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審判番号(事件番号) | データベース | 権利 |
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異議2013900398 | 審決 | 商標 |
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審決分類 |
審判 全部申立て 登録を維持 W25 審判 全部申立て 登録を維持 W25 審判 全部申立て 登録を維持 W25 審判 全部申立て 登録を維持 W25 |
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管理番号 | 1290769 |
異議申立番号 | 異議2014-900008 |
総通号数 | 177 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標決定公報 |
発行日 | 2014-09-26 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2014-01-14 |
確定日 | 2014-08-04 |
異議申立件数 | 1 |
事件の表示 | 登録第5621284号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 登録第5621284号商標の商標登録を維持する。 |
理由 |
第1 本件商標 本件登録第5621284号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲1のとおりの構成からなり、平成25年2月28日に登録出願、第25類「被服,履物及び運動用特殊靴,帽子,ワイシャツ類及びシャツ,革製又は人工皮革製の被服,ベルト,毛皮製被服,手袋(被服),スカーフ,ネクタイ,メリヤス下着・メリヤス靴下,ソックス,スリッパ,ビーチ用・スキー用又は運動用履物,下着」を指定商品として、同年9月5日登録査定、同年10月11日に設定登録されたものである。 第2 引用商標 登録異議申立人(以下「申立人」という。)が、登録異議の申立ての理由において引用する登録商標は、以下の2件であり、いずれも現に有効に存続しているものである。 1 国際登録第1055006号商標(以下「引用商標1」という。)は、別掲2のとおりの構成からなり、2010年(平成22年)3月26日に、Franceにおいてした商標登録出願に基づきパリ条約第4条による優先権を主張し、2010年(平成22年)9月24日に国際商標登録出願、第9類「Magnetic recording media, sound recording or optical disks.」、第16類「Printed matter; photographs;stationery; printing type; printing blocks; posters; albums; cards; books;prospectuses; pamphlets.」及び第25類「Clothing; footwear; headgear; shirts;leather or imitation leather clothing;belts (clothing); furs (clothing);gloves (clothing); scarves; neckties;hosiery; socks; slippers; beach, ski or sports footwear; underwear.」を指定商品として、平成23年6月3日に設定登録されたものである。 2 国際登録第1005429号商標(以下「引用商標2」という。)は、別掲3のとおりの構成からなり、2009年(平成21年)2月26日に国際商標登録出願、第9類「Magnetic recording media, recording discs or optical discs.」、第16類「Printed matter; photographs;stationery; printing type; printing blocks; posters; albums; cards; books;prospectuses; pamphlets.」及び第25類「Headgear; belts (clothing).」を指定商品として、平成22年9月17日に設定登録されたものである。 以下、引用商標1及び引用商標2をまとめて「引用商標」という。 第3 登録異議の申立ての理由 申立人は、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同項第15号に該当するものであるから、その登録は同法第43条の2第1項第1号により、取り消されるべきものである旨申立て、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第5号証を提出した。 1 商標法第4条第1項第11号について 本件商標は、左横向きのキツネの黒いシルエット図形及びアルファベット「K」の文字を組み合わせた構成の商標であるところ、その構成中のシルエット図形部分は、イヌ系の動物であることが直ちに理解され、特に、顔が俗に言うキツネ顔であり、かつ、ふさふさした尾を持つことから、キツネを表していると理解される。 その結果、該シルエット図形と組み合わされた本件商標構成中のアルファベット「K」の文字部分は、キツネ(Kitsune)の頭文字を表していると推察することができることから、観念的にシルエット図形と「K」の文字は整合する。 これに対し、引用商標1は、左横向きのキツネの黒いシルエット図形の商標であり、該シルエット図形は、キツネ顔であり、かつ、ふさふさした尾を持つことからわかるように、キツネを表している。 そして、本件商標と引用商標1を対比すると、両商標は、ともにふさふさした尾を持つキツネの立位の図形をシルエット状に黒塗りで表しており、しかも、どちらのキツネも左向きで、また、仮想地面上に前足及び後ろ足をつけており、駆けたり、跳躍したりしていない静的な状態にある点で共通する。 したがって、両商標は、構成上の基本的な要素に共通点を有しており、その結果、外観全体から受ける視覚的印象が著しく似通ったものになっている。 なお、相違点として、引用商標1には、文字「K」が付されていないのに対し、本件商標には、かかる文字が存在している点が挙げられるが、前述したように、文字「K」は単にキツネの頭文字を表すと考えられるため、両商標の構成上の細部にわたる要素に係る相違にすぎないものであり、両商標を注意深く観察すれば相違は認識されるが、その相違は仔細な微差にとどまるものである。 そして、両商標は、ともにキツネの特徴をとらえて、黒く塗りつぶして描いているため、看者に与える印象は極めて近似しており、全体として外観上非常に紛らわしく、両商標は、互いに類似するものである。 また、両商標は、ともに外観上の構成自体からみて、「キツネ」の称呼、観念を生じるものである。 以上のように、本件商標は、引用商標1と「キツネ」の外観、称呼及び観念を共通にする類似の商標であり、また、その指定商品も類似のものである。 したがって、本件商標の登録は、第25類の全指定商品について、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものであるから、取り消されるべきである。 2 商標法第4条第1項第15号について 引用商標は、2002年の創立以来、申立人の音楽レーベル、ファッションブランド、アートなどを表す商標として広く知られており、著名性の程度が高く、高い顧客吸引力を有する商標である。 また、引用商標の権利者である申立人のホームページには、引用商標のほか、申立人の業務等について詳細に説明されている。 したがって、キツネのシルエットと、引用商標2の頭文字であり、かつ、申立人の頭文字でもある文字「K」から構成される本件商標が、本件指定商品について使用された場合には、本件指定商品の分野の需要者は、申立人の業務に係る商品と出所の混同を生ずるおそれがある。 したがって、本件商標の登録は、第25類の全指定商品について、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものであるから、取り消されるべきである。 第4 当審の判断 1 引用商標の周知・著名性 申立人は、引用商標が、申立人の音楽レーベル、ファッションブランド、アートなどを表す商標として広く知られている商標である旨主張し、その証拠方法として甲第4号証及び甲第5号証を提出しているので、該証拠方法について検討する。 (1)甲第4号証によれば、「Kitsune」(審判注:「e」にはアクサンテギュ記号が付されている。以下「Kitsune」及び「KITSUNE」の「e」及び「E」の文字は同じ。)の表題のウェブサイトの写しであるところ、「Kitsune(キツネ)は、フランス・パリのインディペンデントレコードのレーベル。音楽だけでなくファッション、アートなど様々な活動を行うクリエイター集団で、ファッションブランドMAISON KITSUNEでも知られている。2002年に設立、・・」などの記載があるところ、「Kitsune」の文字が、フランスのインディペンデントレコードレーベルであることが記載されているにすぎないものであり、引用商標の使用についての記述は見当たらず、引用商標が指定商品について具体的にどのように使用されているのかも明らかでない。 (2)甲第5号証は、「FASHION PRESS」と称されるウェブサイトの写しであるところ、「メゾンキツネ:MAISON KITSUNE」の表題のもと、「ブランドの始まり」として「2001年、Gildas Loaec(ジルダ・ロアエック)と黒木理也(クロキ・マサヤ)がパリにてKITSUNE(キツネ)をスタート。後にメゾンキツネに改名。」の記述があり、「メゾン キツネについて」として「キツネ(KITSUNE)は、世界的に高い評価を得るフランスを拠点に音楽レーベル、ファッションブランド、アートなど、様々な活動を行う集団。もともとKITSUNEとして展開していたが2010年秋冬シーズンよりブランド表記を『MAISON KITSUNE』に一新した。」との記述があるが、これよりは、2010年頃に「KITSUNE」から「MAISON KITSUNE」にブランド表記を変更していると認められ、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、引用商標を指定商品について使用していると認めるべき記述は見当たらない。 (3)以上よりすれば、申立人の提出に係る証拠によっては、引用商標が、本件商標の登録出願時及び登録査定時に、申立人の業務に係る商品を表示する商標として、取引者、需要者の間に広く認識されていたものとは認めることはできない。 また、申立人は、上記第3の2において、引用商標の権利者である申立人のホームページには、引用商標のほか、申立人の業務等について詳細に説明されている旨述べているが、該ホームページの提出がなされていないため、職権により、該ホームページを調査したところ、引用商標1及び「KITSUNE」の文字が表示されていることは認められるものの、引用商標の使用態様、使用期間、使用頻度など引用商標が指定商品について具体的にどのように使用されているのかが明らかでなく、引用商標が、申立人の業務に係る商品に使用して、周知、著名であるといえるようなものは見出すことができなかった。 その他、引用商標が、本件商標の登録出願時及び登録査定時に、申立人の業務に係る商品を表示する商標として、取引者、需要者の間に広く認識されていたものと認めるに足る証拠を見出すこともできなかった。 2 商標法第4条第1項第11号について (1)本件商標及び引用商標1 ア 本件商標は、別掲1のとおり、アルファベットの「K」の文字が横書きで大きく表示され、その左方に該文字の一部と重なり合うように、四足動物が右側から左側に向けて前足と後足を大きく開いている様子を側面から見た姿を黒塗りしたシルエットで表した状態を描写したものと認められる。 イ 引用商標1は、別掲2のとおり、四足動物が右側から左側に向けて、前足を開き、後足を閉じている様子を側面から見た姿を黒塗りしたシルエットで表した状態を描写したものと認められる。 (2)本件商標と引用商標1との対比 ア 外観 (ア)共通点 本件商標と引用商標1は、四足動物が右側から左側へ向けて前足を開いた状態を側面から見た姿で黒塗りしたシルエットで描かれている点で共通する。 (イ)相違点 本件商標においては、大きく表示されたアルファベットの「K」があるのに対し、引用商標1においては、文字が表示されていない点で異なっている。 そして、両商標における四足動物の図形については、本件商標の動物の方が頭部がやや左向きになっているよう描かれているのに比べ、引用商標の動物の頭部は真横向きに描かれ、さらに、後足が本件商標では開いて描かれているのに比べ、引用商標1では閉じて描かれ、また、尻尾が、本件商標では全体として巻き毛を帯びた状態で先端が尖った状態で描かれているのに比べ、引用商標1では全体として丸みを帯びた形状に描かれている。 (ウ)このように、本件商標と引用商標1とは、四足動物を側面から見た姿で黒塗りしたシルエットが共通しているものの、該図形部分においても、上記(イ)のとおりの相違点を有するものであり、かつ、本件商標は、四足動物の図形とアルファベットの「K」が、いずれも同じ黒色からなり、その一部が重なり合っていることからすれば、その構成全体をもって一体的に看取、把握されるとみるのが自然であり、殊更、その構成中のアルファベットの「K」の部分を捨象し、四足動物の図形部分のみをもって取引に資される場合があるとは認められない。 そうとすれば、本件商標と、引用商標1とは、看者に全く別異の印象を与えるといえるものであるから、両商標を時と所を異にして離隔的に観察した場合においても、両者は外観において明確に区別できる相紛れるおそれのない非類似の商標というのが相当である。 イ 観念及び称呼 本件商標は、その構成中の四足動物の図形から直ちに特定の観念を想起しうるものではなく、また、「K」という文字も、直ちに特定の観念を想起させるものではなく、その全体としても、特定の観念を生じないものである。 他方、引用商標1は、四足動物の図形から直ちに特定の観念を想起しうるものではない。 また、本件商標及び引用商標1は、ともに、その全体より特定の称呼が生じるものではない。 そうすると、本件商標と引用1商標は、観念及び称呼の点から見ても、ともに特定の観念及び称呼を生ずるものとは認められないから、両者は観念及び称呼において類似ということはできない。 してみれば、本件商標と引用商標1とは、外観、観念及び称呼のいずれの点からみても、相紛れるおそれのない非類似の商標といわざるを得ない。 (3)小活 以上のとおり、本件商標は、引用商標1とは非類似の商標であるから、その指定商品が引用商標1の指定商品と同一又は類似のものであるとしても、商標法第4条第1項第11号に該当するものではない。 3 商標法第4条第1項第15号について (1)本件商標と引用商標との対比 本件商標と、引用商標1とが、非類似の商標であることは、上記2のとおりである。 また、引用商標2は、別掲3のとおり、「Kitsune」の欧文字を横書きした構成からなるところ、その構成文字に相応し、「キツネ」の称呼を生じ、我が国において親しまれている動物の一種である「キツネ」を想起させるものである。 そうとすれば、本件商標は、上記2(1)アのとおりの構成からなり、特定の観念及び称呼を生じないものであるところ、引用商標2とは、その外観、観念及び称呼のいずれの点からみても相紛れるおそれのない非類似の商標というべきである。 (2)商標法第4条第1項第15号該当性 本件商標は、上記(1)に記載のとおり、引用商標とは相紛れるおそれのない別異の商標である。 そして、引用商標は、上記1のとおり、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、申立人の取り扱いに係る商品を表示するものとして、我が国の取引者、需要者の間に広く認識されている商標と認めることができないものである。 そうすると、本件商標は、その指定商品に使用しても、取引者・需要者が引用商標を連想又は想起するものとはいえず、当該商品を申立人、あるいは同人と経済的又は組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのごとく、その商品の出所について混同を生ずるおそれがあるということはできないものである。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。 4 むすび 以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号及び同項第15号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、維持すべきものである。 よって、結論のとおり決定する。 |
別掲 |
別掲1(本件商標) 別掲2 引用商標1(国際登録第1055006号) 別掲3 引用商標2(国際登録第1005429号) |
異議決定日 | 2014-07-24 |
出願番号 | 商願2013-17833(T2013-17833) |
審決分類 |
T
1
651・
263-
Y
(W25)
T 1 651・ 261- Y (W25) T 1 651・ 262- Y (W25) T 1 651・ 271- Y (W25) |
最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 岩崎 安子 |
特許庁審判長 |
林 栄二 |
特許庁審判官 |
中束 としえ 梶原 良子 |
登録日 | 2013-10-11 |
登録番号 | 商標登録第5621284号(T5621284) |
権利者 | 株式会社ショップエンドショップス |
商標の称呼 | ケイ |
代理人 | 嶋崎 英一郎 |