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審決分類 |
審判 査定不服 商4条1項8号 他人の肖像、氏名、著名な芸名など 登録しない W43 |
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管理番号 | 1297235 |
審判番号 | 不服2014-9382 |
総通号数 | 183 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2015-03-27 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2014-05-20 |
確定日 | 2015-01-16 |
事件の表示 | 商願2013-38196拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
1 本願商標 本願商標は、「炉端焼 Kazuo Okada」の文字を標準文字で表してなり、第43類「宿泊施設の提供,宿泊施設の提供の契約の媒介又は取次ぎ,温泉施設を有する宿泊施設の提供,飲食物の提供,業務用加熱調理機械器具の貸与,業務用食器乾燥機の貸与,業務用食器洗浄機の貸与,加熱器の貸与,食器の貸与,調理台の貸与,流し台の貸与,おしぼりの貸与,タオルの貸与」を指定役務として、平成25年5月21日に登録出願されたものである。 2 原査定の拒絶の理由の要点 原査定は、「本願商標は、『岡田一夫』、『岡田一男』、『岡田一雄』、『岡田和男』、『岡田和夫』等の他人の氏名の英語表記と認められる『Kazuo Okada』の文字を含むものであり、かつ、その者の承諾を得たものとは認められない。したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第8号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。 3 当審の判断 (1)商標法第4条第1項第8号の該当性について 本願商標は、「炉端焼 Kazuo Okada」の文字よりなるところ、その構成中の「炉端焼」文字は、飲食物の提供等の役務との関係においては、識別力がないか、極めて弱いものである。 そうすると、本願商標は、該「Kazuo Okada」の文字部分が、独立して自他役務の識別標識としての機能を果たし得るものである。 ところで、海外旅行に必要なパスポートの「姓」及び「名」の欄や、商品等の代金の支払手段の一つであるクレジットカードには、「名」及び「氏」の順に本人の氏名の読みがローマ字で表記(以下「ローマ字表記」という。)されており、氏名の読みをローマ字表記することが社会全般において広く行われているといえる。 そうとすると、本願商標に接する、取引者、需要者は、本願商標の構成中の「Kazuo Okada」の文字部分が、氏名をローマ字表記したものと、容易に認識するものと判断するのが相当である。 そして、当該欧文字の読みに照応する「カズオ オカダ」、すなわち「オカダ カズオ」の氏名の者は、原審説示のとおり、東京都に限ってみても「岡田一夫」、「岡田一男」、「岡田一雄」、「岡田和男」、「岡田和夫」等の存在が認められるものである。 してみれば、本願商標は、その構成中に、上記した氏名に係る、他人の氏名を含むものといわなければならず、かつ、原審で示された者の承諾を得たものとは認められない。 したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第8号に該当するものである。 (2)請求人の主張について ア 請求人は、氏名のローマ字表記は、多様な漢字の氏名と結び付き得るものであって、いずれか一つの氏名には結び付かないものであるから、特定の氏名とは結び付かない以上、それらの氏名を有する者の人格的利益を害することにはならない旨主張している。 しかしながら、上記のとおり、我が国において、氏名をローマ字表記することは、日常一般的に行われており、氏名のローマ字表記に対応する漢字等による表記が一通りでないとしても、呼び方を同じくする氏名は、これをローマ字表記する場合、同一のローマ字で表記せざるを得ないものであり、雅号、芸名若しくは筆名とは異なり、恣意的に選択する余地がない。 また、氏名のローマ字表記は特定の氏名とは結び付かないものではなく、そのローマ字表記による氏名に接した者は、それと同じ呼び名の者を認識するのであり、それと同じ呼び名をする者は当該表記を自己の氏名と認識するのである。 そうとすると、氏名のローマ字表記であっても、他人がそれを商標として、採択使用することは、そのローマ字表記された氏名の者の人格的利益を害するものといわなければならず、人格的利益の保護という同号の趣旨からも氏名のローマ字表記も同号に規定する「氏名」に該当するものというべきである。 また、仮に、商標法上の「氏名」には、戸籍上の氏名に限定され、社会全般において広く使用されるローマ字表記は含まれないとすると、著名性を有しない限り、他人による商標登録がなされた場合は、その効力が及ぶこととなるが(商標法第26条第1項第1号)、上記のとおり、氏名をローマ字表記することは一般的に行われているのであり、氏名の漢字等が異なるとしても、そのローマ字表記は選択の余地がないにもかかわらず、その使用が制限されることとなる。このことは、平仮名表記や片仮名表記についても同様である。この点からみても、商標法における「氏名」には、戸籍上の氏名の表記に限定されるべきものではない。 したがって、請求人の主張は、採用することができない。 (3)むすび 以上のとおり、本願商標は、商標法第4条第1項第8号に該当し、登録することができない。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2014-11-10 |
結審通知日 | 2014-11-14 |
審決日 | 2014-11-26 |
出願番号 | 商願2013-38196(T2013-38196) |
審決分類 |
T
1
8・
23-
Z
(W43)
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最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 海老名 友子 |
特許庁審判長 |
井出 英一郎 |
特許庁審判官 |
大井手 正雄 田中 亨子 |
商標の称呼 | ロバタヤキカズオオカダ、カズオオカダ |
代理人 | 飯島 紳行 |