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審決分類 |
審判 査定不服 商64条防護標章 登録しない X1218 |
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管理番号 | 1277796 |
審判番号 | 不服2012-12202 |
総通号数 | 165 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2013-09-27 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2012-06-28 |
確定日 | 2013-07-11 |
事件の表示 | 商願2010- 68407拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
第1 本願標章 本願標章は、別掲のとおりの構成よりなり、第12類及び第18類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として、登録第5327405号商標(以下「原登録商標」という。)の防護標章として、平成22年8月31日に登録出願され、その後、指定商品については、原審における同23年7月11日付けの手続補正書により、第12類「陸上の乗物用の動力機械(その部品を除く。),陸上の乗物用の機械要素,乗物用盗難警報器,航空機並びにその部品及び附属品,鉄道車両並びにその部品及び附属品」及び第18類「皮革製包装用容器,かばん類,袋物,携帯用化粧道具入れ,傘,ステッキ,つえ,つえ金具,つえの柄,皮革」に補正されたものである。 第2 原登録商標 原登録商標は、本願標章と同一の態様よりなり、平成19年11月29日に登録出願、第12類「車いす,陸上の乗物用の交流電動機又は直流電動機(その部品を除く。),船舶並びにその部品及び附属品(「エアクッション艇」を除く。),自動車並びにその部品及び附属品,二輪自動車・自転車並びにそれらの部品及び附属品,乳母車,人力車,そり,手押し車,荷車,馬車,リヤカー,タイヤ又はチューブの修繕用ゴムはり付け片」、第14類「貴金属,キーホルダー,宝石箱,身飾品,貴金属製靴飾り,時計」及び第27類「洗い場用マット,畳類,人工芝,敷物,壁掛け(織物製のものを除く。),体操用マット,壁紙」を指定商品として、同22年6月4日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。 第3 原査定の拒絶の理由 原査定は、「本願標章は、自己の業務に係る商品を表示するものとして需要者間に広く認識されているものとは認められないものであり、かつ、他人がこれをその指定商品に使用しても、商品の出所について混同を生じさせる程に需要者間に広く認識されているものとも認められない。したがって、本願標章は、商標法第64条に規定する要件を具備しない。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。 第4 当審の判断 1 本願標章は、前記第1及び第2のとおり、原登録商標と同一の構成態様からなるものである。そして、請求人が、原登録商標の権利者と同一人であることは、その商標登録原簿の記載に徴して明らかである。 2 原登録商標の著名性 (1)原登録商標の著名性を立証するために、請求人が提出した証拠は、以下のとおりである。 ア 月刊雑誌の「STYLE WAGON」、「TREND WAGON」、「STYLE WAGON Club」、「Auto Klein」、「カスタム CAR」、「K-STYLE」、「VIPCAR」、「WAGONIST」、「VIPワゴン」、「VIPSTYLE」、「LUXG」の抜粋(資料1ないし資料11) イ 雑誌の「HIACE Style」、「HIACE 2nd」、「HIACE」、「ODYSSEY(STYLEWAGON)」、「ODYSSEY(ONE&ONLY)」、「ESTIMA(STYLEWAGON)」、「ESTIMA(ONE&ONLY)」、「ALPHARD(STYLEWAGON)」、「ALPHARD(ONE&ONLY)」、「ELGRAND(STYLEWAGON)」、「STEPWGN(ONE&ONLY)」、「NOAH・VOXY(STYLEWAGON)」、「NOAH・VOXY(ONE&ONLY)」、「WAGON R(STYLEWAGON)」、「WAGON R(ONE&ONLY)」、「only Mercedes」、「STEPWGN(STYLEWAGON)」、「STREAM(STYLEWAGON)」、「bB(ONE&ONLY)」、「VELLFIRE & ALPHARD」、「MOVE & Tanto」、「KCAR SPECIAL」、「GE&GD(フィット)」の抜粋(資料12ないし資料34) ウ 請求人が運営するインターネットによる通信販売のホームページ(資料35) エ 商品カタログ(資料36ないし資料38) (ア)商品カタログ「D.A.Dコレクション(A-side、B-side)」 (イ)商品カタログ「D.A.Dコレクション(C-side、D-side)」 (ウ)商品カタログ「D.A.Dコレクション(E-side)」 オ 請求人が使用する商品の梱包箱の写真(資料39) カ 請求人が使用する封筒の写真(資料40) キ 請求人のホームページ(資料41) (2)請求人の主張及び上記資料の検討 上記資料によれば、請求人は、同人のホームページや商品カタログ、あるいは、雑誌の広告において、原登録商標の指定商品に含まれる「自動車用インテリアパネル,自動車用シフトノブ,自動車用バックミラー,自動車用座席シートカバー,カーマット,自動車用自動車内装用部品,自動車用ナンバープレート用枠,自動車用バンパー,自動車外装用部品,自動車用マフラー,自動車用ホイール」などの商品(以下「請求人商品」という。)に、原登録商標と同じ態様と認められる商標を使用していることが認められる。 そして、原登録商標は、平成16年頃にその使用が開始され、その後も継続して雑誌に掲載されており、さらに、平成24年6月の請求人のホームページにおいても(資料41)、請求人商品に使用されていることが確認できるものであって、現在も継続して使用されているものである。 しかしながら、前記の雑誌は、その発行部数が不明であり、それらの雑誌に掲載された原登録商標が使用された請求人商品に係る宣伝、広告費も明らかではなく、さらに、これらの雑誌に掲載された宣伝、広告は、車の部品を自らカスタマイズしようとする者や特定の車種の所有者を対象とするものであって、原登録商標の指定商品に係る自動車等の一般的な需要者を対象とするものとはいい難い。 また、その需要者が接する機会が多いと認められるテレビやラジオにおいて、原登録商標が使用された請求人商品について、宣伝、広告を行っているといった事実も確認できない。 請求人の商品カタログについては、平成18年(2006年)11月1日現在、平成19年(2007年)2月1日現在、平成20年(2008年)2月1日現在のものなど5件にすぎず、その作成部数なども不明である。 また、請求人は、同人の運営するホームページにおいて、平成19年(2007年)11月頃からネット通販を開始し、また、東京都渋谷区、大阪府大阪市、埼玉県越谷市、千葉県柏市に直営店を運営し、原登録商標を使用してカー用品などを販売している旨の主張をしている。 しかしながら、その他の請求人提出に係る証拠においては、原登録商標が使用された請求人商品についての具体的な販売数量、販売額、市場占有率等に関する証拠は提出されておらず、これらについては不明である。 (3)小括 以上によれば、原登録商標と同じ態様の商標が、たとえ、一部の雑誌に平成16年頃から9年程の間掲載され、車の部品を自らカスタマイズしようとする者や特定の車種の所有者などの特定の需要者間において、請求人商品を表すものとして、ある程度知られていることが窺えるとしても、提出された証拠によっては、原登録商標が、その指定商品について使用された結果、需要者の間に広く認識されているものとは認めることができない。 その他、原登録商標がその指定商品について使用され、著名性を有するに至っていると判断し得る証拠を見いだすことができない。 3 まとめ 商標法第64条第1項は、防護標章登録を受けることができる登録商標について、商品に係る登録商標が自己の業務に係る指定商品を表示するものとして需要者の間に広く認識されているものでなければならないとされているところ、上記2のとおり、原登録商標は、その指定商品について、需要者の間に広く認識されているものと認めることができないものであるから、本願標章は、上記要件を具備していないものというべきである。 したがって、本願標章が商標法第64条に規定する要件を具備しないものとして本願を拒絶した原査定は、妥当なものであって、取り消すことはできない。 よって、結論のとおり審決する。 |
別掲 |
別掲(本願標章及び原登録商標) |
審理終結日 | 2013-05-09 |
結審通知日 | 2013-05-14 |
審決日 | 2013-05-28 |
出願番号 | 商願2010-68407(T2010-68407) |
審決分類 |
T
1
8・
8-
Z
(X1218)
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最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 吉田 聡一、冨澤 美加 |
特許庁審判長 |
井出 英一郎 |
特許庁審判官 |
谷村 浩幸 田中 亨子 |
商標の称呼 | ギャルソン、ガルソン、ガーソン、ジイ |
代理人 | 岸本 忠昭 |