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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 W43
審判 全部申立て  登録を維持 W43
審判 全部申立て  登録を維持 W43
審判 全部申立て  登録を維持 W43
管理番号 1299565 
異議申立番号 異議2014-900303 
総通号数 185 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2015-05-29 
種別 異議の決定 
異議申立日 2014-10-20 
確定日 2015-03-26 
異議申立件数
事件の表示 登録第5690248号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて,次のとおり決定する。 
結論 登録第5690248号商標の商標登録を維持する。
理由 第1 本件商標
本件登録第5690248号商標(以下「本件商標」という。)は,別掲のとおりの構成からなり,平成25年4月3日に登録出願,第43類「レストランにおける飲食物の提供,セルフサービス式レストランにおける飲食物の提供,飲食物の提供,調理飲食物の提供,持ち帰り可能な飲食物の提供,宴会場における飲食物の提供,ケータリング(飲食物),結婚披露宴会場における飲食物の提供,ビストロにおける飲食物の提供,バーにおける飲食物の提供,喫茶店における飲食物の提供,カフェテリアにおける飲食物の提供,コーヒーショップにおける飲食物の提供,簡易食堂における飲食物の提供,レストランの予約の取次ぎ,レストランの予約の代行,軽食堂における飲食物の提供,すしを主とする飲食物の提供,ティールームにおける飲食物の提供,ワインバーにおける飲食物の提供,カクテルラウンジにおける飲食物の提供,調理用機械器具の貸与,業務用電気式コーヒーメーカーの貸与,社交行事を開催するための部屋の貸与,飲食物の提供に関する情報の提供,飲食物の提供に関する指導及び助言」を指定役務として,同26年7月9日に登録査定,同年8月1日に設定登録されたものである。

第2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が,登録異議の申立ての理由として引用する登録第5078407号商標(以下「引用商標」という。)は,「皇朝」の文字を標準文字で表してなり,平成18年5月31日に登録出願,第29類「食用油脂,乳製品,食肉,卵,食用魚介類(生きているものを除く。),冷凍野菜,冷凍果実,肉製品,加工水産物,加工野菜及び加工果実,油揚げ,凍り豆腐,こんにゃく,豆乳,豆腐,納豆,加工卵,カレー・シチュー又はスープのもと,お茶漬けのり,ふりかけ,なめ物,豆,食用たんぱく,肉を主材料とした中華風惣菜,野菜を主材料とした中華風惣菜,果実を主材料とした中華風惣菜」,第30類「アイスクリーム用凝固剤,家庭用食肉軟化剤,ホイップクリーム用安定剤,食品香料(精油のものを除く。),茶,コーヒー及びココア,氷,あんまん,マンゴー入りのプリン,カステラ,中華菓子,杏仁豆腐,月餅,ごま団子,中華蒸しパン,中華風パイ菓子,中華風もち団子,中華ようかん,中華風ゼリー菓子,あん入り中華饅頭,中華風ドーナツ,菓子及びパン,調味料,香辛料,アイスクリームのもと,シャーベットのもと,コーヒー豆,穀物の加工品,アーモンドペースト,ぎょうざ,サンドイッチ,しゅうまい,すし,たこ焼き,肉まんじゅう,ハンバーガー,ピザ,べんとう,ホットドッグ,ミートパイ,ラビオリ,中華ちまき,春巻き,小籠包,チャーシュー入り中華饅頭,中華焼き饅頭,肉・魚介又は野菜を具とする中華饅頭,中華そばめん,中華そば用のつゆ,調理済み中華焼きそば,調理済み中華そば,イーストパウダー,こうじ,酵母,ベーキングパウダー,即席菓子のもと,酒かす,米,脱穀済みのえん麦,脱穀済みの大麦,食用粉類,食用グルテン」,第31類「生花の花輪,釣り用餌,ホップ,食用魚介類(生きているものに限る。),海藻類,野菜,糖料作物,果実,コプラ,麦芽,あわ,きび,ごま,そば,とうもろこし,ひえ,麦,籾米,もろこし,飼料用たんぱく,飼料,種子類,木,草,芝,ドライフラワー,苗,苗木,花,牧草,盆栽,獣類・魚類(食用のものを除く。)・鳥類及び昆虫類(生きているものに限る。),蚕種,種繭,種卵,うるしの実,未加工のコルク,やしの葉」,第32類「ビール,清涼飲料,果実飲料,ビール製造用ホップエキス,乳清飲料,飲料用野菜ジュース」,第33類「日本酒,洋酒,果実酒,中国酒,薬味酒」,第35類「フランチャイズ事業の管理,フランチャイズ加盟店に対する経営の助言・指導,商品の販売に関する情報の提供,広告,トレーディングスタンプの発行,経営の診断又は経営に関する助言,市場調査,ホテルの事業の管理,職業のあっせん,競売の運営,輸出入に関する事務の代理又は代行,新聞の予約購読の取次ぎ,速記,筆耕,書類の複製,文書又は磁気テープのファイリング,電子計算機・タイプライター・テレックス又はこれらに準ずる事務用機器の操作,建築物における来訪者の受付及び案内,広告用具の貸与,タイプライター・複写機及びワードプロセッサの貸与,求人情報の提供,自動販売機の貸与」,第43類「宿泊施設の提供,宿泊施設の提供の契約の媒介又は取次ぎ,飲食物の提供,動物の宿泊施設の提供,保育所における乳幼児の保育,老人の養護,会議室の貸与,展示施設の貸与,布団の貸与,業務用加熱調理機械器具の貸与,業務用食器乾燥機の貸与,業務用食器洗浄機の貸与,加熱器の貸与,調理台の貸与,流し台の貸与,カーテンの貸与,家具の貸与,壁掛けの貸与,敷物の貸与,タオルの貸与」を指定商品及び指定役務として,同19年9月21日に設定登録されたものである。

第3 登録異議の申立ての理由
申立人は,本件商標は商標法第4条第1項第11号及び同第15号に該当するものであるから,その登録は取り消されるものである旨申立て,その理由を要旨次のように述べ,証拠方法として甲第1号証ないし甲第9号証を提出した。
1 商標法第4条第1項第11号について
(1)本件商標の指定役務と引用商標の指定役務の対比
本件商標及び引用商標の指定役務は,いずれも第43類「飲食物の提供」等であり,その指定役務が同一又は類似していることは明らかである。
(2)本件商標と引用商標との対比
ア 本件商標の構成
本件商標は,龍と思しき動物の図形をやや薄色で描き,その下部左側に「楽天」なる行書体の横書きの文字(以下「楽」の文字部分は,「○」と記載する。),下部中央に湯気の立っている小籠包と思しき図形,下部右側に「皇朝」なる行書体の横書きの文字,最下部に「PARADISE DYNASTY」及び「LEGEND OF XIAO LONG BAO」の横書きの欧文字を上下二段に,最下部右側に「楽天」なる文字を縦書きした判子様の小さな図形を配しており,これらの文字及び小籠包と思しき図形はいずれも濃い色で描かれている。
結合商標類否判断
結合商標類否判断においては,全体観察により,商標を構成する全体の文字や図形等により生じる外観,称呼又は観念により類否判断をすることが考えられる。
しかし,結合商標の結合状態によっては,結合商標が常に一体不可分にのみ機能するとは限らないため,「その結合の強弱の程度」などを個別具体的に検討した結果,結合商標の要部のみが抽出される場合があることは当然である。
ウ 本件商標の要部
本件商標は,図形及び文字により構成される結合商標であるが,本件商標の図形部分は,龍及び小籠包と思しきオーソドックスなデザインであって,出所表示となるような特段の意味づけがされているものではなく,現に,本件商標権者の日本法人が経営する店舗(以下「本件店舗」という。)の看板,メニューの一部及び箸袋,名刺型広告及びリーフレット等の広告物などでは龍の図形が省略され,また,本件店舗のメニューの一部では,龍及び小籠包の図形がともに省略されているなど,これらの図形は一律に使用されているものでもない。
したがって,本件商標は,全体が一つのマークとして,認識されるものではなく,図形部分は飾りにすぎないと認識されるため,図形部分からは出所識別標識としての称呼,観念は生じない。
また,「PARADISE DYNASTY」及び「LEGEND OF XIAO LONG BAO」の部分は,日本国内の一般の取引者・需要者になじみのある語ではなく,これを発音することは容易ではないことや,同店舗のメニューの一部では,これらの欧文字が省略されていることに照らせば,この部分から出所識別標識としての称呼,観念は生じない。
仮に,この欧文字部分から,これに対応する称呼が生じ得るとしても,「パラダイス ダイナステイ」及び「レジェンド オブ シアオ ローン バオ」という称呼はいずれも相当に長いものであり,取引等の現場でその全体を呼ぶことは考えにくい。
他方,「皇朝」の文字から生じる「コーチョー」という称呼は簡潔であり,一般の取引者・需要者に親しみのある漢字から生じるものである。
このように,「○天」及び「皇朝」の文字以外の部分からは,出所識別標識としての称呼,観念は生じず,かつ,本件商標において「○天」及び「皇朝」の文字が大きく記載されているため,これらの文字が強い印象を与える。
また,「○天」と「皇朝」の文字は,間を空けて記載されていることに加え,「○天皇朝」という語で特定の意味を表すものではないから,「○天」及び「皇朝」の各文字に別個の称呼が生じることになる。
もっとも,「○」は,「楽」の漢字の簡体字であるが,我が国の語学教育の現状からみて,一般の取引者・需要者のうち,大多数の者はこの簡体字を正確に判読し,称呼することはできない。
したがって,「○天」の文字からは,特定の称呼及び観念は生じず,本件商標において,強く支配的な印象を与える要部は,「皇朝」の文字である。
現に,本件店舗の特徴的な商品としてランチメニューやスタンドメニュー,リーフレットなどで広告,宣伝している,8種類を一度に味わえる小籠包セットには,「皇朝小籠包」との名を附している。
この事実は,「○天 皇朝」の文字ではなく,「皇朝」の文字が出所識別標識として強く支配的な印象を与えることを本件商標権者自身が認めている証左に他ならない。
以上のとおり,本件商標につき,一般の取引者・需要者の語学能力や観察方法を基準として,その結合の強弱の程度などを個別具体的に検討すれば,結合商標たる本件商標のうち,要部として「皇朝」のみが抽出されることは明らかであり,引用商標との類否判断にあたっては,このことを踏まえなければならない。
エ 本件商標と引用商標との対比
本件商標の要部は「皇朝」の文字であるから,本件商標からは,「コーチョー」との称呼が生じる。「皇朝」の字は,「皇国の朝廷」を意味するが,日本人にとって馴染みのない語であり,一見して世人に直ちに一定の意義を理解させるようなものではないから,特定の観念は生じない。
他方,引用商標は,標準文字で「皇朝」と横書きしてなるものであり,「コーチョー」との称呼が生じる。引用商標から,特定の観念が生じないのは,本件商標と同様である。
このように,本件商標と引用商標とは,いずれも特段の観念は生じず,外観は「皇朝」という文字で共通しており,称呼が同一であるため,本件商標は,引用商標に類似していることは明らかである。
したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第11号に該当する。
2 商標法第4条第1項第15号について
(1)引用商標の周知性
引用商標を有する申立人は,飲食店の経営,ギョーザ,シューマイ,肉まん等の中華食品の製造販売等を業とする有限会社であり,現在,「皇朝グループ」として,「皇朝」の名を附した店舗を11店舗,「王朝」の名を附した店舗を5店舗展開している。
また,通信販売において,申立人の商品の販売個数の累計は,肉まん9000万個,肉シウマイ2000万個,黒豚生鮫子2800万個を誇り,楽天市場では2014年10月1日現在のレビュー総数は10597件で,その総合評価の平均は5段階で4.45と高い評価を受けている。
このように,申立人は,皇朝の名を附した店舗を数多く展開するとともに,通信販売により,中華料理を全国に発送している。
Yahoo!検索において,「皇朝」と検索した結果によれば,検索結果の1頁目には,「皇朝十二銭」を除き,全て申立人の店舗ないし通信販売に関する検索結果が表示されることからも,引用商標である「皇朝」は,申立人の商標として広く知られていることは明らかである。
(2)出所混同のおそれ
本件商標と引用商標とは,その指定役務が共通していること,本件商標権者の日本法人が経営する店舗は申立人と同じく中華料理を提供していること及び本件商標の指定役務に接する取引者・需要者において通常払われる注意力を基準とすれば,取引者・需要者が,本件商標から引用商標を連想,想起し,その役務が申立人と経済的又は組織的になんらかの関係を有する者の業務に係る役務であるかのように誤認するおそれ,すなわち出所混同のおそれがあることは明らかである。
したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第15号に該当する。

第4 当審の判断
1 商標法第4条第1項第11号該当性について
(1)本件商標について
本件商標は,別掲のとおり,龍及び鳥と思しき想像上の動物,湯気が立つ小籠包と思しき図形等を円形状にデザイン化してやや薄色で背景のように描き,該図形中の小籠包と思しき図形の左側には「○天」の文字を,その右側には「皇朝」の文字をそれぞれ大きく顕著に表し,該図形部分及び「○天皇朝」の文字の下段に,「PARADISE DYNASTY」の欧文字及び「LEGEND OF XIAO LONG BAO」の欧文字を二段に配し,これらの欧文字部分の右側に,黒地矩形内に白抜きで,文字と思しきもの(直ちには判読できない)を表した落款のような図形を配した構成からなるものである。
そして,本件商標は,図形部分と文字部分とが常に一体不可分のものとして把握されるというべき特段の事情を見いだすことができないものであるから,それぞれが独立して自他役務の識別標識としての機能を果たすものと認められる。
本件商標の構成中,該図形部分は,龍,鳥及び小籠包と思しきもの等を描いたものといえるとしても,該図形部分からは,直ちに特定の称呼及び既成の観念を生じないものである。
そして,本件商標の構成中,「○天皇朝」の文字部分は,同書,同大で他の文字に比べ大きく表され,看者に強い印象を与えるものといえるところ,その第一文字目の「○」は,我が国の漢字には存在しないものであるから,これに接する者に,直ちにいかなる文字を表したものであるかを理解,把握させるものということができない。また,第一文字目が不明である以上,これに続く文字が「天」,「皇」及び「朝」の漢字であるとしても,第一文字目を捨象して,第二文字目以降の「天皇朝」の文字部分,さらには「皇朝」の文字部分にあえて着目するのは不自然というべきである。
そうとすれば,該「○天皇朝」の文字部分からは,特定の称呼及び観念を生じないものと認められる。
なお,第一文字目の「○」は,超級クラウン中日辞典(株式会社三省堂)によれば,「楽」の漢字の簡体字であることが確認できるが,簡体字は我が国においては知られていない比較的馴染みの薄いものであるから,これが「楽」の漢字の簡体字であると理解,認識されるものということはできない。 次に,「○天皇朝」の文字部分の下段に表された「PARADISE DYNASTY」の欧文字部分は,その構成文字に相応して「パラダイスダイナシティ」の称呼を生ずるものであり,「paradise」は「地上の楽園,絶好の場所」等の意味を,「dynasty」の文字部分は「《正式》王朝,王家」等の意味を有する英語(いずれもジーニアス英和辞典(第4版))であるが,「PARADISE DYNASTY」からは,直ちに特定の意味合いを理解,認識させるものということができず,特定の観念を生じないものと認められる。
また,「LEGEND OF XIAO LONG BAO」の欧文字部分は,「legend」は「伝説,言い伝え」等の意味を有する英語(ジーニアス英和辞典(第4版))であり,「XIAO LONG BAO」は「小籠包」を英語で表すもの(参考:「weblio 英和和英」及び「Glosbe」の「小籠包」の項)であるから,該欧文字部分からは,「レジェンド オブ シャオ ロン バオ」の称呼を生じ,「小籠包の伝説(言い伝え)」程の観念を生ずるものと認められる。
なお,右下の隅に付された落款のような図形は,不鮮明で,役務の出所識別標識としての機能は,果たし得ないものである。
そうすると,このような態様から構成される本件商標は,その構成中の読み易い「PARADISE DYNASTY」又は「LEGEND OF XIAO LONG BAO」の欧文字部分が,自他役務の識別標識としての機能を果たすものと認められ,「パラダイスダイナシティ」及び「レジェンド オブ シャオ ロン バオ」の称呼を生じ,「小籠包の伝説(言い伝え)」程の観念を生ずるものというのが相当である。
申立人は,「○天皇朝」の漢字部分は,「○天」と「皇朝」の間を空けて記載されていること,「○天」は中国語の簡体字を含み「○天皇朝」という語で特定の読みは生じないことから,「皇朝」の文字部分が要部であり,「コーチョー」の称呼を生じ,特定の観念は生じない旨主張している。
しかしながら,「○天皇朝」の文字部分は,構成各文字が同書同大であって,外観上まとまりよく一体的に表されているものであるから,かかる構成において,これに接する者が,殊更「皇朝」の文字部分に着目するとはいい難い。
そして,「○天」及び「皇朝」の文字部分との間に小籠包と思しき図形が配されているとしても,本件商標を構成する「○天皇朝」の文字部分は,その構成全体をもって,特定の読み及び観念を生ずることのない一種の造語として認識されるとみるのが自然であって,これに反して,両文字部分を分離して,「皇朝」の語を抽出し,本件商標から「コーチョー」の称呼が生ずるとして,引用商標との類否を判断することは許されないものといわなければならない。
また,仮に「○」の文字が辞書等により,「楽」の簡体字と把握され,「楽天皇朝」とされる場合があっても,上記と同様に一体不可分の造語として認識されるものとみるのが相当であるから,「皇朝」の文字部分に着目し,「コーチョー」の称呼が生じるということもできない。
(2)引用商標について
引用商標は,「皇朝」の文字を標準文字で表してなるから,その構成文字に相応して「コーチョー」の称呼を生ずるものである。
また,該文字は,「皇国の朝廷。日本の朝廷。」の意味を有する語(広辞苑第六版)ではあるものの,一般に知られているとはいえないものであるから,特定の観念を生じないものである。
(3)本件商標と引用商標との類否について
本件商標と引用商標との類否について検討するに,両商標の外観は,それぞれの構成態様に照らし,判然と区別できる差異を有するものであるから,外観上,明確に区別できるものである。
そして,本件商標から生ずる「パラダイスダイナシティ」及び「レジェンド オブ シャオ ロン バオ」の称呼と,引用商標から生ずる「コーチョー」の称呼とは,その構成音及び構成音数が明らかに相違するものであるから,称呼上,明確に区別できるものである。
また,引用商標は,特定の観念を生じないものであるから,本件商標と比較することができず,観念上,類似するとはいえないものである。
そうとすれば,本件商標と引用商標とは,外観,称呼及び観念のいずれにおいても相紛れるおそれのない非類似の商標というべきである。
したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第11号に該当しない。
2 商標法第4条第1項第15号該当性について
本件商標は,前記1のとおり,引用商標とは外観,称呼及び観念のいずれの点からみても十分に区別できる別異の商標といえるものであり,かつ,申立人が提出した引用商標の周知著名性についての証拠は,申立人の店舗の紹介やインターネット検索の写しであり,これのみでは,引用商標の使用の期間,範囲,宣伝広告の期間,規模等や引用商標を使用する役務の売上高,市場占有率等が明らかでなく,本件商標の登録出願時及び登録査定時において,引用商標が,申立人の業務に係る役務を表示する商標として,取引者,需要者に広く知られているものということはできず,他に,両商標の間に誤認,混同の生じる事由も見いだせない。
そうとすれば,商標権者が本件商標をその指定役務に使用しても,取引者,需要者がこれより申立人の引用商標を連想,想起することはないものというのが相当であるから,本件商標は,申立人又は申立人となんらかの関係を有する者の業務に係る役務であるかのように,その役務の出所について混同を生ずるおそれはないものというべきである。
したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第15号に該当しない。
3 まとめ
以上のとおり,本件商標の登録は,商標法第4条第1項第11号及び同第15号のいずれにも違反してされたものではないから,商標法第43条の3第4項の規定に基づき,維持すべきものである。
よって,結論のとおり決定する。
別掲 別掲 (本件商標)





異議決定日 2015-03-18 
出願番号 商願2013-24230(T2013-24230) 
審決分類 T 1 651・ 263- Y (W43)
T 1 651・ 261- Y (W43)
T 1 651・ 271- Y (W43)
T 1 651・ 262- Y (W43)
最終処分 維持  
前審関与審査官 稲村 秀子 
特許庁審判長 今田 三男
特許庁審判官 井出 英一郎
田中 亨子
登録日 2014-08-01 
登録番号 商標登録第5690248号(T5690248) 
権利者 パラダイス グループ ホールディングス ピーティーイー.リミテッド
商標の称呼 ラクテンコーチョー、ガクテンコーチョー、ラクテン、ガクテン、コーチョー、パラダイスダイナスティレジェンドオブシアオローンバオ、パラダイスダイナスティ、パラダイス、ダイナスティ、ディナスティ、レジェンドオブシアオローンバオ、レジェンドオブシアオロングバオ、レジェンド、シアオローンバオ、シアオロングバオ 
代理人 栃木 順子 
代理人 竹中 陽輔 
代理人 達野 大輔 
代理人 藤原 大輔 
代理人 大串 真智子 
代理人 喜田村 洋一 

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