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審判番号(事件番号) データベース 権利
無効2013890085 審決 商標
無効2013890084 審決 商標
不服201217392 審決 商標

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審決分類 審判 全部無効 商4条1項7号 公序、良俗 無効とする(請求全部成立)取り消す(申し立て全部成立) X30
管理番号 1290606 
審判番号 無効2013-890086 
総通号数 177 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2014-09-26 
種別 無効の審決 
審判請求日 2013-11-26 
確定日 2014-07-14 
事件の表示 上記当事者間の登録第5521257号商標の商標登録無効審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 登録第5521257号の登録を無効とする。 審判費用は被請求人の負担とする。
理由 第1 本件商標
本件登録第5521257号商標(以下「本件商標」という。)は、「シャンパントリュフロゼ ベシュレジャパン株式会社」の文字を標準文字で表してなり、平成23年2月17日に登録出願、第30類「シャンパーニュ地方で作られた発泡性ロゼワイン入りの菓子及びパン」を指定商品として、平成24年7月26日に登録審決、同年9月14日に設定登録されたものである。

第2 請求人の主張
請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由を次のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第45号証(枝番を含む。)を提出した(なお、甲号証及び乙号証において、枝番を有するもので、枝番のすべてを引用する場合は、以下、枝番の記載を省略する。)。
1 請求の理由
(1)無効事由
本件商標は、以下のとおり、商標法第4条第1項第7号に該当するものであるから、その登録は、同法第46条第1項第1号により、無効とされるべきである。
(2)無効原因
ア 原産地統制名称又は原産地表示としての「シャンパン(CHAMPAGNE)」
(ア)原産地統制名称又は原産地表示の統制と保護
請求人は、「シャンパーニュ地方ぶどう酒生産同業委員会」を意味する「COMITE INTER PROFESSIONNEL DU VIN DE CHAMPAGNE」(略称「C.I.V.C.」。審決注:アクサン記号は省略した。以下同じ。)の名のもとに、フランス国シャンパーニュ地方における酒類製造業者の利益の保護を目的の一つとして設立されたフランス法人である(甲2?甲5、甲24、甲33)。
フランスにおいては、原産地統制名称又は原産地表示が厳格に統制されており、その中核をなすのが、1935年に制定された原産地統制呼称法(Appellation d’Origine Controlee)である(甲6?甲8、甲14、甲15、甲18、甲25の5(215頁)、甲33、甲37)。この法律は優れた産地のぶどう酒を保護・管理することを目的とし、政府の機関INAO(Institut National des Appellation d’Origine)によって運用されている(甲2、甲9、甲34の2、甲37、甲38)。同法において原産地統制名称ぶどう酒(A.O.C.)は、原産地、品質、最低アルコール含有度、最大収穫量、醸造法等の様々な基準に合うように製造されなければならず、その基準に合格してはじめてA.O.C.名称を使用することができる。しかし、鑑定試飲会の際に不適当であるとみなされたものは、名称使用権利を失うことになっており、厳格な品質維持が要求されている。原産地統制名称は、産地の名称を法律に基づいて管理し、生産者を保護することを第一の目標とし、また名称の使用に対する厳しい規制は、消費者に対して品質を保証するものとなっている。
また、ヨーロッパにおいては、限られた地域で特定の材料・製法により生産される農産物等の伝統的特産物が数多く存在している。かかる伝統的特産物には、他の地域の産物との区別のため産地名が使用され、特に良質な産品については国際的に名声を得たものについて、その産地を保護する必要性が生じてきたことから、ヨーロッパ連合は、1992年に農産物の原産地表示保護のために理事会規則2081/92号を制定した。本規則で保護される原産地表示は、本規則にて定められた品目に限られ、EC委員会において審査された後、「保護地理的表示(protected geographical indication)」ないしは「保護原産地呼称(protected designation of origin)」として登録された場合、規則2081/92号の保護対象となりヨーロッパ全土で保護される。なかでも「保護原産地呼称」として認定されるためには、定められた製法で生産・加工・調整されることを要するといった非常に厳格な基準が設けられている。上記のとおり、ヨーロッパでは、原産地表示保護のための独自の制度を設けることにより、原産地表示を手厚く保護している(甲10)。「Champagne」(シャンパン)は、最も厳しい基準を要求される「保護原産地呼称」として認定され、ヨーロッパにおいて保護されている(甲11)。
(イ)「シャンパン」表示の著名性及び顧客吸引力
「シャンパン」(CHAMPAGNE)は、原産地統制呼称法による原産地統制名称であり、シャンパーニュ地方産の発泡性ぶどう酒にのみ使用を許される名称であって、この表示を付した商品「シャンパン」は、我が国においても広く販売されており、産地を表示する標章の代表的なものの一つとして極めて著名となっている(甲12?甲37)。
以上のことから、「CHAMPAGNE(シャンパン)」が、(a)フランス北東部の地名であり、同地で作られる発泡性ぶどう酒をも意味する語であること、(b)生産地域、製法、生産量など所定の条件を備えたぶどう酒についてだけ使用できるフランスの原産地統制名称であること、(c)「CHAMPAGNE」を表す邦語として「シャンパン」が普通に使用されていること、(d)シャンパンが発泡性ぶどう酒を代表するほど世界的に著名であること、(e)我が国において数多くの辞書、事典、書籍、雑誌及び新聞等においてシャンパンについての説明がされていることなどが認められ、これらを総合すると、我が国において、「CHAMPAGNE(シャンパン)」の表示は、「フランスのシャンパーニュ地方で作られる発泡性ぶどう酒」を意味するものとして、一般需要者の間に広く知られているというべきである。
イ 商標法第4条第1項第7号該当性について
(ア)商標法第4条第1項第7号の趣旨
商標法第4条第1項第7号は、その商標の構成自体が矯激、卑わいな文字、図形である場合及び商標の構成自体がそうでなくとも、その時代に応じた社会通念に従って検討した場合に、当該商標を採択し使用することが社会公共の利益に反し、または社会の一般的道徳観念に反する場合、あるいは他の法律によってその使用が禁止されている商標、若しくは国際信義に反するような商標である場合も含まれるものとみるのが相当と解されている(甲38及び甲39)。
また、知財高等裁判所は、いかなる商標が商標法第4条第1項第7号公序良俗に反するかは、以下のとおり、5つの具体的事情を考慮して検討すべきとの指針を示している。「(a)その構成自体が非道徳的、卑わい、差別的、矯激若しくは他人に不快な印象を与えるような文字又は図形である場合、(b)当該商標の構成自体がそのようなものでなくとも、指定商品又は指定役務について使用することが社会公共の利益に反し、社会の一般的道徳観念に反する場合、(c)他の法律によって、当該商標の使用等が禁止されている場合、(d)特定の国若しくはその国民を侮辱し、又は一般に国際信義に反する場合、(e)当該商標の登録出願の経緯に社会的相当性を欠くものがあり、登録を認めることが商標法の予定する秩序に反するものとして到底容認し得ないような場合」(平成17年(行ケ)第10349号、平成18年9月20日判決:甲40)
さらに、どのような商標登録が特定の国との国際信義に反するかどうかについても、「当該商標の文字・図形等の構成、指定商品又は役務の内容、当該商標の対象とされたものがその国において有する意義や重要性、我が国とその国の関係、当該商標の登録を認めた場合にその国に及ぶ影響、当該商標登録を認めることについての我が国の公益、国際的に認められた一般原則や商慣習等を考慮して判断すべきである。」と上記判決の中で判示した。
(イ)著名な原産地名称についての保護
「CHAMPAGNE」及び「シャンパン」の文字は、前記アのように著名なフランスの原産地統制名称として、その使用が厳格に管理・統制されているものであって、請求人やINAOらによる長年にわたる厳格な品質管理・品質統制の努力の結果、高い名声、信用、評判が形成されているものであり、ぶどう酒の商品分野に限られることなく一般消費者に至るまで、世界的に著名な原産地名称である。
原産地名称は、商品が産出された土地の地理的名称をいい、商標とは地理的名称に限定されること及びその商品の品質、社会的評価、その他の特性が、産出地固有の気候、地味等の自然条件又は産出地の人々が有する伝来の生産技術、経験若しくは文化等の人的条件といった地理的要因に基づくこと等の点において異なるが、商標とは、商品の出所表示機能、品質保証機能及び広告機能を有する点において、共通しているものと考えられる。そうすると、原産地名称のうち、著名な標章については、著名商標の有するこれら機能が商標法によって保護されているのと同様に保護されることが望ましいというべきである(甲42の2等)。
したがって、商標法第4条第1項第7号にいう「公の秩序又は善良の風俗を害するおそれのある商標」には、著名な原産地名称を含む表示からなる商標を同法第4条第1項第17号によって商標登録を受けることができないとされているぶどう酒又は蒸留酒以外の商品に使用した場合に、当該表示へのただ乗り(フリーライド)又は当該表示の稀釈化(ダイリューション)を生じさせるおそれがある等、公正な取引秩序を乱すおそれがあると認められるものや国際信義に反すると認められるものも含まれると解すべきである。
故に、著名な原産地名称を原産地と離れた特定個人又は企業が自己の商標として登録し使用することは、商標法第4条第1項第7号に該当するものとして、認められるべきではなく、商標法の下、著名な原産地名称については保護されるべきである。
(ウ)本件商標
本件商標は、前記の著名な原産地統制名称である「CHAMPAGNE」の片仮名表記「シャンパン」をそのまま含んでいる。「シャンパントリュフロゼ」と「ベシュレジャパン株式会社」は、スペースで分断されているため、本件商標は、視覚上分離して認識される外観的要素があるだけでなく、本件商標を一連に発音した場合に生じる「シャンパントリュフロゼベシュレジャパンカブシキガイシャ」は非常に長く、称呼上も、部分的に簡略化される可能性が高いものである。したがって、本件商標は、「シャンパントリュフロゼ」と「ベシュレジャパン株式会社」に分離して観察されるべきものである。さらに、既述のとおり、「シャンパン」は、著名な原産地統制名称であって、誰もが発泡性ぶどう酒又はその著名な原産地統制名称と理解するものであり、「ロゼ」は、商標権者が本件商標の指定商品の記載を「ロゼワイン入りの」ものに補正しているように、「シャンパン」の種類を表す記述的なものであり、また、「トリュフ」の文字も食材を表す語にすぎないから、本件商標は、「シャンパン」が分離抽出して把握されるが、「ベシュレジャパン株式会社」は、指定商品との関係を考慮しても、「シャンパン」のような著名性を獲得したものではない。
そうすると、本件商標において、取引者・需要者の注意を引く部分は「シャンパン」であるから、本件商標に接した取引者・需要者は、「シャンパン」の部分に強く印象付けられ、ここから発泡性ぶどう酒又はその著名な原産地統制名称を想起連想して、著名な原産地統制名称である「シャンパン」を含む商標という印象をもって取引にあたると考えられる。このことは、「シャンパン」が視覚的に注目されやすい先頭に位置していることとも相まってより強く首肯される。
したがって、本件商標は、その構成上、「シャンパン」の文字部分が強く看者の印象に残るものというべきである。
(エ)本件商標は国際信義に反する
前述のとおり、「CHAMPAGNE(シャンパン)」は、本件商標の登録出願時及び審決時において、我が国において著名な原産地統制名称として一般需要者の間に広く知られているものであり、したがって、極めて高度な商品の出所表示機能、品質保証機能及び広告機能を有するため、商標法によって保護されるべきものである。
本件商標を登録すべきものと判断した平成24年7月26日審決(不服2011-27257、以下「原審決」という。)は、その理由において、「『シャンパン』の文字(語)は、『フランスのシャンパーニュ地方で作られる発泡性ぶどう酒』を意味するものとして、我が国の一般需要者に広く知られているものである。」としながら、本件商標が「シャンパーニュ地方で作られた発泡性ロゼワインを使用した商品について使用するものである」として、本件商標を「その指定商品に使用しても、公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがある商標と認めることはできないというのが相当である。」と判断した(甲1の3)。しかし、「CHAMPAGNE」が「フランスのシャンパーニュ地方で作られる発泡性ぶどう酒」を意味するものとして、日本国の一般需要者に広く知られているということは、その商品がシャンパーニュ地方で作られた発泡性ロゼワインを使用したものであるか否かにかかわらず、原産地統制名称である「CHAMPAGNE(シャンパン)」を想起させるものであるということにほかならない。さらに、本件商標における「ベシュレジャパン株式会社」は、商標権者の名称であって、指定商品の出所を表示する部分であるから、一般的にはいわば一種の打消表示的な部分と考える余地もあるが、「特別法コンメンタール不正競争防止法」(甲34)に記載されているとおり、「『シャンパーニュ』と発泡葡萄酒のように、地名と商品との結びつきが極めて強固である場合などは、いかなる打消表示によっても、原産地誤認のおそれは排除されない」としている。原審決は、本件商標の「シャンパン」を指定商品の原材料を表す部分にすぎないと考えたと推察されるが、前述のシャンパン表示に関してフランス政府が国を挙げて取り組んでいる統制ないし歴史を全く理解していないか、又は極めて軽視しているといわざるを得ない。
したがって、本件商標は、たとえ「シャンパーニュ地方で作られた発泡性ロゼワイン入りの菓子及びパン」について使用された場合であっても、上記原産地統制名称の稀釈化をきたすおそれがあるため、国際信義に反するといわざるを得ないものである。
(オ)裁判例並びに特許庁の異議決定及び無効審決
a.知的財産高等裁判所平成24年12月19日判決(平成24年(行ケ)第10267号:甲38)は、「飲食物の提供」等を指定役務とする商標「シャンパンタワー」につき、同商標は国際信義に反するものであるから商標法第4条第1項第7号に該当すると判断した特許庁の無効審決を支持する判断をした。
b.審決及び異議決定は、「CHAMPAGNE」及び「シャンパン」の文字をその構成に含む商標については、その指定商品・指定役務を問わず、商標法第4条第1項第7号に該当するという実務が定着しているといえる(甲41)。かかる過去の審決及び異議決定の例にかんがみても、「シャンパン」の文字を含む本件商標は、当該表示へのただ乗り(フリーライド)又は当該表示の稀釈化(ダイリューション)を生じさせるおそれがあるばかりでなく、国を挙げてぶどう酒の原産地名称または原産地表示の保護に努めているフランス国民の感情を害するおそれがあるというべきであるから、公正な取引秩序を乱し、国際信義に反するものであるとして、公の秩序を害するおそれがあるものといわなければならない。
なお、近年では、無効審判や登録異議申立てで争われるまでもなく、「CHAMPAGNE」及び「シャンパン」の文字をその構成に含む多数の商標登録出願が、公正な取引秩序を乱し国際信義に反することから商標法第4条第1項第7号に該当するとして、拒絶査定又は拒絶審決となっている(甲42)。
(カ)「CHAMPAGNE(シャンパン)」以外の原産地統制名称を含む商標に関する特許庁の判断
原産地統制名称を含む商標については、「CHAMPAGNE(シャンパン)」に限らず、その稀釈化を引き起こすおそれや公正な競業秩序を乱すおそれがあるとして、商標法第4条第1項第7号に該当すると判断された先例が多数存在する(甲43)。
このように、「CHAMPAGNE(シャンパン)」以外の原産地名称を含む商標に対して下された異議決定及び無効審決に照らせば、本件商標をその指定商品に使用した場合は、前記(オ)と同様、公の秩序を害するおそれがある商標といわなければならない。
(キ)諸外国でのケース
著名な原産地統制名称である「CHAMPAGNE」が、その著名標章の信用へのフリーライドから引き起こされる不利益から保護されるべきであることは、請求人らがフランス・イギリス・スイス等において提訴した事件において認められている(甲2、甲3、甲8及び甲44)。
ウ むすび
以上のとおり、著名な原産地統制名称「CHAMPAGNE」及び「シャンパン」は、フランス国の政府機関たる請求人やINAO等による不断の努力によって、高い名声・信用・評判が維持されているのであって、これを、原産地とかけ離れた特定個人が自己の商標として登録し使用することは、公序良俗を害するものであるというべきである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第7号に該当するものというべきある。

第3 被請求人の答弁
被請求人は、「本件審判の請求は成り立たない。審判費用は請求人の負担とする。」との審決を求めると答弁し、その理由を次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第57号証(枝番を含む。)を提出した。
1 本件商標の構成
本件商標は、その構成中の「ベシュレジャパン株式会社」は、商標権者の名称であり、取引者・需要者に、商品の出所が「ベシュレジャパン株式会社」であることを明確に認識させるもので、単独で識別力を有する部分である。商標権者は、1898年にスイス・バーゼルで創業した100年以上続く老舗チョコレート製造企業である「ベシュレ ショコラティエ スイス(BeschleChocolatier Suisse)」の日本法人である。ベシュレ ショコラティエ スイスは、最高品質のハンドメイドのチョコレートを製作・販売し、そのチョコレートは、世界中で販売され、高い評価を受けている(乙54)。
以上を考慮すれば、指定商品「シャンパーニュ地方で作られた発砲性ロゼワイン入りの菓子及びパン」の需要者、取引者において、「ベシュレ」には既に高い信用が化体している。すなわち、本件商標は、著名な原産地統制名称である「シャンパン」に化体した名声及び信用にフリーライドするものではないことは明らかである。
一方、「ロゼ」の文字は、「シャンパン」の種類を表す記述的なものである。また、「シャンパントリュフ」の文字は、以下に示すとおり、「シャンパーニュ地方で作られた発泡酒ワインを原材料としたトリュフチョコレート菓子」という商品の質を表示する語として認識されており、著名な原産地統制名称を希釈化させるものではない。
2 「Champagne」に関する商取引の実情
請求人は、原産地統制名称である「CHAMPAGNE」を、そっくりそのまま含む場合には、フリーライドであり、希釈化するものであるとする。
しかし、原材料・生産地等が著名なものであっても、その著名な原材料・生産地等の文字等をそっくり含む商品・役務名が、原材料・生産地等の著名性と分離し、その商品・役務の質を表示する語として使用されることがあり、「Champagne(シャンパン)」も例外ではない。
シャンパングラスが、シャンパンとは別に定義されているように、原産地統制名称「CHAMPAGNE」及びこれを片仮名表記した「シャンパン」に関しても、我が国において、下記の例をみることができる。
(1)シャンパングラス
ア TIFFANY&Co.(ティファニー)(乙40)
イ Baccarat(バカラ)(乙42)
ウ 食器・洋食器のナルミ公式ショップ(乙41)
エ REDEL(乙43)
オ WEDGWOODウォーターフォード・ウェッジウッド・ジャパン株式会社(乙44)
カ iittalaイッタラ商品カタログ電子ブック(乙45)
キ ツヴィーゼル・ジャパン(乙46)
ク Francfranc(フランフラン)(乙47)
ケ IKEAイケア公式サイト(乙48)
コ 海外ブランド通販Goship(乙49)
サ 2009年9月29日発行Fashionsnap.com(乙50)
(2)シャンパンショートケーキ
2011年12月27日付け日本経済新聞Web刊には、「不二家の洋生菓子『シャンパンショートケーキ』」に関する記事がある(乙20)。
(3)シャンパンバー
ア ANAインターコンチネンタルホテル東京公式サイトには、店名を「The Champagne Bar(シャンパン・バー)」とするバーが紹介されている(乙53)。
イ ホテル日航東京公式サイトには、ラウンジ&シャンパンバー「ベランダ」の紹介がある(乙52)。
ウ シャンパンバーけせらせらのウェブサイトには、「『もっと気軽に、シャンパンを楽しんでほしい』という思いをコンセプトに、銀座八丁目・金春通りにオープンしたシャンパンバー」との紹介がある(乙51)。
(4)原材料に「Champagne」を使用した名称
ア 「フランスの地方菓子」(2005年3月11日株式会社学習研究社発行:乙18)には、「北東部のシャンパーニュ=アルデンヌは、一面の平野にブドウ畑が広がり、シャンパン(フランス語でシャンパーニュ)生産が有名で、シャンパンは料理やお菓子作りにも使われます。」(4頁)と記載され、シャンパンを使用したグラニテ(シャーベットの一種)が、「Granite au champagne rose グラニテ・オ・シャンパーニュ・ロゼ」との名称で紹介されている(54頁)。
イ 「ラルース 新デザート事典」(2008年2月29日株式会社同朋舎メディアプラン発行:乙21)には、シャンパンを使用したお菓子について、例えば、「Creme mousseline a la liqueur Champagne(クレーム・ムスリーヌ・ア・ラ・リカール・ドゥ・シャンパーニュ)」(57頁)、「Sorbet au champagne(ソルベ・オ・シャンパーニュ)」(94頁)、「Pommes crues a la liqueur de champagne(ポンム・クリュ・ア・ラ・リカール・ドゥ・シャンパーニュ)」(299頁)との名称で紹介されている。
ウ 「NHKオンライン きょうの料理」(乙19)には、シャンパンを使用したシャーベットについて、「シャンパンシャーベット」との名称で紹介されている。
以上の事例から明らかなように、原材料に「Champagne」を使用した菓子名に「Champagne」を用いることは、その業界における慣習ともいえるべきものである。すなわち、原産地統制名称である「Champagne」が著名なものであっても、その著名な「Champagne」の文字等を含む商品・役務名が、「Champagne」の著名性と分離し、その商品・役務の質を表す語として、一般的に使用されていることを示している。
(5)「シャンパントリュフ」について
ア トリュフチョコレート菓子は、概要「コニャックなどの香りをつけたガナッシュを親指大に丸め、クーヴェルテュールあるいはココアを被膜したボンボン・ショコラ」(乙15、乙16)であるところ、以下のように、コニャックなどの洋酒の代わりにシャンパンを使用したトリュフを「シャンパントリュフ」と称している。
(ア)「東京スイーツ」(2010年5月10日株式会社えい(きえへんに「世」の漢字、以下同じ。)出版社発行:乙1)115頁
(イ)「ショコラの時間」(2009年5月2日株式会社青山出版社発行:乙3)75頁
(ウ)「チョコレートの基本」(2012年1月20日株式会社えい出版社発行:乙10)94頁、96頁、109頁
(エ)「高級ショコラのすべて」(2010年1月29日株式会社PHP研究所発行:乙4)168頁
(オ)「世界の一流ショコラ図鑑」(2010年10月28日株式会社講談社発行:乙2)9頁、27頁、35頁、93頁、95頁、97頁、99頁
(カ)「散歩するように旅する ロンドンとっておきの休日」(2010年4月10日株式会社翔泳社発行:乙5)19頁
(キ)「イギリスのお菓子に会いにロンドンへ/シンプルでおいしいお菓子のある暮らし」(2011年7月25日イカロス出版発行:乙6)76頁
(ク)「ロンドン『英国王室御用達』案内」(2009年1月25日東京地図出版株式会社発行:乙7)37頁
(ケ)「チョコレートブック」(2011年2月10日株式会社えい出版社発行:乙11)23頁、30頁、37頁、38頁、48頁、68頁
(コ)「死ぬ前に味わいたい1001食品」(2009年5月1日ガイアブックス発行:乙9)915頁
(サ)「至福のチョコレート お取り寄せベストガイド」(2011年12月15日メイツ出版株式会社発行:乙8)56頁
(シ)その他、チョコレートショップ各店のサイト及び検索サイトYahoo検索においても、シャンパントリュフについての紹介又は販売がされている(乙24?乙39)。
(ス)シャンパントリュフの作り方を紹介したものには、ピエール・エルメ著「チョコレートのラルース」(235頁:乙12)、中沢グループ公式サイト(乙13)、べターホーム協会公式サイト(乙14)がある。
(6)上記事例からも明らかなように、「シャンパントリュフ」の文字は、一体不可分の語として、シャンパーニュ地方で作られた発泡性ワインを原材料としたシャンパントリュフチョコレート菓子を示すものとして、日本はもとより、世界中において、広く使用されているといえる。
したがって、「シャンパントリュフ」が、「CHAMPAGNE」の片仮名表記「シャンパン」をそっくりそのまま含んでいるとしても、上記事実にかんがみれば、あくまでも「シャンパントリュフ」として一体不可分の文字と認識されるのが自然であり、著名な原産地統制名称に化体した名声や信用にフリーライドするものであったり、厳格に管理、統制されている原産地統制名所を希釈化させるものではない。
また、フランス国民にも該名称が、商品の質を表示する語として一般的に受け入れられていることを考慮すれば、本件商標を認めても、フランス国民感情を害するとは考えにくく、我が国とフランスとの友好関係にも影響を及ぼすとは考えにくい。
3 原産地統制名称について
「CHAMPAGNE」及び「シャンパン」が、「フランスのシャンパーニュ地方産の発泡性ぶどう酒」を意味するものとして、一般需要者の間に広く知られていることについては、被請求人は争わないところ、請求人は、「CHAMPAGNE」が、フランス国における著名な原産地統制名称であることをもって、我が国における商標法第4条第1項第7号における保護を求めている。そこで、原産地統制名称が有する本来的意味を確認すると、以下とおりである。
(1)原産地統制名称の定義
EUにおいて、原産地統制名称を以下のように定義している。すなわち、地方、特定の場所、又は例外的に国の名称であって、(ア)当該地方、特定の場所、又は国を原産地としていること、(イ)その品質又は特徴が、固有の自然的及び人的要因を備えた特定の地理的環境に専ら又は本質的に起因していること、(ウ)その生産、加工及び調製のすべての工程が当該定義された地理的地域において行われていること、のすべての要件を満たす農産物又は食品を表現するために使用するもの、とされている「EU農産物及び商品に係る地理的表示保護及び原産地称呼の保護に関する2006年3月20日の理事会規則第2条第1項(a)」。なお、この定義は、フランスの統制原産地称呼の定義とほぼ一致している。
(2)原産地統制名称をめぐる条約
地理的表示の保護に関する国際条約としては、以下のもの等が挙げられる。
ア 1883年に締結されたパリ条約(工業所有権の保護に関するパリ条約)
イ 1891年に締結されたマドリッド協定(虚偽の又は誤認を生じさせる原産地表示の防止に関するマドリッド協定)
ウ 1958年に締結されたリスボン協定(原産地名称の保護及び国際登録に関するリスボン協定)
エ 1994年に締結されたTRIPS協定(Agreement on Trade-Related Aspects of Intellectual Property Rights:知的所有権の貿易関連の側面に関する協定)がある。
パリ条約第10条(1)は、商品に「直接又は間接に虚偽の表示が行われている場合」、「輸入の際における」あるいは「国内における」差押えの対象とするべきことを加盟国に求めている。また、1958年に追加されたパリ条約第10条の2では、商品の「産品の性質、製造方法、特徴、用途又は数量について公衆を誤らせるような取引上の表示及び主張」も禁止している。マドリッド協定においても、虚偽又は誤認を生じさせる原産地表示に対する制裁等が定められている。リスボン協定第3条では、生産物の真正な原産地が表示されている場合又は当該名称が翻訳された形で若しくは「種(kind)」、「型(type)」、「製(make)」、「模造品(imitation)」等の語を伴って使用されている場合であっても、権利侵害又は模倣に対抗して保護が保証される、と規定している。
TRIPS協定第23条・・が現在のところ世界の「原産地称呼」の大部分を占めている。第23条は、ワイン及び蒸留酒に関していかなる混同要件も排除している。・・第23条(1)は、混同要件なしの保護を、ワイン又は蒸留酒という製品カテゴリの領域における使用の範囲内に限定している(すなわち、「表示されている場所を原産地としないワインに使用される地理的表示」を禁止する)。
以上をまとめると、シャンパーニュをめぐるフランス国及び条約の要請は、所定の要件を満たした品質のものだけが、原産地統制名称「シャンパーニュ」を使用できることである。すなわち、原産地統制名称として保護を求める場合、フランス国の要請としては、商標法第4条第1項第17号による保護を求めているにすぎないと考えるのが相当である。
フランス国又は条約上の要請もない状況下、原産地統制名称をそっくり含むことをもってのみ、直ちに商標登録を無効にすることは、我が国における商標選択の自由を不当に制限するものである。また、商標登録を受けたことにより、安心して商標を使用している商標権者に対し、不測の不利益を及ぼすことを考慮すれば、かかる条約の要請を超え、国際信義に反するとするには、国際信義に反するとする、より直接的かつ具体的根拠を必要とすべきである。
4 「Champagne」をめぐる諸問題
(1)国内における審決例
特許庁における審決例等によると、原産地統制名称「CHAMPAGNE」を含む商標に関し、商標法第4条第1項第7号による無効又は異議申立てによる取消しを多数認めている。
しかし、上記事例がおおよそ「CHAMPAGNE」とは無関係の商品・役務に使用している点で、本件とは大きく事案が異なる。したがって、上記事例と同様に考えることは妥当ではない。
(2)諸外国における争い
請求人は、諸外国においても、原産地統制名称「CHAMPAGNE」が保護されている旨主張する。
しかし、いずれの事例においても、著名な原産地統制名称「CHAMPAGNE」と、同一又は類似の商標についての事例であり、我が国でいう商標法第4条第1項第19号の問題である。
したがって、諸外国にならえば、商標法第4条第1項第19号で対処すべき事案に関し、我が国においてのみ、商標法第4条第1項第7号を適用し、商標登録を無効にすることは、我が国において過度に原産地統制名称に強い保護を与えることになり、内外国人間の公平を欠くものである。
5 商標法第4条第1項第7号該当性
以下、請求人が示す知財高等裁判所平成18年9月20日判決(平成17年(行ケ)第10349号)の5つの具体的事情に則して述べる。
(1)本件商標には、「その構成自体が非道徳的、卑わい、差別的、矯激若しくは他人に不快な印象を与えるような文字又は図形」は含まれていない。
(2)本件商標中の「シャンパントリュフ」の部分は、シャンパン入りトリュフの商品の質を表示する語であり、「ロゼ」は、「シャンパン」の種類を表す記述的なものであり、「ベシュレジャパン株式会社」は、商標権者の名称である。したがって、これらを本件商標の指定商品について使用することが、社会公共の利益や一般的道徳観念に反することはない。
(3)「シャンパントリュフ」の文字を本件商標の指定商品「シャンパーニュ地方で作られた発泡酒ロゼワイン入りの菓子及びパン」に使用することを禁止する法律は存在しない。
(4)本件商標は、「シャンパントリュフロゼ ベシュレジャパン株式会社」と標準文字で表した構成からなり、このうち「シャンパントリュフ」とは、シャンパントリュフチョコレート菓子の商品の質を表示する語である。また、シャンパントリュフチョコレート菓子は、該名称をフランス語表記した「ChampagneTruffles」として、フランス国民にも広く親しまれている。
したがって、我が国の公益、国際的に認められた一般原則や商習慣等を考慮しても、指定商品に本件商標の登録を認めてもフランス国民が不利益を被ることはあり得ず、国際信義に反することは何らない。
(5)本件商標は、商品の質を表示する語「シャンパントリュフ」を含む商標に関し、指定商品を「シャンパーニュ地方で作られた発泡酒ロゼワイン入りの菓子及びパン」として登録出願したものであり、当初から「シャンパントリュフ」部分には独占権を請求していないものであり、その経緯は社会的相当性を欠くものではなく、また、登録を認めても「シャンパントリュフ」部分には独占権は発生しないのであるから商標法の予定する秩序に反するものではない。
6 むすび
以上のとおり、本件商標は、「シャンパン」の語を含んでいるとしても、原産地統制名称に化体した名声や信用にフリーライドするものではなく、また、厳格に管理、統制されている原産地統制名称を希釈化させるものではない。
さらに、上記事実からフランス国民にも「シャンパントリュフ」の語が、商品の質を表示する語として一般的に受け入れられていることを考慮すれば、商標登録を認めても、フランス国民感情を害するとは考えにくく、我が国とフランスとの友好関係にも影響を及ぼすとは考えにくい。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第7号に該当しないものである。

第4 当審の判断
1 フランスにおける「CHAMPAGNE」(シャンパン)の名称の保護について
(1)請求人の提出した証拠(各項の括弧内に掲記)によれば、以下の事実を認めることができる。
ア 請求人は、「シャンパーニュ地方ぶどう酒生産同業委員会」を意味するC.I.V.C.の名の下に、フランスのシャンパーニュ地方における酒類製造業者の利益の保護を目的の一つとして設立された法人である(甲2?甲5)。
イ 「CHAMPAGNE」(シャンパン)が、フランスの原産地統制名称であって、フランスのシャンパーニュ地方で収穫されたぶどうで作られた発泡性ぶどう酒にのみ使用を許される名称であることに関する主な証拠は、以下のとおりである。
(ア)「明治屋酒類辞典」(昭和63年8月1日、株式会社明治屋本社発行:甲15)の「Champagne(仏)(英)シャンパン」の項目(201、202頁)には、「フランスの古い州の名『シャンパーニュ』をとってワインの名に用いたものである。現在『統制された名称』であって、何ら形容詞を付けないで単に『シャンパーニュ』と称する資格を有するのは、マルヌ県の一定地域のブドウを原料にし、その地域内で、『シャンパン法』でつくった『白』スパークリング・ワインである。最高生産量にも制限があって、それを越えた部分には形容詞がつく。」との記載があり、「統制名称」の項目(209?211頁)には、「シャンパンは、詳しくは『ヴァン・ド・シャンパーニュ』であるが、『シャンパーニュ』という地名を名乗るには資格がいる。1908年(明治41年)初めて法律ができて、『シャンパーニュ』という名称が『法律上指定された』名となった。ついで、1911年、『スパークリング・ワイン』を4段階に区分し、1927年(昭和2年)その表記法が定められた。・・・要するにシャンパンの条件は1(○に数字が表示されている。以下同じ。)シャンパン地区の生産であること。2シャンパン法(ビン内で後発酵を行い、発生したガスをビン内に封じ込める)で製造したものであること。3白ワインであること。・・4その年度の最高の生産高に制限があること、の4条件を具えなければならない。・・・戦前、わが国でもシャンパンの名称を乱用した歴史があるが、敗戦の結果、サンフランシスコ講和条約の効果として、マドリッド協定に加入を余儀なくされ、以来フランスの国内法を尊重している。」との記載がある。
(イ)「『CHAMPAGNE』に関するフランス国条例」(1936年6月29日:甲6訳文)には、「第1条:『シャンパーニュ』の原産地統制名称は・・1927年7月22日の法律の第5条によって制限された領域で生産されたぶどう酒に限って使用する権利を有する。政府機関(Institut national des appellations d’origin)の委員会(la comite nationale des vins et eaux-de-vie)によって認定された、ヴィトリ-ル-フランソワ県の生産地で収穫されたぶどうでつくられたぶどう酒についてのみ、原産地統制名称『シャンパーニュ』を使用する権利がある。」との記載がある。
(ウ)「原産地統制称呼の認定」(1935年7月30日デクレ:甲7)には、「第20条:ワイン、オー・ド・ヴィ原産地名称国立委員会が設立され、これに法人格が与えられる。[国立委員会は1947年7月16日付デクレの規定に従い、ワイン、オー・ド・ヴィ原産地名称国立研究所とする。]」、「農事法典第3章 原産地名称国立研究所/L641-5条」(甲9)には、「原産地名称国立研究所は、法人格を有する公立行政機関である。」を内容とする記載がある。
また、「1985年、制定50周年を迎える原産地統制名称(AOC)」(甲36)には、「原産地統制名称とワインおよびオー・ド・ヴィ原産地名称国立研究所(INAO)」は、その任務として、「1.AOCワインおよびオー・ド・ヴィの承認を行う。」、「2.原産地名称ワインを発生し得る災害から保護する。」ことが記載されており、「フランス原産地統制名称の国際的保護のためのINAOのアクションに関するメモ」(甲37)には、INAOがフランス国内に限らず外国においても「Champagne/シャンパーニュ」等の名称について権利のない製品を流通させるための、原産地統制名称の使用に異議を申し立ててきたことが記載されている。
(エ)「C.I.V.C.のウェブページ」(平成13年11月22日プリントアウトされたもの:甲3)には、「『CHAMPAGNE』のAOC(原産地統制呼称法)による保護は、最初に受け入れられた。」、「AOCはINAOによって、管理運営されている。地区の境界決定と同様に、シャンパーニュ地方産のワインの品質を維持するために35のルールが運用されている。」、「3種のブドウの品種だけが許可され、ブドウ畑での生産量及びワインとして加工する量ともに制限され、ブドウの収穫量、ブドウの木の高さ及び間隔及び密度、手作業による収穫、熟成期間の最短期間の全てがコントロールされている。」、「C.I.V.C.の任務の一つは、世界中どこにおいても、『CHAMPAGNE』の名称の独自性に対する攻撃から『CHAMPAGNE』という名称を守ることである。」を内容とする記載がある。
「The Laws Governing Champagne」には、「名称/それぞれの村のワイン生産の歴史に従って、1927年にシャンパーニュ地方のワイン畑は法律的に定義された。1927年以降は、『Chardonnay』『Pinot Noir』『Pinot Meunier』の3つのブドウの種類だけが認められていた。」、「保護/・・CHAMPAGNEの生産者及び販売者を代表する同業組合であるC.I.V.C.の任務の一つは、『CHAMPAGNE』という名称の排他的な性質を保護することにある。」を内容とする記載がある。
(オ)「Vins et Spirituenx de France/フランスのワインとスピリッツ」(1987年、フランス食品振興会発行:甲18)の18頁ないし20頁には、「EC(欧州共同体)の規則に従って、ワインはテーブル・ワインとV.Q.P.R.D.(指定地域優良ワイン)の2つの等級に分類される。フランスでは、この2つの等級がさらにそれぞれに2分され、『A.O.C.(原産地統制名称ワイン)』『V.D.Q.S.(上質限定ワイン)』『ヴァン・ド・ペイ(地酒)』『ヴァン・ド・ペイをのぞいたテーブルワイン』の4つに分けられる」旨の記載があり、V.D.Q.S.(上質限定ワイン)は、原産地名称国立研究所(I.N.A.O.)によって、厳しく規制されパスしたものに限られ、製造の条件は、地域ごとに厳密に決定されており、法令化されていること、A.O.C.(原産地統制名称ワイン)は、その製造が、V.D.Q.S.ワインに適用される規制よりさらに厳格な規則を充たすものでなければならず、原産地、品種、最低アルコール含有度、最大収穫量、栽培法、剪定、醸造法及び場合によっては熟成条件などの基準が決定されていること、原産地域がV.D.Q.S.ワインの場合よりさらに厳しく限定されていること、名称を使用することができるためには、様々な基準に合うように製造され、さらに鑑定試飲会の検査に合格しなければならないこと、などの記載がある。また、同20頁の「産地別A.O.C.ワイン一覧表」には、「シャンパーニュ/CHAMPAGNE」の文字の記載がある。
(2)前記(1)で認定した事実によれば、「CHAMPAGNE」(シャンパン)は、フランスの原産地統制名称であって、さまざまな品質規制が導入され、フランスのシャンパーニュ地方で収穫されたぶどうで作られた発泡性ぶどう酒の中でも鑑定試飲会の検査に合格したもののみに使用を許される名称であるところ、1927年以降は、シャンパーニュ地方で生産された「Chardonnay(シャルドネ)」、「Pinot Noir(ピノ・ノワール)」及び「Pinot Meunier(ピノ・ムニエ)」の3種のぶどうのみが原料として認められ、その年度の最高の生産高等に制限がある。
すなわち、フランスにおいては、1908年(明治41年)に、「シャンパーニュ」という名称が法律上指定され、その後、発泡性ぶどう酒(スパークリングワイン)の表記法が定められた。そして、1935年(昭和10年)に、優れた産地のぶどう酒を保護・管理することを目的として、原産地統制呼称法(AOC)が制定され、政府機関である原産地名称国立研究所(INAO)により運用されている。原産地統制名称ぶどう酒は、原産地、品質、最低アルコール含有度、最大収穫量、醸造法等の様々な基準に合うように製造されなければならず、その基準に合格して初めて原産地統制名称を使用することができ、厳格な品質維持が要求されている。原産地統制名称は、産地の名称を法律に基づいて管理し、生産者を保護することを第一の目標とし、また名称の使用に対する厳しい規制は、消費者に対して品質を保証するものとなっている。
このように、「CHAMPAGNE」(シャンパン)は、1935年(昭和10年)に制定された法律等に基づき、原産地名称国立研究所(INAO)の運用のもと、厳格な基準に合致した発泡性ぶどう酒にのみ許された原産地統制名称である。
2 我が国における「CHAMPAGNE」及び「シャンパン」の表示の著名性について
(1)請求人の提出した証拠(各項の括弧内に掲記)によれば、以下の事実を認めることができる。
ア 辞書、事典類
(ア)前出「明治屋酒類辞典」(甲15)、「フランスのワインとスピリッツ」(甲18)のほか、以下のものがある。
(イ)「コンサイスカタカナ語辞典」(1996年10月1日、株式会社三省堂発行:甲12)の「シャンパン」[champagne]の項目(437頁)には、「発泡ワインの1種、フランス北東部シャンパーニュ地方産の美酒。・・・シャンペンとも。・・・シャンパーニュ地方以外でつくられる発泡ワインはスパークリング-ワインと呼んで区別される。」との記載がある。
(ウ)「広辞苑 第6版」(2008年1月11日、株式会社岩波書店行:甲13)の「シャンパーニュ」(Champagne)の項目(1310頁)には、「フランス北東部、パリ盆地東部の地方(州)。ブドウ栽培・シャンペン製造で知名。」との記載があり、また、「シャンパン」(champagne)の項目(同頁)には、「発泡性の白葡萄酒。厳密にはフランス北東部シャンパーニュ地方産のものを指す。発酵の際に生じた炭酸ガスを含み、一種爽快な香味がある。祝宴の乾杯などに用いる。」との記載がある。
(エ)「新版 世界の酒事典」(1982年5月20日、株式会社柴田書店発行:甲14)の「シャンパン」(Champagne)の項目(228頁)には、「フランスのシャンパーニュ地方でつくられているスパークリング・ワイン。正式の名称をバン・ド・シャンパーニュ(Vin de Champagne)という。世界の各地で、各種のスパークリング・ワインがつくられているが、このうちシャンパンと呼ばれるものは、フランスのシャンパーニュ地方、特にプルミュール・ゾーン(ランス山とマルヌ谷との一等地)、ドゥジェーム・ゾーン(マルヌ県のうち一等地以外の村落群)産のスパークリング・ワインにかぎると1911年の法律で定められている。」との記載がある。
(オ)「洋酒小事典」(昭和56年6月15日、株式会社柴田書店発行:甲17)の「シャンペン Champagne」の項目(95頁)には、「フランスのシャンパーニュ地方でつくられているスパークリング・ワインの総称。」との記載がある。
(カ)その他、「田崎真也のフランスワイン&シャンパーニュ事典」(1996年9月30日、日本経済新聞社発行:甲19)、「最新版 The ワイン & コニャック アルマニャック」(昭和62年10月14日、読売新聞社発行:甲20)、「世界の酒4 シャンパン」(1990年6月30日、株式会社角川書店発行:甲21)、「ザ・ワールドアトラス・オブ・ワイン」(1991年5月27日、ネスコ(日本映像出版株式会社)発行:甲22)、「世界の名酒事典」(株式会社講談社発行:甲25の1?23)においても、シャンパンがフランスのシャンパーニュ地方で作られるスパークリング・ワインであり、その歴史や製造過程などについて詳しく記載されている。
イ 雑誌等
(ア)「ワイン紀行」(1991年9月25日、株式会社文藝春秋発行:甲16)の「シャンパーニュの村」の項目には、シャンパンの歴史及び製造過程についての記載がある。
(イ)「世界のワインカタログ1999 by Suntory」(1998年12月1日、サントリー株式会社発行:甲23)の「シャンパーニュ」の項目(243頁)には、「フランスの葡萄産地としては最北部にあたるシャンパーニュは、言うまでもなく、あのシャンパンの産地です。この地でつくられるスパークリングワインのシャンパンは、スパークリングワインの代名詞として使用されるほど、世界的で最も有名なワインのひとつです。その名にふさわしく、大変手間のかかる伝統的な手法をかたくなに守り続けて、素晴らしい風味を生み出しています。」との記載がある。
(ウ)「料理王国1月号別冊(季刊ワイン王国 NO.5)」(2000年1月20日、株式会社料理王国社発行:甲24)の「シャンパン味わいの多様性チャート」の項目(80頁)には、「ひとくちにシャンパンといっても一様でないのはそれもそのはず、シャンパーニュ地方ワイン生産同業委員会(CIVC)がまとめているすべての醸造元の数は5200にものぼる。委員会は、シャンパン消費量上位10カ国に外国事務所をおいて、『シャンパンと呼べるのは、シャンパーニュ地方産スパークリングだけ』ということを訴えてきたが、’93年頃から『5200の醸造元があれば5200様のシャンパンがある』ということもアピールするようになった。」との記載がある。
(エ)「The 一流品 決定版」(1986?1989年、読売新聞社発行:甲26の1?4)には、「スパークリングワイン、発泡性で炭酸ガスを多量に含んだワインである。いちばん有名なのがシャンパン。フランスではマルヌ、オーブ、エーヌ、セーヌ・エ・マルヌ四県のぶどう畑でとれたものを原料にしたものだけをほんとうのシャンパンと証明している。」などの記載がある。
(オ)その他、「家庭画報特選 Made in EUROPE ヨーロッパの一流品 女性版」(昭和57年11月1日、株式会社世界文化社発行:甲27)、「家庭画報編女性版 世界の特選品’84」(昭和58年11月1日、株式会社世界文化社発行:甲28)においても、シャンパンがフランスのシャンパーニュ地方で作られるスパークリング・ワインであり、その歴史や製造過程などについて詳しく記載され、また、、「男の一流品大図鑑」(’86年版?’88年版、株式会社講談社発行:甲29?甲31)にも、シャンパンについて掲載されている。
さらに、「はじめてのシャンパン&シェリー」(1999年、株式会社宙出版発行:甲32)の「一目で分かるシャンパンのデータ」の項目(132頁)には、フランスからの総出荷量は、1993年が22909万本(1本当たりの容量は750ml、以下同じ。)、1998年が29246万本であって、この間ゆるやかに上昇を続けている旨の記載があること、1998年におけるフランスからの国別出荷量、上位10カ国のうち、我が国への出荷量は、イギリス、ドイツ、アメリカ、ベルギー、スイス、イタリアに次いで298万本であること、等の記載がある。
ウ 新聞
(ア)1989年(平成元年)1月5日付け日本経済新聞(甲33の1)には、「シャンパン(産地)」の見出しの下に、「シャンパンはフランス・シャンパーニュ地方で造られたスパークリングワイン(発泡酒)のこと。」との記載がある。
(イ)1989年(平成元年)6月13日付け日本経済新聞(甲33の2)には、「シャンパン人気急上昇-発泡性ワイン、輸入量5割増(アーバンNOW)」の見出しの下に、「現在ではフランスの原産地名称国立研究所(INAO)により、『シャンパン』と名のれるのはその“生誕地”シャンパーニュ地方の発泡性ワインのみと規定されている。」との記載がある。
(ウ)1990年(平成2年)1月11日付け日本経済新聞(甲33の3)には、「シャンパン/値下げで人気も上々」の見出しの下に、「はじける泡や優雅な味と香りが魅力のシャンパン。結婚披露宴やクリスマスパーティーだけでなく、入学式や誕生日などにも登場することが多くなった。炭酸ガスを含む発泡性ワインは各国にあるが、『シャンパン』を名乗れるのはフランスのシャンパーニュ地方産だけ。・・・最近のパーティーブームに加えて、昨年4月の酒税改正で2割程度価格が下がったことから人気急上昇。」との記載がある。
(エ)1990年(平成2年)1月27日付け朝日新聞(甲33の4)には、「シャンパンの輸入量、90年の日本は66%増(情報ファイル・国際)」の見出しの下に、「日本の昨年のシャンパン輸入が初めて100万本を突破し、前年に比べて実に66.65%増の128万本に達した・・・日本の輸入の伸び率は世界一。輸入量も、カナダの147万本に次いで世界第10位にのし上がった。」との記載がある。
(オ)1990年(平成2年)11月16日付け朝日新聞(甲33の5)には、「商品の外国地名使用ご用心(素顔のウルグアイ・ラウンド)」の見出しの下に、「祝賀パーティーの乾杯に欠かせないシャンパンといっても、厳密には『シャンパン』と『スパークリング(発泡性)ワイン』の区別がある。・・前者はフランスのシャンパーニュ地方産、後者はそれ以外の国や地域で醸造されたものをさす。・・欧州共同体(EC)は、『スパークリング・ワイン』を勝手に『シャンパン』として売るな、と主張している。・・アルコール類などの『産地名』に対する保護は、欧州諸国が約100年前につくったマドリード協定でうたわれている。『シャンパン』と『スパークリング・ワイン』との区別も、この協定に沿ったものだ。」との記載がある。
(カ)1991年(平成3年)年4月27日付け朝日新聞(甲33の6)には、「スパークリングワイン 手ごろな値段で楽しめる(カタログ)」の見出しの下に、「・・スパークリングワインが最近、人気を集めています。お祝いの席の乾杯の酒から、友人たちといつでも気軽に楽しめる飲み物に変わってきているようです。代表的な銘柄であるシャンパンの高級品は1本数万円しますが、・・・」との記載があり、「シャンパンはシャンパーニュ地方で、瓶内発酵法によってつくるなど、法律で基準が細かく決まっており、この地方以外でつくられるスパークリングワインをシャンパンと呼ぶのは禁止されている。」との記載がある。
(キ)1992年(平成4年)7月27日付け毎日新聞(甲33の7)には、「バルセロナ五輪・第2日 ワインの里を疾走-女子自転車・個人ロードレース」の見出しの下に、「『シャンパン』はフランスのシャンパーニュ地方だけで作られるワインの発泡酒の名称。」との記載がある。
(2)前記(1)で認定した事実によれば、我が国において数多くの辞書、事典、雑誌及び新聞などにおいて、「CHAMPAGNE」及びその片仮名表記である「シャンパン」の語は、フランス北東部の地名であり、ワインとの関係では、同地で作られる発泡性ぶどう酒を指称するものとして、載録、紹介されている。
さらに、はじける泡や優雅な味と香りが魅力であることなどから乾杯用としてシャンパンが用いられることが多いこと、及び我が国の1998年におけるシャンパン輸入量が世界第7位で298万本と多いことなどが認められ、これらを総合すると、「CHAMPAGNE」及びその片仮名表記である「シャンパン(又はシャンパーニュ)」の語は、我が国において、本件商標の登録出願日である平成23年2月17日はもとより、その審決日である平成24年7月26日においても、「フランスのシャンパーニュ地方で作られる発泡性ぶどう酒」を意味するものとして、高い名声、信用、評判が化体され、一般の需要者の間に広く知られていたものと認めることができる(当事者間に争いのない事実)。
3 商標法第4条第1項第7号該当性について
(1)本件商標は、前記第1のとおり、標準文字で「シャンパントリュフロゼ ベシュレジャパン株式会社」と表してなり、その構成中の「シャンパントリュフロゼ」の文字部分と「ベシュレジャパン株式会社」の文字部分とは、1文字程の空間があり、両文字の間に観念上密接な関連性が有するものではなく、また、本件商標の構成全体が冗長といえるものであるから、「シャンパントリュフロゼ」及び「ベシュレジャパン株式会社」の各文字部分がそれぞれ独立して看取される。
そして、「シャンパントリュフロゼ」の文字部分のうち語頭の「シャンパン」の文字部分は、前記1及び2において認定したとおり、フランスのシャンパーニュ地方で作られる発泡性ぶどう酒を意味する語であって、請求人を始めとするシャンパーニュ地方のぶどう生産者やぶどう酒類製造業者らの努力により、「CHAMPAGNE」及び「シャンパン」の表示に周知著名性が蓄積、維持され、それに伴って高い名声、信用、評判が化体されているということができ、このことは、我が国においても、同様のことがいえる。
してみると、商標権者は、本件商標の構成中の語頭に「シャンパン」の片仮名を含ませることによって、上述したような「CHAMPAGNE」に化体された高い顧客吸引力を期待するとともに、商品に高級感などを看取させるために採択したとみるべきであって、もっぱら自己の業務を有利に展開しようとする意図のもとに本件商標の登録出願をし、登録を得たものと推認せざるを得ず、本件商標は、その登録出願の経緯に社会的妥当性を欠き、公の秩序を害するおそれがある。
そうとすれば、本件商標は、公正な取引秩序を乱し、公の秩序を害するものというのが相当である。
以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第7号に該当する。
(2)被請求人の主張について
ア 被請求人は、過去の審決例等は、「CHAMPAGNE(シャンパン)」を含む商標について、商標法第4条第1項第7号によって商標登録の無効又は取消しを多数認めているが、これらの事例は、「CHAMPAGNE(シャンパン)」とは無関係の商品又は役務に使用している点において本件とは事案を異にするから、本件をこれらの事例と同様に考えることは妥当ではない旨主張する。
しかしながら、請求人の示す過去の審決例等は、広範な指定商品及び指定役務を始め、例えば、指定商品を第30類(フランス国シャンパーニュ地方産の発泡性ぶどう酒を使用した菓子・パン)とする「シャンパンローズ」(甲41の18)、指定商品を第32類(シャンパン酵母を用いて醸造したビール)とする「シャンパンビール」(甲41の25)、指定商品を第3類(フランス国シャンパーニュ地方で造られる発泡性ぶどう酒を配合した化粧品・せっけん類)とする「シャンパンジュレ」及び「シャンパンハニージュレ」(甲42の8及び9)を含むものであって、本件と事案を異にするとはいい難く、それらの証拠からみても、「CHAMPAGNE」及び「シャンパン」という表示は、我が国においても、ぶどう酒という商品分野に限られることなく一般消費者に対しても高い顧客吸引力が化体するに至っているといえるから、被請求人の上記主張は理由がない。
イ 被請求人は、諸外国における「CHAMPAGNE」の表示の保護に関し、請求人の示す事例は、いずれも著名な「CHAMPAGNE」と同一又は類似についてのものであり、我が国でいう商標法第4条第1項第19号の問題であって、諸外国にならえば、商標法第4条第1項第19号で対処すべき事案に関し、我が国においてのみ、商標法第4条第1項第7号を適用し、商標登録を無効にすることは、我が国において過度に原産地統制名称に強い保護を与えることになり、内外国人間の公平を欠くものである旨主張する。
しかしながら、当審における判断は、前記(1)のとおり、本件商標の登録出願の経緯に社会的妥当性を欠き公の秩序を該するおそれを理由とするものであるから、被請求人の主張は失当である。
ウ その他、被請求人は、本件商標が商標法第4条第1項第7号に該当する商標ではない旨の主張をするが、前記認定に照らし、いずれも理由がなく、採用することはできない。
4 むすび
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第7号に違反してされたものであるから、同法第46条第1項第1号により無効とすべきものとする。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2014-04-30 
結審通知日 2014-05-02 
審決日 2014-06-04 
出願番号 商願2011-10674(T2011-10674) 
審決分類 T 1 11・ 22- Z (X30)
最終処分 成立  
前審関与審査官 薩摩 純一 
特許庁審判長 関根 文昭
特許庁審判官 寺光 幸子
田中 亨子
登録日 2012-09-14 
登録番号 商標登録第5521257号(T5521257) 
商標の称呼 シャンパントリュフロゼベシュレジャパン、シャンパントリュフロゼ、ベシュレジャパン、ベシュレ 
代理人 中村 勝彦 
代理人 中尾 圭策 
復代理人 阪田 至彦 
代理人 工藤 実 
代理人 池田 万美 
代理人 佐藤 俊司 
代理人 田中 克郎 
代理人 塘口 絢子 

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