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審決分類 審判 査定不服 称呼類似 登録しない W29
審判 査定不服 外観類似 登録しない W29
管理番号 1297329 
審判番号 不服2013-20053 
総通号数 183 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2015-03-27 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2013-10-15 
確定日 2015-02-16 
事件の表示 商願2012-93289拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は、「しあわせ牛」の文字を標準文字で表してなり、第29類「牛肉,牛肉製品」を指定商品として、平成24年11月16日に登録出願されたものである。

2 引用商標
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願の拒絶の理由に引用した登録第4725349号商標(以下「引用商標」という。)は、「千葉しあわせ牛」の文字を横書きしてなり、平成14年10月4日に登録出願、第29類「牛肉」を指定商品として、同15年11月14日に設定登録されたものであり、その後、同25年11月19日に商標権の存続期間の更新登録がされているものである。

3 当審の判断
(1)本願商標
本願商標は、前記1のとおり、「しあわせ牛」の文字を標準文字で表してなるものであるから、その構成文字に相応して、「シアワセギュウ」又は「シアワセウシ」の称呼を生じるものであり、また、該文字は、「しあわせ」の語と「牛」の語とを組み合わせてなるものであるから、その構成全体から「幸せ(幸福)な牛」程の意味合いを想起させるものといえる。
(2)引用商標
引用商標は、前記2のとおり、「千葉しあわせ牛」の文字を横書きしてなるものであり、その指定商品を「牛肉」とするものである。
ところで、商品「牛肉」を取り扱う業界においては、近年、県単位あるいは地域単位でのいわゆるブランド産品としての牛肉の生産、販売が積極的に行われているところ、そのような牛肉については、その名称として、県名又は地域名の表示と「○○牛」(「○○」の部分は、任意の文字等)の表示とを組み合わせてなる「(県名又は地域名)○○牛」の表示を用いることが少なからずあり、さらに、該表示中の県名又は地域名の部分を省略する場合もあるというのが実情である(別掲1参照)。
また、引用商標の使用に係る商品「牛肉」は、平成12年頃から生産、販売が始まり、その後、主に千葉県の産品に係るイベント等への出展や、飲食店への食材提供、食肉加工品の原材料等といった取引がなされている上、千葉県が行う千葉県産牛肉の販促活動において紹介がされるなどしており、その取引等の際に、「千葉しあわせ牛」の表示が用いられるのみならず、千葉県産の「しあわせ牛」である旨の表示が用いられている事実も見受けられる(別掲2参照)。
そうすると、引用商標をその指定商品に使用した場合、これに接する取引者、需要者は、引用商標の構成中の「千葉」の文字部分が商品の産地、すなわち、千葉県産の商品であることを表したものとして看取、理解することも決して少なくないとみるのが相当である。
してみれば、引用商標は、その構成中の「しあわせ牛」の文字部分が、自他商品識別の際の要部となり、取引者、需要者に強く支配的な印象を与えるものといえるから、該文字部分に相応して、本願商標における場合と同様、「シアワセギュウ」又は「シアワセウシ」の称呼を生じ、「幸せ(幸福)な牛」程の意味合いを想起させるものといえる。
(3)本願商標と引用商標との類否について
本願商標と引用商標との類否について検討するに、両者は、その構成全体の比較においては、「千葉」の文字の有無という差異を有するものの、自他商品識別の際の要部たる「しあわせ牛」の文字部分についてみれば、その構成文字を共通にするものであって、「シアワセギュウ」又は「シアワセウシ」の称呼及び「幸せ(幸福)な牛」程の意味合いを生ずる点においても共通するものであるから、これらを総合勘案すれば、相紛れるおそれのある類似の商標というべきである。
また、本願の指定商品は、引用商標の指定商品と類似する商品である。
したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。
(4)請求人の主張について
請求人は、既登録例を挙げつつ、引用商標は、その全体が一体的にとらえられて初めてその出所を認識でき、銘柄牛の名称としての機能を果たすものであるから、「チバシアワセギュウ」又は「チバシアワセウシ」の称呼のみを生じ、それ以外の称呼をもって取引に資されることはないと判断されるべきである旨主張する。
しかしながら、引用商標は、その使用に係る商品「牛肉」についての取引の実情に鑑みれば、その構成中の「しあわせ牛」の文字部分が自他商品識別の際の要部となり、取引者、需要者に対し、強く支配的な印象を与えるものであって、該文字部分に相応して、「シアワセギュウ」又は「シアワセウシ」の称呼を生じ、「幸せ(幸福)な牛」程の意味合いを想起させるものであること、上記(2)において認定、判断したとおりであるから、この点についての請求人の主張を採用することはできない。
(5)まとめ
以上によれば、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当なものであり、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 別掲
1 「(県名又は地域名)○○牛」の表示の用例
(1)2003年(平成15年)11月18日付け「北海道新聞」(朝刊地方、21頁)に、「<企業クリップ>佐々木畜産=帯広市西24南1*十勝産牛肉の加工、販売*新鋭設備で衛生的に」の見出しの下、「千九百頭を飼育するグループ会社の帯広ファームと幕別の協力会社で生産される、黒毛和牛『北勝(ほくと)牛』と和牛・ホルスタイン交雑種『十勝四季彩牛』が自慢。特に『四季彩牛』は味の良さに比して格安といい、新たな売り上げの核となっている。」との記載がある。
(2)2005年(平成17年)5月31日付け「日本経済新聞」(地方経済面 静岡、6頁)に、「JA遠州夢咲の『遠州夢咲牛』(ブランドを磨け農水産業の挑戦)」の見出しの下、「名だたるブランド牛ほど全国的な知名度はないが、近年、業界で知らない人はいないほど有名な存在として台頭してきたのが、JA遠州夢咲(本店・菊川市)管内で生産される『遠州夢咲牛』だ。五年に一度開かれる『全国和牛能力共進会』。和牛の品質を競うオリンピックで、夢咲牛は一九九七年に内閣総理大臣賞を受賞。二○○二年の共進会でも優等賞などを射止めた。」との記載がある。
(3)2012年(平成24年)10月26日付け「日本農業新聞」(11頁)に、「もちもち牛、長崎全共へ 上位入賞を誓う/岩手の熊谷さん」の見出しの下、「長崎全共の第7区(総合評価群・肉牛群)にJAいわて中央管内から出品する熊谷一彦さん(紫波町)の『夏美成号』は、JAの特産品もち米を食べ育った『岩手しわ もちもち牛』だ。『もちもち牛』は同町の畜産農家9戸24人で構成する岩手しわ牛研究会が中心となり、年間約140頭を出荷している。出荷前10カ月間、砕いたもち米を配合飼料に混ぜ、1日に1頭当たり500グラムほど与える。これにより脂の融点が下がり、うま味が増すことが確認されている。」との記載がある。
(4)「米久-eショップ」のウェブサイトにおいて、「玄米育ち/岩手めんこい黒牛/黒毛和種×乳用種」の見出しの下、「『玄米育ち 岩手めんこい黒牛』は岩手県で肥育されています。米久が業務提携している『キロサ牧場(岩手県)』の管理の下、衛生的な牛舎で愛情込めて育てられています。」との記載がある。
(http://www.yonekyu-eshop.jp/iwate)
(5)「秋田県畜産農業協同組合」のウェブサイトにおいて、「秋田県のブランド牛/黒毛和牛『秋田錦牛』」の見出しの下、「秋田県に銘柄牛を作り多くの方に食べてもらいたいということで、当組合で厳選した牛肉を、昭和50年代、当時肉質日本一と言われた秋田県黒毛和種改良の基礎となった『栃錦』号にちなんで『秋田錦牛』と呼び直営店や提携店で販売をしてきましたが、平成11年に商標登録を取得しました。北国の風土に育つ『秋田錦牛』をキャッチフレーズに、本県の厳しい自然環境のなかで、徹底管理された飼料と、極め細やかな飼養管理により、じっくりゆっくり育てられた、バランスが良く甘みのある脂身と味の奥深さのある赤身が程よくコラボした秋田を代表する銘柄牛肉です。」との記載がある。
(http://www.akb.or.jp/nishikigyu/)

2 引用商標の使用に係る商品「牛肉」についての実情
(1)引用商標の商標権者である「株式会社岩渕畜産」のウェブサイトにおいて、「沿革」の見出しの下、「昭和40年に、営務を開始。40年代後半、肉牛農家、乳牛農家とも取り引き先の増加にともない、東北、北海道からの仕入れを拡大。昭和50年代前半には、自社牧場での生産も拡充し、平成12年に、法人組織 株式会社岩渕畜産となる。同年、グループで生産した肉牛をしあわせ牛のブランドとして販売開始。」との記載があり、同じく、「しあわせ牛とは」の見出しの下、「東日本産直ビーフ研究会『しあわせ牛』とは『食の絆』を大切にした産地直送の牛肉です。」及び「千葉県内で生産した産地直送の高品質の牛肉です。」等の記載とともに、「ホルスタイン(しあわせ牛)」、「交雑種(しあわせ絆牛)」及び「黒毛和牛(しあわせ満天牛)」に係る各標章と思しき表示が掲載されている。
(http://www.iwabuchi-chikusan.co.jp/company.html)
(http://www.iwabuchi-chikusan.co.jp/shiawase.html)
(2)「東日本産直ビーフ研究会ご案内」のウェブサイトにおいて、「研究会の活動」の見出しの下、「●千葉・・・平成14年4月設立/(東日本産直ビーフ研究会事務局)」等の記載とともに、同時期に「千葉産直ビーフ研究会」が設立され、店頭での販促活動を始めた旨の記載がある。
(http://www.sanchoku-beef.org/html/katudou.html)
(3)「千葉県」のウェブサイトにおいて、「うまい牛肉 チバザビーフ」の見出しの下、「『チバザビーフ』は、消費者の皆様に『千葉県産』牛肉を知ってもらい、食べてもらおうと、『うまい牛肉 チバザビーフ』のキャッチコピーを掲げ、生産農家、出荷団体、行政等関係機関の連携の下にピーアール活動を行っています。」の記載とともに、「チバザビーフに参加する銘柄牛肉の紹介」の中で、上記(1)において述べた「しあわせ牛」、「しあわせ絆牛」及び「しあわせ満天牛」が、それぞれ「千葉しあわせ牛(乳用牛)」、「しあわせ絆牛(交雑種)」及び「しあわせ満天牛(黒毛和牛)」として、それらに係る標章と思しき表示と併せて掲載されている。
(http://www.pref.chiba.lg.jp/chikusan/chibazabi-hu.html)
(4)2007年(平成19年)7月2日付け「日経MJ(流通新聞)」(14頁)に、「千葉県北部、『千葉しあわせ牛』--乳牛の肉質徹底改善(産地この逸品)」の見出しの下、「銚子市や旭市など千葉県北部に広がる北総台地。高い山が無く、広い平野を必要とする畜産、酪農に適している。酪農が比較的盛んな地域の特性を生かし、和牛に比べて安く大衆的な乳牛を『千葉しあわせ牛』として生産している。・・・青森や宮城、群馬などの各県の畜産農家で構成する東日本産直ビーフ研究会。この会の主力となる千葉県の農家が統一した飼料で育て、出荷しているのが『千葉しあわせ牛』だ。」との記載がある。
(5)2007年(平成19年)10月2日付け「スポーツ報知」(26頁)に、「山本梓が国産若牛キャンペーンで一日PR大使『うま味ギュー』」の見出しの下、「タレントの山本梓(26)が1日、都内で国産若牛キャンペーン(11月16日まで)の一日PR大使任命式に出席した。地元・千葉のしあわせ牛の焼き肉、庄内牛の芋煮、北海道若牛のホワイトビーフシチューを試食。」との記載がある。
(6)2008年(平成20年)1月15日付け「朝日新聞」(東京夕刊、9頁)に、「野菜でリフレッシュ 東京都内の飲食店を紹介」の見出しの下、「◆冬野菜を使った特別メニュー 20日[日]まで、千葉県浦安市舞浜の複合型商業施設『イクスピアリ』(舞浜駅)の飲食店7店が、白菜や大根、キャベツなどの野菜をテーマにした特別メニューを提供。『自然派ダイニング 饗の詩』(電話047・305・5665)では『千葉県産しあわせ牛サーロインと野菜の盛り合わせ』(1980円)」との記載がある。
(7)2009年(平成21年)3月27日付け「日本経済新聞」(地方経済面 千葉、39頁)に、「千葉しあわせ牛(旭市)--乳用種オス、ブランド確立へ地域一体(ちばの風)」の見出しの下、「さかなソングや、きのこの歌に続け--とばかりに、千葉県産のブランド牛肉『しあわせ牛』の販売促進用CDが登場した。・・・しあわせ牛を生産するのは、旭市や香取、銚子など県北東部の近隣市町の三十三農家で組織する『東日本産直ビーフ研究会 千葉』。」との記載がある。
(8)2011年(平成23年)1月25日付け「朝日新聞」(東京地方版/千葉、28頁)に、「千葉のカレーが大集合 落花生・サザエ・クジラ・・・、県産食材PRに一役 東京/千葉県」の見出しの下、「落花生やサザエ、クジラなど、県産の食材を使ったご当地カレーが31日、東京都千代田区の東京国際フォーラムで一堂に会する。・・・今春新発売の商品もお目見えする。・・・『千葉の牛味噌(みそ)カレー』は、県産ブランド『しあわせ牛』とJAきみつのオリジナルみそで作った和風テイストの一品だ。」との記載がある。
(9)2011年(平成23年)12月19日付け「日経MJ(流通新聞)」(18頁)に、「東日本産直ビーフ研究会、牛肉需要開拓、加工品に進出--ベーコンなど5品目販売。」の見出しの下、「千葉や茨城、福島など、東日本大震災の被災地を含む肉牛の生産者団体が、独自ブランドの加工品に進出する。約60人の農家で構成する東日本産直ビーフ研究会(千葉県旭市)は来夏の発売に向け、ローストビーフなど5品目を開発する。・・・加工用の原料にするのは同研究会の独自ブランド『しあわせ牛』。・・・東日本産直ビーフ研究会 千葉、茨城、福島、青森の4県の畜産農家、約60人が参加。2002年から和牛の『しあわせ満天牛』、交雑牛の『しあわせ絆牛』、乳用牛の『千葉しあわせ牛』の3ブランドを展開。」との記載がある。
(10)「公益社団法人 千葉県畜産協会」のウェブサイトにおける「第7回千葉県畜産フェア」(平成25年10月5日に船橋競馬場において開催)に係る案内には、協賛団体等の一として、「千葉県産直ビーフ研究会」が「しあわせ牛 焼肉試食販売」のために参加した旨の記載がある。
(http://chiba.lin.gr.jp/03_event/tikusann.pdf)
(11)「千葉ポートタワー」のウェブサイトにおいて、「カフェレストラン ラ・プラージュ」に係る「おすすめメニュー」の見出しの下、「◎メインディッシュ(A?Eの中から1品お選び下さい。) A.千葉県産しあわせ牛&マーガレットポークの煮込みハンバーグ B.千葉県産しあわせ牛と君津産よしえちゃん味噌を使ったカレー風味のわらじメンチカツ・・・」との記載がある。
(http://www.chiba-porttower.com/cafe.html)
(12)「ちば特産ネット」のウェブサイトにおいて、「おすすめ商品情報」の一として、「千葉の牛味噌カレー」の見出しの下、「JA君津の人気商品『よしえちゃん味噌』と千葉県産の『しあわせ牛』を使用して作った自信作!カレーの風味を追いかけてくる味噌のコクがたまりません!」との記載がある。
(http://chiba-bussan.net/)


審理終結日 2014-05-16 
結審通知日 2014-05-23 
審決日 2014-06-10 
出願番号 商願2012-93289(T2012-93289) 
審決分類 T 1 8・ 261- Z (W29)
T 1 8・ 262- Z (W29)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 齋藤 貴博北口 雄基 
特許庁審判長 今田 三男
特許庁審判官 田中 敬規
大井手 正雄
商標の称呼 シアワセギュー、シアワセウシ 
代理人 本宮 照久 

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