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審決分類 審判 一部申立て  登録を維持 W42
審判 一部申立て  登録を維持 W42
審判 一部申立て  登録を維持 W42
管理番号 1284386 
異議申立番号 異議2013-900337 
総通号数 171 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2014-03-28 
種別 異議の決定 
異議申立日 2013-10-04 
確定日 2014-01-31 
異議申立件数
事件の表示 登録第5596847号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第5596847号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
登録第5596847号商標(以下「本件商標」という。)は、「dヒッツ」の文字を標準文字で表してなり、第9類、第35類、第38類、第41類及び第42類に属する願書記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務とし、平成24年12月14日に登録出願された商願2012-101718に係る商標法第10条第1項の規定による商標登録出願として、同25年1月25日に登録出願、第9類、第35類、第38類、第41類及び第42類に属する商標登録原簿に記載の商品及び役務を指定商品及び指定役務として、同年6月20日に登録査定され、同年7月5日に設定登録されたものである。

2 登録異議申立ての理由
登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、本件商標は商標法第4条第1項第11号に違反してなされたものであるから、同法第43条の2第1号により、その指定商品及び指定役務中、第42類「携帯電話通信による気象情報の提供,携帯電話通信による地震情報・津波情報・台風情報・火山情報・隕石情報の提供,電子計算機・自動車その他その用途に応じて的確な操作をするためには高度の専門的な知識・技術又は経験を必要とする機械の性能・操作方法等に関する紹介及び説明,情報通信に関する試験・研究・調査又はこれらに関する指導・コンサルティング」(以下「申立てに係る指定役務」という。)についての登録は取り消されるべきであるとして、登録異議の申立ての理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第5号証を提出した。
(1)引用商標
申立人が引用する登録第5514124号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲に示す構成からなり、平成23年9月28日に登録出願、第1類、第4類、第6類、第7類、第9類、第11類、第37類、第40類、第42類及び第45類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、同24年8月10日に設定登録されたものである。
(2)具体的理由
本件商標は、標準文字で一連に書してなるところ、欧文字の「d」及び片仮名「ヒッツ」という文字種に相違がある構成態様から、視覚上、「d」と「ヒッツ」に分離して看取されるものである。
また、欧文字1字は、特許庁商標課編「商標審査基準(第10版)」の「七,第3条第1項第5号」に「2.(1)ローマ字の1字若しくは2字からなるとき・・・」と記載されている(甲第3号証)。
これより、本件商標の構成中、「d」の欧文字は、識別力に乏しい部分であるから、その要部は「ヒッツ」であって、本件商標からは、「ディーヒッツ」の他、「ヒッツ」の称呼をも生ずる。
このことは、審決例(甲第4号証及び甲第5号証)からも裏付けできる。 一方、引用商標は、「Hitz」の文字からなり、その構成文字から、「ヒッツ」の称呼が生じるものである。
以上からすると、本件商標及び引用商標は、ともに「ヒッツ」の称呼を生じる類似の商標である。また、両者の第42類における指定役務も互いに類似するものである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものである。

3 当審の判断
(1)本件商標について
本件商標は、「dヒッツ」の文字からなるところ、欧文字「d」と片仮名「ヒッツ」からなるものと看取され得るものであるとしても、両文字は、同じ書体、同じ大きさ、等間隔で外観上まとまりよく一体的に表されているものであり、その構成文字全体に相応して生じる「ディーヒッツ」の称呼も、格別冗長とはいえないものであって、よどみなく一気に称呼し得るものである。
申立人は、ローマ字1字が商標審査基準では商標法第3条第1項第5号に該当するとされ、本件商標の構成中、「d」の欧文字は、識別力に乏しい部分であるので、要部は、「ヒッツ」である旨主張し、審決例を挙げている。
しかしながら、本件商標の申立てに係る指定役務に関する分野におけるローマ字1字について、職権をもって調査したところ、本件商標の語頭に位置するローマ字1字が、その指定役務について、記号等を表すものとして、取引上一般に使用されている事実を発見することができず、申立人の示す審決例は、本件商標とその構成文字やその指定商品及び指定役務などにおいて相違するものであって、本件商標とは事案を異にするものであるから、申立人の主張は採用できない。
そうとすれば、本件商標の構成中の「d」の欧文字は、役務の記号等を表すものとはいい難く、むしろ、本件商標は、その構成全体として特定の意味合いを理解させない一種の造語からなる商標とみるのが相当である。
以上を総合すると、本件商標は、構成文字全体に相応して、「ディーヒッツ」の称呼を生じ、一体不可分の一種の造語を表したものとみるのが自然であるから、特定の観念を生じないものである。
(2)引用商標について
引用商標は、別掲に示すとおり、「Hitz」の欧文字は、その構成中の「i」の点部分が黄色で表し、他の部分は、紫色で表してなる特徴を有するものである。
また、該文字は、辞書等に載録が認められないものであるから、特定の観念を生じさせない造語として看取されるものである。
そして、造語からなる引用商標については、我が国において一般に用いられている英語読みにならい、「ヒッツ」の称呼が生じるものである。
(3)本件商標と引用商標との類否
本件商標と引用商標とを比較すると、両者の外観は、前記したとおり、その構成において、明らかな違いがあり、外観上相紛れるおそれはないというべきである。
また、本件商標から生じる「ディーヒッツ」の称呼と引用商標から生じる「ヒッツ」の称呼とは、構成音数を異にする上、語頭部における「ディー」の音の有無という顕著な差異を有するから、これらをそれぞれ一連に称呼した場合、全体としての音感が相違し、称呼上彼此相紛れるおそれはない。
さらに、本件商標と引用商標とは、いずれも観念を生じないものであるから、観念上類似するとはいえない。
してみると、本件商標と引用商標とは、外観、称呼及び観念のいずれからみても、十分に区別することができる非類似の商標である。
したがって、本件商標は、指定役務の類否について判断するまでもなく、引用商標をもって、商標法第4条第1項第11号に該当するものとは認められない。
(4)むすび
以上のとおり、本件商標の登録は、その指定商品及び指定役務中、申立てに係る指定役務について、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
別掲 別掲(引用商標)


(色彩については、原本参照。)

異議決定日 2014-01-23 
出願番号 商願2013-4517(T2013-4517) 
審決分類 T 1 652・ 261- Y (W42)
T 1 652・ 263- Y (W42)
T 1 652・ 262- Y (W42)
最終処分 維持  
前審関与審査官 海老名 友子 
特許庁審判長 関根 文昭
特許庁審判官 田中 亨子
寺光 幸子
登録日 2013-07-05 
登録番号 商標登録第5596847号(T5596847) 
権利者 株式会社NTTドコモ
商標の称呼 デイヒッツ、ヒッツ 
代理人 特許業務法人森本国際特許事務所 
代理人 森川 邦子 
代理人 浜田 廣士 
代理人 工藤 莞司 
代理人 長谷川 芳樹 

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