又は花壇の手入れ,庭園樹の植樹,肥料の散布,雑草の防除」について使用していることが明らかである。 したがって,本件審判の請求は,成り立たないものである。 第4 当審の判断 1 不使用取消審判について 商標法第50条に規定する商標登録の取消しの審判にあっては,その第2項において,「その審判の請求の登録前3年以内に日本国内において商標権者,専用使用権者又は通常使用権者のいずれかがその請求に係る指定商品又は指定役務のいずれかについての登録商標の使用をしていることを被請求人が証明しない限り,使用をしていないことについて正当な理由があることを明らかにした場合を除いて,商標権者は,その指定商品又は指定役務に係る商標登録の取消しを免れない。」旨規定されている。 2 被請求人の主張及び提出に係る証拠について (1)乙第1号証は,「株式会社パークウェイ」を「甲」とし,「株式会社ワイ.エス.パーク プロフェッショナル」を「乙」とし,「株式会社ワイ.エス.パーク」を「丙」とする当事者間における平成21年12月28日付けの「工業所有権実施契約書 変更覚書」(写し)であり,「・・・平成12年1月11日付けをもって締結した,『工業所有権実施契約書』の一部変更につき,つぎのとおり覚書を締結する。」と記載されている。 (2)乙第2号証は,「株式会社ワイエスパーク」を「甲」とし,「株式会社パークウェイ」を「乙」とする当事者間における平成21年12月28日付けの「覚書」(写し)であり,その内容は,「平成3年4月1日契約書に定める商品開発顧問料」の変更に関するものであって,その1.(1)には,「平成21年1月1日より,甲の運営する美容室において,『雑草の防除,花壇の手入れ,肥料の散布に係る植樹の管理業務』に関する一切の業務を乙に委託する。」と記載されている。 そして,乙第6号証及び乙第7号証は,被請求人の主張によれば,植栽に係る管理業務を締結している株式会社ワイエスパークに設置された「BLOOM」の写真とするものであり,乙第6号証には,「BLOOM」及び「DAIKANYAMA」の表示がある。 (3)乙第3号証ないし乙第5号証は,被請求人の主張によれば,被請求人の本店における商標「BLOOM」の看板写真とするものであり,これらには,本件商標の構成の一部である「BLOOM」の表示がある。 (4)乙第8号証ないし乙第10号証は,被請求人の主張によれば,株式会社パークウェイBLOOM事業部の写真とするものである。 (5)乙第11号証は,本件商標権者の履歴事項全部証明書である。 3 本件商標の使用について,前記2によれば,以下のとおりである。 (1)商標の使用者,使用に係る役務及び使用時期について ア 「工業所有権実施契約書 変更覚書」(乙1)は,記載されている「平成12年1月11日付けをもって締結した,『工業所有権実施契約書』」が,いかなる内容の契約であるか不明であり,また,該変更覚書の「事業内容」には,「雑草の防除,花壇の手入れ,肥料の散布に係る植樹の管理業務」と記載されているが,当該変更覚書が本件商標権に関するものであるのか明らかでない。 イ 「覚書」(乙2)は,記載されている「平成3年4月1日契約書」が,いかなる内容の契約であるか不明である。 ウ 乙第3号証ないし乙第5号証は,被請求人の本店の看板写真,乙第6号証及び乙第7号証は,植栽に係る管理業務を締結している株式会社ワイエスパークに設置された「BLOOM」の写真,乙第8号証ないし乙第10号証は,株式会社パークウェイBLOOM事業部の写真とするが,これらの証拠からは,提供に係る役務及び時期などを確認することができない。 エ 乙第11号証は,本件商標権者の履歴事項全部証明書であり,本件商標の使用を証するものではない。 (2)使用に係る商標について ア 被請求人の本店の看板写真(乙3ないし乙5)に表示された,「BLOOM」の文字は,本件商標の構成中の「for GIRLS & BOYS」,「DAIKANYAMA」及び「ブルーム」の文字部分が存在しないものであるから,本件商標の「書体のみに変更を加えた同一の文字からなる商標」ということができない。 そして,本件商標は,その構成中,「BLOOM」の欧文字部分は,「(主にバラなど観賞用植物の)花,[集合的に](木・枝全体の)花。」を意味する英語であって,「ブルーム」の称呼及び「(観賞用植物の)花,(木・枝全体の)花。」程の観念を生じ,「for GIRLS and BOYS」の欧文字部分からは,「フォーガールズアンドボーイズ」の称呼及び「女の子と男の子の」程の観念を生ずるものであり,「ブルーム」の片仮名部分は,「BLOOM」の欧文字部分の読みを表すものと認められる。 なお,「DAIKANYAMA」のローマ字部分は,「渋谷区の町名」である「代官山」の読みを表すものということができるから,役務の提供の場所を表すにすぎず,該文字は,自他役務の識別標識としての機能が弱いものと認められる。 これに対し,該看板に表示された「BLOOM」の文字からは,「ブルーム」の称呼及び「(観賞用植物の)花,(木・枝全体の)花。」程の観念を生ずるものであるが,本件商標は,「for GIRLS and BOYS」の欧文字部分からも自他役務の識別標識としての称呼及び観念が生ずるものであるから,「BLOOM」の文字は,本件商標の「平仮名,片仮名及びローマ字の文字を相互に変更するものであって同一の称呼及び観念を生ずる商標」ということができない。 イ 植栽に係る管理業務契約を締結しているワイエスパークに設置された看板(乙6)に表示された「BLOOM」及び「DAIKANYAMA」の文字は,本件商標の構成中の「for GIRLS & BOYS」及び「ブルーム」の文字部分が存在しないものであるから,本件商標の「書体のみに変更を加えた同一の文字からなる商標」ということができない。 そして,本件商標は,「for GIRLS and BOYS」の欧文字部分からも自他役務の識別標識としての称呼及び観念が生ずるものであるから,看板に表示された「BLOOM」及び「DAIKANYAMA」の文字は,本件商標の「平仮名,片仮名及びローマ字の文字を相互に変更するものであって同一の称呼及び観念を生ずる商標」ということができない。 ウ したがって,「BLOOM」及び「DAIKANYAMA」の文字は,本件商標と社会通念上同一の商標とは認められない。 4 むすび 以上のとおり,被請求人が提出した証拠によっては,要証期間に,本件商標権者,専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが,本件の取消請求役務のいずれかについて,本件商標(社会通念上同一のものを含む。)を使用していることを証明したものということができない。 また,被請求人は,取消請求役務について,本件商標を使用していないことについて正当な理由があることも明らかにしていない。 したがって,本件商標は,その指定役務中,第42類「庭園又は花壇の手入れ,庭園樹の植樹,肥料の散布,雑草の防除,有害動物の防除(農業・園芸又は林業に関するものに限る),植木の貸与,コンバインの貸与」について,商標法第50条の規定により,その登録を取り消すべきものである。 よって,結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2015-02-06 |
結審通知日 | 2015-02-12 |
審決日 | 2015-02-25 |
出願番号 | 商願平8-131559 |
審決分類 |
T
1
32・
1-
Z
(042)
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最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 大渕 敏雄 |
特許庁審判長 |
今田 三男 |
特許庁審判官 |
井出 英一郎 田中 亨子 |
登録日 | 1998-12-18 |
登録番号 | 商標登録第4222236号(T4222236) |
商標の称呼 | ブルームフォーガールズアンドボーイズダイカンヤマ、ブルーム |
代理人 | 山内 博明 |
代理人 | 山田 武史 |