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審判番号(事件番号) データベース 権利
異議2013900276 審決 商標

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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 W25
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審判 全部申立て  登録を維持 W25
管理番号 1287688 
異議申立番号 異議2013-900271 
総通号数 174 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2014-06-27 
種別 異議の決定 
異議申立日 2013-08-13 
確定日 2014-05-12 
異議申立件数
事件の表示 登録第5583031号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第5583031号商標の商標登録を維持する。
理由 第1 本件商標
本件登録第5583031号商標(以下「本件商標」という。)は、「Windaks」の欧文字(標準文字による。)からなり、平成24年12月21日に登録出願され、第25類「被服(「和服」を除く。),ベルト,靴類(「靴合わせくぎ・靴くぎ・靴の引き手・靴びょう・靴保護金具」を除く。),運動用特殊衣服(「水上スポーツ用特殊衣服」を除く。),運動用特殊靴(「乗馬靴」及び「ウインドサーフィン用シューズ」を除く。)」を指定商品として、同25年4月25日に登録査定、同年5月17日に設定登録されたものである。

第2 引用商標
登録異議申立人ら(以下「申立人ら」という。)が、登録異議の申立ての理由として引用する商標は、以下のものである。
1 商標法第4条第1項第11号に該当するとして引用する商標(以下、下記の6件の登録商標をまとめていうときは、「引用商標」という。)
(1)登録第432208号商標
登録第432208号商標(以下「引用商標1」という。)は、「DAKS」の欧文字を横書きしてなり、昭和27年7月11日に登録出願、第36類(大正10年12月17日に農商務省令第36号をもって公布、同11年1月11日より施行された商標法施行規則第15条に基づく商品の類別)に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同28年9月30日に設定登録され、平成16年2月12日に、指定商品を第14類「カフスボタン,ネクタイピン,宝石ブローチ」、第25類「洋服,コート,セーター類,ワイシャツ類,寝巻き類,下着,水泳着,水泳帽,和服,エプロン,えり巻き,靴下,ゲートル,毛皮製ストール,ショール,スカーフ,足袋,足袋カバー,手袋,布製幼児用おしめ,ネクタイ,ネッカチーフ,バンダナ,保温用サポーター,マフラー,耳覆い,ずきん,ヘルメット,帽子,運動用特殊衣服,マラソン足袋,地下足袋,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト」及び第26類「帯留,こはぜ,ボタン,衣服用ブローチ,腕止め」とする商標権の指定商品の書換の登録がなされ、現在、有効に存続しているものである。
(2)登録第980567号商標
登録第980567号商標(以下「引用商標2」という。)は、「DAKS」の欧文字を横書きしてなり、昭和44年2月25日に登録出願、第22類(昭和35年3月8日に昭和35年政令第19号をもって公布、同年4月1日より施行された商標法施行令第1条に基づく商品の区分。以下「旧商品区分」という。)に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同47年9月13日に設定登録され、平成16年1月28日に、指定商品を第18類「傘,ステッキ,つえ,つえ金具,つえの柄」及び第25類「短靴,長靴,編上靴,雨靴,防寒靴,運動靴,作業靴,木綿製靴,メリヤス製靴,サンダル靴,幼児靴,婦人靴,オーバーシューズ,地下足袋,げた,麻裏草履,フェルト草履,皮草履,わらじ,スリッパ」とする商標権の指定商品の書換の登録がなされ、現在、有効に存続しているものである。
(3)登録第1740182号商標
登録第1740182号商標(以下「引用商標3」という。)は、「DAKS」の欧文字を横書きしてなり、昭和52年7月7日に登録出願、旧商品区分第17類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同60年1月23日に設定登録され、平成17年7月20日に、指定商品を第20類「クッション,座布団,まくら,マットレス」、第22類「衣服綿,ハンモック,布団袋,布団綿」、第24類「布製身の回り品,かや,敷布,布団,布団カバー,布団側,まくらカバー,毛布」及び第25類「洋服,コート,セーター類,ワイシャツ類,寝巻き類,下着,和服,エプロン,えり巻き,靴下,ゲートル,ショール,スカーフ,足袋,足袋カバー,手袋,布製幼児用おしめ,ネクタイ,ネッカチーフ,マフラー,ずきん,すげがさ,ナイトキャップ,ヘルメット,帽子,頭から冠る防虫網」とする商標権の指定商品の書換の登録がなされ、現在、有効に存続しているものである。
(4)登録第1749724号商標
登録第1749724号商標(以下「引用商標4」という。)は、「DAKS」の欧文字を横書きしてなり、昭和52年7月7日に登録出願、旧商品区分第22類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同60年2月27日に設定登録され、平成17年8月17日に、指定商品を第18類「傘,ステッキ,つえ,つえ金具,つえの柄」、第21類「靴ブラシ,靴べら,靴磨き布,軽便靴クリーナー,シューツリー」及び第25類「靴類,げた,草履類」とする商標権の指定商品の書換の登録がなされ、現在、有効に存続しているものである。
(5)登録第1834425号商標
登録第1834425号商標(以下「引用商標5」という。)は、「DAKS」の欧文字を横書きしてなり、昭和52年7月7日に登録出願、旧商品区分第21類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同61年1月24日に設定登録され、平成19年3月22日に、指定商品を第14類「身飾品,貴金属製のがま口及び財布,宝玉及びその模造品,貴金属製コンパクト」、第18類「かばん類,袋物,携帯用化粧道具入れ」、第21類「化粧道具(「電動式歯ブラシ」を除く。)」、第25類「ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト」及び第26類「腕止め,衣服用き章(貴金属製のものを除く。),衣服用バッジ(貴金属製のものを除く。),衣服用バックル,衣服用ブローチ,帯留,ボンネットピン(貴金属製のものを除く。),ワッペン,腕章,頭飾品,ボタン類,造花(「造花の花輪」を除く。),つけあごひげ,つけ口ひげ,ヘアカーラー(電気式のものを除く。)」とする商標権の指定商品の書換の登録がなされ、現在、有効に存続しているものである。
(6)登録第5371569号商標
登録第5371569号商標(以下「引用商標6」という。)は、その構成を別掲1に示すとおりとするものであり、平成22年6月10日に登録出願、第14類「キーホルダー,ピンバッジ,ネクタイ止め,カフスボタン,ブローチ,ブレスレット,ネックレス,その他の身飾品」、第18類「旅行かばん,スーツケース,ハンドバッグ,ブリーフケース,ゴルフ用バッグとしても使用できるオーバーナイトバッグ,その他のかばん類,キーケース,財布,その他の袋物,日傘,その他の傘」、第24類「ハンカチ,タオル,敷布,布団,まくらカバー,毛布」、第25類「ポロシャツ,カジュアルシャツ,その他のワイシャツ類,ジャケット,ズボン,スーツ,スカート,ブルゾン,ブラウス,礼服,その他の洋服,コート,セーター類,パジャマ,ナイトガウン,バスローブ,その他の寝巻き類,下着,水泳着,エプロン,靴下,ゲートル,ショール,スカーフ,手袋,ネクタイ,ネッカチーフ,マフラー,耳覆い,帽子,ズボンつり,ベルト,履物,運動用特殊衣服,ゴルフ靴」及び第28類「キャディーバッグ,ゴルフ用手袋,ゴルフクラブ用カバー,その他のゴルフ用具」を指定商品として、同年11月26日に設定登録され、現在、有効に存続しているものである。
2 商標法第4条第1項第10号及び同項第15号に該当するとして引用する商標
申立人らは、本件商標が商標法第4条第1項第10号及び同項第15号に該当するとして引用する商標について、「申立人(ら)使用商標」(平成25年9月13日付け手続補正書5頁の理由の要点(ii)の欄)及び「ダックスブランド」(同手続補正書6頁19行ないし23頁3行までにおいて使用)と称しているものの、その具体的な構成及び態様を特定するところがない。
しかして、甲各号証には、下記の(1)ないし(3)に記載した各商標が表示されている。
よって、申立人らの主張する、「申立人(ら)使用商標」及び「ダックスブランド」については、以下の3種類の商標を総称していうものとして、本件の審理を行うこととした(以下、これら3種類の商標をまとめて「申立人ら使用商標」という場合がある。)。
(1)別掲2に示す態様からなる商標、及びこれと色彩を同一にすれば同一の商標といえる複数の商標(以下、これらの商標を総称して「ロゴDAKS商標」という。)。
(2)「DAKS」の欧文字からなる商標(上記(1)の「ロゴDAKS商標」以外のもので、明朝体、ゴシック体などで表示され、特にデザイン化されていないもの。以下「DAKS商標」という。)。
(3)「ダックス」の片仮名からなる商標(以下「ダックス商標」という。)。

第3 登録異議の申立ての理由
申立人らは、本件商標は、商標法第4条第1項第10号、同項第11号及び同項第15号に該当し、同法第43条の2第1号により、取り消されるべきであると申し立て、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第61号証(枝番を含む。)を提出した。
1 申立ての理由の要約
(1)商標法第4条第1項第11号について
本件商標と引用商標とは、商標が類似し、かつ、両商標の指定商品は同一又は類似する商品である。
(2)商標法第4条第1項第10号及び同項第15号について
申立人ら使用商標は、本件商標に類似し、かつ、本件商標の指定商品と同一又は類似する商品に使用され、需要者間に広く認識されている。
そして、本件商標は、周知著名な申立人ら使用商標と誤認、混同を惹起する程に類似性を有するものであるから、これがその指定商品について使用された場合、商品の出所について混同を生ずるおそれがある。
2 具体的理由
(1)はじめに
申立人らの一人であるダックス シンプソン グループ パブリック リミテッド カンパニー(以下「申立人ダックス」という。)は、創業以来、約120年の歴史と伝統を有する世界的に著名な法人である。1894年に、英国ロンドンにおいて、シモン・シンプソンによって開業されたテーラー「S.SIMPSON LTD.」が業務拡大され、1917年には、3,000人もの職人を有する工場を持つまでに発展し、1934年には、ベルトレス・スタイルのスラックスを発表し、そのブランドを「DAKS」と命名し、それ以後、従来の同社取扱商品について使用していたブランド「SIMPSON」を「DAKS」に変更し、現在に至っているのである。そして、申立人ダックスの商品は、伝統と信頼のあるブランドとして英国王室御用達に指名され、1956年にエジンバラ公、1962年にエリザベス女王、1982年にチャールズ皇太子のロイヤル・ウォラントを授与され、現在では3つの紋章を掲げることが許されている。このように、ダックスブランドは、世界を代表する高級ブランドとして定着しているのである。
申立人らの一人である三共生興株式会社(以下「申立人三共生興」という。)は、申立人ダックスの親会社であり、日本におけるマスターライセンシーであって、日本国内におけるサブライセンスを許諾する地位にある。申立人三共生興は、1969年に申立人ダックスよりダックスブランドの婦人服の輸入を開始し、1971年に申立人ダックスとライセンス契約を締結し、1991年に申立人ダックスを買収して現在に至っている。
申立人らは、かかるダックスブランドのイメージを維持するために、申立人ら及びその使用権者が使用するダックスブランドを厳しく管理するとともに、ダックスブランドの商品の品質管理に多大な労力を費やしており、また、多額の費用をかけて広告等を行ってきたものである。その一方で、申立人らは、ダックスブランド保護のために、2005年3月31日及び2007年3月30日付けにて、繊維関係の有名業界紙である「日本繊維新聞」に警告広告を掲載し、ダックスブランド偽物製品の製造・販売排除の努力をしてきているのである。さらに、ダックスブランドの類似品が、日本を含め、東南アジアに出回ることがあり、ダックスブランドの保護強化のために各国で連係体制をとっている。以上のことは、甲第2号証の1ないし同号証の4として提出する新聞掲載記事から明らかである。また、後記(2)の「ケ 小括」において詳述するように、商標権侵害者に対して訴訟を提起し、勝訴している。
(2)我が国におけるダックスブランドの著名性
ア 雑誌・新聞への広告宣伝
ダックスブランドは、雑誌・新聞に広告や紹介記事として数多く掲載されている。2004年以降約5年間の新聞・雑誌の広告宣伝費用は、2億6,826万7,945円にのぼっている。もちろん、2003年以前においても同様に、広告宣伝活動を行っている。
(ア)記事及び広告を掲載した主な雑誌の一部として、2003年ないし2007年の5年間に配布されたものを甲第3号証ないし甲第50号証(枝番を含む。)として提出するが、その後も引き続き配布されているものである。
(イ)新聞への記事及び広告掲載の一部として、2003年ないし2007年の5年間のものを甲第51号証の1ないし同号証の6として提出するが、その後も引き続き掲載されているものである。
イ 総合カタログの発行
申立人らは、毎年春夏・秋冬の2回にわたり、また、臨時に総合カクログを発行しており、その制作費用は1億922万8,828円(日本円換算)に達する。発行したカタログの一部として、2003年ないし2007年の5年間のものを甲第52号証の1ないし同号証の12として提出するが、その後も引き続き発行されているものである。
ウ テレビCM放送
申立人らは、2004年10月1日ないし同年10月31日の間に、全国有名百貨店において、ダックスブランド110周年記念フェアを開催するとともに、次の要領でテレビCMを放映した。
(ア)テレビCMの出演者:アダム・クーパーとサラ・ウィルド夫妻(アダム・クーパーは、イギリス・ロイヤルパレスバレエ団でプリンシパルを務め、退団後はフリーのダンサーとして映画「リトルダンサー」に出演。サラ・ウィルドは、同バレエ団のソリスト。同夫妻は、2004年に日本公演のチケットを完売させたミュージカル「オン・ユア・トウズ」で大変注目を集めた世界的に著名なバレエダンサー。)
(イ)放映期間:2004年9月10日ないし同年10月10日
(ウ)放映地区:北海道、仙台、東京、名古屋、大阪、広島、福岡、熊本
(エ)放映局 :フジテレビ系列、TBS系列、日本テレビ系列
(オ)放映時間:平日10時台から25時台、土日7時台から25時台
(カ)放送本数:約1,550本
(キ)放送費用:4億2,000万円
エ 百貨店フェア
ダックスブランド110周年を迎えた2004年10月1日ないし同年10月31日の間、全国の有名百貨店において、ダックスブランドの110周年フェアを開催した。当該百貨店フェアに併せて、オープン懸賞として「ローバー社DAKSスペシャルバージョンプレゼント」及び「英国4泊6日の旅」、そして、クローズド懸賞として「ヴァージンアトランティック航空ロンドン往復航空券」、「メリー・ソート社ダックスオリジナルテディベア」、「スタジオ・アンネ・カールトン社ダックスオリジナルチェス」及び「ダックスオリジナル自動巻き腕時計」が当たる懸賞を行い、応募総数は約10万通に達した。甲第53号証の1は、上記「ダックスブランド110周年の百貨店フェア」に関する販売促進活動をまとめた社内資料である。このような大々的なアニバーサリー記念フェアは、その後も継続して開催している(甲第53号証の2)。
また、毎年、全国の各百貨店において、ダックスブランドフェアを開催しており、甲第53号証の3は、その一例を示すものである。このような百貨店フェアは、後述の「キ 我が国におけるダックスブランド商品の販売実績」において詳述するように、総数300店以上の全国の百貨店において毎年開催されるものであり、ダックスブランドの著名性をさらに広く一般に浸透させていることは明らかである。
オ キャンペーン
申立人らは、毎年、母の日キャンペーン、父の日キャンペーン及びテディベアキャンペーン(クリスマスシーズン)を開催している。キャンペーン支出費用は、6,000万円弱に達する。甲第54号証の1ないし同号証の9は、そのキャンペーンの模様を示す写真である。
上記キャンペーンは、後述の「キ 我が国におけるダックスブランド商品の販売実績」において詳述するように、総数300店以上の全国の百貨店において毎年開催されるものであり、ダックスブランドの著名性をより一層広く一般に浸透させていることは明らかである。
カ ライセンスの許諾
マスターライセンスを受けた申立人三共生興は、サブライセンス契約において、サブライセンシーに対し、ダックスブランドを付する商品のデザインや品質はもちろんのこと、下げ札やパッケージに至るまで、同申立人による承認を義務付け、それ以外のダックスブランドの商品が市場に出回らないように、ダックスブランドの商品のデザイン及び品質の管理を徹底している。
キ 我が国におけるダックスブランド商品の販売実績
ダックスブランド商品の売上は、平成18年度において、520億円(小売上代ベース)に達し、バーバリー、ラルフローレンに次いで国内第3位の売上高を誇るに至っている。この事実を証明するため、平成20年(ネ)第971号商標権侵害差止等請求控訴事件の原審である平成19年(ワ)第4692号商標権侵害差止等請求事件において、申立人三共生興が提出した陳述書(甲第55号証)を提出する。
また、国内各百貨店におけるサブライセンシーの活発な営業活動により、ダックスブランド商品の販売実績は、極めて顕著である。甲第56号証の1ないし同号証の7は、平成19年2月時点におけるダックスブランド商品の百貨店別販売先リストである。
以上のような積極的な販売活動及び活発な宣伝広告活動により、全国主要百貨店において、ダックスブランドは、売上額が大きく、その伸び率が高いことから、甲第57号証の1ないし同号証の7に示すように、一部のブランドのみが受賞する百貨店バイヤーズ賞を受賞し、主要百貨店のベストメンズブランド・ランキングに登場しており、このような輝かしい実績により、ダックスブランドは、優秀なブランドとして高く評価されていることが明らかである。
また、ダックスブランドは、愛玩動物用の商品にも展開されている。甲第58号証の1は、愛玩動物用の商品が掲載されたカタログ、同号証の2及び3は、その事実を証する新聞掲載記事である。
ク 周知証明
商標「DAKS」が数多くの商品について取引者、需要者の間で広く知られていることを、使用許諾を受けた多数のライセンシーの証明書(甲第59号証の1ないし同号証の20)をもって証明する。
ケ 小括
以上のように、ダックスブランドは、上記の多額の宣伝広告費をかけた各種宣伝広告活動を通じて、世界最高水準のダックスブランドの信頼性の維持・向上に努め、現に世界的に高度の信頼を勝ち得ているものである。その結果、ダックスブランドは、世界的にはもちろん、我が国においても高級ブランドとして評価されており、その商標の社会的信用力は極めて高い。しかも、上述の広告掲載その他の文書においては、各証拠に示すように、申立人ダックスの商号商標であるとともに、ハウスマークとして、商標「DAKS」が頻繁に使用されていることから、商標「DAKS」は、申立人ダックスの業務に係る商品を表示するものとして、広く一般に周知されていることが明らかである。
このように、かかる評価及び社会的信用力は、申立人らの長年にわたる不断の努力により得られたものである。このことは、平成19年(ワ)第4692号商標権侵害差止等請求事件の判決及びその控訴審である平成20年(ネ)第971号商標権侵害差止等請求控訴事件の判決においても認められ(甲第60号証の1及び同号証の2)、その結果、社会的信用を維持するために、侵害者に謝罪文(甲第60号証の3ないし同号証の9)を掲載させた。
(3)我が国におけるダックスブランドの商標登録
我が国においては、第25類の商品に関する引用商標1ないし6(甲第61号証の1ないし同号証の6)のほか、甲第61号証の7ないし同号証の14に示すとおり、多種多様な商品について、「DAKS」、「Daks」の欧文字からなる商標を登録し、すべて有効に権利が存続している。
(4)本件商標が商標法第4条第1項第11号に該当する理由
ア 本件商標について
本件商標は、「Windaks」の欧文字を標準文字で表した商標である。このような態様の本件商標からは、「ウィンダックス」という称呼が生じ、特別な観念は生じない。
イ 引用商標について
引用商標は、「DAKS」、「Daks」の文字からなるものであって、このような態様の引用商標からは、「ダックス」という称呼が生じ、特別な観念は生じない。
ウ 商標が類似することについて
本件商標は、「Windaks」の文字からなるものである。「Windaks」の文字全体から生ずる称呼は「ウィンダックス」であるが、前半部の「ウィン」と後半部「ダックス」とで音節が分かれており、前半部「ウィン」は、短く弱く発音され聴取されにくいものであるのに対し、後半部の「ダックス」は、強く明瞭に発音される。よって、商標に接する者にとって、称呼上、後半部の「ダックス」の印象が強く残ることは必定である。
他方、引用商標は、「DAKS」、「Daks」の文字からなるものであり、「ダックス」の称呼が生じる。
したがって、本件商標は、引用商標と称呼上類似するというべきである。
また、本件商標は、「Win」の文字と「daks」の文字とを結合した商標である。
他方、引用商標は、上記(1)及び(2)において詳述したように、本件商標の登録出願日前より、国際分類第25類の商品を始めとする様々な商品について、日本を含む世界各国で、広く一般的に申立人ダックスが使用してきたものであり、本件商標の指定商品について、「DAKS」の文字からなる商標が申立人ダックスの登録商標であるということは、需要者の間に広く認識されている。本件商標の類似群コード(17A01,17A02,17A04,17A07,21A01,22A01,24C01)の範囲において、「DAKS」(大文字又は小文字を問わず)の文字を含む登録商標は、本件商標以外はすべて申立人ダックスの所有である。
このように、「DAKS」は、本件商標の指定商品について、申立人ダックスの登録商標であると需要者の間で広く認識されていることから、本件商標中の「daks」の文字に接した需要者は、本件商標が申立人ダックスに関連する商標であると認識すると考えるのが自然である。
したがって、本件商標は、引用商標と商品の出所につき誤認混同を生ずるおそれのある類似の商標であるといわざるを得ない。
エ 商品が類似することについて
本件商標の指定商品のうち、「被服(「和服」を除く。)」は、引用商標1、3及び6の指定商品と同一又は類似であり、「ベルト」は、引用商標1、5及び6の指定商品と同一又は類似であり、「靴類(「靴あわせくぎ・靴くぎ・靴の引き手・靴びょう・靴保護金具」を除く。)」は、引用商標1、2、4及び6の指定商品と同一又は類似であり、「運動用特殊衣服(「水上スポーツ用特殊衣服」を除く。),運動用特殊靴(「乗馬靴」及び「ウインドサーフィン用シューズ」を除く。)」は、引用商標1及び6の指定商品と同一又は類似である。
オ 小括
以上のように、本件商標と引用商標とは、類似する商標であるとともに、本件商標の指定商品「被服(「和服」を除く。)、ベルト、靴類(「靴あわせくぎ・靴くぎ・靴の引き手・靴びょう・靴保護金具」を除く。)運動用特殊衣服(「水上スポーツ用特殊衣服」を除く。),運動用特殊靴(「乗馬靴」及び「ウインドサーフィン用シューズ」を除く。)」と引用商標の指定商品とは同一又は類似であることが明らかであるから、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当し、その登録は取り消されるべきものである。
(5)本件商標が商標法第4条第1項第10号及び同項第15号に該当する理由
上記(1)及び(2)において詳述したように、申立人ダックスは、1894年に創業したテーラーを前身として創業して以来約120年の歴史と伝統を有し、英国王室御用達の詔勅(ロイヤル・ウォラント)を授与され、現在では3つの紋章を掲げることを許された世界的に著名な高級有名ブランドである。「DAKS」の商標は、1934年から使用されているものであって、日本国内においては、申立人三共生興が申立人ダックスからマスターライセンスを受け、国内の多数の有名企業にサブライセンスし、それらの国内売上高はバーバリー、ラルフローレンに次いで国内第3位の売上げ(小売ベースで約520億円)を誇っている。申立人三共生興は、上記サブライセンス契約において、サブライセンシーに対し、ダックスブランドを付する商品のデザイン、品質を、下げ札やパッケージに至るまで同申立人による承認を義務付け、それ以外のダックスブランドの商品が市場に出回らないようにして、ダックスブランドの商品のデザイン、品質の管理を徹底し、さらに、多額の宣伝広告費をかけた上記各種宣伝広告活動を通じて、世界最高水準のダックスブランドの信頼性の維持・向上に努め、現に世界的に高度の信頼を勝ち得ているものである。
申立人らは、引用商標を申立人らの商号商標、ハウスマークとして、日本を含む世界各国において、衣料品・日用品を始めとする同人の取扱いに係るほぼすべての商品の出所識別標識として継続使用している。
日本においては、甲第61号証の1ないし同号証の14に示すとおり、多種多様な商品について「DAKS」、「Daks」商標を登録しており、「DAKS」、「Daks」商標が申立人らから使用許諾を受けた多数のライセンシーによって使用されていることが取引者、需要者の間で広く知られている。
このように、「DAKS」、「Daks」は、申立人らの業務に係る「被服(「和服」を除く。),ベルト,靴類(「靴あわせくぎ・靴くぎ・靴の引き手・靴びょう・靴保護金具」を除く。),運動用特殊衣服(「水上スポーツ用特殊衣服」を除く。),運動用特殊靴(「乗馬靴」及び「ウインドサーフィン用シューズ」を除く。)」を含む数多くの商品について、本件商標の登録出願時には、既に、申立人らの商品を表示するものとして、取引者・需要者間に広く認識されていたものである。
よって、「DAKS」、「Daks」の文字からなり、「ダックス」の称呼を生ずる商標は、申立人らの業務に係る商品を表示するものとして、取引者、需要者の間に広く認識されていることから、「daks」の文字を含み、称呼上も「ダックス」の印象が強く残る本件商標がその指定商品に使用された場合には、商標法第4条第1項第10号に該当するというべきである。
また、このように周知・著名な申立人らの当該商標を構成中に含む本件商標がその指定商品に使用された場合、その商品が申立人ら又は申立人らと何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかのように、商品の出所について混同を生ずるおそれがあるから、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当するというべきである。
したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第10号及び同項第15号に違反してされたものであるから、取り消されるべきである。
3 まとめ
以上のように、本件商標は、商標法第4条第1項第10号、同項第11号及び同項第15号に該当するものであるから、その登録は取り消されるべきものである。

第4 当審の判断
申立人らは、本件商標が商標法第4条第1項第10号、同項第11号及び同項第15号に該当すると主張している。そこで、以下、申立人らの各主張について、順次、検討する。
1 申立人らの主張に関する事実認定
本件商標が商標法第4条第1項第10号、同項第11号及び同項第15号に該当するか否かについて検討するにあたり、申立人らが提出した甲各号証及び申立ての全趣旨によれば、以下の事実が認められる。
(1)申立人らについて
ア 申立人「ダックス シンプソン グループ パブリック リミテッド カンパニー」について
申立人「ダックス シンプソン グループ パブリック リミテッド カンパニー」(申立人ダックス)は、1894年に英国ロンドンにおいて開業され、1934年には、ベルトレス・スタイルのスラックスを発表し、そのブランドを「DAKS」と命名し、現在、世界で主として被服(本件においては、商標法施行令第6条別表(本件商標の登録出願時及び登録査定時のもの)に定める商品及び役務の区分第25類に属する商品である「被服」をいい、以下、この「被服」に含まれる個別の各商品ないしこれらを総称して「被服類」という。)を始め、「バッグ、ベルト、時計、文房具、財布、眼鏡、傘、靴」(以下、被服類とこれらの商品を総称して「被服類等」ということがある。)などを取り扱う法人であり、現在に至っていること(甲各号証及び申立の全趣旨)。
イ 申立人「三共生興株式会社」について
申立人「三共生興株式会社」(申立人三共生興)は、申立人ダックスの親会社であり、日本におけるマスターライセンシーであって、日本国内におけるサブライセンスを許諾する地位にあること。同社は、1969年に申立人ダックスより婦人服を輸入し、以降、1971年に申立人ダックスとライセンス契約を締結し、1991年に申立人ダックスを買収して現在に至っていること(甲各号証及び申立の全趣旨)。
(2)申立人らの使用する商標に係る保護管理の強化等
申立人らは、申立人らの使用する商標保護のために、2005年3月30日付けで「日本繊維新聞」に警告広告を掲載し、日常的にも、申立人らが取り扱う商品の偽造品排除や申立人らの使用する商標保護のための管理を強化していること(甲第2号証の1ないし同号証の4)。
(3)我が国における申立人らの商標を使用した雑誌・新聞への宣伝広告(発行年月日が不詳のものもあるが、それらは、本件商標の登録査定前に発行されたものと推認できる。)
ア 駐日英国大使館の年間広報誌「QUALITY BRITAIN」(2006年版及び2008年版)において、ロゴDAKS商標を使用した被服類の宣伝広告がされていること(甲第3号証(枝番を含む。))。
イ 季刊誌について
(ア)スチュワード・コミュニケーションズ株式会社発行の季刊誌「英国特集」第5号において、ロゴDAKS商標を使用した被服類の宣伝広告がされていること(甲第4号証の1。ただし、発行日は不詳である。)。
(イ)ファッション雑誌である、季刊誌「MODEetMODE」(2007年夏号)において、DAKS商標及びダックス商標を使用して被服類の宣伝広告がされていること(甲第6号証)。
(ウ)ファッション雑誌である、以下の季刊誌において、ロゴDAKS商標を使用した被服類の宣伝広告がされていること。
すなわち、「Regina」((発行年不詳)4月25日号)(甲第5号証)、「T-Style」(甲第7号証)、「PASSiO」(2005年冬号)(甲第8号証)、「CASSADY」(2005年夏号)(甲第9号証)、「SPURLUXE」(2004年11月号)(甲第10号証)である。
ウ 月刊誌について
(ア)航空機内において持ち帰り可能なものとして備えられている、JALグループ月刊機内誌「skyward」又は「SKYWARD」(2003年8月ないし2007年3月の発行とされているうちの21誌)(甲第11号証の1ないし同号証の20及び同号証の24)並びにANAグループ月刊機内誌「翼の王国」(2003年8月ないし2007年3月の発行とされているうちの18誌)(甲第12号証の1ないし同号証の18)において、ロゴDAKS商標を使用した被服類の宣伝広告がされていること。
(イ)以下の月刊誌において、ロゴDAKS商標を使用した被服類の宣伝広告がされていること。
すなわち、「MEN’S EX」(2003年5月号ないし2007年6月号のうちの29誌)(甲第13号証の1ないし同号証の4、同号証の6ないし同号証の18、同号証の20ないし同号証の31)、「STORY」(2003年4月号ないし2006年11月号のうちの8誌)(甲第14号証の1ないし同号証の8)、「家庭画報」(2003年11月号ないし2005年11月号のうちの4誌)(甲第15号証の3ないし同号証の6)、「Precious」(2005年10月号及び2006年3月号)(甲第16号証の1及び同号証の3)、「VOGUE NIPPON」(2006年10月号及び2007年6月号)(甲第17号証の1及び同号証の4)、「婦人画報」(2006年3月号)(甲第19号証の1)、「LEON」(2007年5月号)(甲第20号証の2)、「ミセス」(2005年11月号)(甲第21号証の2)、「Zino」(2007年6月号)(甲第22号証)、「メイプル」(2006年8月号及び同年10月号)(甲第23号証の2及び同号証の3)、「CLASSY」(2004年11月号、2005年6月号及び2006年6月号)(甲第24号証(枝番を含む。))、「Gentry」(2004年11月号及び2005年5月号)(甲第25号証(枝番を含む。))、「VERY」(2003年4月号)(甲第26号証の1)、「ラピタ」(2004年11月号)(甲第29号証)、「GLAMOROUS」(2007年4月号)(甲第31号証)、「SPUR」(2006年8月号)(甲第33号証)、「marie claire」(2006年9月号)(甲第34号証)、「駱駝」(2005年6-7月号)(甲第37号証)、「SympHony」(2005年4月号ないし同年6月号)(甲第38号証(枝番を含む。))、「InRed」(2005年2月号)(甲第40号証)である。
(ウ)以下の月刊誌において、ロゴDAKS商標を使用した被服類以外の商品の宣伝広告がされていること。
すなわち、バッグについては「STORY」(2006年1月号及び同年6月号)(甲第14号証の4及び同号証の6)、「CLASSY」(2004年11月号、2005年6月号及び2006年6月号)(甲第24号証(枝番を含む。))、「SPUR」(2006年8月号)(甲第33号証)、ベルトについては「CLASSY」(2005年6月号)(甲第24号証の2)、傘については「STORY」(2006年6月号)(甲第14号証の6)及び「CLASSY」(2005年6月号)(甲第24号証の2)、文房具類については「STORY」(2006年6月号)(甲第14号証の6)及び「TAKASHIMAYA」(2004年クリスマス号)(甲第39号証)である。
(エ)以下の月刊誌において、DAKS商標ないしダックス商標を使用し、被服類を中心に、その他、バッグ、時計、文房具類などの宣伝広告がされていること。
すなわち、DAKS商標を使用した宣伝広告は、被服類については「MEN’S EX」(2003年12月号、2005年3月号、2006年4月号、同年10月号及び2007年4月号ないし6月号)(甲第13号証の5、同号証の9、同号証の19、同号証の24及び同号証の29ないし同号証の31)、「STORY」(2003年4月号及び2007年6月号)(甲第14号証の1及び同号証の9)、「VOGUE NIPPON」(2006年12月号)(甲第17号証の2)、「OCEANS」(2006年11月号及び2007年5月号)(甲第18号証の1及び同号証の2)、「ミセス」(2004年11月号)(甲第21号証の1)、「メイプル」(2005年10月号及び2006年10月号)(甲第23号証の1及び同号証の3)、「CLASSY」(2004年11月号、2005年6月号及び2006年6月号)(甲第24号証(枝番を含む。))、「Gentry」(2004年11月号及び2005年5月号)(甲第25号証(枝番を含む。))、「VERY」(2007年7月号)(甲第26号証の2)、「Nile’s NILE」(2004年10月号)(甲第28号証)、「ラピタ」(2004年11月号)(甲第29号証)、「GLAMOROUS」(2007年4月号)(甲第31号証)、「SPUR」(2006年8月号)(甲第33号証)、「marie claire」(2006年9月号)(甲第34号証)、「ChouChou」(2005年1月号)(甲第35号証)、「駱駝」(2005年6-7月号)(甲第37号証)、バッグについては「STORY」(2007年6月号)(甲第14号証の9)、「OCEANS」(2007年5月号)(甲第18号証の2)、「ミセス」(2004年11月号)(甲第21号証の1)、「CLASSY」(2004年11月号、2005年6月号及び2006年6月号)(甲第24号証(枝番を含む。))、「Gentry」(2005年5月号)(甲第25号証の2)、「VERY」(2007年7月号)(甲第26号証の2)、「SPUR」(2006年8月号)(甲第33号証)、財布については「STORY」(2007年6月号)(甲第14号証の9)、時計については「STORY」(2007年6月号)(甲第14号証の9)、傘については「MEN’S EX」(2005年3月号)(甲第13号証の9)、「STORY」(2007年6月号)(甲第14号証の9)、「CLASSY」(2005年6月号)(甲第24号証の2)、文房具については「STORY」(2007年6月号)(甲第14号証の9)、靴については「OCEANS」(2006年11月号)(甲第18号証の1)、ベルトについては「MEN’S EX」(2005年3月号)(甲第13号証の9)、「OCEANS」(2006年11月号及び2007年5月号)(甲第18号証の1及び同号証の2)、「CLASSY」(2005年6月号)(甲第24号証の2)、「Gentry」(2004年11月号)(甲第25号証の1)、眼鏡については「VERY」(2007年7月号)(甲第26号証の2)である。
また、ダックス商標を使用した宣伝広告は、被服類については「MEN’S EX」(2003年10月号、2003年12月号、2004年4月号ないし2007年6月号のうちの26誌)(甲第13号証の3、同号証の5及び同号証の8ないし同号証の31)、「STORY」(2006年1月号及び同年6月号)(甲第14号証の4及び同号証の6)、「家庭画報」(2003年10月号、同年11月号、2005年11月号及び2006年11月号)(甲第15号証の1、同号証の2、同号証の6及び同号証の8)、「OCEANS」(2006年11月号、2007年5月号及び同年7月号)(甲第18号証(枝番を含む。))、「婦人画報」(2006年4月号)(甲第19号証の2)、「ミセス」(2004年11月号及び2005年11月号)(甲第21号証の1及び同号証の2)、「メイプル」(2005年10月号、2006年8月号及び同年10月号)(甲第23号証(枝番を含む。))、「Gentry」(2005年5月号)(甲第25号証の2)、「VERY」(2003年4月号)(甲第26号証の1)、「ラピタ」(2004年11月号)(甲第29号証)、「SPUR」(2006年8月号)(甲第33号証)、「marie claire」(2006年9月号)(甲第34号証)、「駱駝」(2005年6-7月号)(甲第37号証)、「TAKASHIMAYA」(2004年クリスマス号)(甲第39号証)、「GRACE」(2007年5月号)(甲第41号証)、ベルトについては「MEN’S EX」(2005年3月号、同年5月号、同年6月号、2006年5月号及び2007年5月号)(甲第13号証の9、同号証の11、同号証の12、同号証の20及び同号証の30)、「家庭画報」(2003年11月号及び2005年11月号)(甲第15号の2及び同号証の6)、「OCEANS」(2006年11月号及び2007年5月号)(甲第18号証の1及び同号証の2)、バッグについては「STORY」(2006年1月号及び2006年6月号)(甲第14号証の4及び同号証の6)、「家庭画報」(2003年10月号、同年11月号、2005年11月号及び2006年11月号)(甲第15号証の1、同号証の2、同号証の6及び同号証の8)、「OCEANS」(2007年5月号)(甲第18号証の2)、「ミセス」(2004年11月号)(甲第21号証の1)、「SPUR」(2006年8月号)(甲第33号証)、「GRACE」(2007年5月号)(甲第41号証)、傘については「MEN’S EX」(2005年3月号)(甲第13号証の9)、「STORY」(2006年6月号及び同年11月号)(甲第14号証の6及び同号証の8)、靴については「OCEANS」(2006年11月号)(甲第18号証の1)、文房具については「STORY」(2006年6月号)(甲第14号証の6)、「TAKASHIMAYA」(2004年クリスマス号)(甲第39号証)である。
エ 週刊誌について
(ア)以下の週刊誌において、ロゴDAKS商標を使用した被服類の宣伝広告がされていること。
すなわち、「pen」(2003年9月15日号、同年10月15日号及び20005年5月1日号)(甲第42号証(枝番を含む。))、「PRESIDENT」(2006年4月17日号)(甲第43号証の1)、「日経ビジネス」(2005年9月12日号、2006年3月13日号及び2006年10月9日号)(甲第44号証(枝番を含む。))、「週刊ダイヤモンド」(発行年不詳の9月20日号、2003年10月18日号及び2004年3月13日号)(甲第45号証の2、同号証の3及び同号証の5)、「週刊文春」(発行年不詳の10月7日号)(甲第46号証)、週刊朝日増刊「GOLF L&S」(2005年7月30日号)(甲第48号証)である。
(イ)以下の週刊誌において、DAKS商標ないしダックス商標を使用した被服類などの宣伝広告がされていること。
すなわち、DAKS商標を使用した被服類の宣伝広告については、「PRESIDENT」(2006年4月17日号及び同年5月15日号)(甲第43号証(枝番を含む。))、「日経ビジネス」(2005年9月12日号、2006年3月13日号及び2006年10月9日号)(甲第44号証(枝番を含む。))、「週刊ダイヤモンド」(発行年不詳の9月20日号)(甲第45号証の2)、「朝日新聞エリア広告特集」(2006年9月23日号)(甲第47号証)、「シティリビング(フジサンケイ)」(2003年6月6日号)(甲第50号証)である。
また、ダックス商標を使用した被服類の宣伝広告については、「PRESIDENT」(2006年4月17日号)(甲第43号証の1)、「日経ビジネス」(2005年9月12日号、2006年3月13日号及び2006年10月9日号)(甲第44号証(枝番を含む。))、「週刊ダイヤモンド」(発行年不詳の9月20日号)(甲第45号証の2)、「朝日新エリア聞広告特集」(2006年9月23日号)(甲第47号証)、「シティリビング(フジサンケイ)」(2003年6月6日号)(甲第50号証)である。
さらに、DAKS商標又はダックス商標を使用したバッグ及び傘の宣伝広告が「シティリビング(フジサンケイ)」(2003年6月6日号)(甲第50号証)に掲載されている。
オ 新聞紙等について
本件商標の登録出願日前である2002年9月ないし2007年7月の間に発行された、いわゆる繊維及び服飾ファッション分野の専門誌である「日本繊維新聞」、「繊維ニュース」、「センイ・ジャアナル」、「繊研新聞」、「日本合成繊維新聞」、「WWD(ウーマンズ(ウィメンズ)・ウェア・デイリー・ジャパン)」、「メンズデイリー」及び「洋装ロータリー」、いわゆる一般紙である「朝日新聞」、「毎日新聞」、「讀賣新聞」、「産経新聞」、「夕刊フジ」及び「日本経済新聞」、いわゆるスポーツ紙である「スポーツニッポン」、「サンケイスポーツ」、「日刊スポーツ」、「スポーツ報知」及び「デイリースポーツ」、いわゆる産業新聞である「日経産業新聞」、「日経流通新聞(日経MJ)」、「日本工業新聞」、「フジサンケイビジネスアイ」及び「株式新聞」、いわゆるスポーツ用品分野の専門誌である「日本スポーツ工業新聞」並びにいわゆる地方紙である「熊本日日新聞」によれば、主に「ダックス」の片仮名(ロゴDAKS商標やDAKS商標はまれといえる。)をもって、申立人らの取扱いに係る被服類のほか、バッグ、時計についての情報記事、百貨店や被服販売店における商品のセールの記事が掲載されていること(甲第51号証(枝番を含む。))。
(4)商品カタログの発行
2003年ないし2007年の間において、被服類等が扱われた商品カタログが発行されており、これら各カタログの末尾頁には、申立人らの商標の使用許諾を受けていると推認し得る販売事業者の名称が日本語で表示されていること(甲第52号証の1ないし同号証の3及び同号証の5ないし同号証の11)。甲第52号証の4のカタログには日本語の解説部分があること。
(5)百貨店フェアの実施
申立人らは、2004年7月ないし同年11月の間、全国の百貨店において申立人ら商品の110周年フェアを開催したこと(甲第53号証の1)、2009年7月に申立人ら商品の115周年フェアを開催したこと(甲第53号証の2)。また、2006年においても三越百貨店において申立人ら商品のフェアが開催されたこと。このフェアにおいては、主として被服類を中心に、傘、バッグ、スリッパなどの商品が紹介されたこと(甲第53号証の3)。
(6)販売キャンペーンの実施
申立人らは、2004年ないし2006年の間において、母の日キャンペーン、父の日キャンペーン及びテディベアキャンペーン(クリスマスシーズン)を開催したこと。このキャンペーンにおいては、主として被服類を中心に、財布、バッグ、文房具、ベルトなどの商品が紹介されたこと(甲第54号証(枝番を含む。))。
(7)申立人らの商標を使用した商品の販売実績についての陳述
申立人らが提起した、商標権侵害訴訟事件において、平成19年7月時点において、申立人らの商標を使用した商品の小売りベースでの我が国における売上げが520億円であり、これが、国内第3位の売上高である旨の陳述書を提出していること(甲第55号証)。
(8)主要百貨店との取引
平成19年2月時点において、全国の百貨店(その支店を含む。)内における、300を超える販売先との取引があったこと(甲第56号証(枝番を含む。))。
そこにおいて、申立人らの商標を使用した商品が売上高の上位を占め、2005年の百貨店レディスバイヤーズ賞を、及び2006年の百貨店メンズバイヤーズ賞を受賞したこと(甲第57号証(枝番を含む。))。
(9)愛玩動物用品の取り扱い
申立人らが、愛玩動物用の商品を取り扱っていること(甲第58号証(枝番を含む。))。
(10)黒色で表されたロゴDAKS商標についての証明
黒色で表されたロゴDAKS商標に関して、被許諾会社が製造・販売する商品について継続して使用した結果、2007年7月以前に、取引者・需要者間において周知・著名になっていることの証明が、被許諾会社の代表取締役、役員ないし担当者により、されていること(甲第59号証の1ないし同号証の20(甲第59号証の9を除く。))。
なお、この各証明について、甲第59号証の5ないし同号証の7の各商品、同号証の9、同号証の13ないし同号証の17、同号証の19及び同号証の20の各商品については、被服類以外に係るものである。
2 申立人ら使用商標の周知・著名性について
(1)ロゴDAKS商標について
上記1(3)のア、イの(ア)及び(ウ)、ウの(ア)ないし(ウ)、エの(ア)並びにオ、(4)ないし(8)並びに(10)を総合して検討すれば、ロゴDAKS商標は、使用された結果、被服類について、平成19年頃までには、取引者・需要者間において周知・著名性を獲得し、その周知・著名性が本件商標の登録査定時である平成25年4月頃においても継続していたと推認することができるものである。
また、ロゴDAKS商標は、上記証拠方法によれば、バッグ、ベルト、傘等についても使用されてきたものであるところ、これら商品が被服類と同様にファッション関連の商品として取り扱われ、その店舗や需要者を共通にするなど共通点も少なくないことを踏まえると、たとえ、被服類ほどの頻度の高さで使用されているとはいえないとしても、バッグ、ベルト、傘等の分野においても、取引者・需要者間において広く認識されていたということができる。
(2)DAKS商標について
上記1(3)のイ(イ)、ウ(エ)、エ(イ)及びオ並びに(5)ないし(8)を総合して検討すれば、DAKS商標は、使用された結果、被服類について、平成19年頃までには、取引者・需要者間においてある程度の周知・著名性を獲得し、その周知・著名性が本件商標の登録査定時においても継続していたと推認することができるものである。
また、DAKS商標は、上記証拠方法によれば、バッグ、財布、時計、傘、文房具類、靴、ベルトについても使用されてきたものであるところ、これら商品が被服類と同様にファッション関連の商品として取り扱われ、その店舗や需要者を共通にするなど共通点も少なくないことを踏まえると、たとえ、被服類ほどの頻度の高さで使用されているとはいえないとしても、バッグ、財布、時計、傘、文房具類、靴、ベルト等の分野においても、取引者・需要者間において広く認識されていたということができる。
(3)ダックス商標について
上記1(3)のイ(イ)、ウ(エ)、エ(イ)及びオ並びに(5)ないし(8)を総合して検討すれば、ダックス商標は、使用され、報道された結果、被服類について、平成19年頃までには、取引者・需要者間においてある程度の周知・著名性を獲得し、その周知・著名性が本件商標の登録査定時においても継続していたと推認することができるものである。
また、ダックス商標は、上記証拠方法によれば、ベルト、バッグ、傘、靴、文房具類についても使用され、報道されてきたものであるところ、これら商品が被服類と同様にファッション関連の商品として取り扱われ、その店舗や需要者を共通にするなど共通点も少なくないことを踏まえると、たとえ、被服類ほどの頻度の高さで使用されているとはいえないとしても、ベルト、バッグ、傘、靴、文房具類等の分野においても、取引者・需要者間において広く認識されていたということができる。
3 商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、前記第1のとおり、「Windaks」の欧文字を標準文字により表してなるものであるところ、その構成文字は、同じ書体、同じ大きさで等間隔をもって表されており、外観においては、一体的に把握されるとみるのが自然であり、これを殊更に「Win」と「daks」とに分離して把握すべき事情は見いだし得ない。また、本件商標は、観念においては、それを構成する「Windaks」の欧文字が外国語の辞書類に掲載されているものではなく、特定の意味合いを有しない造語として認識されるものである。さらに、称呼においては、我が国でも比較的親しまれているといえる英語風に読まれるというのが自然であり、その構成文字に応じて「ウインダクス」、「ウィンダクス」、「ウインダックス」又は「ウィンダックス」の称呼が生ずるといえるところ、これら各称呼は、さほど冗長とはいえず、よどみなく一連に称呼し得るものである。
そうすると、本件商標は、上記2のとおり、申立人ら使用商標が取引者・需要者間に広く認識されていることを勘案しても、外観、観念及び称呼のいずれにおいても、構成文字の全体をもって一体的に把握され、「ウインダクス」、「ウィンダクス」、「ウインダックス」又は「ウィンダックス」と称呼され、特定の観念を生じさせない一種の造語として認識されるとみるのが相当である。
他方、引用商標は、前記第2の1のとおり、「DAKS」又は「Daks」の文字よりなるものであって、それら商標からは「ダックス」又は「ダクス」の称呼が生じ、辞書類に特定の意味合いが掲載されていない造語ではあるが、申立人らの商標として取引者・需要者間に広く認識されているものであり、それぞれが一体的に把握されるものである。
そこで、本件商標と引用商標とを比較するに、両商標の間には、その外観において語頭の「Win」の文字の有無など、その称呼において「Win」の文字に相応する「ウイン」又は「ウィン」の音の有無などの大きな差異があるほか、引用商標が申立人らの商標として取引者・需要者間に広く認識されているとしても、本件商標が特定の観念が生じない造語として認識されるものである以上、観念において両者を相紛れるおそれがあるということもできないから、両商標は、外観、称呼及び観念のいずれの点においても、相紛れるおそれがない非類似の商標というべきものである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
4 商標法第4条第1項第10号について
本件商標は、上記3のとおり、「Windaks」の欧文字を標準文字により表してなるものであるところ、外観、観念及び称呼のいずれにおいても、構成文字の全体をもって一体的に把握され、「ウインダクス」、「ウィンダクス」、「ウインダックス」又は「ウィンダックス」と称呼され、特定の観念を生じさせない一種の造語として認識されるものである。
他方、申立人ら使用商標は、前記第2の2のとおり、「DAKS」又は「ダックス」の文字よりなるものであって、それら各商標からは「ダックス」又は「ダクス」の称呼が生じ、辞書類に特定の意味合いが掲載されていない造語ではあるが、取引者・需要者間に広く認識されているものであり、それぞれが一体的に把握されるものである。
してみれば、本件商標と申立人ら使用商標との間には、その外観において語頭の「Win」の文字の有無など、その称呼において「Win」の文字に相応する「ウイン」又は「ウィン」の音の有無などの大きな差異があるほか、申立人ら使用商標が取引者・需要者間に広く認識されているとしても、本件商標が特定の観念が生じない造語として認識されるものである以上、観念において両者を相紛れるおそれがあるということもできないから、両商標は、外観、称呼及び観念のいずれの点においても、相紛れるおそれがない非類似の商標というべきものである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第10号に該当しない。
5 商標法第4条第1項第15号について
申立人ら使用商標は、上記2のとおり、使用され、報道された結果、被服類を始めとする商品について、平成19年頃までには、取引者・需要者間においてある程度の周知・著名性を獲得し、その周知・著名性は、本件商標の登録査定時においても継続していたと推認することができるものである。
しかし、申立人ら使用商標の周知・著名性を勘案しても、上記4のとおり、本件商標と申立人ら使用商標との間には大きな差異があり、両商標は、外観、称呼及び観念のいずれの点においても区別し得るものであるから、本件商標をその指定商品に使用しても、これに接する取引者・需要者が、該商品が申立人ら又は同人らと経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように誤認することはなく、その商品の出所について混同を生ずるおそれはないというべきである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。
6 むすび
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第10号、同項第11号及び同項第15号のいずれにも違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項に基づき、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
別掲 別掲1 引用商標6(登録第5371569号商標)

別掲2 「ロゴDAKS商標」(黒色で表されたもの)

異議決定日 2014-04-30 
出願番号 商願2012-103843(T2012-103843) 
審決分類 T 1 651・ 261- Y (W25)
T 1 651・ 253- Y (W25)
T 1 651・ 271- Y (W25)
T 1 651・ 251- Y (W25)
T 1 651・ 263- Y (W25)
T 1 651・ 262- Y (W25)
T 1 651・ 252- Y (W25)
最終処分 維持  
前審関与審査官 中山 悦子椎名 実 
特許庁審判長 林 栄二
特許庁審判官 梶原 良子
田中 敬規
登録日 2013-05-17 
登録番号 商標登録第5583031号(T5583031) 
権利者 株式会社 ヨンスンアパレル
商標の称呼 ウインダクス、ウインダークス、ウインダックス 
代理人 アイ・ピー・ディー国際特許業務法人 
代理人 蔦田 正人 
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代理人 蔦田 璋子 
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代理人 初瀬 俊哉 

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