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審決分類 審判 一部取消 商50条不使用による取り消し 無効としない Y43
管理番号 1284219 
審判番号 取消2012-300996 
総通号数 171 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2014-03-28 
種別 商標取消の審決 
審判請求日 2012-12-21 
確定日 2014-01-06 
事件の表示 上記当事者間の登録第4768145号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。
理由 第1 本件商標
本件登録第4768145号商標(以下「本件商標」という。)は、「風見鶏」の漢字を書してなり、平成15年9月3日に登録出願、第30類「ぎょうざ,サンドイッチ,しゅうまい,すし,たこ焼き,肉まんじゅう,ハンバーガー,ピザ,べんとう,ホットドッグ,ミートパイ,ラビオリ」及び第43類「飲食物の提供」を指定商品及び指定役務として、平成16年4月30日に設定登録されたものであり、現に有効に存続しているものである。
そして,本件審判の請求の登録日は,平成25年1月23日である。

第2 請求人の主張の要点
請求人は、商標法第50条第1項の規定により、本件商標の指定商品及び指定役務中、第43類「飲食物の提供」についての登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、審判請求書、弁駁書及び口頭審理陳述要領書(口頭審理における陳述を含む。)において、その理由及び被請求人の答弁に対する弁駁等の理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第11号証を提出している。
1 請求の理由
本件商標は、その指定役務「第43類 飲食物の提供」について、過去3年間使用された事実が認められず、また、当該不使用につき正当な理由も発見できないので、商標法第50条第1項の規定に基づき、その登録を取り消すべきものである。
2 弁駁の理由
(1)使用に係る役務に対する抗弁
被請求人が「飲食物の提供」をしているとする証拠として提示しているのは、乙第10号証?乙第22号証である。
ア 乙第10号証及び乙第11号証について
「風見鶏本舗」がある場所は、お土産を販売する店舗が軒を連ねる観光地である。このような観光地には店先に簡易テーブルや椅子を置き観光客に一休みしてもらうための休憩場所を設けている風景を良く見る。そして観光客へのサービスとしてお茶を出すこともよく行われていることである。証拠として提示された店舗写真は正にこのような風景である。
ところで、指定役務としての「飲食物の提供」とは、店内において客の注文に応じて客の求める飲食物を提供し、そこで食してもらう業務をいう。
したがって「飲食物の提供」業務は、乙第10号証及び乙第11号証の写真に示すような観光客用のサービスの一環として行っているものとは全く異なるものである。よって、乙第10号証及び乙第11号証は請求に係る指定役務「飲食物の提供」に該当しない。
イ 乙第12号証について
証拠で示す「風見鶏の館」は、被請求人の店舗とは全く関係のない観光施設である。
ウ 乙第13号証について
被請求人は「提供された飲食物」を店舗で食する様子が表示されている、旨を主張している。
しかしながら、雑誌に載せることに伴う「風見鶏本舗」の宣伝広告のために特別に店内でモデルが試食しているのであり、一般客までにこのような試食が認められるものではないことは明らかである。店内の様子を見ても、陳列ケースにチーズケーキ等のお菓子類が販売用に並べられており、またモデルも「パパとママのお土産にしよっと♪」と言っていることからも「風見鶏本舗」は、菓子販売を目的とする店舗であり、飲食物を提供することを目的とした店でないことは明らかである。
エ 乙第14号証について
乙第14号証には、確かに「冷凍のおもちかえりようと、その場で食べれるのが用意されています」との記載がある。
しかし、これは店内に「飲食物を提供」する場所があって、そこで食することができる旨を示しているのではなく、お土産として箱詰めしてもよいし、直ぐに食べられる状態での販売もしていることを示しているにすぎないものと推察される。
オ 乙第15号証及び乙第16号証について
業として「飲食物を提供」するためのテーブルセットを発見することができない。
カ 乙第17号証?乙第19号証について
上記各号証の写真は正に観光地においてお土産を買う人々の風景を示している。神戸のお土産を多数扱っている軒を並べる店舗の軒先には観光客用のテーブルセットが置かれ、観光客の休憩所となっている。そこでは店先で買ったソフトクリームを腰かけて食べることもできる。このようなテーブルセットは観光地ならではのサービスとしての休憩場所であり、ここでは時間の制限を受けず休むのも自由だし、飲食するのも自由であり、店内において注文して飲食物を食する場所である「飲食物を提供」する空間とは全く異質なものである。
キ 乙第20号証?乙第22号証について
いずれの証拠からも指定役務の「飲食物の提供」の業務を行っている事実を発見できない。
(2)まとめ
本件の審判での取消の対象としている指定役務は「飲食物の提供」であるにもかかわらず、被請求人が提示した乙第1号証?乙第25号証において本件商標を使用している事実は、「菓子」、若しくは「菓子の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」である。
換言すれば、被請求人の証拠資料は、本件商標を使用する被請求人の店舗のある住所「神戸市中央区北野町3丁目5番5号」の付近は観光地として知られ、そこに訪れる観光客に対して、チーズケーキ等の菓子の土産品を販売する店舗名称が、「風見鶏本舗」である旨の事実を示しているにすぎない。
なお、乙第21号証の「メニュー兼チラシ」も「TAKE OUT OK!」と記載されていることからも、お土産として持ち帰る商品であることが前提とした証拠なので副次的な要素を示しているに過ぎないものである。
(3)以上のように、被請求人の提示する乙第1号証?乙第25号証には、本件審判の取消対象である指定役務「飲食物の提供」について本件商標の使用事実はない。
3 平成25年9月24日付け口頭審理陳述要領書
(1)被請求人の行っているソフトクリームの販売(提供)は、「飲食物の提供」の範ちゅうにふくまれるものであるかについて
被請求人の店舗の存在している場所は、神戸でも観光客の多くが立ち寄る異人館が多く集まっているところ(階段を上れば直ぐにある)の通り道にあり、特に観光シーズンや土日祭日には観光客で通りの往来が混雑する場所である。
このような状況下で、しかも公道まではみ出して置かれているテーブルセットが飲食物の提供場所であるという主張には、素直に受け入れ難い。むしろ、当該テーブルセットは観光客用のサービスとして自由に使用可能な休憩場所を提供しているものと見るのが自然であり、観光客も観光バスの駐車場から約20分程度坂道を歩いて当該場所にきているのであり、一休みの場所として捉えるものと思われる。
被請求人は「サービスに従事する者の目が通りにまで届くこのような店舗状況においては、店舗の店先や通りは店内と同一の空間と捉えられることが可能である」旨を主張している(陳述要領書第3頁第22行?同頁24行)。しかしながら、お土産を買う顧客のサービスをしながら混雑している通りの状況に気を配り管理することは現実には極めて困難なことであり、しかも吊り看板の死角に置かれているテーブルセットの状況をどのように把握するのだろうか(乙10、乙11及び乙29)。
また、被請求人は「2号店にて購入したソフトクリームを1号店の店先のテーブルセットにて飲食していることが示されている乙第18号証がそのいい例である」旨を主張している(陳述要領書第3頁第25号?同頁第27行)。しかしながら、当該1号店と目と鼻の先の階段を上がって直ぐに被請求人とは別の六甲山牧場のソフトクリームも販売されており、1号店の店先のテーブルセットにて食べているソフトクリームが必ずしも2号店にて購入したものであるとの断定には疑問が残る。
被請求人の行っているソフトクリームの販売(提供)が「飲食物の提供」の範ちゅうに含まれるならば、顧客がテーブルセットに席を確保しているのを見届けてソフトクリームを提供しなければならないのに、観光客で混雑する当該場所で、そのような配慮をすることは到底できるものではないし、また、ソフトクリームを買う顧客側も歩きながら食べることや、屋外の見晴らしの良い別の場所で腰かけて食べること(階段を上った所にはそのような場所もある)等を想定して購入していると思われるので、このようなソフトクリームを飲食物の提供の範ちゅうに含ませることはかなり無理がある。
以上、本件のように、有名な観光地に隣接する場所で、かつ混雑する公道にはみ出して置かれているテーブルセットを利用する人について(なかにはお土産のみを買った人もいる)、飲食物の提供用としてテーブルセットの使用を管理制限することは現実問題として困難であり、この場所を商標法でいう飲食物提供の場所であるとの被請求人の主張には、社会通念に照らしていささか受け入れ難いものである。
(2)店舗名称「風見鶏本舗」の文字の使用は、本件商標と社会通念上同一と認められる商標の使用であるかについて
「風見鶏本舗」について称呼的にも一連に一気に称えられ、「風見鶏」と「本舗」との識別性の軽重の差をもって恣意的に分断することは一般需要者の立場からして不自然である。需要者は「風見鶏本舗」と商標全体を一体として捉え認識するものである。
乙第41号証の審決でも、商標の類否については、商標の構成、指定商品等、個別具体的に判断すべき旨を示している。
このような観点から、構成上末尾における「本舗」の語の有無にしか相違点のない商標につき、指定商品(指定役務)が相互に抵触しているにもかかわらず、相互に非類似と判断され、他人に対して登録が認められている例が枚挙に遑がない程に多数挙げることができる。

第3 被請求人の答弁の要点
被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、答弁書及び口頭審理陳述要領書(口頭審理における陳述を含む。)及び上申書において、その答弁の理由等を要旨以下のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第48号証を提出している。
1 答弁の理由
(1)本件商標の使用事実の要点
本件審判は、登録第4768145号商標の指定商品及び指定役務中、第43類「飲食物の提供」について、不使用による商標登録の取消請求がなされたものである。
しかし、本件商標の商標権者は、本件審判の請求の登録前3年以内に我が国においてその請求に係る指定役務「飲食物の提供」について、本件商標を使用している。
(2)本件商標の使用の事実
ア 商標の使用者
乙第1号証「雑誌(るるぶ神戸’10-’11)」、乙第2号証「雑誌(るるぶ神戸’13)」、乙第3号証「商標権者のホームページ情報」、乙第4号証「雑誌(まっぷる神戸2006)」、乙第5号証「雑誌(るるぶ神戸’12)」及び乙第6号証「雑誌(まっぷる神戸’13)」には、「株式会社山源」および「神戸市中央区北野町3丁目5番5号」が表示されている。
また、乙第4号証「雑誌(まっぷる神戸2006)」には、本件商標の登録番号(第4768145号)が記載されている。
乙第7号証及び乙第8号証「インターネット情報(ブログ)」、乙第9号証「インターネット情報(食ベログ)」、乙第13号証「雑誌(神戸美少女図鑑vol.6)」、乙第23号証及び乙第25号証「インターネット情報(食ベログ)」には、「神戸市中央区北野町3丁目5番5号」が表示されている。
乙第10号証及び乙第11号証「店舗写真」には、商標権者「山源」の英語表示である「YAMAGEN」が表示されている。
乙第9号証「インターネット情報(食ベログ)」、乙第13号証「雑誌(神戸美少女図鑑Vol.6)」、乙第21号証「メニュー兼チラシ(原版)」、乙第23号証及び乙第25号証「インターネット情報(食ベログ)」には、商標権者のホームページ情報のURLが記載されており、商標権者のホームページ情報には「株式会社山源」および「神戸市中央区北野町3丁目5番5号」が表示されている。
イ 使用に係る役務
乙第10号証及び乙第11号証「店舗写真」には、店舗に設置されたテーブルセットにおいて、請求に係る指定役務「飲食物の提供」を行っている様子が撮影されている。乙第12号証「インターネット情報(ブログ)」には、上記テーブルセット及びテーブルセットにおいて「提供された飲食物(ソフトクリーム等)」が表示されている。乙第13号証「雑誌(神戸美少女図鑑Vol.6)」には、上記「提供された飲食物(チーズケーキ)」を店舗にて食する様子が表示されている。また、「テイクアウト」、「その場でいただきます」といった記載が表示されている。乙第14号証「インターネット情報(ブログ)」には、「その場で食べれる」との記載が表示されている。乙第15号証「インターネット情報(ブログ)」及び乙第16号証「インターネット情報(YouTube)」には、上記テーブルセットが表示されている。乙第17号証?乙第19号証「店舗写真」には、上記テーブルセットにて「提供された飲食物(ソフトクリーム、チーズケーキ等)」を食する様子が撮影されている。乙第20号証「インターネット情報(ブログ)」には、「提供された飲食物(チーズケーキ等)」が表示されている。乙第21号証「メニュー兼チラシ(原版)」及び乙第22号証「看板(原版)」には、役務「飲食物の提供」にて使用されるメニュー、チラシや看板等が表示されている。
ウ 使用に係る商標
乙第1号証「雑誌(るるぶ神戸’10-’11)」、乙第2号証「雑誌(るるぶ神戸’13)」、乙第3号証「商標権者のホームページ情報」、乙第4号証「雑誌(まっぷる神戸2006)」、乙第5号証「雑誌(るるぶ神戸’12)」、乙第6号証「雑誌(まっぷる神戸’13)」、乙第7号証及び乙第8号証「インターネット情報(ブログ)」、乙第9号証「インターネット情報(食ベログ)」、乙第10号証及び乙第11号証「店舗写真」、乙第12号証「インターネット情報(ブログ)」、乙第13号証「雑誌(神戸美少女図鑑vol.6)」、乙第14号証及び乙第15号証「インターネット情報(ブログ)」、乙第16号証「インターネット情報(YouTube)」、乙第17号証?乙第19号証「店舗写真」、乙第20号証「インターネット情報(ブログ)」、乙第21号証「メニュー兼チラシ(原版)」、乙第22号証「看板(原版)」、乙第23号証?乙第25号証「インターネット情報(食ベログ)」には、本件商標が記載されている。
なお、「本舗」の語は、「本店。特定商品を製造販売する大元の店。」等の意味を有する語として広く知られ、親しまれた語であり、他の語に付して商店名や屋号等を表すものである。そのことは乙第9号証にてブログ記載者が「風見鶏本店」と記載していることからも明らかである。よって、「本舗」の語自体については、自他商品等識別機能を有しておらず、有していても極めて弱いと思料する。
また、「チーズケーキ」等の商品名も、同様に自他商品等識別機能を有していないものと思料する。
特に、乙第17号証においては、「風見鶏」の語と「本舗」の語との間に間隔があり、「風見鶏」の語が明確に分離されている。
したがって、上記本件商標記載上において「本舗」の語や「チーズケーキ」等の商品名と結合して用いられた場合においても、単独の「風見鶏」の語が有するものと同一の自他商品等識別機能を有し、本件商標の商標見本と実質的に同一と認められる商標が使用されているものと思料する。
エ 使用時期
乙第1号証「雑誌(るるぶ神戸’10-’11)」の発行日の欄には、「2010年3月1日」と記載されている。乙第5号証「雑誌(るるぶ神戸’12)」の発行日の欄には、「2011年12月1日」と記載されている。乙第6号証「雑誌(まっぷる神戸’13)」の発行日の欄には、「2012年4月15日」と記載されている。乙第7号証「インターネット情報(ブログ)」の日付の欄には、「2010年7月7日」と記載されている。乙第8号証「インターネット情報(ブログ)」の日付の欄には、「2011年1月7日」と記載されている。乙第9号証「インターネット情報(食ベログ)」の日付の欄には、「2012年9月16日」と記載されている。乙第13号証「雑誌(神戸美少女図鑑vol.6)」の発行日の欄には、「2012年8月1日」と記載されている。乙第14号証「インターネット情報(ブログ)」の日付の欄には、「2011年3月10日」と記載されている。乙第15号証「インターネット情報(ブログ)」の日付の欄には、「2012年8月7日」と記載されている。乙第16号証「インターネット情報(YouTube)」の日付の欄には、「2012年3月29日」と記載されている。乙第20号証「インターネット情報(ブログ)」の日付の欄には、「664 days ago」と記載されており、「2013年2月26日」の664日前は「2011年5月4日」である。
(3)むすび
以上のとおり、本件商標は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において商標権者により指定役務「飲食物の提供」について使用していることが明らかである。
2 平成25年9月6日付け口頭審理陳述要領書
(1)本件審判の請求の争点における被請求人の意見及び反論
ア 主に、乙第10号証、乙第11号証、乙第17号証?乙第19号証に示された、被請求人の店舗店先に並べられた「テーブルセット」は、観光客用の休憩所ではなく、被請求人が提供する「飲食物の提供」を受ける際に使用されるものである。
というのも、乙第26号証に店先の通りの概要地図と写真を示すように、この通りは被請求人が経営する店舗(1?3号店)が主に集合した通りであり、観光客用のお土産屋が複数集まった通りではない。
乙第27号証に示すように、被請求人の店舗以外は、靴屋や異人館関係の店舗等であり飲食業とは異なる業種である。これらの店舗の前には「テーブルセット」は配置されていない。
そして、1号店は乙第28号証のとおりであり、「風見鶏チーズケーキ」、「風見鶏本舗」等の看板が店舗壁面に複数掲げられている。2号店は乙第29号証のとおりであり、被請求人の名称である「YAMAGEN」の文字が雨除けのカバーに記載されており、「Kazamidori honpo」や「風見鶏チーズケーキ」等の語が示された看板はもちろんのこと、「飲食物の提供」用の飲食物が陳列された「ショーケース」があり、そのすぐ傍に「飲食物の提供」用の「テーブルセット」が配置されている。さらに、3号店は乙第30号証のとおりであり、「風見鶏本舗」の文字が雨除けのカバーに記載されている。この「風見鶏」と「本舗」の文字の間には一文字以上のスペースが設けられている。
つまりは、通りに向かい合う店舗は同一の経営者が経営する系列店であり、それらの店舗前にのみに「テーブルセット」が配置されており、サービスに従事する者の目が通りにまで届くこのような店舗状況においては、店舗の「店先」や「通り」は「店内」と同一の空間と捉えられることが可能と思料する。2号店にて購入したソフトクリームやチーズケーキを1号店の店先の「テーブルセット」にて飲食していることが示されている乙第18号証がそのいい例である。
よって、「店内」に配置されたものと考えられる「テーブルセット」を、その通りを通る者が自由に使用可能な休憩所と捉えることは困難である。
また、主に乙第12号証、乙第13号証、乙第20号証において示されている、「ソフトクリームやチーズケーキ等の提供」に当たり利用に供されている「皿やコップ等の食器類」は、乙第10号証、乙第11号証、乙第18号証において「テーブルセット」上に示されている「食器類」と同一あるいは色違いのものである。
ここで、「食器類」が使用されているということは、単なる商品の販売だけではなく「飲食物の提供」があったことを示しており、ただ単にその場で購入したものを購入者自らが開封し、「テーブルセット」で飲食しているのではないことを示している。
なお、乙第33号証に示すように、被請求人は平成21年3月4日付にて飲食店営業の許可の申請を行っており、平成22年9月17日から平成28年9月30日までの営業許可を神戸市から受けている。この申請も請求人が主張するような「菓子」又は「菓子の小売サービス」のみを考えている場合には、一切不要のものである。よって、被請求人は「飲食物の提供」を行う明確な意思を有し、その結果として「飲食物の提供」を継続して行っていることを示している。
さらに、被請求人は平成22年9月頃には、現在の2号店の「ショーケース」(乙29)の背後にある厨房の位置に「飲食ブース」を設け、「飲食物の提供」を行っていたので、それを乙第34号証に示す。この「飲食ブース」においては、乙第35号証に示す隣接する物販用のレジとは別に、「飲食物の提供」用のレジが「ショーケース」の背後付近に設けられている。これは「飲食物の提供」が事業として採算性を有していることを示している。
乙第36号証に示す「ショーケース」には物販用のものとは別の製法で製造された「風見鶏」チーズケーキや複数人数用の大きめのプリン、カットされたスフレやロールケーキが陳列されている。例えば、物販用の「風見鶏」プリン等は、乙第37号証の示すように、保存期間等を考慮し密閉できるパッケージを利用するが、「飲食物の提供」用の「風見鶏」プリンでは、乙第38号証に示すように、密閉できないココット等の「陶器」が利用されている。このような持ち帰りに不向きな非密閉の容器や複数人数用の大きめの容器、その他カットされたロールケーキ等の上述した陳列内容は、被請求人がその場で飲食するための「飲食物の提供」を行っていることを示している。
なお、乙第34号証?乙第36号証に示す店舗内写真及び「ショーケース」等の写真の撮影時期は、乙第39号証に示すように平成22年9月8日であり、撮影者は被請求人である株式会社山源の代表取締役の山本忍氏である。
イ 「本舗」の語は、乙第40号証に示すように、「ある商品を作って売り出しているおおもとの店。」等の意味を有する語として広く知られ親しまれた語であり、他の語に付して商店名や屋号等を表すものである。よって、「本舗」の語自体は、需要者にとって自他商品等識別機能を有しておらず、有していても極めて弱いと思料する。
よって、「風見鶏本舗」の語に接する取引者あるいは需要者は、前半の「風見鶏」について特に印象の強い部分と認識するため、「風見鶏本舗」の語の使用は、本件商標の社会通念上同一範囲における使用と考えられる。
一方、乙第29号証、乙第36号証に示すように、「ショーケース」内に陳列された「飲食物の提供」の提供対象である「チーズケーキ」に「風見鶏チーズケーキ」との表示がなされている。
「飲食物の提供」において、店内で提供されるものは法上の「商品」に該当しないのは、乙第42号証の取消2010-300769号審決公報の審決内容から明らかである。では当該「チーズケーキ」は何に該当するのかを考慮するに、背後の「飲食ブース」において提供されるために陳列され存在していることから「飲食物の提供」を内容とする「株式会社山源」の役務と見るのが相当であると考えられる。
よって、役務「飲食物(チーズケーキ)の提供」に対して「チーズケーキ」の語が自他商品等識別機能を有していないことは明らかであることから、被請求人における「風見鶏チーズケーキ」の語の使用は、役務「飲食物の提供」における本件商標の使用に該当する。
さらに、乙第21号証、乙第22号証に示すように、被請求人が使用しているメニュー兼チラシや看板にも「風見鶏」や「風見鶏チーズケーキ」の語が使用されている。役務「飲食物の提供」において、メニューや看板等に標章を付する行為は、「役務の提供に当たりその提供を受ける者の利用に供する物に標章を付する行為」(商標法第2条第3項第3号)あるいは「役務に関する広告、価格表若しくは取引書類に標章を付して展示する行為」(同項第8号)に該当すると考えられる。
よって、メニューや看板等における被請求人による上述の「風見鶏」や「風見鶏チーズケーキ」の使用は、本件商標の使用に該当する。
したがって、上記記載上において「風見鶏」の語が「本舗」や「チーズケーキ」等の語と結合して用いられた場合においても、「風見鶏」の語単独が有するものと同一の自他商品等識別機能が発揮され、本件商標と社会通念上同一と認められる商標が使用されているものと思料する。
なお、被請求人は、本件「飲食物の提供」に当たり、その提供を受ける者の利用の供する物である「皿」に対し「風見鶏」との標章を付して役務を提供していたので、その証拠として乙第45号証にそれを示す。
被請求人においては、本件使用は出所表示として標章を付して利用する趣旨であり、よって本件商標の使用に該当するものと思料する。
ウ 乙第17号証?乙第19号証に示す店舗写真の撮影時期は、乙第46号証に示すように平成23年4月29日、4月30日及び5月3日であり、被請求人である株式会社山源の代表取締役の山本忍氏がゴールデンウィークの客入り等を記録するため撮影した写真である。
(2)弁駁書における弁駁に対する被請求人の意見及び反論
ア 乙第10号証、乙第11号証について
観光客用サービスではなく、「飲食物の提供」を行っている点は、上述のとおりである。
各写真の撮影者は被請求人である株式会社山源の代表取締役の山本忍氏である。
イ 乙第12号証について
請求人は「乙第12号証には『風見鶏の館』と被請求人とを直接関連付ける記載が存在していない」との主張だが、本インターネット情報(ブログ)の5頁目において、本件商標と社会通念上同一と考えられる「風見鶏チーズケーキ」の語を使用した看板及び「テーブルセット」、役務の提供にかかる「食器(皿)」に載置されたソフトクリームとお茶が記載されている。この「食器」に置かれたソフトクリームは明らかに「テーブルセット」上におかれており、この写真の撮影者は「テーブルセット」に座りながら、お茶と共に提供された飲食物を飲食したことが推察される。
ウ 乙第13号証について
請求人は「『風見鶏本舗』は、菓子販売を目的とする店舗であり、飲食物を提供することを目的とした店ではない」との主張である。
しかし、本雑誌においては、「ショーケース」の写真が左下に掲載されており、この中から選択したチーズケーキ等を店員が「食器(皿)」に載置し客に渡すシーンの写真がその上に掲載されている。これは撮影上の演出であり、通常は店員が店先の「テーブルセット」のある場所までチーズケーキ等を運搬する。この写真の吹き出しで「テイクアウト」とあるのは、包装された商品を購入するのではなく店先の「テーブルセット」で飲食可能なことを意味する。よって、「その場でいただきまーす」との言葉も併せて記載されているのである。
したがって、「飲食物の提供」を目的とした店であることは明らかである。
エ 乙第14号証について
請求人は「『冷凍のお持ち帰りようと、その場で食べれるのが用意されています。』との記載は、店内に『飲食物を提供』する場所があって、そこで食することができる旨を示しているのではなく、お土産として箱詰めしてもよいし、すぐに食べられる状態での販売もしていることを示しているに過ぎないものと推察されます」との主張である。
しかし、本インターネット情報(ブログ)における「その場で食べれる」との記載は、上述と同様に店先の「テーブルセット」で飲食可能なことを意味している。よって、請求人における「すぐに食べられる状態での販売もしていることを示している」との主張は、つまりは「飲食物(ケーキ)の提供」が行われていることを認めていることとなる。
オ 乙第15号証、乙第16号証について
請求人は「業として『飲食物の提供』するための『テーブルセット』を発見することができない」との主張だが、乙第15号証においては、2頁目の一番上に掲載された3号店の店先の左下に「テーブルセット」が存在する。これは乙第10号証?乙第12号証、乙第26号証、乙第29号証、乙第30号証で示された「テーブルセット」と同じ配置である。よって、平成24年8月7日以前においても「テーブルセット」が存在し、乙第10号証?乙第12号証で示されたような「飲食物の提供」が通常業務として行われていたことを示している。
また、乙第16号証においては、掲載された映像画面の左下に、すなわち1号店の店先に「テーブルセット」が存在する。これは乙第17号証?乙第19号証で示された「テーブルセット」と同じ配置である。よって、平成24年3月29日以前においても「テーブルセット」が存在し、乙第17号証?乙第19号証で示されたような「飲食物の提供」が通常業務として行われていたことを示している。
カ 乙第17号証?乙第19号証について
観光客用サービスではなく、「飲食物の提供」を行っている点は、上述のとおりである。各写真の撮影年月日や撮影者は、上述のとおりである。
キ 乙第20号証?乙第22号証について
請求人は、「いずれの証拠からも指定役務の『飲食物の提供』の業務を行っている事実を発見できない」との主張である。
しかし、乙第20号証においては、「チーズケーキの提供」に当たり利用に供されている「皿やスプーン等の食器類」が表示されている。この「食器類」は乙第10号証、乙第12号証、乙第13号証、乙第18号証において示されている「食器類」と同一あるいは色違いのものである。
乙第21号証においては、請求人が使用しているメニュー兼チラシに「風見鶏」の語が使用されており、乙第22号証においては、看板に「風見鶏チーズケーキ」の語が使用されている。役務「飲食物の提供」において、メニューや看板等に標章を付する行為が、法上の使用に該当すると考えられるのは上述のとおりである。また、この看板は、乙第10号証?乙第12号証にも掲載されている。よって、これらの証拠によって示された「飲食物の提供」が行われていたことは明らかである。
ク 請求人「まとめ」について
請求人は「被請求人は観光地において土産物の菓子の販売あるいは菓子の小売等サービスをおこなっているにすぎない」との主張だが、被請求人はもちろん菓子の販売や菓子の小売等役務の提供も行っているが、その業務と併せて同店舗で「飲食物の提供」をも業として行っている。
例えば、「飲食可能なテラス席を併設したケーキ店」や「テーブルセット」を店先に並べた移動式おでん屋」など、厳密には「店内」と呼ぶことはできない場所を「飲食物の提供」する場所とし、業として「飲食物の提供」という業務を行っている飲食店はいくらでも存在する。こういった営業形態においては、屋内であることが「店内」なのではなく、その店の提供物を飲食可能なスペースが「店内」を意味すると推察する。また、需要者においても、そのような業態であっても、それらの店を「飲食店」と捉えているのが通常である。
被請求人は菓子等の販売と並行して、飲食店営業申請を行い「飲食ブース」を店内に設けたり、系列店が並列する立地条件を生かして店先に「テーブルセット」を配置したり、様々に工夫しながら飲食物の提供場所を設け、継続して「飲食物の提供」を行ってきた。
3 平成25年10月18日付け上申書
平成22年9月頃の「風見鶏チーズケーキの提供」に関する営業(売上)についての説明及びその証拠を以下に示す。
(1)乙第47号証について
乙第47号証に示す単品別売上分析表は、「飲食ブース」(乙34)が設けられていた2号店の平成22年9月1日から平成22年9月10日までの日次売上を単品別にまとめた表である。日付けは表の上部に記載されている。
平成22年9月1日の「風見鶏チーズケーキの提供」の売上点数は「1」点である。単価が「210円」であることから、この日の売上金額は「210円」である。
同様に、平成22年9月2日の「風見鶏チーズケーキの提供」の売上点数は「3」点であり、売上金額は「630円」である。
平成22年9月3日の売上点数は「2」点であり、売上金額は「420円」である。平成22年9月5日の売上点数は「5」点であり、売上金額は「1,050円」である。平成22年9月6日の売上点数は「2」点であり、売上金額は「420円」である。平成22年9月8日の売上点数は「1」点であり、売上金額は「210円」である。平成22年9月9日の売上点数は「5」点であり、売上金額は「1,050円」である。
このように平成22年9月頃においてほぼ連日「風見鶏チーズケーキの提供」は売上を計上している。よってこのような売上状況を鑑みるに、商標権者によって「風見鶏チーズケーキの提供」がこの時期に行われていたことは明らかである。
(2)乙第48号証について
乙第48号証に示す単品別売上分析表は、「飲食ブース」(乙34)が設けられていた2号店の平成22年1月21日から平成24年9月20日までの累計売上を単品別にまとめた表である。日付けは表の上部に記載されている。上記期間は本件使用に係る時期的要件を満たしている。

第4 当審の判断
1 本件商標の使用について
(1)被請求人の提出に係る証拠及びその主張によれば、以下の事実が認められる。
ア 乙第3号証は、被請求人(商標権者)である「株式会社山源」のウェブページである。これには、会社案内として、「お取り扱いについて」の項目に、「今まで店頭販売にこだわってきた風見鶏本舗の風見鶏チーズケーキですが、全国からたくさんのお問い合わせを頂きなかなか北野に来れないお客様の為にインターネット販売を始めました。異国情緒ただよう神戸、北野で生まれたチーズケーキです。北野は見所いっぱいの街です。お越しの際はぜひ風見鶏本舗にお立ち寄りください。ひんやりとろけるチーズケーキをご用意してお待ちいたしております。」の記載がある。
また、「会社概要」の項目に、販売事業者として「株式会社山源」、住所として「〒650-0002 神戸市中央区北野町三丁目5番5号」、代表者として「山本 忍」の記載がある。さらに、「店舗紹介」の項目に、3店舗の写真が掲載されている。
なお、このウェブページの印刷日は、2013年3月6日である。
イ 乙第29号証は、被請求人の2号店の店舗の外観写真である。そして、その1枚目の写真には、「YAMAGEN」及び「Kazamidori honpo」の店舗名があり、店内には商品が陳列され、また、看板、ショーケースなども写っており、「菓子」が販売されている様子が見て取れる。
ウ 乙第33号証は、神戸市保健所長による飲食店営業の「営業許可通知書」である。「営業許可の年月日」は、「平成22年9月17日」、「営業所所在地」は、「神戸市中央区北野町3丁目5-9」、「営業所の名称,屋号又は商号」は、「株式会社 山源」であり、この許可の効力は、平成22年9月17日から平成28年9月30日までの期間となっている。
エ 乙第34号証は、2号店の店舗内写真である。1枚目及び2枚目の写真には、菓子などの商品が陳列されている二段の脚付きの棚、商品ケース等の奥に、壁際に設置された三つのテーブルと4脚の椅子が置かれており、飲食ができる場所としての様子が見て取れる。3枚目の写真には、ショーケースが写っており、その中には、ケーキなどの菓子が並べられている。
オ 乙第36号証は、乙第34号証の店舗内の写真に写っているショーケースに並べられているケーキなどの菓子の写真である。そして、中段に置かれた容器付きのケーキには、「風見鶏チーズケーキ」(以下「使用商標」という。)及び「1コ 210円」と記載された「紙の名称プレート」が表示されている。
カ 乙第39号証は、乙第34号証?乙第36号証の写真についての撮影日に係る写真データのプロパティの画面を印刷したものである。これによると、これらの写真の撮影日は、2010年9月8日である。
(2)以上によれば、神戸市中央区北野町三丁目5番5号に所在する被請求人の店舗(2号店)において、乙第34号証及び乙第36号証の写真から、店舗内の飲食できるテーブル及び椅子の置かれた場所において、ショーケースに並べられた「風見鶏チーズケーキ」の名称の菓子を提供していたことが十分に見て取れるものである。
そして、乙第34号証及び乙第36号証の店舗内の写真は、2010年9月8日に撮影されたものであるから、本件審判の請求の登録(平成25年1月23日)前3年以内である。また、「風見鶏チーズケーキ」の名称の菓子を店舗内で提供した行為は、「飲食物の提供」の役務の範疇に属するものである。
したがって、ショーケースに並べられ容器付きのケーキについて、「紙の名称プレート」に「風見鶏チーズケーキ」の文字が表示され、当該ケーキの提供の役務が行われていたものであるから、本件審判の請求の登録前3年以内に、被請求人によって使用商標がその指定役務について使用されていたものというべきである。
なお、上記使用商標が被請求人によって使用されているものであること、乙第34号証及び乙第36号証の写真の撮影時期が要証期間内であることについては、当事者間に争いはない。
また、請求人は、平成25年10月18日付け上申書について、何ら意見を述べていない。
2 社会通念上同一の商標について
(1)本件商標は、「風見鶏」の文字からなるところ、該文字は、「鶏にかたどった風見。西洋で寺院の塔上などに装置。」などの意味を有するものであって、その構成文字に相応して、「カザミドリ」の称呼を生じ、「風見鶏(鶏にかたどった風見)」の観念を生じるものである。
そして、使用商標は、「風見鶏チーズケーキ」の文字からなるところ、その構成中の「チーズケーキ」の文字部分は、飲食物の提供の役務における飲食物の名称であるから、自他役務の識別標識として機能するのは、「風見鶏」の文字部分である。
してみれば、使用商標は、該「風見鶏」の文字部分に相応して、「カザミドリ」の称呼を生じ、「風見鶏(鶏にかたどった風見)」の観念を生じるものである。
そうすると、使用商標は、本件商標と称呼及び観念を共通にするものであり、本件商標と社会通念上同一の商標というべきである。
3 小括
してみれば、被請求人(商標権者)は、要証期間内の平成22年9月頃に日本国内において、本件商標の指定役務「飲食物の提供」の範疇に属する「チーズケーキの提供」に、本件商標と社会通念上同一と認め得る「使用商標」を紙の「名称プレート」に使用したものである。
そして、被請求人の当該行為は、「飲食物の提供」の提供物である食べ物の「名称プレート」に標章を表示する行為であって、商標法第2条第3項第4号及び同第8号に該当するものである。
4 むすび
以上のとおり、本件商標は、商標権者によって、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、その請求に係る指定役務の「飲食物の提供」
について、使用されていたものというべきであるから、商標法第50条第1項の規定に基づき、その登録を取り消すべき限りではない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲
審理終結日 2013-11-08 
結審通知日 2013-11-12 
審決日 2013-11-25 
出願番号 商願2003-75843(T2003-75843) 
審決分類 T 1 32・ 1- Y (Y43)
最終処分 不成立  
特許庁審判長 井出 英一郎
特許庁審判官 田中 亨子
谷村 浩幸
登録日 2004-04-30 
登録番号 商標登録第4768145号(T4768145) 
商標の称呼 カザミドリ 
代理人 北村 光司 
代理人 宮田 信道 
代理人 島田 尚子 
代理人 高尾 俊雄 

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