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審判番号(事件番号) | データベース | 権利 |
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異議2013900137 | 審決 | 商標 |
不服2012650089 | 審決 | 商標 |
異議2012900292 | 審決 | 商標 |
不服200811461 | 審決 | 商標 |
不服201028413 | 審決 | 商標 |
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審決分類 |
審判 全部申立て 登録を維持 W030530 審判 全部申立て 登録を維持 W030530 審判 全部申立て 登録を維持 W030530 審判 全部申立て 登録を維持 W030530 審判 全部申立て 登録を維持 W030530 審判 全部申立て 登録を維持 W030530 審判 全部申立て 登録を維持 W030530 |
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管理番号 | 1281585 |
異議申立番号 | 異議2012-900360 |
総通号数 | 168 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標決定公報 |
発行日 | 2013-12-27 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2012-12-14 |
確定日 | 2013-11-08 |
異議申立件数 | 1 |
事件の表示 | 登録第5521751号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 登録第5521751号商標の商標登録を維持する。 |
理由 |
1 本件商標 本件登録第5521751号商標(以下「本件商標」という。)は,「宇治の郷茶」の文字を標準文字により表してなり,平成24年4月4日に登録出願され,第3類「茶又は緑茶芳香成分を配合した口臭用消臭剤,茶又は緑茶芳香成分を配合した香料,茶又は緑茶芳香成分を配合した薫料,茶又は緑茶芳香成分を配合したせっけん類,茶又は緑茶芳香成分を配合した化粧用せっけん,茶又は緑茶芳香成分を配合した化粧品」,第5類「茶を使用したサプリメント,茶を使用した液状のサプリメント,茶を使用した食餌療法用飲料,茶を使用した食餌療法用食品」及び第30類「茶,茶飲料,茶の風味の食品香料(精油のものを除く。),茶を使用した菓子,茶を使用したパン,茶を使用したアイスクリームのもと,茶を使用したシャーベットのもと」を指定商品として,平成24年8月27日に登録査定,同年9月14日に設定登録されたものである。 2 登録異議申立人の引用する商標 登録異議申立人「公益社団法人京都府茶業会議所及び京都府茶共同組合」(以下「申立人」という。)が引用する登録5050328号商標(以下「引用商標」という。)は,「宇治茶」の文字からなり,平成18年4月1日に地域団体商標として登録出願され,第30類「京都府・奈良県・滋賀県・三重県の4府県産茶を京都府内業者が京都府内において宇治地域に由来する製法により仕上加工した緑茶」を指定商品として,同19年5月25日に設定登録されたものである。 3 登録異議の申立ての理由(要点) (1)商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号該当性について 本件商標は,「宇治の郷茶」を標準文字で表してなり,第30類「茶」等を指定商品とするものである。 地名に「の郷」「の里」を付して「○○の郷」「○○の里」とした場合,懐古の情や望郷の念を込めて,その地自体を指す言葉として用いられることから,「宇治の郷」は「宇治」とほぼ同義である。そのため「宇治の郷茶」なる言葉も「宇治茶」とほぼ同義である。 そして,周知のとおり「宇治」は,茶(特に,高級茶)の産地である。 したがって,本件商標は,これをその指定商品中,第30類「宇治産の茶又は宇治産の茶飲料」に使用した場合,単に商品の産地を表示した語と認識するに止まるものであり,自他商品識別標識としての機能を果たし得ないものであるから,商標法第3条第1項第3号に該当する。 また,これを「宇治産の茶又は宇治産の茶飲料」以外の商品(第30類の茶の風味の食品香料(精油のものを除く。)等,第3類の全指定商品,第5類の全指定商品)に用いた場合は,その商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるから,商標法第4条第1項第16号に該当する。 (2)商標法第4条第1項第11号該当について 引用商標は,申立人の一人である京都府茶共同組合が所有する登録商標であり,「宇治茶」の文字を有し,第30類「京都府・奈良県・滋賀県・三重県の4府県産茶を京都府内業者が京都府内において宇治地域に由来する製法により仕上加工した緑茶」を指定商品とするものである。 前記のとおり,「宇治の郷」は「宇治」とほぼ同義であり,「宇治の郷茶」なる言葉も「宇治茶」とほぼ同義である。また,本件商標は,公報の参考情報として「ウジチャ」の称呼が付与されているが,このことは「宇治茶」の観念が生ずることの証左に他ならない。 したがって,本件商標と引用商標とは,観念的に類似し,その指定商品中の「茶」と「茶飲料」について同一又は類似するものであるから,本件商標は,商標法第4条第1項第11号に該当する。 (3)商標法第4条第1項第15号該当について 引用商標は,周知性を有することにより地域団体商標として登録されたものである。また,「宇治茶」は,地域団体商標登録制度が始まる前より,高級日本茶(緑茶)を表す商標として全国的に知られており,その商標を付した茶の出所が「京都府茶協同組合」であることも知られていた。 そして,前記のとおり,「宇治の郷」は「宇治」とほぼ同義であり,「宇治の郷茶」も「宇治茶」とほぼ同義であることから,本件商標をそのいずれかの指定商品に使用した場合,その商品の出所が京都府茶業協同組合であると誤認されるおそれがある。 したがって,申立人の商標として著名な引用商標と類似する本件商標がその指定商品中「茶」以外に使用された場合,商品の出所について混同を生ずるおそれがあるから,本件商標は商標法第4条第1項第15号に該当する。 (4)商標法第4条第1項第10号該当について 申立人のほか各種茶業団体及び京都府,宇治市等の地方公共団体は,平成18年に「宇治茶の郷づくり協議会」(以下「協議会」という。)を結成し,「宇治茶の郷」商標を用いて茶や茶関連の商品の販売促進事業を行っている。現在ではその活動と共に「宇治茶の郷」商標が全国的にも広く知られるようになっている。 したがって,本件商標は,他人である協議会及びその構成団体の業務に係る商品を表示するものとして需要者の間に広く認識されている「宇治茶の郷」に類似する商標であって,その商品やこれに類似する商品について使用するものであるから,商標法第4条第1項第10号に該当する。 4 当審の判断 (1)商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号該当性について 本件商標は,「宇治の郷茶」の文字を標準文字により一体に表してなるところ,これは,京都府南部の市。宇治川の谷口に位置し,茶の名産地として知られる「宇治」,格助詞「の」,「むら。さと。いなか。」を意味する「郷」(以上「広辞苑第六版」)及び本件商標の指定商品の一つ「茶」を結合したものと容易に認識し得るものであり,全体として「宇治のさとの茶」ほどの意味合いを認識させるものといえる。 しかして,その構成中の「郷」の文字は,それ自体,自他商品の識別標識としての機能を果たし得るものであり,また,全体から認識される「宇治のさとの茶」ほどの意味合いも,これが,直ちに「茶」や「茶飲料」の産地又はこれら商品の特定の品質を表示するものとして認識されるものとは言い難い。 この点,申立人は,地名に「の郷」「の里」を付して「○○の郷」「○○の里」とした場合,それはその地を指す言葉に他ならないから,「宇治の郷」は「宇治」とほぼ同義であり,「宇治の郷茶」も「宇治茶」とほぼ同義である旨主張するが,主張するのみで「宇治」が「宇治の郷」と,「宇治の郷茶」が「宇治茶」と称されている事実の立証はなく,両者を同義のものということはできない。 してみれば,本件商標は,これを,申立人の主張する「宇治産の茶又は宇治産の茶飲料」を含め,本件商標のいずれの指定商品に使用しても,その商品の産地又は品質を普通に用いれる方法で表示する標章のみからなる商標ということはできず,自他商品の識別標識としての機能を果たし得るものであり,また,商品の品質について誤認を生じさせるおそれもないものといわなければならない。 したがって,本件商標は,商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当しない。 (1)商標法第4条第1項第11号該当性について 本件商標は,「宇治の郷茶」の文字を標準文字により一体に表してなるものであるから,「ウジノサトチャ」又は「ウジノゴウチャ」の称呼を生じ,「宇治のさとの茶」ほどの意味合いを認識させるものといえる。 これに対し,引用商標は,「宇治茶」の文字からなり,前記2に示す商品を指定商品とし地域団体商標として登録されたものであるところ,その構成文字に相応し,「ウジチャ」の称呼を生ずるものであって,「宇治産の茶」ほどの観念を生ずるものである。 そこで,本件商標と引用商標とを比較すると,両商標は,「の郷」の文字の有無により,外観上明らかに相違するものであり,また,称呼についても,その部分から生じる「ノサト」又は「ノゴウ」の音の有無により,それぞれを一連に称呼した場合の語感,語調が明らかに異なり,容易に聴別し得るものである。 また,本件商標が「宇治のさとの茶」ほどの意味合いを認識させるのに対し,引用商標は「宇治産の茶」ほどの観念を生ずるものであるから,観念上も相違する。 この点,申立人は,両商標が同義である旨主張するが,前記のとおり,これらを同義のものとみることはできず,また,「宇治の郷茶」と一体に表された構成から,これに接する需要者が「の郷」の部分を捨象し,「宇治茶」を認識するとも言い難い。 してみれば,本件商標と引用商標とは,外観,称呼及び観念のいずれの点においても,相紛れるおそれのない非類似の商標というべきである。 したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第11号に該当しない。 (3)商標法第4条第1項第15号該当性について 引用商標は,地域団体商標として登録されたものであるから,その商標権者である京都府茶共同組合の業務に係る商品を表示するものとして,少なくとも,その産地・加工地である京都府及びその隣接府県に及ぶ程度の需要者の間に広く認識されていたものといえる。 また,「宇治茶」は,「京都府宇治地方から産出する茶。室町時代から茶道で賞美。」(「広辞苑第6版」)を意味し,また,「緑茶の産地ブランドに関する研究 調査研究報告書」(甲3)において,「静岡」,「京都(宇治)」,「鹿児島」,「福岡(八女)」,「埼玉(狭山)」の5つ茶の産地の中で,「京都・宇治」が地域ブランドイメージがもっとも高い産地とされていることが報告されていることなどから,「宇治茶」は,京都府宇治地方で生産される茶を示す語として古くから知られているものといえる。 しかしながら,前記のとおり,本件商標は,一体のものとしてのみ把握され,認識されるものであって,「宇治茶」と類似するものとはいえないし,「宇治の郷」と「宇治」及び「宇治の郷茶」と「宇治茶」とが同義のものということもできない。さらに,「宇治茶」が地域団体商標又は宇治地方で産出される茶として広く知られているとしても,これに接する需要者が,本件商標の構成において,その中間部に位置する「の郷」の部分を捨象し,「宇治茶」を認識するとも言い難い。 してみれば,商標権者が本件商標をその指定商品に使用しても,これに接する需要者をして,引用商標を連想又は想起させるものとはいえず,その商品が申立人又は同人と経済的又は組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのごとく,その商品の出所について混同を生じさせるおそれはないものといわなければならない。 したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第15号に該当しない。 (4)商標法第4条第1項第10号該当性について 申立人を含む各種茶業団体及び京都府,宇治市等の地方公共団体が平成18年に結成した協議会が「宇治茶の郷」の文字を用いて茶や茶関連の商品の販売促進事業を行っていることが認められる(甲4?12,19?29)。 しかしながら,「宇治茶の郷」は,その構成から一体のものとして把握され,認識されるものといえるから,これからは,「ウジチャノサト」の称呼を生じ,「宇治茶が生産される郷(さと)」ほどの意味合いを認識させるものである。 一方,本件商標は,前記のとおり,「ウジノサトチャ」又は「ウジノゴウチャ」の称呼を生じ,「宇治のさとの茶」ほどの意味合いを認識させるものであるから,両商標は,称呼及びそれぞれから受ける印象が明らかに異なるものであり,また,文字の配置の違いにより外観も相違するものであるから,これらを類似するものということはできない。 したがって,本件商標が「宇治茶の郷」と類似しない以上,本件商標は,商標法第4条第1項第10号に該当しない。 (5)むすび 以上のとおり,本件商標の登録は,商標法第3条第1項第3号並びに4条第1項第10号,同第11号,同第15号及び同第16号に違反してされたものではないから,商標法第43条の3第4項の規定により,維持すべきものである。 よって,結論のとおり決定する。 |
異議決定日 | 2013-10-31 |
出願番号 | 商願2012-26406(T2012-26406) |
審決分類 |
T
1
651・
263-
Y
(W030530)
T 1 651・ 272- Y (W030530) T 1 651・ 13- Y (W030530) T 1 651・ 25- Y (W030530) T 1 651・ 261- Y (W030530) T 1 651・ 271- Y (W030530) T 1 651・ 262- Y (W030530) |
最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 津金 純子 |
特許庁審判長 |
小林 由美子 |
特許庁審判官 |
渡邉 健司 前山 るり子 |
登録日 | 2012-09-14 |
登録番号 | 商標登録第5521751号(T5521751) |
権利者 | 大日本化成株式会社 |
商標の称呼 | ウジノサトチャ、ウジノサト、サトチャ、サト、ウジチャ |
代理人 | 鮫島 睦 |
代理人 | 特許業務法人京都国際特許事務所 |
代理人 | 特許業務法人京都国際特許事務所 |
代理人 | 川本 真由美 |