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審決分類 審判 査定不服 外観類似 取り消して登録 W05
審判 査定不服 観念類似 取り消して登録 W05
審判 査定不服 称呼類似 取り消して登録 W05
審判 査定不服 商品(役務)の類否 取り消して登録 W05
管理番号 1284245 
審判番号 不服2013-7175 
総通号数 171 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2014-03-28 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2013-04-18 
確定日 2014-02-03 
事件の表示 商願2012-77982拒絶査定不服審判事件について,次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願商標は,登録すべきものとする。
理由 1 本願商標
本願商標は,「SMART」の文字を標準文字で表してなり,第5類「薬剤(農薬にあたるものを除く)」を指定商品として,平成24年3月7日に登録出願された商願2012-17107号に係る商標法10条1項の規定による商標登録出願として,平成24年9月26日に登録出願され,その後,指定商品については,原審における同年12月10日付けの手続補正書により,第5類「抗体或いはそのフラグメント又は誘導体からなる薬剤,抗体或いはそのフラグメント又は誘導体を生産する細胞又は遺伝子(医療用のものに限る。)」に補正されたものである。

2 原査定の拒絶の理由の概要
原査定は,「本願商標は,登録第5368554号商標と類似するものであり,また,引用商標の指定商品中『外科用又は整形外科用骨接合剤』は,英語では『bone cement』とされるものであるところ,この『cement』は『接着剤』の意味であることからすると,当該商品は『医療用の接着剤』であって,本願指定商品と同様の薬剤の範ちゅうに属するものであるから,本願商標の指定商品と引用商標の指定商品も互いに類似するものである。してみれば,本願商標は,商標法4条1項11号に該当する。」旨認定判断し,本願を拒絶したものである。
上記登録第5368554号商標(以下「引用商標」という。)は,別掲のとおりの構成からなり,平成18年5月19日に登録出願され,第5類「外科用又は整形外科用骨接合剤」及び第10類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として,同22年11月19日に設定登録され,現に有効に存続しているものである。

3 当審の判断
(1)本願商標と引用商標の類否について
本願商標は,前記1のとおり,「SMART」の文字を標準文字で表してなるものであり,構成文字に応じて「スマート」の称呼を生じ,「からだつきや物の形が細くすらりとして恰好がよいさま,身なりや動作などが洗練されて粋なさま」(「広辞苑 第六版」株式会社岩波書店)程の観念を生ずるものである。
一方,引用商標は,別掲のとおり,白抜きの「be」,「mix」及び「think」の文字を表した3つの赤色球体状図形(以下この3つの球体状図形をまとめて「図形部分」という。)の右に,「smart」の文字を黒色で横書きしてなるものであるところ,図形部分と「smart」の文字部分は,一見して分離して看取される構成と認められる上,「be」,「mix」及び「think」のそれぞれの語と「smart」の語が一体となって特段の観念が生ずるものとも認められない。また,「smart」の文字が,図形部分内に表された「be」,「mix」及び「think」の文字に比して極めて大きく書されていることからすれば,引用商標は,その構成中「smart」の文字部分が取引者,需要者に対し商品の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものといえるから,該文字部分から「スマート」の称呼を生じ,「からだつきや物の形が細くすらりとして恰好がよいさま,身なりや動作などが洗練されて粋なさま」程の観念を生ずるものといえる。
そこで本願商標と引用商標を比較するに,本願商標と引用商標は,外観上は差異を有するとしても,「スマート」の称呼及び「からだつきや物の形が細くすらりとして恰好がよいさま,身なりや動作などが洗練されて粋なさま」の観念を共通にするから,これらを総合的に勘案すれば,互いに類似するものというのが相当である。
(2)本願商標の指定商品と引用商標の指定商品中「外科用又は整形外科用骨接合剤」との類否について
本願商標の指定商品は,前記1のとおりであるところ,これらは,薬剤の範ちゅうに属するものであり,薬事法に規定する「医薬品」の範ちゅうに属するものと認められる。
一方,引用商標の指定商品に含まれる「外科用又は整形外科用骨接合剤」について検討するに,外科・整形外科の分野における「骨接合(術)」の1つとして,「インプラントで骨を固定する」方法があるところ(http://www.jnj.co.jp/jjmkk/general/dr/fracture/fracture_2.html),インプラントと骨の間に固定材(骨セメント)を使用する場合があること(http://www.zimmer.co.jp/artificial/knees/),「外科手術で骨などの接着に使われている…接着剤」を「骨セメント」と称していること(http://www.sugita-ace.co.jp/column/archives/2005/07/20/entry722.html),また,「接合剤」の英語が「cement」であって(「医学英和大辞典」株式会社南山堂),「骨接合剤」に照応する英語は「bone cement」といい得るところ,該「bone cement」は,一般には「人工関節と骨を固定する材料」である「骨セメント」を指すものである(「JIS工業用語大辞典【第5版】」財団法人日本規格協会)ことからすると,「外科用又は整形外科用骨接合剤」は,「骨セメント」に相応するものであると見て差し支えないといえる。
そして,「骨セメント」を取り扱う会社は,「医薬品・医療機器等安全性情報」(厚生労働省医薬食品局)と題するウェブサイト(http://www.mhlw.go.jp/houdou/2005/08/h0825-2.html)の記載によれば,例えば,「ジンマー株式会社」,「日本ストライカー株式会社」等が存するところ,その事業内容は,それぞれ「整形外科向け医療機器・器械の製造/輸入/販売」(http://www.zimmer.co.jp/company/overview.html),「医療器具の輸入販売」(http://www.stryker.co.jp/corp/)であり,また,上記以外の骨セメントを取り扱う者(株式会社東機貿)も,事業内容は「医療機器の輸入販売」とされているから,「骨セメント」は,薬剤を取り扱う者とは異なる者によって,製造,販売されているということができる。
さらに,香川県のウェブサイト(http://www.pref.kagawa.lg.jp/kgwpub/pub/cms/detail.php?id=569)の「医療機器クラス分類表」によれば,「整形外科用骨セメント」は,「高度管理医療機器」に分類されており,薬事法上,医薬品とは異なる定義がされている(薬事法2条1項及び5項)。
以上のことからすると,本願商標の指定商品と,引用商標の指定商品中「外科用又は整形外科用骨接合剤」(骨セメント)とは,その生産(製造)部門,販売部門,販売経路を異にしており,これらに同一又は類似の商標が使用されたとしても,その出所について互いに混同を生じるおそれはないといえるものであり,その他,両商品が互いに類似するというべき特段の事情は見受けられないから,互いに非類似の商品であるというのが相当である。
また,本願商標の指定商品は,引用商標の上記以外の指定商品と類似するものでもない。
(3)まとめ
以上からすれば,本願商標は,引用商標に類似する商標ではあるが,引用商標の指定商品と同一又は類似の商品について使用をするものではないから,本願商標が商標法4条1項11号に該当するとして本願を拒絶した原査定は,妥当でなく,取消しを免れない。
その他,本願について拒絶の理由を発見しない。
よって,結論のとおり審決する。
別掲 別掲(引用商標)

(色彩については,原本を参照されたい。)





審決日 2014-01-20 
出願番号 商願2012-77982(T2012-77982) 
審決分類 T 1 8・ 262- WY (W05)
T 1 8・ 263- WY (W05)
T 1 8・ 264- WY (W05)
T 1 8・ 261- WY (W05)
最終処分 成立  
前審関与審査官 鴨田 里果箕輪 秀人 
特許庁審判長 村上 照美
特許庁審判官 梶原 良子
守屋 友宏
商標の称呼 スマート 
代理人 井滝 裕敬 
代理人 中村 稔 
代理人 熊倉 禎男 
代理人 加藤 ちあき 
代理人 松尾 和子 

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