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審決分類 |
審判 全部取消 商50条不使用による取り消し 無効としない Y30 |
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管理番号 | 1275249 |
審判番号 | 取消2012-300613 |
総通号数 | 163 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2013-07-26 |
種別 | 商標取消の審決 |
審判請求日 | 2012-08-01 |
確定日 | 2013-05-30 |
事件の表示 | 上記当事者間の登録第4990512号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。 |
理由 |
第1 本件商標 本件登録第4990512号商標(以下「本件商標」という。)は、「もてなし」の平仮名を標準文字で表してなり、平成17年12月12日に登録出願、第30類「茶」を指定商品として、同18年9月29日に設定登録されたものである。 なお、本件審判請求の登録は、平成24年8月17日にされたものである。 第2 請求人の主張 請求人は、本件商標の登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由を以下のように述べ、証拠方法として、甲1及び甲2を提出した。 本件商標は、その指定商品「茶」について、継続して3年以上、日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存しないから、商標法50条1項の規定により取消されるべきものである。 第3 被請求人の答弁 被請求人は、結論同旨の審決を求める、と答弁し、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として、乙1?7(枝番号を含む。)を提出した。 (1)本件商標「もてなし」は、2008年(平成20年)11月6日付けの請求書(乙1)のように本件商標を印刷したシール(以下「もてなしシール」という。乙2)を作成し、その「もてなしシール」を既存の茶封入袋(乙3)に貼着し販売することにより使用を開始した。 その販売実績についての数例は、次のとおりである。 ア 得意先「玉かずら」においては、平成22年8月7日付け、同23年6月25日付け及び同年12月27日付けの各納品書(順に乙4の1?4の3)が存在し、それには、「もてなし茶」と明示されている。 これら各納品書により、本件審判の被請求人による指定商品「茶」についての本件商標の使用の事実と、本件商標を付した「茶」の販売事実があることを証明する。 イ 得意先「株式会社キュウプロジェクト」においては、2011年(平成23年)6月24日付け及び2012年(平成24年)7月6日付けの各納品書並びに請求書(順に乙5の1及び5の2)が存在し、それには、「もてなし茶」と明示されている。 これら各納品書並びに請求書により、被請求人による指定商品「茶」についての本件商標の使用事実と、本件商標を付した「茶」の販売事実があることを証明する。 ウ 得意先「高島屋グループお得意様特別ご招待会(TOC)」においては、平成21年3月26日?同月28日まで、同22年9月23日?同月26日まで及び同23年8月26日?同月28日までの各店外催事出店申込書並びに催事商品発注書(順に乙6の1?6の3)が存在し、それには「もてなし茶」と明示されている。 これら各店外催事出店申込書並びに催事商品発注書により、被請求人による「茶」についての本件商標の使用事実と、本件商標を付した「茶」の販売事実があることを証明する。 (2)「もてなしシール」については、2012年(平成24年)2月1日付けの請求書(乙7)で明らかなとおり増版し、今後も継続して使用する。 (3)以上のとおり、本件商標は、指定商品「茶」について使用実績があり、商標法50条の規定する「継続して3年以上日本国内において登録商標の使用をしていないとき」に該当するものではない。 第4 請求人の弁駁 請求人は、被請求人の答弁に対し、何ら弁駁していない。 第5 当審の判断 1 被請求人の提出に係る乙各号証よりすれば、以下の事実が認められる。 (1)乙1及び7は、「有限会社東洋紙工」から商標権者である「株式会社新井園本店」に宛てた請求書であるところ、これらには、いずれも品名欄に「もてなし」、数量欄には、「5,000」、単価欄には「3」、及び金額欄には、「15,000」と各々記載されており、乙1の納品日欄には、2008年11月6日、乙7のそれには、2012年2月1日と記載されている。 (2)乙2は、縦長矩形内に地を金色にし、黒色で縦書きに「もてなし」と記載された10枚綴りのシール(もてなしシール)であり、また、乙3は、中央に大きく縦書きに「緑茶」の筆書き風文字を配した茶封入袋であり、その表面には、商標権者を表す2箇所の「新井園本店」の文字とともに、右上部に乙2の「もてなしシール」(1枚)が貼付されている。 (3)乙4の1?4の3は、いずれも商標権者である「株式会社新井園本店」から「玉かずら」に宛てた3通の「納品書(控)」であるところ、これらには、いずれも品名欄に「業務用もてなし茶」、数量欄に「1」、単価欄に「1260」と記載されているとともに、納品日欄には、順に「22年8月7日」、「23年6月25日」及び「H23年12月27日」と記載されている。 (4)乙5の1及び5の2は、いずれも商標権者である「株式会社新井園本店」から東京都渋谷区在住の(株)キュウプロジェクトのS氏に宛てた2組の納品書と請求書であるところ、これらには、いずれも商品名欄に「もてなし茶」、数量欄及び単価欄に数字が記載されているとともに、2011年06月24日及び2012年07月06日の日付が記載されている。 2 以上の認定事実より以下判断する。 (1)品名「もてなし」に関して 前記1(1)及び(2)よりすれば、乙1及び7の請求書における品名欄に記載の「もてなし」なる商品は、単価が3円であることから、シールの単価として妥当と判断し得ること及び請求書の発行者の名称である「有限会社東洋紙工」中の「紙工」部分の表示からして、これが、中央に大きく「緑茶」と書された茶封入袋(乙3)の右上部に貼付するための「もてなしシール」であって、当該シールは、自他商品識別標識としての商標を表示したシールであるというのが相当である。 そして、「もてなしシール」が商品「緑茶」の茶封入袋(乙3)に付されていること及び当該茶封入袋には、商標権者を表す2箇所の「新井園本店」が記載されていることからすれば、商標権者は、「もてなし」と書された縦書きの商標を商品「緑茶」の包装袋に貼付して使用しているものと認めることができる。 (2)品名「業務用もてなし茶」に関して 前記1(3)よりすれば、乙4の1?4の3からは、商標権者が、商品「業務用もてなし茶」を顧客「玉かずら」宛てに納品(納品日:順に平成22年8月7日、同23年6月25日及び同年12月27日)したことが認められるところ、当該「納品書(控)」に記載の品名「業務用もてなし茶」中の「業務用」及び「茶」の文字部分は、本件商標の指定商品「茶」との関係よりすれば、いずれも自他商品識別力を有しない文字部分である一方、「もてなし」の文字部分は、十分に自他商品識別力を有する文字部分として認識しうることから、これらに記載された「業務用もてなし茶」なる商品は、乙2及び3の「『もてなし』と書された縦書きの商標」(以下、「使用商標」という。)のシール、すなわち「もてなしシール」が貼付された商品であるというのが相当であり、該判断をくつがえすべき事情は全証拠によっても見あたらない。 したがって、乙2?4の3の「もてなしシール」、もてなしシールが貼付された「茶封入袋」及び「納品書(控)」を総合勘案すれば、商標権者は、使用商標を商品「茶」に貼付し、これを上記各期日に顧客に納品(販売・譲渡)したものと認めることができる。 (3)商品名「もてなし茶」に関して 前記1(4)よりすれば、乙5の1及び5の2からは、商標権者が、商品「もてなし茶」を東京都渋谷区在住の顧客「(株)キュウプロジェクトのS氏」宛てに納品し、同日に代金を請求(納品日及び請求日:順に平成23年6月24日及び同24年7月6日)したことが認められるところ、当該「納品書」及び「請求書」に記載の商品名「もてなし茶」からは、前記事情と同様、「もてなし」の文字部分が商標を表示した部分と見て差し支えないことから、これらに記載の商品も、「もてなしシール」が貼付された商品であるというのが相当であり、該判断をくつがえすべき事情は全証拠によっても見あたらない。 したがって、上記(2)と同様、乙2、3、5の1及び5の2を総合勘案すれば、商標権者は、使用商標を商品「茶」に貼付し、これを上記各期日に顧客に納品(販売・譲渡)したものと認めることができる。 (4)使用商標と本件商標の同一性及び使用対象商品について 上記(2)及び(3)に記載したとおり、乙4の1?5の2の各取引書類に記載された商品「業務用もてなし茶」及び「もてなし茶」に貼付されたと認められる使用商標(「もてなし」の文字を縦書きした構成)は、前記第1のとおりの構成からなる本件商標(「もてなし」の文字を標準文字で表した構成)と、その構成文字を共通にするものであるから、使用商標は、商標法50条にいう登録商標(本件商標)と社会通念上同一と認められる商標であることが明らかであり、また、使用対象商品は、「茶」であることも明らかである。 (5)使用商標の使用者及び使用時期について 上記(1)?(4)に記載したとおり、乙3の茶封入袋及び乙4の1?5の2の各取引書類には、本件商標の商標権者名が表示されており、乙4の1?5の2には、いずれも本件審判請求における要証期間内である平成21年8月17日?同24年8月16日の期間内の年月日が記載されていることから、商標権者は、要証期間内に、使用商標を商品「茶」に貼付し、販売・譲渡したことが認められる。 (6)小括 上記(1)?(5)を総合すれば、商標権者は、本件審判請求における要証期間内に日本国内において、本件商標と社会通念上同一と認める使用商標を本件審判請求に係る指定商品「茶」の包装袋に貼付して、これを譲渡したものというべきであり、この行為は、商標法2条3項2号に該当するものと認められる。 (7)まとめ 以上のとおり、被請求人は、要証期間内に、日本国内において、本件審判請求に係る指定商品「茶」について、本件商標と社会通念上同一の商標を商標権者が使用していたことを証明したものというべきである。 したがって、本件商標の登録は、商標法50条1項の規定により、その登録を取り消すことができない。 よって、結論のとおり審決する。 |
別掲 |
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審理終結日 | 2013-03-28 |
結審通知日 | 2013-04-02 |
審決日 | 2013-04-19 |
出願番号 | 商願2005-116324(T2005-116324) |
審決分類 |
T
1
31・
1-
Y
(Y30)
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最終処分 | 不成立 |
特許庁審判長 |
水茎 弥 |
特許庁審判官 |
梶原 良子 堀内 仁子 |
登録日 | 2006-09-29 |
登録番号 | 商標登録第4990512号(T4990512) |
商標の称呼 | モテナシ |
代理人 | 萼 経夫 |
代理人 | 竹下 和夫 |
代理人 | 笠松 直紀 |
代理人 | 山田 清治 |