ポートフォリオを新規に作成して保存 |
|
|
既存のポートフォリオに追加保存 |
|
審判番号(事件番号) | データベース | 権利 |
---|---|---|
異議2013900169 | 審決 | 商標 |
PDFをダウンロード |
審決分類 |
審判 全部申立て 登録を維持 W0109 審判 全部申立て 登録を維持 W0109 |
---|---|
管理番号 | 1282413 |
異議申立番号 | 異議2013-900142 |
総通号数 | 169 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標決定公報 |
発行日 | 2014-01-31 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2013-05-15 |
確定日 | 2013-11-28 |
異議申立件数 | 1 |
事件の表示 | 登録第5557262号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 登録第5557262号商標の商標登録を維持する。 |
理由 |
1 本件商標 本件登録第5557262号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲(1)のとおりの構成からなり、平成24年9月7日に登録出願、第1類「シリコン,シリコンインゴット」及び第9類「シリコンウェーハ」を指定商品として、同25年2月15日に設定登録されたものである。 2 引用商標 登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録商標は、以下の(1)?(7)のとおりであり、その商標権は、いずれも現に有効に存続している。以下、これらをまとめて「引用商標」という。 (1)登録第5290528号商標(以下「引用商標1」という。) 商標の構成:別掲(2) 登録出願日:平成21年9月1日 優先権主張:アメリカ合衆国、2009年3月2日 設定登録日:平成21年12月25日 指定商品 :第9類「半導体,半導体用ウェハー,集積回路,その他の電子応用機械器具及びその部品」 (2)登録第5290527号商標(以下「引用商標2」という。) 商標の構成:GLOBALFOUNDRIES(標準文字) 優先権主張:アメリカ合衆国、2009年3月2日 登録出願日:平成21年9月1日 設定登録日:平成21年12月25日 指定商品 :第9類「半導体,半導体用ウェハー,集積回路,その他の電子応用機械器具及びその部品」 (3)登録第5298470号商標(以下「引用商標3」という。) 商標の構成:GLOBALFOUNDRIES(標準文字) 登録出願日:平成21年9月1日 優先権主張:アメリカ合衆国、2009年3月2日 設定登録日:平成22年1月29日 指定役務 :第40類及び第42類に属する商標登録原簿に記載の役務 (4)登録第5298471号(以下「引用商標4」という。) 商標の構成:別掲(2) 登録出願日:平成21年9月1日 優先権主張:アメリカ合衆国、2009年3月2日 設定登録日:平成22年1月29日 指定役務 :第40類及び第42類に属する商標登録原簿に記載の役務 (5)登録第5435693号商標(以下「引用商標5」という。) 商標の構成:GLOBALSOLUTIONS(標準文字) 登録出願日:平成22年6月10日 設定登録日:平成23年9月2日 指定商品及び指定役務 :第9類、第35類及び第40類?第42類に属する商標登録原簿に記載の商品及び役務 (6)登録第5435694号商標(以下「引用商標6」という。) 商標の構成:GLOBALSOLUTIONS(「GLOBAL」の部分は灰色) 登録出願日:平成22年6月10日 設定登録日:平成23年9月2日 指定商品及び指定役務 :第9類、第35類及び第40類?第42類に属する商標登録原簿に記載の商品及び役務 (7)登録第5435695号商標(以下「引用商標7」という。) 商標の構成:GLOBALSOLUTIONS(「GLOBAL」の部分はオレンジ色) 登録出願日:平成22年6月10日 設定登録日:平成23年9月2日 指定商品及び指定役務 :第9類、第35類及び第40類?第42類に属する商標登録原簿に記載の商品及び役務 3 登録異議申立ての理由(要旨) (1)商標法第4条第1項第11号について 本件商標と引用商標1に接する需要者・取引者は、両商標のうち最も強い印象を与える「地球を模した図形」と「GLOBAL」の文字を手がかりに、商品の出所を識別する。 したがって、時と所を異にして離隔観察した場合、本件商標と引用商標1は、外観上相紛らわしいものである。 さらに、本件商標の指定商品「シリコンウェーハ」は、引用商標1の指定商品「半導体,半導体用ウェハー,集積回路,その他の電子応用機械器具及びその部品」と類似する商品である。 したがって、本件商標は、商標法第4条1項11号に該当する。 (2)商標法第4条第1項第15号について 引用商標は、これらを我が国で出願した2009年又は2010年頃から申立人の販売する半導体及びその関連サービスの宣伝広告物について、継続して使用されている。 また、申立人の半導体売上が世界第2位であることからすれば、我が国の半導体及びその関連サービスの業界において、申立人の引用商標は、本件商標の出願時及び登録時の両時点に、申立人の事業や商品及びサービスを表す商標として、広く一般に認識されていることは明らかである。 本件商標と引用商標1及び4は、その構成中に、これらの商標に接する需要者・取引者に最も強い印象を与える「地球を模した図形」及び「GLOBAL」の文字を含む点において共通する。また、本件商標と引用商標2、3及び5?7は、その構成中に、「GLOBAL」の文字を含む点において共通する。 よって、本件商標がその指定商品に使用された場合、申立人の業務にかかる商品等であると誤認し、若しくは、申立人と経済的又は組織的に何らかの関係がある者の業務に係る商品等であると誤認して、需要者・取引者が商品等の出所について混同する虞れがある。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。 (3)結び 以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号に違反してなされたものであるから、その登録は取り消されるべきものである。 4 当審の判断 (1)商標法第4条第1項第11号について 本件商標は、別掲(1)のとおり、楕円形の中央部を「GWJ」の文字を白抜きに表した青色の円とし、その左右の部分を薄い青色に白抜きの編み目風模様としてなる図形を配し、その右横に、「Global Wafers Japan」の欧文字を書した構成からなるところ、図形部分と文字部分とは、それぞれが独立して自他商品の識別標識としての機能を果たし得るものである。 そして、「Global Wafers Japan」の欧文字部分は、同じ書体をもって表されており、外観上、構成文字全体としてまとまりのある印象を与えるものである。 また、当該文字部分から生ずる「グローバルウェハーズジャパン」の称呼も、無理なく称呼し得るものである。 してみれば、本件商標は、その構成文字部分が一体不可分のものとして、認識、把握されるといえるものである。 なお、本件商標の構成文字中「Global」の文字部分は、「地球規模の」の意味を有する平易な英語として理解されるとしても、「Global」の文字部分のみが、独立して看者の注意を惹くものとはいえない。 一方、引用商標1は、別掲(2)のとおり、オレンジ色と黄色からなる球体の表面に、白抜きの点で幾何模様を描いてなる球体状の図形と、その右横に、「GLOBALFOUNDRIES」の欧文字(「GLOBAL」の文字は、オレンジ色。)を書した構成からなるところ、図形部分と文字部分とは、それぞれが独立して自他商品の識別標識としての機能を果たし得るものである。 そして、「GLOBALFOUNDRIES」の欧文字は、「GLOBAL」の文字部分がオレンジ色で書されているとしても、同書、同大、等間隔をもって表されており、外観上、構成文字全体としてまとまりのある印象を与えるものである。 また、当該文字部分から生ずる「グローバルファウンドリーズ」の称呼も、無理なく称呼し得るものである。 してみれば、引用商標1は、その構成文字部分が一体不可分のものとして、認識、把握されるといえるものである。 なお、引用商標1の構成文字中「GLOBAL」の文字部分は、上記同様に、独立して看者の注意を惹くものとはいえない。 そこで、本件商標と引用商標1との類否についてみるに、両者の図形部分については、上記したとおり、本件商標が、「GWJ」の文字と編み目風模様等を組み合わせた楕円形状の図形であるのに対し、引用商標1が幾何模様を描いてなる球体状の図形であるから、全体から受ける印象が著しく異なるものであって、それぞれを時と所を異にして観察した場合、外観上相紛れることなく別異のものとして認識し把握されるというべきである。 また、両商標の文字部分中、「Global」及び「GLOBAL」は、上述のとおり、独立して看者の注意を惹くものとはいえない。 以上のとおりであるから、申立人の主張する、両商標のうち最も強い印象を与える「地球を模した図形」と「GLOBAL」の文字を手がかりに、商品の出所を識別するものであって、本件商標と引用商標1は、外観上相紛らわしいものであるとする理由は採用できず、両商標を類似のものということはできない。 その他、両商標を類似とすべき事由は見い出せない。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。 (2)商標法第4条第1項第15号について ア 引用商標の周知・著名性について 申立人の提出に係る証拠によれば、申立人は、アメリカ合衆国の半導体製造企業として、2009年に設立、2012年には、半導体製造で世界第2位にランキングされ、約46億ドルと相当な売上げがあり、顧客は、株式会社東芝、株式会社リコーなどの日本の企業を含む世界各国の150社あって、日本においても、申立人による求人活動が行なわれ、また、日本の顧客向けのパンフレットが配布されたことが推認でき、さらに、半導体業界向けセミナーや国際会議での講演活動や、テレビのニュース番組の取材や報道機関向けのインタビュー等を介して広告宣伝を行ったことが認められる。 そして、上記求人活動に伴う資料、パンフレットには、引用商標1及び4が付され、また、セミナー、講演活動、テレビ番組等において、引用商標1及び4が使用されたことが認められる。 そうすると、引用商標1及び4は、本件商標の出願時には、申立人の業務に係る「半導体関連の商品」を表示するものとして、その需要者の間に相当程度知られていたものとみるのが相当である。 また、申立人は、引用商標5?7を使用して、世界各国の企業と共同で半導体の設計や組み立て等を行っている旨主張するも、引用商標5?7が表示されているのは、甲第23号証の英語による申立人のウェブサイトに数カ所表示されているのみで、引用商標5?7に係る「半導体の設計」等の売上高、広告宣伝の状況など、引用商標5?7の周知・著名性を具体的に裏付ける証拠が何ら提出されていないため、申立人の提出に係る証拠をもってしては、本件商標の登録出願時において、引用商標5?7が申立人の業務に係る「半導体の設計」等を表示する商標として、取引者・需要者の間に広く認識されていたものと認めることはできない。 なお、引用商標中、「GLOBAL」の文字部分のみで、申立人に係る商標として、取引者・需要者の間に広く認識されていたということは、申立人の提出された証拠からは認めることはできず、他にこれを認めるに足りる証拠はない。 イ 本件商標と引用商標との類否について (ア)引用商標4は、引用商標1と同一の構成からなる商標であるから、上記したとおり、本件商標と引用商標1及び4とは、十分に区別し得る別異の商標である。 (イ)引用商標2及び3は、上記したとおり、「GLOBALFOUNDRIES」の文字よりなるところ、当該文字は、同書、同大、等間隔をもって表されており、外観上、構成文字全体としてまとまりのある印象を与えるものであって、一体不可分のものとして、認識、把握されるといえるものである。 同じく、引用商標5?7は、上記したとおり、文字の着色の有無に違いはあるものの、いずれも「GLOBALSOLUTIONS」の文字よりなるところ、当該文字は、同書、同大、等間隔をもって表されており、外観上、構成文字全体としてまとまりのある印象を与えるものであって、一体不可分のものとして、認識、把握されるといえるものである。 そして、引用商標2、3及び5?7は、その構成中に「GLOBAL」の文字を含むものであるが、上記したとおり、当該文字は、独立して看者の注意を惹くものとはいえない。 そうしてみると、本件商標と引用商標2、3及び5?7とは、その構成中に「GLOBAL」の文字部分を含む点において共通にするとしても、両者の文字部分はいずれも一体不可分のものと認識され、明らかに区別し得るものであるから、両者は類似するところがなく、その他、本件商標と引用商標2、3及び5?7とを類似とすべき事由は見い出せない。 したがって、本件商標と引用商標2、3及び5?7とは、十分に区別し得る別異の商標である。 ウ 出所の混同について 上記したとおり、引用商標5?7は申立人の業務に係る「半導体の設計」等を表示する商標として、取引者・需要者の間に広く認識されていたものとはいえない。 また、引用商標1及び4に関しては、本件商標の出願時には、申立人の業務に係る「半導体関連の商品」を表示するものとして、その需要者の間に相当程度知られていたものであったとしても、本件商標は、引用商標と十分に区別し得る別異の商標であるから、本件商標は、商標権者がこれをその指定商品に使用しても、これに接する取引者、需要者をして、引用商標を連想又は想起させるものとは認められず、その商品が申立人又は同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかのように、その出所について混同を生ずるおそれはないというべきである。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。 (3)むすび 以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号のいずれにも違反して登録されたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものである。 よって、結論のとおり決定する。 |
別掲 |
別掲(1) (本件商標) (色彩は原本参照) 別掲(2) (引用商標1及び4) (色彩は原本参照) |
異議決定日 | 2013-11-20 |
出願番号 | 商願2012-72514(T2012-72514) |
審決分類 |
T
1
651・
261-
Y
(W0109)
T 1 651・ 271- Y (W0109) |
最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 箕輪 秀人 |
特許庁審判長 |
内山 進 |
特許庁審判官 |
井出 英一郎 小川 きみえ |
登録日 | 2013-02-15 |
登録番号 | 商標登録第5557262号(T5557262) |
権利者 | グローバルウェーハズ・ジャパン株式会社 |
商標の称呼 | ジイダブリュウジェイ、グローバルウエハースジャパン、グローバルウエハーズジャパン、グローバルウエハース、グローバルウエハーズ |
代理人 | 石村 理恵 |
代理人 | 小林 浩 |
代理人 | 鈴木 康仁 |
代理人 | 木下 茂 |
代理人 | 瀧澤 文 |
代理人 | 大森 規雄 |