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審判番号(事件番号) データベース 権利
異議2013900387 審決 商標
異議2013900176 審決 商標

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審決分類 審判 査定不服 称呼類似 登録しない X30
審判 査定不服 外観類似 登録しない X30
審判 査定不服 観念類似 登録しない X30
管理番号 1278909 
審判番号 不服2012-19291 
総通号数 166 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2013-10-25 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2012-10-02 
確定日 2013-08-15 
事件の表示 商願2011-69711拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は、別掲のとおりの構成からなり、第30類「サブレ」を指定商品として、平成23年9月29日に登録出願されたものである。

2 引用商標
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録第5252087号商標(以下「引用商標」という。)は、「勝カレーパン」の文字を標準文字で表してなり、平成20年12月22日に登録出願、第30類「カレーパン」を指定商品として、同21年7月31日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。

3 当審の判断
(1)本願商標について
本願商標は、別掲のとおり、商品の包装箱(袋)を表したと思しき黒色図形内の中央左に風景画を、同じく、中央右に筆書き風書体をもって顕著に表された金色の「勝」の文字並びに該文字に比して小さく白抜きで表された6弁の花様の図形及び「勝サブレ」の文字をそれぞれ配し、さらに、該黒色図形の上方及び下方に、各々、該「勝サブレ」とほぼ同じ大きさをもって白抜きで表された「KANAGAWA DAIBA STORY」の文字及び「Monte Rosa」の文字をそれぞれ配してなるものである。
ところで、商標法第4条第1項第11号に係る商標の類否は、同一又は類似の商品又は役務に使用された商標が、その外観、観念、称呼等によって取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して、その商品又は役務に係る取引の実情を踏まえつつ全体的に考察すべきものであり、複数の構成部分を組み合わせた結合商標と解されるものについて、商標の構成部分の一部を抽出し、この部分だけを他人の商標と比較して商標そのものの類否を判断することは、その部分が取引者、需要者に対し商品又は役務の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものと認められる場合や、それ以外の部分から出所識別標識としての称呼、観念が生じないと認められる場合などを除き、許されないというべきである(最高裁 平成19年(行ヒ)第223号 平成20年9月8日 第二小法廷判決)。
そこで、これを本願商標についてみるに、本願商標は、上記のとおり、複数の文字及び図形を組み合わせてなるものであるところ、その構成中の中央に位置する風景画及び「勝」の文字は、いずれもほかの文字等に比して大きく表されており、その位置するところとあいまって、看者の注意を引きやすいものといえ、また、該風景画が直ちに特定の意味合いを想起させるとはいい難いのに対し、該「勝」の文字は、慣れ親しまれた漢字であることに加え、ほかの文字と異なる筆書き風書体で、かつ、強く印象づけられる金色で表されていることからすれば、外観上、本願商標の構成中の「勝」の文字部分が、商品の出所識別標識として最も強く支配的な印象を与えるとみるのが相当である。
また、上記「勝」の文字部分の直下には、6弁の花様の図形及び「勝サブレ」の文字が配されているところ、該図形は、その構成態様や位置するところに照らせば、外観上、さほど強く印象づけられるものとはいい難いのに対し、該「勝サブレ」の文字部分は、「勝」の文字と本願の指定商品を表す「サブレ」の文字を結合してなるものであるから、商品の出所識別に係る要部は「勝」の文字部分にあるといえるものであり、その直上に位置し、かつ、最も強く支配的な印象を与える「勝」の文字部分と少なからず関連あるものとして看取、把握され得るものといえる。
そして、本願商標の構成中の「KANAGAWA DAIBA STORY」及び「Monte Rosa」の各文字部分は、その文字構成や位置するところに照らせば、外観上、ほかの文字や図形と関連あるものとして看取、把握されるとはいい難い。
以上を踏まえれば、本願商標は、その構成中、中央に顕著に表された「勝」の文字部分が、取引者、需要者に対し、自他商品の識別標識として最も強く支配的な印象を与えるものであり、また、その直下に位置する「勝サブレ」の文字部分も、該「勝」の文字部分と関連あるものとして印象づけられるものであるから、これらの「勝」の文字部分を分離、抽出して、他人の商標と比較することが許されるというべきである。
したがって、本願商標は、その構成中の「勝」の文字部分及び「勝サブレ」のうちの「勝」の文字部分に相応して、「カツ、ショウ」の称呼を生じ、「勝(勝利)」の観念を生じるものである。
(2)引用商標について
引用商標は、「勝カレーパン」の文字を標準文字で表してなるところ、漢字と片仮名からなる構成であることから、「勝」の文字と「カレーパン」の文字とを結合してなるものと容易に認識されるものである。
そして、上記「カレーパン」の文字部分は、引用商標の指定商品を表す普通名称であって、商品の出所識別標識としての称呼及び観念が生ずることのないものであるから、引用商標は、その構成中、「勝」の文字部分が、取引者、需要者に対し、商品の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものということができる。
そうすると、引用商標は、その構成中の「勝」の文字部分を分離、抽出し、他人の商標と比較することが許されるものというべきであり、該文字部分が独立して出所識別標識としての機能を果たし得るものといえるから、該文字に相応して、「カツ、ショウ」の称呼を生じ、「勝(勝利)」の観念を生じるものである。
(3)本願商標と引用商標との類否について
本願商標と引用商標との類否について検討するに、本願商標と引用商標とは、全体の外観において差異を有するものの、その構成中において、独立して出所識別標識としての機能を果たし得る「勝」の文字を共通にするのみならず、「カツ、ショウ」の称呼及び「勝(勝利)」の観念を共通にするものであるから、相紛れるおそれのある類似の商標というべきである。
また、本願の指定商品は、引用商標の指定商品と類似するものである。
したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。
(4)請求人の主張について
ア 請求人は、引用商標について、その構成態様に照らせば、一体不可分のものとしてのみ認識されるものであって、その構成中の「勝」の文字部分のみが自他商品の識別機能を有する要部として認識されることはない旨主張するが、引用商標の構成中の「勝」の文字部分が、これに接する取引者、需要者に対し、商品の出所識別標識として強く支配的な印象を与える結果、該文字部分が独立して自他商品の識別標識として機能し得ることは、上記(2)のとおりである。
また、請求人は、既登録例を挙げて、本願商標と引用商標とは非類似の商標である旨主張するが、商標の類否の判断は、対比する商標について個別具体的に判断されるべきものであるところ、上記登録例は、商標の具体的構成等において本願とは事案を異にするものであり、本願商標については、上記(3)のとおり判断するのが相当であるから、ほかの登録例がその判断を左右するものではない。
したがって、これらの点についての請求人の主張は、いずれも採用し得ない。
イ 請求人は、本願商標に係る取引の実情として、第8号証ないし第34号証(枝番号を含む。)を提出し、本願商標は、その使用の結果、需要者の間に広く知られており、自他商品の識別機能を有するものであることが明らかである旨主張するが、上記各号証のいずれをみても、本願商標の構成中の筆書き風の書体からなる「勝」の文字、「勝サブレ」の文字又は6弁の花様の図形の一又はそのいずれかを組み合わせたものの使用が見受けられるにとどまり、別掲のとおりの構成態様からなる本願商標と同一と認められる商標の使用は見いだせないから、上記の請求人の主張は、その前提において失当である。
(5)まとめ
以上によれば、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当なものであり、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 別掲(本願商標:色彩については原本参照)





審理終結日 2013-05-07 
結審通知日 2013-05-13 
審決日 2013-06-28 
出願番号 商願2011-69711(T2011-69711) 
審決分類 T 1 8・ 261- Z (X30)
T 1 8・ 262- Z (X30)
T 1 8・ 263- Z (X30)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 安達 輝幸 
特許庁審判長 野口 美代子
特許庁審判官 田中 敬規
浦辺 淑絵
商標の称呼 カナガワダイバストーリー、ダイバストーリー、カツサブレ、カツ、ショー、マサル、モンテローザ 
代理人 丹羽 宏之 
代理人 中村 英子 
代理人 西尾 美良 

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